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書籍と雑誌の要約と解説

プロバイオティクスとプレバイオティクス

21世紀の食と健康を考える

装丁
プロバイオティクスとプレバイオティクス プロバイオティクスとプレバイオティクス -21世紀の食と健康を考える-
監修:ネスレ科学振興会
編者:和田昭允&池原森男&矢野俊正
学会センター関西
ISBN4-906417-56-6
2003/03/14
¥2000
目次
  1. 機能性食品ープロバイオティクス,プレバイオティクス,バイオジェニクス 光岡知足
  2. プレバイオティクスの働きと健康との関わり 日高秀晶
  3. 発酵乳の今日的評価と保健効果 細野明義
  4. 腸内の微生物叢と腸粘膜との相互作用 エドゥアルド・シフリン

内容

  • オリゴ糖の摂取で高齢者の腸内ビフィズス菌が十倍[P.14]
  • プロアントシアニジンはビフィズス菌を増加させる[P.19-20]
  • 上野川20)はとくにラフィノースを経口的に摂取した時,腸管免疫が強化されることを報告している。[P.40]
    Kaminogawa,S.:Bioscience and Microflora,21:63(2002)
  • 乳酸菌史概略[P.48]
  • ヒトやラットに対し,乳酸菌を経口投与し,種々の病原菌の駆除に効果を見い出した報告が,Listeria monocytogenes, E.coli, Salmonella typhimurium, Shigella sonner, Sh.dyscenteriae などについてなされている14)。[P.51]
    Rani,B.and Khetarpaul,N.:Nutr,Health,12:97-105(1998)
  • 乳酸菌を摂取することにより腹膜や肺においてマクロファージや白血球の貪食作用が増大することが明らかにされている。[P.51]
  • 乳酸菌投与によりNK細胞数が増加することも報告されている16)。[P.51]
    De Simone,C.,Bianchi,S.B.,Negri,R.,Ferrazzi,,M.,Baldinelli,L.and Vesely,R.:Nutri. Rep.Int.,33:419-433(1986)
  • 乳酸菌は強力な抗癌作用を発揮する[P.58]
  • これまでに Lactobacillus属GG菌が食物アレルギーに優れた予防効果を発揮したことが報告されている55)。[P.63]
    Isolauri,E.,Majamaa,H.,Arbola,T.,Rantala,I.,Virtanen,E.and Arvilommi,H.:Gastroenterology,105:1643-1650(1993)

オリゴ糖の摂取で高齢者の腸内ビフィズス菌が十倍[P.14]

フラクトオリゴ糖8gを含む食品を50~90歳の病院で治療中の23人の老人に2週間にわたり1日1回摂取させ,
摂取前,摂取中,摂取後8日目の糞便フローラと糞便性状および臨床状態を検査した24)

フラクトオリゴ糖摂取中,糞便内 Bifidobacterium が摂取前に比較して約10倍に増加し,
Bifidobacterium の検出率も87%から 100%に顕著な増加がみられ,摂取中止後 Bifidobacterium の菌数は減少した。

Mitsuoka,T.,Hidaka,M.and Eida,T.:Effect of fructooligosaccharides in inte-stinal microflora.Die Nahrung 31:427-436(1987)

プロアントシアニジンはビフィズス菌を増加させる[P.19-20]

プロアントシアニジン(Proanthocyanidin)を 38.5%含有するブドウ種子エキスを
健康人に 0.5g/日2週間投与した試験でも,
投与期間中,糞便臭,糞便内メルカプタンおよび硫化水素濃度が有意に減少し,
Bifidobacterium が有意に増加し(p<0.05)Entrobac teriaceae が減少する傾向が認められる(p<0.121)。 また,糞便中のアンモニア,フェノール,pークレゾール,4ーエチルフェノール, インドール,スカトールも,投与14日後減少することが認められている(図13,1427)

Yamakoshi,J.,Tokutake,S.,Kikuchi,M.,Kubota,Y.,Konishi,H. and Mitsuoka,T.,Effect of proanthocyanidin-rich extract from grape seeds on human fecalflora and fecal odor.Microbial Ecol Health Dis.13:25-31(2001)

乳酸菌史概略[P.48]

1857 年に Pasteur が乳酸発酵の概念を打ち出し,乳酸発酵を司る菌群が注目された。
それから約 15 年が経過して Lister が世界で初めて乳酸菌(Bacteriumlactis) の純粋分離に成功している。
続いて,1889 年に Tisser がビフィズス菌を,1900 年に Moro が Lactobacillus acidophilus を発見した。
しかし,乳酸菌という概念が確立されたのは 1900 年代に入ってからのことである。

乳酸菌は強力な抗癌作用を発揮する[P.58]

乳酸菌の示す腫瘍抑制作用は腫瘍生成関連酵素の不活化作用や,免疫刺激作用の観点から説明されている。
たとえば,Bifidobacterium infantis のペプチドグリカンを
マウスに対して静脈注射することにより腫瘍細胞の増殖が70%抑制されることが明らかにされており,
その機構として免疫力の賦活化作用が示唆されている。
また,Mizutani and Mitsuoka35)はE.coli, St.faecalis ならびに
Clostridium paraputrificum といった腸内微生物がC3H/He系オスマウスの肝臓腫瘍を引き起こすが,
B.longum, L.acidophilus ならびに Eubacterium rectale の投与によって
その腫瘍が抑制されることを明らかにしている。
また,Ketlinskii,et al.36)はL.bulgaricus菌体をリゾチーム処理して得られる
ブラストリジン画分が乳癌に対する抑制効果についても報告されている。
Biffi,et al.はB.infantis,B.bifidum,B.animalis,L.acidophilusならびに
L.paracaseiを用いてつくった発酵乳がMCF7乳癌細胞に対して顕著な抑制性を示したことを報告している。
一方,ヤクルト中央研究所の研究陣による Lb.caseiLC9018 の抗腫瘍作用に関する一連の研究は,
乳酸桿菌の持つ優れた癌予防効果を証明している点で特記すべき業績37)と思われる。
Sarcoma-80やL1210白血病細胞を移植させたマウスに乳酸桿菌を投与すると,
それらの腫瘍細胞が顕著に抑制された事実や,
Lb.casei LC9018の投与が腹腔内マクロファージの酸性ホスファタージや
貪食細胞を増強させることが確認されている。

Mizutani,T.and Mitsuoka,T.:J.Natl.Cancer Inst,63:1365-1370(1979)
Ketlinskii,S.A.,Prokop’eva,E.D.,Prokp’evA.A.,Artikhov,A.I.and Pasechnik,V.A.:Vopr.Onkol.,33:51-56(1987)
Kato,I.,Kobayashi,S.,Yokokura,T.and Mutai,M.:Gann,72:517-523(1981)

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