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書籍と雑誌の要約と解説

痛風のすべて

信濃毎日新聞「みんなのカルテ」の大幅加筆

装丁
痛風のすべて 痛風のすべて――歴史から食事療法まで
加賀美年秀(山梨県中央病院医療局長/東京大学講師)
メディカルトリビューン
ISBN4-943946-91-7
1988/02/20
¥1300
目次
  1. はじめに
  2. 痛風の語源、歴史
  3. 病名、“痛風”の由来
  4. 歴史上の人物と痛風
  5. 尿酸、高尿酸血症とは
  6. 痛風の原因
  7. 痛風、痛風性関節炎とは
  8. 年齢、性、遺伝
  9. 関節炎以外の痛風の臨床像
    1. 痛風結節
    2. 腎障害(痛風腎)
    3. 腎結石
    4. 高血圧症
    5. 脂質代謝異常
    6. 心電図所見異常
    7. 糖代謝異常
    8. 肥満症
    9. 肝障害
  10. 痛風の死因
    1. 本邦例死因
    2. 死因・死亡年齢年次推移
    3. 発症・死亡年代別死因
    4. 外国例(アメリカ例)と本邦例の死因比較
  11. 高尿酸血症・痛風頻度の民族差、食生活習慣との関連
  12. わが国における痛風
  13. 高尿酸血症と痛風性関節炎・虚血性心疾患
  14. 痛風の治療
    1. 痛風性関節炎発作の治療
      1. 薬物療法
        1. コルヒチン
        2. インドメタシン,ナプロキセン
        3. 副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)
      2. 食事療法ほか
    2. 高尿酸血症・痛風腎の治療
      1. 薬物療法
        1. 尿酸排泄促進剤
        2. 尿産生合成抑制剤アロプリノール
        3. 血清尿酸降下剤使用のポイント
      2. 食事療法
        1. 高血圧症
        2. 高脂血症
        3. 糖尿病
        4. 腎結石
        5. 腎障害(痛風腎) – 腎不全
        6. 肥満症
        7. 高尿酸血症
      3. 透析療法
    3. まとめ
目次

尿中尿酸濃度を低くし,そして尿中尿酸排泄量を増加させるために,水,ジュース,サイダー,コーヒー,紅茶,日本茶,ウーロン茶などの水分は十分飲んでください.[P.100]

内容

痛風の語源[P.3]

痛風という病名は,体液学説に基づくラテン語の“gutta(グッタ)”,すなわち“滴”に由来し、
弱い関節に悪い体液がしたたり落ちて起こる病気の意に解釈されています.
英語の“gout(ガウト)”,フランス語の“goutte(ギュット)”,スペイン語の“gota(ゴタ)”などは,
いずれも同じ語源から出ていますが,ドイツ語の“Gicht(ギヒト)”だけはその語源を異にし,
「魔法の呪文にかけられて起こる病気」の意に解釈されています(図1,2).

痛風の起源[P.8]

西暦2~3世紀ころに発表されたとされる、
中国最古の医学書『金匱要略(きんきようりゃく)』の中の「中風歴節編」の項に、
痛風の臨床症状にほぼ合致する記載がありますので,
中国では,少なくとも西暦2~3世紀ころより痛風が存在したらしいとの推測が成立します.

しからば,“痛風”という病名はいつごろより用いられたのでしょうか.
僚友の鈴木修二博士(現東京大学物療内科助教授)の労作『痛風病名史考』によれば,
“痛風”なる医学用語が初めて用いられたのは,
南北朝時代における梁の陶弘景(446~536年)の撰による『本草書』『名医別録』.

わが国の医書に“痛風”という病名が初めて登場したのは,
安土桃山時代に曲直瀬道三が著した『啓迪(けいてき)集』(1571年)であるとされます.

痛風に罹った歴史上の人物[P.12-13]

ヘンリー7世:イギリス国王.
ミケランジェロ:彫刻家.
ルター:プロテスタント宗教改革の主人公.
ベーコン:哲学者,政治家.
クロムウェル:政治家,清教徒革命の立役者
ミルトン:盲目の詩人,『失楽園』の著者.
ドレイデン:桂冠詩人.
ルイ14世:フランス国王.
ニュートン:科学者,地球引力の発見者.
フランクリン:科学者,政治家,凧を利用して雷が電気であることを発見.
ハミルトン:政治家,アメリカ共和党の創始者.
ピッツ:政治家,10年戦争時代の大宰相.
ダーウィン:科学者,『進化論』の著者.

