バベルの図書館

書籍と雑誌の要約と解説

子どもが食べてる食品添加物

子どものからだへの影響は

装丁
子どもが食べてる食品添加物 子どもが食べてる食品添加物―子どものからだへの影響は
家庭栄養研究会
食べもの通信社(子どもの自然抵抗力を高める食生活シリーズ②)
ISBN4-924794-03-3
1989/09/20
¥1030
解説
今年、創立20周年を迎える家庭栄養研究会では、
発足の当初から、“安全な食べもの”の取り組みを、
運動の柱の一つとして位置づけてきました。
そして、食の安全に逆行する食品添加物については、
その使用実態、増加の背景、健康への影響、取り込みをすくなくする食の工夫など、
さまざまな課題を、「食べもの通信」誌上で明らかにしてきました。

本書は、これまでの掲載記事をあらたに子ども中心に絞り込み、
大幅に加筆、組み立てなおしたものです。
食品添加物関係の本は数多く出版されています。
しかし、子どもが対象のものはごくわずかです。

子どもたちのすこやかな成長、発達を食の面から保護するために、
本書をご活用くだされば幸いです。

目次
  1. 食品添加物 こんなものいらない
    1. 子どもの好物は食品添加物がギッシリ
      1. 加工食品のなかの食品添加物
        1. インスタントラーメン
        2. チルドハンバーグ
        3. ウィンナーソーセージ
        4. チルドギョウザ・シュウマイ類
        5. パン
    2. おやつのなかにも食品添加物
      1. スナック菓子
      2. センベイ
      3. ビスケット
      4. アイスクリーム
      5. 清涼飲料水
      6. おやつソ-セージ
      7. くだもの
    3. 企業が食品添加物剤を使うメリット
    4. 抜け穴多い新表示案 東京都地域消費団体連合会代表 寺田かつ子
  2. 今、食べている食品添加物の量は
    1. 食品添加物はどのように使われている
    2. 急増する輸入食品・ふえる食品添加物の摂取
    3. 生鮮食品も添加物づけ
    4. 手づくりおやつが消えて増えた食品添加物 医師・真弓定夫
    5. 添加物の少ない給食費は自校方式から
    6. バイオテクノロジーと食品添加物
  3. 子どものからだが心配
    1. 子どものからだにどうあらわれる添加物の影響
      1. 弱まっているからだの健康のコントロール
      2. 必要以上の食品添加物の取りこみがもたらすもの
      3. 動物実験だけで安全か
    2. 食品添加物、ここが問題
      1. 子どもに強い毒性
      2. 添加物同士の組み合わせが生む影響
      3. アレルギーの増加にも一役
      4. 犯人は薬だった
      5. 味覚異常を誘発する
  4. 食品添加物を減らす食べ方の工夫
    1. 食品添加物を減らし子どもの食を守る条件は
      食品環境衛生問題研究家 藤原邦達
    2. 家栄研の食生活への提言
    3. 食べ方の工夫をしてみましょう
      ―食べ方十ヵ条より―
    4. 各地での実践
      1. 一〇軒分の冷凍用コロッケ          高崎 和子
      2. 自然の食べもの、うま味をとり入れた給食   新海 尚子
      3. おやつや野菜の添加物を実験         岡本 秀明
      4. サマースクールでハムの発色剤テスト     竹浦 江子
      5. 地場の食材を給食に             宮田 伊津美
      6. 学校給食に低農薬野菜を取り入れて9年    古山 成江付録
    5. 食べ方工夫の献立例
      1. ご飯・めん類/カキご飯・ひじきご飯・信州なべ
      2. おかず/肉じゃが・あじの南蛮漬け・かぼちゃコロッケ
      3. 汁もの/のっぺい
      4. おやつ/さつまいもの包み揚・かぼちゃのミルク煮・さつまいもチップス
  5. 食品添加物一覧
文献
  • 家庭栄養研究会『食べもの通信182号』[P.19]
  • 家庭栄養研究会『食べもの通信177号』[P.58]
  • 家庭栄養研究会『食べもの通信165号』[P.64]
  • 名古屋市教委学校給食会『私たちの給食白書’88』[P.79]
  • 家庭栄養研究会『食べもの通信193号』[P.81]
  • 内山充『フードケミカル』[P.89]
  • 家庭栄養研究会『子どもの生活とリズム調査報告’88』[P.98]
  • 『子どもの心とからだをはぐくむ・上』[P.107]
  • 家庭栄養研究会『食べもの通信181号』[P.135]
  • 家庭栄養研究会『食べもの通信196号』[P.136]
  • 家庭栄養研究会『食べもの通信207号』[P.144]
校正
  • 対応しきどません→対応しきれません[P.111]
  • かってベトナムで行われた→かつてベトナムで行われた[P.112]
  • そのことを説明する一つの仮設は、→そのことを説明する一つの仮説は、[P.113]
  • アボガド→アボカド[P.150]

