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書籍と雑誌の要約と解説

水とガンの深い関係

都市の水は安全なのか

装丁
水とガンの深い関係 水とガンの深い関係
河野武平
コモンズ
ISBN4-906640-57-5
2002/11/10
¥1600
目次
  1. ガンには地域性がある
    1. 名水の里の危機
    2. 肝臓ガンの死亡者が激増
    3. 危機意識の薄い行政・政治
    4. 特定地域にガンが集中する
    5. ガンは都市型の病気である
    6. 肝臓ガンは地域格差が最大
    7. 関東地方でガンが増加
    8. 二〇二〇年には現在の一・六倍がガンで死ぬ!?
  2. なぜ人間はガンにかかるのか
    1. ガンと年齢・性別の関係
    2. 環境汚染による影響は長く続く
    3. ガンをもたらす三つの要因
    4. 食生活と生活習慣を変えてガンを防ぐ
    5. 筆者の日常生活を点検してみると……
  3. 水の汚染度をどう見るか
    1. 何が水を汚しているのか
    2. 水質汚染の指標――BODと電気伝導率
    3. 水の安全基準はどうなっているのか
    4. 一〇項目の数値で水質汚染を判断
    5. 水の汚染度と肝臓ガン・乳ガンの相関関係
    6. 経済の変化が環境にもたらす影響
  4. 水源から遠いほど肝臓ガンが増える
    1. トリハロメタンとカルシウムイオンと肝臓ガンの因果関係
    2. 淀川へ依存する大阪府の飲料水
    3. 大阪市の肝臓ガン死亡率は日本一高い
    4. 原因は淀川の水質にあり
    5. 浄水場から遠い地域、下流ほど肝臓ガンが増える
    6. 肝臓ガン死亡率が二番目に高い福岡県
    7. 水質が悪い浄水場の水を飲む若松区で肝臓ガン死亡者数が異常に多い
    8. 産業廃棄物の放置で肝臓ガン死亡者数が約二倍に
    9. 東京二三区の肝臓ガン死亡者は東部に集中
    10. 原因は金町浄水場にあり!?
    11. 利根川水系と多摩川水系の水質が大きく違う
    12. 利根川では下流域ほど肝臓ガンの死亡者数が多い
    13. 清流・高梁川の下流域で肝臓ガン死亡者数が急増
    14. 鉱山からの排水がいまも影響
    15. 最上川流域でも下流ほど肝臓ガンの死亡者が多い
    16. 全国一肝臓ガンの死亡率が低い沖縄県
  5. 乳ガンの多い地域・少ない地域
    1. 乳ガン死亡率が全国一高い東京都
    2. 東京二三区では西部に乳ガンの死亡者数が多い
    3. 乳ガンの死亡者数が多いのは朝霞浄水場の供給地域
    4. 政令指定都市では京都市がもっとも多い
    5. 乳ガンの増加を招く陰イオン界面活性剤
    6. ダイオキシンや食生活との関係は?
  6. 水質汚染によるガンの死亡者一万五〇〇〇人!?
    1. 交通事故による死亡者数と比べるのは間違い
    2. 淀川の水を使ってきた雪印乳業大阪工場
    3. 水質の影響によるガン死亡者数の推定
    4. アメリカでも注目されている飲料水の塩素殺菌とガンの関係
    5. 塩素殺菌で、すい臓ガン、リンパ腫、白血病が増える
    6. 遺伝子の操作でガンが防げるのか
  7. こうすればガンを防げる
    1. ガンを予防する効果がある野菜や果物を食べる
    2. 真空低温調理で抗酸化食を食べる
    3. コンビニや量販店の惣菜や弁当を避ける
    4. 輸入惣菜を食べない
    5. RO-逆浸透膜の純粋装置で有害物質を除去する
    6. トータルミネラルが低い水を飲む
    7. 水利権を流域住民のものにする
    8. 都市生活者が山林を保全し、水質をよくする
    9. 健康な高齢者が多い地域に学ぶ
    10. 身体を動かし、定期的収入を得る
    11. 近代農業の生産構造を変える
    12. 環境に合った生活へ
    13. 疫学的な調査・研究を進める
文献
  • 大城護『水道水『複合』汚染』
  • 小野芳郎『水の環境史』
  • 小島貞男『水道水』
  • 小林勇『恐るべき水汚染』[P.15]
  • 左巻健男『おいしい水 安全な水』
  • サンドラ・スタイングラーバー『がんと環境』[P.126_169_174]
  • 日本水環境学会『日本の水環境2~6』
  • 琵琶湖淀川水環境会議『よみがえれ琵琶湖、淀川』
  • 前田浩『野菜はガン予防に有効か』[P.138_143_145]
  • 松谷宏『正直者が馬鹿を見る国民健康保険』
  • 矢野恒太記念会『データで見る県勢』
  • 山崎正利『サイトカインの秘密』[P.141]
  • 和田洋六『飲料水を考える』
  • 厚生省『人口動態統計』[P.11_15_17]
  • 市町村自治研究会『住民基本台帳人口要覧』
  • 総務庁『家計調査年報』
  • 日本水道協会『WHO飲料水水質ガイドライン』
  • 小沢 徳太郎 『21世紀も人間は動物である』[P.14]
  • 槌田博『ダイオキシンの原因を断つ』[P.15]
  • 厚生省『厚生白書』[P.31]
  • 宮尾興平『野菜が力になる食べ方』[P.138_143_145]
  • 瀧井宏臣『食卓に毒麦がやってきた』[P.149]
  • 市町村自治研究会『住民基本台帳人口要覧』[P.164]

