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書籍と雑誌の要約と解説

合成洗剤 買わない主義 使わない宣言

衝撃的データが示す危険性と恐怖

装丁
合成洗剤 買わない主義 使わない宣言 合成洗剤 買わない主義 使わない宣言
坂下栄(三重大学医学部解剖学教室助手)
メタモル出版
ISBN4-89595-341-6
2002/02/08
¥1300
目次
  1. 家庭用合成洗剤の恐るべき毒性を検証する!
    1. 合成洗剤の怖さは被害が目に見えないこと
    2. 検証1/洗濯用洗剤による急性毒性の比較実験
    3. 検証2/台所用洗剤による急性毒性の比較実験
    4. 二つの実験結果が未来に警告するもの
    5. 検証3/シャンプーによる急性毒性の比較実験
    6. 検証4/ボディソープ、ハンドソープの急性毒性の比較実験
    7. 洗剤メーカー自身も毒性を認識している
    8. 実験結果は安全な商品を選ぶための指標
  2. 私たちの体をむしばみ続ける合成界面活性剤の正体
    1. 界面活性剤とは?
    2. 界面活性剤の種類
    3. 家庭内のあらゆるものに合成界面活性剤は含まれている
    4. わかりにくい成分表示欄
    5. 行政、洗剤業界の統一見解
    6. 合成界面活性剤、その恐るべき三つの特性
    7. メダカの体内で起きたことは人間にも起きている
    8. みるみる皮膚細胞が破壊されるラットたち
    9. その時、肝臓では何が起きていたのか
    10. わずか一%にうすめた溶液でも肝細胞は変性
    11. 合成シャンプーで髪がボロボロになる恐怖
  3. 消費者をあざむき続ける合成洗剤メーカーの販売戦略
    1. 昭和二〇年代に第一号商品誕生
    2. 全国の下水や河川が泡だらけに
    3. ABS系からLAS系へ方向転換
    4. LAS系への転換がごまかし戦略のスタートに
    5. 危ない助剤配合の時代へ
    6. 陰イオン系から非イオン系へ
    7. 合成洗剤の歴史はごまかしの歴史
    8. 「真っ白になりました」の嘘
    9. 助剤の配合で洗浄力をごまかしている
    10. 「天然だから安心」の大きな嘘
    11. 石けんは一日で生態系に還元される
    12. 「合成洗剤は一~二日で生分解する」の嘘
    13. 石けんVS合成洗剤キャンペーンの嘘を暴く
    14. 合成洗剤こそ環境の複合汚染の犯人
    15. 石けんで地球を救おう
文献
  1. ゆうエージェンシー『やっぱり石けんが一番』[P.20_26_38_45_47]
  2. 矢木修身『合成洗剤と水棲生物』[P.167_172-173]
  3. 『朝日新聞』「せっけんも地球を汚す?」2001年1月8日[P.177]

内容

メダカを使った洗濯用洗剤の急性毒性実験[P.21-25]

この実験は、洗剤の主成分である界面活性剤の濃度が一五〇ppm(〇・〇一五%)
になるようにうすめた水溶液を作り、その中に六匹のメダカを入れ、
「全部死ぬまでにどれぐらいの時間を要するか=全数致死時間」を求め、
商品別に比較したもので、実に単純な実験です。

<中略>

家庭にある商品の成分表を見ていただくと、
それぞれの商品ごとに界面活性剤の成分比が異なっているのがわかります。
あるものは三〇%であったり、またあるものは三六%であったりするわけですが、
この実験では、うすめるための希釈水を調整し、最終的に等しい濃度の水溶液、
つまり一律一五〇ppmになるようにして検査を行いました。

ちなみに、この一五〇ppmという濃度は、ふだん私たちが家庭で洗濯をする時の洗濯水の濃度
(三〇Lの水に計量スプーン一杯の洗剤を入れた時の濃度=三五〇~四〇〇ppm)を
二~三倍にうすめた濃さだと考えてください。

ただし洗濯が終わった後に下水に流されると、ちょうど一五〇ppmぐらいになります。
排水が河川に流された時、ちょうど川に棲息するメダカたちが受ける影響と同じ条件を、
この実験では設定していることになります。

<中略>

六匹のメダカが全部死ぬまでに要した時間を見比べてみてください。

何と最も早かったのが『ホームクリーニングエマール』、これは一~ニ分でもがき苦しみ、
のたうちまわったかと思うと、五分後にはすべて絶命してしまいました。すさまじい毒性です。