内容

  1. 魔法の粉サイクロデキストリン[P.12]
  2. カンスイは大量に摂取し続けると、胃腸を荒すことが証明されています。[P.15]
  3. おやつの横綱格はスナック菓子[P.21-22]
  4. あられやしょうゆ味の焼きセンベイでは、業務用しょうゆ由来の安息香酸(保存剤)の使用も疑われます。[P.26]
  5. 業務用マーガリン、バターには保存料としてデヒドロ酢酸の使用が許可されています。[P.27]
  6. 一人当り年間二七七本も飲まれている清涼飲料水(一九八六年、全国清涼飲料工業会調べ)。[P.28]
  7. 人間にとって異物であり、しかも長い歴史の中で見つけ出してきた“食べもの”と違う物質を、人間の生体がスムーズに受け入れるとも思えません。[P.33]
  8. モヤシの場合、リン酸塩も多くなっていますが、まだ一部では褐色化を防止するためにサラシ粉を使用しています。[P.39]
  9. 食品添加物の一日摂取量[P.51-54]
  10. 乱暴したり精神状態が不安定な子どもに、タール系色素など添加物の多い食事を与えたところ症状の強まった子が五九㌫もあった、という報告さえあります(アメリカの小児科医ブレナー氏・一九七七年)。[P.54]
  11. 国民生活センターの調査によると(一九八四~八五年実施)、輸入加工食品六〇七銘柄のうち一三銘柄、二・一㌫が食品衛生法に違反。[P.59]
  12. 店頭に出す葉菜類に合成洗剤の薄い液をかけたり、浸したりして、見かけを鮮やかにしている例があるともいいます。[P.65]
  13. ナスの鮮やかな紫色を演出するために、洗剤に含まれる界面活性剤が主成分の展着剤(農薬の補助剤)に浸して出荷する農家もあるといいます(「食べもの通信」No一八二号)。[P.66]
  14. ミカンの色づけに石灰硫黄合剤とリン酸第一カリの混合液を散布するのはもうミカン農家の常識とか[P.66]
  15. イワシなどの魚脂は酸化しやすいため、魚の変色防止の目的で、遠距離流通の場合には過酸化水素に浸けることもあるとのこと。[P.68]
  16. “コウナゴ”は、油焼けや赤腹をごまかすために、過酸化水素で漂白後、合成着色料が使われると指摘する声もあります(全体の二割が着色)。[P.69]
  17. 名古屋市守山保健所の食品衛生監視員平松俊夫氏は、学校給食に使われるしょうゆを検査し、保存料として安息香酸、パラオキシ安息香酸が食品衛生法の基準以内で使用されていたと報告しています。[P.81]
  18. ダイエット食品などにはかならず、といわれるほど汎用されているサッカリン。摂取すると消化酵素の活性が低下するという近藤真紀氏(四国女子大学)の実験結果があります(食べもの通信No二一二号)。[P.99]
  19. 枯葉剤汚染地帯と西洋先進諸国は異常児発生率が同一[P.112-113]
  20. 黄色四号(タートラジン)では、摂取後一時間以内で症状が現れた、との報告があります。(京都大学・末次勧氏)。[P.114]
  21. 家庭栄養研究会が一九八八年に実施した“アレルギーと化学物質”という調査には、黄色いタクワンを食べた直後に全身の痒みが現れたとの報告がありましたが、これは黄色黄色四号あるいは五号による反応と思われます。[P.115]
  22. 市民団体のアレルギー食品報告[P.117]
  23. 味覚障害食品添加物原因説[P.120-121]
  24. 酸化防止剤は、揚げ油とくに業務用の油では添加しているところがままあります。[P.138]
  25. 生産者の組合で、使用を自粛する申し合わせが行われ、また、天然トコフェノール(ビタミンE)が酸化防止剤として開発されたとはいえ、BHA使用の煮干しはまだ市場に出回っています。[P.138-139]
  26. アジやサンマのヒラキ、丸干しイワシなどの塩干し品の血抜き、漬け汁の漂白、殺菌剤としても過酸化水素が使われていると指摘するのは、千倉町南部漁協販売の宇山悦司氏です。[P.141]
  27. 過酸化脂質が時間経過と共に増加する心配があります(市販の冷凍シューマイなどでは三カ月以上の保存で、過酸化脂質は三倍以上に増加と。徳島大学医学部・永沼俊美氏調べ)。[P.146]
  28. 広島大学の放射能医学研究所では、日頃味噌を常食していれば、放射能に汚染された食物が体内に入っても、かなりの量が体外に排泄されるとの実験結果を明らかにしました。[P.151-152]
  29. 久保千春氏(九州大学医学部)の実験では、満腹になるまで餌を食べさせて飼育したネズミは、腹八分目で飼育したネズミにくらべ生存期間も短く、疾病にかかりやすいとの結果が報告されています。[P.154]

魔法の粉サイクロデキストリン[P.12]

臭みや苦味を包み込んでしまう性質がおおいに受け、
食品加工業界での需要を伸ばしていますが、肉や魚の臭い消しなど、
素材の段階で使われる機会も多く、消費者の目には触れません。