解説

『人口動態統計』の地域別癌発生率を元に水道水と癌の因果関係を指摘する本書は、
乳癌と肝臓癌はそれぞれ陰イオン界面活性剤とトリハロメタンが原因だと断言する。
しかしあくまでも数字の上での類推に過ぎず、確固たる裏付けが取れていない。
参考にこそなるものの客観的な証拠としては不適格なためその部分の抜粋は割愛した。
むしろ著者の病歴の方が参考になる。

内容

  1. 一般に、水中に含まれるカルシウムイオンが高い地域は、肝臓ガンの確率は低い。[P.69]
  2. 他都道府県から大阪府に引っ越してきた人びとが最初に気にするのは水質であるという。
    その水質の悪さ、水のまずさは、全国に知れ渡ってきた。[P.72]
  3. カルシウムイオンの高い水を継続して飲むと、腎臓機能にダメージを与えるといわれる。[P.106]
  4. 河野武平の病歴[P.47-48]
  5. 皮膚ガンは一般に、高濃度に浴びる紫外線が原因とされている。
    だが、実は、水に含まれている砒素も影響するのである。[P.151]

河野武平の病歴[P.47-48]

過去に大きな病気を三度経験した。
二〇歳代で急性肝臓炎、三〇歳代で急性肋膜炎、五〇歳代で痛風にかかり、
入院生活はのべ三〇〇日になる。
いずれも完治したわけではなく、疲れとともに症状が出る。
いつ再発しても不思議ではない、慢性的なものだ。

たとえば、睡眠不足が続くと、ピクピクと針が指すような痛みが肝臓に走る。
それを日々の生活スタイルを決めるバロメーターとして利用している。

急性肋膜炎は原因不明だったが、片肺が完全に水没していた。
三l程度の胸水を二度も取り出し、これほど肺の中に水が溜まることを初めて知った。
ガンの疑いをもたれたが、安静を保ち、一〇〇日間の入院生活が治まった。
しかし、疲労がたまると現在も肋膜が引きつり、圧迫感を感じる。
これは、病気を警告するバロメーターだ。

痛風は一応、治まっている。
ただし、ビールを大ビン二本以上飲むと、足の親指先から反応が表れる。

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