中略

中国,日本をはじめとするアジア諸国における
歴史上有名な痛風患者を探してみますと,わずかに,元の世祖,
忽必烈汗(フビライ汗,1251~1294年)の名が浮かんでくるにすぎません.

痛風のパターン[P.38-39_41-42]

初診時,関節炎が先行したか,腎障害が先行したかは,とくに著者のもとには,
こじれてから紹介来院する患者さんが多いので,明確ではありませんが,
種々検索のうえ推定すると,
症例の約1/2は腎障害が関節炎に先行しているものと考えられます。

すなわち,痛風には,関節炎から発症する症例と,
腎障害から発症する症例の両者があります.
どうして,こういったふたつのパターンが存在するかはわかりませんが,
両者の原因が原発性高尿酸血症にあることは,説明するまでもないでしょう.

*

とくに若年者においては,
結石形成が関節炎発症に先行する症例が少なくないことが知られていました.

著者自身の症例についてみますと,9%に結石が認められ,
このうち結石が関節炎に先行したもの56%,
関節炎が結石に先行したもの44%という結果が得られました.

結石排出から初回関節炎発作発症までの期間は数か月から10数年.

若年性痛風[P.39]

29歳以下の,いわゆる若年性痛風症例において,
高度の腎障害例を認めることは少なくありません.
その原因のすべては明らかではありませんが,
遺伝性素因が強く,独身で自己管理のずさんな症例が多いことが一因として挙げられます.

正常値痛風[P.40]

痛風患者さんのすべてが高尿酸血症を示すとは限りません.
明らかな痛風性関節炎であっても,数%の症例の血清尿酸値は7.0mg/dl以下,
つまり正常領域内にあります.
こういった症例は,血清尿酸値は正常であっても,
関節局所の尿酸代謝の異常――尿酸ナトリウムの異常沈着が存在するのです.
このことが忘れられてはなりません.

高血圧症[P.42]

症例の50%以上に高血圧症を認めます.
この場合も高血圧症が発作に先行する場合が少なくありません.

一般に,痛風患者に認められる高血圧症は良性で,
最高血圧は高くても,最低血圧は高くない症例が多く,
したがって,医師の側からすれば管理しやすく,
悪性高血圧症に至る症例はまずありません.

糖尿病[P.44]

かなり以前から,痛風症例に糖尿病が多いことが知られていました.
また,糖尿病は多いけれども,
その大部分はちょっとしたカロリー制限ですむ軽症例で,
薬物療法を必要とする症例の少ないことも熟知されていました.

著者自身の例についてみますと,明らかな糖尿病症例は3%にすぎず,
とくに薬剤を必要とする症例は1%にもなりませんが,
尿糖陰性の患者さんに,ブドウ糖を飲ませて血糖値を検査してみますと,
異常高値を示す症例は2/3の多きに達します.
すなわち,痛風で糖尿病の素因を併せもった症例はきわめて多いということになります.

死因[P.47_53]

痛風の死因に関して,詳細に触れた欧米の報告は,
ユー教授(ニューヨーク市立大学)の論文以外にはなく,
わが国においても,著者の報告以外には,
西岡久寿樹教授(東京女子医科大学)らの報告があるにすぎません.

そこで,ここでは,著者が過去5回にわたり,全国主要病院に対し実施した,
死亡痛風症例に関するアンケート集計結果に基づいて,
死因,予後決定因子について,主として尿毒症死例を中心として,
種々検討した要点を示したいと思います.