CMでもおなじみの『新活性ザブ』の全数致死時間もほぼ一〇分間という早さでした。
『アタック超コンパクト』は約二〇分、『フルパワーボーナス』は三〇分強……等々、
下段の石けん類のほとんどが一二〇分以上の生存時間であるのに比べ、
POER、POEP、LAS、AES、AS(正式名はあとで説明します)
といった石油系の合成界面活性剤を主成分とした商品は、
ほとんど二〇分以内にメダカは全滅。
見るも無残な結果をもたらしました。

<中略>

実験で使用したガラスの容器には等しく四〇〇mlの水溶液が満たされていました。
先に、実験の水溶液の濃度は一五〇ppmと書きましたが、この一五〇ppmという濃度は、
四〇〇mlの水に界面活性剤の原液をほんの〇・五滴たらした程度の濃度なのです。
つまり石油系の合成界面活性剤を主成分とした商品のほとんどは、
ガラスの容器に一滴にも満たない原液を落としただけで、
早いものでは五分、長くても二〇分以内にメダカが全滅してしまったのです。

ラットを使った台所用洗剤の皮膚障害実験[P.101-107]

ラットの背中の毛を刈りとり、それぞれに各種の台所用合成洗剤
(LAS系合成界面活性剤二〇%前後)の原液を一日一回だけ塗布し、
日を追って皮膚反応の経過を観察したものです。
比較対象として、石けん洗剤でも同じ試みを行いました。

なお、実験は三〇年近く前に行ったものなので、対象商品も約三〇年前のものですが、
今日市販されている商品群の界面活性剤はほとんど当時と変化していません。
しかしながら、最近のもののほうが高濃度になっています。

さて、観察結果をご覧いただくとわかりますが、
まさにすさまじい変化が展開されることになります。

▼一日目(写真⑬)

写真中、200番のものだけが石けん洗剤を塗布したラット。
それ以外は合成洗剤を塗布したラットです。
合成洗剤のラットたちは二四時間後には背中にシワができ、
ひどいものは亀裂が生じて出血するものも見受けられました。
市販品の原液を一回塗布しただけで明らかに
皮膚細胞に異変が生じるところに合成洗剤の毒性の強さがうかがわれます。
200番の石けんには何の異変も見られません。

通常、実験の対照としては、水を塗布するのですが、テストのある時点から、
水塗布は必要なく、石けんが対照となるとの結論に達するほど、
石けん塗布の数十匹のラットには皮膚変化が起こらなかったのです。

▼七日目(写真⑭)

皮膚障害が頂点に達したのは五~七日目あたりでした。
ほとんどのラットは背中から出血し、やがてそれが凝固していきました。
合成洗剤のラットたちが無残な光景をくり広げるのに比べ、
200番のラットはきれいな皮膚を保ったままです。

▼一〇日目(写真⑮)

症状が一番無残なのが外資系の合成洗剤で、五~七日目にはひどい皮膚障害を起こし、
一〇日目になると、その部分が真皮ごとごっそりとはげ落ち、
まさに目を覆いたくなるような光景が展開されました。
毛根は真皮内にあるため、背部の毛は新生されることはありません。

▼十四日目(写真⑯)

この頃になると、生き残ったものは皮膚障害が回復しはじめました。
ここまで無事だったラットたちは、一ヵ月後も生き続けていました。
なお、200番の石けんのラットは一日目から何の変化もなく行き続けていました。

異常の実験で明らかになったのは、
とにかく合成洗剤は間違いなく強烈な皮膚障害を起こすということです。
そして間違いなくラットの生命をおびやかすほどの毒性があるということです。

事実、商品によっては二日目には息をしていないラットもいました。
三日目に絶命したラットもいました。
症状の最もひどかったのは外資系の合成洗剤で、原液を塗布して三日目の朝、
背中に塗布したにもかかわらず、
腹部から出血して絶命してしまうケースもありました(写真⑰)。

一方、こうしてだんだん数が減りながらも、
それでも十四日目頃まで生き延びるラットがいたのもまた事実で、
強力な毒性に対してもひるまない生命があることを教えられました。

ラットにも個体差があり、ある程度の損傷を受けても、健全な細胞が残されているかぎり、
それはまた再生され、生命が維持されるケースもあるということです。

しかしこの実験では、合成洗剤はまぎれもなく皮膚障害が起きたこと、
そして死亡したラットが出現したという事実のほうを重くみなければならないでしょう。
また対照的に、200番の石けんを塗布したラットが十四日目を迎えても
何の変化も起きなかったという事実も見逃してはならないでしょう。

シャンプーについても同様の皮膚テストを行いましたが、
台所用と全く同じ経過をたどったのでした。

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