<中略>

サイクロデキストリンは、でんぷんの分解物質で天然添加物と解釈されているため、
厚生省の担当者も「現在では規制の対象外」といいます。

おやつの横綱格はスナック菓子[P.21-22]

一九八七年の国民栄養調査では、約五〇・二㌫の親が子どもに与えていると答えています。
現在でも、子どもがよく食べる間食のナンバーワンは変わっていません。
「小田原市の小・中・高校生の食生活に関するアンケート調査」(一九八六年)によれば、
間食に食べることの多い食品の第一位はやはりスナック菓子。
ついで果物、パン類、センベイと続きます。
地域差もほとんどないとみえ、青森県・弘前市内の小学生の調査でも、
おもに食べる菓子はスナック菓子、アイスクリームとの結果でした。

食品添加物の一日摂取量[P.51-54]

科学技術庁が一九六九年に行った調査では、
平均して一人一日、六〇~七〇品目を合計一一㌘をとっているとされていました。

その後、厚生省では、
八三年五月に「食品添加物の一日摂取量に関する調査」と題した報告書をまとめています。

この調査は、食品添加物が日常液に食品の製造時に使用されているにもかかわらず、
製品にどれだけ含有しているかの実態を、
許可指定している当の厚生省自身がつかんでいなかったことから、
初めてその実態を調べたという点で評価できます。
そこでの結論は、平均一日に一一九・八㍉㌘、つまり約〇・一㌘となっています。
ところがその内容をみると、
調査した食品添加物は四八品目(三三六品目の一四・三㌫)に限られており、
プロピレングリコールや重合リン酸塩、
グルタミン酸ナトリウムなどのように当時、使用基準のない、
いわば無制限に、どんな食品にも使われる可能性のある食品添加物などは、
除外されていたというのですから、
調査テーマに掲げている「一日摂取量」の全貌を明らかにすることはできません。

一九八六年六月に厚生省が発表した「食品添加物の一日摂取量調査に関する研究」では、
日本人が一日に摂取している食品添加物のうち、天然由来の物質は八五~九〇㌫で約一㌘、
人工の添加物約〇・一㌘(三五品目で九九・八㍉㌘)と報告しています。
しかし、この場合も分析品目は合成添加物の約五九㌫(二〇四品目)です。
また八二〇品目もあるといわれる天然添加物の約一八㌫(一四五種)
について検討したにすぎず、摂取量全体をとらえているとはいいがたい数字です。

他方、東京都民生協が、
メーカーへのアンケートなどをもとに算出した量では一日に八・四六㌘、
西岡一氏(同志社大学教授)の調査では一一㌘となっています。

枯葉剤汚染地帯と西洋先進諸国は異常児発生率が同一[P.112-113]

木田盈四郎氏(帝京大学)は、
かってベトナムで行われたシンポジウム「生活環境と枯葉剤の後遺症」の報告で、
次のように述べています。
「先天性異常児の発生頻度が、枯葉剤の被曝群と西洋先進諸国が同じであるという事実の解釈である。
そのことを説明する一つの仮設は、近代文明による化学物質の百年の人間環境に与えた影響と、
ベトナムの一〇年間の枯葉剤による影響とが同じレベルのものではないかということである」と。

市民団体のアレルギー食品報告[P.117]

食品添加物・農薬などを含む食品を食べてアレルギー症状を起こした例(まとめ編集委員会)
地域 年齢 性別 アレルギーを起こした食品 その時の症状 症状を起こさなかった類似食品
北海道 35 着色たくあん ぜんそく 無添加たくあん
北海道 32 魚の珍味 じんましん 同種類の生魚
北海道 漂白干し柿 ショック症状 生柿
名古屋 市販米 アトピー性皮膚炎 無農薬米
千葉 市販ブドウ アトピー性皮膚炎 無農薬ブドウ
北海道 32 市販夏ミカン じんましん 無農薬夏ミカン
名古屋 市販トマト 湿疹 無農薬トマト
埼玉 市販ジャガイモ 首に湿疹 無農薬ジャガイモ

このほか、合成洗剤で洗った下着だと接触皮膚炎を起こすが、
粉せっけんはだいじょうぶという主婦(39歳)もいます。
※三大アレルゲンは卵、牛乳、大豆
協力:北のピノキオの会、みちはたクリニック、海野りつ子、大和田明子(敬称略)

味覚障害食品添加物原因説[P.120-121]

日大医学部の富田寛教授は、本当の味覚障害の原因に食品添加物がかかわっていると警告します。
清涼飲料水、みそ、つくだ煮、かん詰、豆腐、ハム、チーズ、
酒などに広く使われているキレート剤と呼ばれる添加物がこの原因物質といいます。

「味覚異常を訴える人は五〇歳代がもっとも多く、男女比率では三対二で女性が多い。
大量に取り込まれた食品添加物が食品中の亜鉛と結合し、
亜鉛の体内吸収が阻害された結果、体内の亜鉛が欠乏。味覚障害におちいる」
と富田教授は説明しています(毎日新聞)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です