*

表7 痛風の死因――本邦例とアメリカ例の比較
死因 加賀美(1969~1982) ユー(1950~1979)
尿毒症 209例
(40%)
27例
( 7%)
虚血性心疾患 92例
(18%)
152例
(40%)
脳血管障害 68例
(13%)
30例
( 8%)
悪性新生物 68例
(13%)
44例
(12%)
その他 83例
(16%)
129例
(34%)
合計 520例
(100%)
382例
(100%)

イヌイットには痛風患者がいない[P.55-56]

著者が調べえた疫学的文献を通じ,
唯一の例外は,グリーンランド・エスキモー人であるようです.
クロー夫妻の調査によれば,彼らの1日平均蛋白摂取量は280g(現在の日本人は約80g)で,
総カロリーの44%(同約15%)を占めるにもかかわらず,
痛風患者を見出しえなかったといいます.
おそらく,数千年,数万年の長期にわたって極寒の地に住み,
獣鳥魚肉類(動物性蛋白・脂肪)に主食の大半を頼らざるをえなかった彼らは,
肉食人種として淘汰され,蛋白・脂肪代謝を種族繁栄のために有利にするための,
われわれとは異なった独自の処理機能を身に付けたものと考えられます.

食の欧米化で痛風が激増した南太平洋諸島住民[P.56-57]

19世紀初頭より多くの研究者により,
ポリネシア人・ミクロネシア人等の南太平洋諸島住民
[注:いわゆる黒潮民族,日本人は黒潮民族と,
中国大陸より渡来した騎馬民族との混血]について,彼らにリウマチ性疾患が多いことから,
痛風の存在が予測され,幾多の疫学的調査が繰り返されてきました.
しかし,1914年(大正3年)初めて,
2例のニュージーランド・マオリー族男子痛風患者が発見されるまで,
痛風症例はまったく証明されず,多くの研究者たちは,彼らの食生活習慣が含水炭素を主とし,
低蛋白,低カロリーで酒類を飲まないことが,
本来,彼らが強く有する痛風素因を引き出しえない原因であろうと推測していました.

ところが,第二次世界大戦後における
獣鳥魚肉類・アルコール飲料(主としてビール)摂取量の増大,
さらに,高脂肪・高カロリー食への急激な変換は,大戦前,多くの研究者たちが予測したとおり,
一挙に彼らの体の中に眠っていた痛風素因を目覚めさせる“引き金”となったのです.

表8に,ポリネシア成人の高尿酸血症・痛風罹患率に関する,
プライオール(1966年)の代表的な研究成績を示します.
表からわかるように,高尿酸血症の頻度はいずれも高率で,
3種族間に大きな相違は認められないのに,痛風罹患率については,男女ともに,
マオリー族とラロトンガ族,プカプカ族との間に大きな差が存在します.

一方,ミクロネシア成人に関するリード(1972年)の報告をみると,
ポリネシア人同様,各種族とも高尿酸血症の頻度はきわめて高率ですが,
痛風罹患率に明らかな種族差を認めます.
ちなみに,同報告にみるグアム島在住シャモロ族男子の食事は
蛋白98g,脂肪102gとあります.

以上から明らかなことは,黒潮民族の源流であるポリネシア・ミクロネシア人が,
他民族に比べ,高尿酸血症症例が著しく高率であること.
痛風にかかりやすい種族と,かかりにくい種族とが存在することの2点です.

なお,マオリー族に関しては,
現在,男子成人100例中20例が痛風という驚くべき事実が伝えられています.

表8 ポリネシア成人の高尿酸血症・痛風罹患率
性別 男子 女子
種族 マオリー ラロトンガ プカプカ マオリー ラロトンガ プカプカ
高尿酸血症 47% 44% 48% 39% 43% 49%
痛風 10% 2% 5% 2% 0 0

(プライオール,1966年)

同民族でも居住地によって高尿酸血症率が大きく異なる[P.58-59]

アメリカ在住フィリピン人の痛風罹患率は,
同じくアメリカ在住の白人,日本人よりはるかに高率で,
また,血清尿酸値も白人,日本人,中国人より明らかに高い値を示します.

さらに,同じフィリピン人でも,居住地のいかんにより,
血清尿酸値,高尿酸血症の頻度は著しく相違します.
とくに目につくのは,居住地別男子成人高尿酸血症の頻度です.
すなわち,マニラ,セブ市在住者においては8%にしか高尿酸血症を認めないのに反し,
ハワイ在住者では55%,アラスカ在住者では,
実に85%の高率に高尿酸血症が認められたという報告です.

結論として,多くの研究者は,
フィリピン在住フィリピン人が米飯主体の低蛋白・低カロリー食であるのに反し,
アメリカ在住フィリピン人が高蛋白(高プリン)・高脂肪食であることを指摘し,
アメリカ在住フィリピン人における高尿酸血症・痛風症例の多い原因として,
遺伝性素因に加えて,食事性因子――高プリン食の関与を強調しています.

なお,アメリカ人の痛風罹患率は,人口1万に対し40人,
イギリス人の痛風罹患率は30人と報告されています.

以上より明らかなように,東洋人,とくに黒潮民族は,
欧米人よりはるかに強い痛風素因を有するということです.
最近,台湾,中国における痛風の増加が報告されておりますが,
騎馬民族の痛風素因は黒潮民族よりははるかに弱いようです.

年度別酒類生産量[P.62]

表12 酒類生成数量の年次推移 (単位=1,000kl)
清酒 焼酎 ビール 果実酒類 ウイスキー類
昭和25年 188 188 255
30 467 280 442
35 685 265 1,162
40 1,089 210 2,006 42 69
45 1,257 218 3,037 37 144
50 1,350 205 3,897 28 248
55 1,193 264 4,559 46 367
58 1,185 432 5,053 59 412
60 928 670 4,852 51 273

国税庁関税部酒税課編:酒のしおり(1987年)より抜粋

有病率[P.62-63]

わが国における痛風の歴史は浅く,確実な症例の報告は,
明治31年(1898年)における近藤博士の報告に始まり,
終戦時の昭和20年(1945年)までの間に46例,
30年までに14例が加わり計60例が報告されていたにすぎません.

ところが,30年代以降の国民食生活の改善?――
欧米化に応じ,35年以降,痛風は激増し,
37年の御巫教授の全国調査では400例が,
40年における恩師大島良雄教授(現東京大学名誉教授)の全国集計では,
1,840例の存在が確認され,さらに,その後加速度的に増加の一途をたどり,
現在では,糖尿病に匹敵する
全身性代謝異常疾患のひとつとしての地位を不動のものにしました.

コルヒチン[P.70-71]

コルヒチンは,白血球が関節局所に集まること,
とくに尿酸ナトリウムの結晶を白血球が食べる(貪食)現象,
さらに,白血球から炎症を起こす物質を放出することを抑制しますが,
貪食制御作用を除くほかの働きは,あとで触れる消炎鎮痛剤ほど強くありません.

中略

筆者は,発作極期には毎食後ならびに眠前各1錠(1日4錠)を整腸剤,
もしくは消化管内ガス除去剤との併用のもとに投与し,
発作の軽減,消失に応じ,漸減,中止の方法を採用しています。
この方法により,通常,発作は1日後には半減,2~4日後には消失します。
この投与法だと,患者さんは下痢に悩まされることはなく,
また,重篤な副作用に遭遇することもありません。
なお,便秘傾向の患者さんには単独服用が歓迎されています.

数回発作を経験した患者さんの多くは,関節炎発作を予知することが可能で,
こういった場合には,あらかじめ準備しておいた本剤の眠前,
早朝各1錠の頓用により発作は予防されます.

非ステロイド系抗炎症剤(インドメタシン,ナプロキセン)[P.71-72]

これらの薬剤は,関節局所へ白血球が集まる現象,
ならびに白血球より炎症性物質が放出される作用を強く阻止することが知られていますが,
コルヒチンと異なり,白血球の結晶貪食能抑制作用はもちません.
したがって,痛風性関節炎発作だけでなく,
慢性関節リウマチ,変形性関節症,捻挫等の各種関節痛に対してもよく用いられます.

インドメタシン,ナプロキセン,両剤の副作用としては,
胃腸障害,ごくまれに造血器障害,薬疹,頭痛,めまい,肝機能障害,
呼吸器障害,腎障害等が報告されています.
いずれにしても,両剤投与に際しては,胃腸障害の存在を考え,
十分な胃腸薬の併用のもとに投与しないと,
患者さんの多くは腹痛,下痢等の消化器症状のために,服薬に耐えられません.

そこで,筆者は,ナプロキセンの場合には,
当初1日600mg(6錠)を胃腸薬との併用のもとに毎食後投与し,
疼痛の軽減に応じ漸減,中止.
インドメタシンの場合には,胃障害を起こす心配のない坐薬を好んで使用しています.
1日2~3個(100~150mg)より投与を開始し,
前者同様,疼痛の軽減に応じ漸減,中止することを原則としています.

なお,各種消炎鎮痛剤,とくにインドメタシンは
腎不全の患者さんの腎機能障害をさらに悪くすることがありますので,
優れた薬ですが,近年,腎不全の患者さんに対しては,使用しないことになっています.

尿酸降下薬の使い方[P.78-79]

関節炎発作は,血清尿酸値が高い症例ほど,頻発しやすいのですが,
血清尿酸値が急激に上昇しても,
また,まったく反対に,急激に下降しても誘発されやすい特徴をもっています.

したがって,血清尿酸降下剤を使って血清尿酸値を急激に下げると,
発作を起こすことがあります.
そこで,未治療の患者さんに対しては,まず,関節炎発作だけの治療を行ない,
発作が完全に消えてから3~4週間後
(この間,種々の臨床像の異常のいかんを検査します),
通常,どの薬を用いても1日1錠から投与を開始して徐々に増やし,
4~6週間をかけて緩やかに血清尿酸値を正常領域内にコントロールし,
維持量を決定すると,発作の出現は多くの場合,ほとんど抑制されます.

尿酸降下剤継続服用中の患者さんに発作を認めた場合には,
服用を中止することなくそのまま継続させ,発作治療薬を併用します.

ただし,治療開始6か月以内は不安定で,
仮に適切な治療が行なわれていても,発作を起こすことがありますので,
患者さんには,こういった痛風の病像の特徴をよく説明し,
発作の前兆があれば,前もって投与しておいたコルヒチン頓用を指示しておくと安全です.

痛風臨床像[P.80]

表17 痛風の臨床像の異常
文献例 自験例
痛風性関節炎 100  % 100%
尿所見異常 20~60 22
腎機能障害 22~91 66
腎結石 4~33 9
高血圧症 14~69 57
心電図所見異常 28~44 44
糖尿病 要治療 3~35
素因のみ21~73
3*
63
高トリグリセライド血症 43~84 58
肥満症 49~68 61**

*薬剤依存性1%以下 **ブローカ指数+10%以上

大酒家は大酒家であることを隠そうとする[P.98-99]

不思議なことに,大酒家であればあるほど,初診時の質問に対して過小申告をします.
たばこに関しては,どんな愛煙家でも,何本? と質問すると,
すぐに,50本とか70本とか返事が戻ってきます.
ヘビースモーカーが自らヘビースモーカーであることを隠そうとしません.

しかし,飲酒量となると,大酒家ほど質問に対する返事が遅く,歯切れが悪くなります.
どうも,どの程度の申告をすればよいのか迷うようです.
著者は,長い間の経験から,返事の遅い患者さんの申告を,原則として,信用しません.
返事の遅い患者さんほど大酒家であると判断して,まず,間違いがないからです.

以前は検査法が少なく,大酒家の本当の飲酒量は,家族,
とくにご夫人から聞き出すよりほかはなかった時代がありましたが,
現在ではγ-GTP(ガンマ-ジーディピー,正常値50IU/l以下)という血液中の成分を調べれば,
だいたいどの程度の酒飲みかわかる時代に入りました.

そこで,最近は,以前ほど初診時に問い詰めません.
ウイスキー水割り2杯といえばそのまま,ビール1本と答えればそのままを記録し,
再診時にγ-GTPの値を参考にしながら,本当の飲酒量を確認しております.

こんな例がありました.
初診時申告はウイスキー水割り2杯,検査の結果,γ-GTP450IU/l.
かなり高い値です.
そこで,著者「あなたのいう水割り2杯とは,
大ジョッキに半分ウイスキーを入れての水割り2杯,
つまり,毎日ボトル1本のウイスキーを飲んでいるということですか?」,
患者さん(目を丸くして)
「どうしてそんなことがわかるんですか!!……今の医学はすごい!!」
その後,この患者さんは来院しておりません.

アルカリ性の動物食品と酸性の植物性食品[P.100]

表27 酸性食品とアルカリ性食品の分類
酸性食品 アルカリ性食品
1.動物性食品(ただし乳汁と鳥獣肉類の血液のみはアルカリ性であるが,チーズ,バター,マーガリンは酸性食品である) 1.野菜類(ただしねぎ,アスパラガスは酸性食品である)
2.穀類,豆類,ココア,チョコレートも酸性食品である. 2.果物類(ただしくるみは酸性食品である)

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