バベルの図書館

書籍と雑誌の要約と解説

牛乳アレルギー

牛乳が有害であることを示す医学論文の総集

装丁
牛乳アレルギー 牛乳アレルギー
サミ・L・バーナ&ダグラス・C・ハイナー
監訳・小林登/訳・朝倉洋治&永倉俊和&関塚正昭
西村書店
ISBN4-89013-127-2
1989/11/30
¥3914
目次
  1. 序文と歴史的背景
  2. 疫学
    1. 問題の展開
    2. 罹患率
    3. 発症年齢
    4. 性差
  3. 牛乳の組成
    1. 牛乳の栄養成分
    2. 商品化された牛乳の種類
    3. 牛乳の中のアレルゲン
    4. 牛乳蛋白質の交叉反応性
    5. 牛乳の中にある異物
    6. 加工の影響
  4. 病因論
    1. 正常人の牛乳蛋白質に対する免疫応答
    2. 牛乳に感受性のある患者の牛乳蛋白質に対する免疫応答
    3. 子宮内感作
    4. 胃腸管の役割
    5. 分泌型IgAの役割
    6. 免疫学的機序
  5. 症状
    1. 消化器症状
    2. 呼吸器系の症状
    3. 皮膚症状
    4. 血液型的症状
    5. 中枢神経系の症状
    6. 泌尿器系症状
    7. 心血管系の症状
    8. さまざまな症状
  6. 診断
    1. 既往歴と臨床像
    2. 誘発テスト
    3. 皮膚試験
    4. 試験管内テスト
    5. 腸管の生検
  7. 鑑別診断
    1. 他のアレルゲン
    2. 牛乳の中にある牛乳以外の物質によるアレルギー
    3. 胃腸疾患
    4. 呼吸器疾患
    5. 皮膚科疾患
  8. 治療
    1. 食事療法
    2. 薬物療法
    3. 減感作
  9. 予後
  10. 予防
    1. 母乳哺育
    2. その他の牛乳代用品
    3. 他の食物の採用
    4. 医療関係者の役割
    5. 婦人団体の役割
    6. 乳児食品会社の役目

内容

  1. 牛乳アレルギーの歴史[P.1-2]
  2. 牛乳の中にはいったん飲用すれば抗原性を発揮しうる
    25の異なった蛋白質が含まれている。[P.6]
  3. おそらく西欧諸国の一般小児科が対象としている人口のうちの正確な発症頻度は,
    1ないし3%位のものと思われる。[P.7]
  4. 乳幼児期では男性がアレルギーにかかりやすいようであり,
    この経口は幼年期のアレルギー疾患一般の場合と同じである。[P.8]
  5. 牛乳の脂肪も乳糖もそれ自身では抗原性がないことが証明されている。[P.14]
  6. 牛乳過敏症だとヤギミルクにも交叉反応が出る[P.16]
  7. 牛乳摂取によって起こる不利な反応は,
    牛乳の成分そのものより牛乳の中に含まれている異物によることがしばしばである。[P.18]
  8. 牛乳には抗生物質が残留している[P.18]
  9. 1928年にRatner40はモルモットを用いて牛乳蛋白質による子宮内感作を立証し,
    人間においても同様の過程が起こりうるだろうと警告した。[P.30]
    Ratner B: A possible causal-factor of food allergy in certain infants. Am J Dis Child 36:277-288,1928
  10. 牛乳アレルギーの症状一覧[P.52-86]
  11. 原因不明の慢性肺疾患の子供たちの血清を調べてみると,
    牛乳蛋白質に対する沈降素をもっているものの数が有意に多い11,74
    この沈降素をもっているものに牛乳抜きの食事をとらせると,
    非常に高率に改善が見られる。[P.112]
    Lee SK, Kniker WT, Cook CD, Heiner DC: Cow’s milk induced pulmonary disease in children, in Barness LA(ed):Advances in Pediatrics, vol 25.Chicago, Year Book,1978,pp39-57
  12. 原因不明の患者は血清抗牛乳沈降素値が上昇している[P.113-114]
  13. 市販の乳糖の中には牛乳からつくられたものがあり,
    牛乳蛋白質20で汚染されていることが判明している。[P.128]
    Spies JR:New antigens in lactose(35546).Proc Soc Exp Biol Med 137:211-214,1971
  14. 脂漏のある乳児では牛乳アレルギーが原因となっている率が高いという41。[P.137]
    Eppig JJ: Seborrhea capitis in infants: A clinical experience in allergy therapy. Ann Allergy 29:323-324,1971
  15. 普通のマーガリンは少量の牛乳蛋白質を含んでいるが,
    適法のオレオマーガリン(純粋な植物油)にはミルクが含まれていない。[P.143]
  16. 粉ミルクの代用品には大豆粉乳が適している[P.145/186]
  17. 牛乳に対する耐性が低く,ミルク代用の調整乳にも耐えられないような症例では,
    食事の度ごとに少量の抗ヒスタミン剤を与えれば,体の調子がよくなる子供もある。[P.150]
  18. ある研究42では,
    食物をためしてみる前にアスピリン,インドメサシン,インブプロフィンを服用させると,
    食物過敏症患者6人のうち5人が,このやっかいな反応の発生をまぬがれたという。[P.151]
    Buisseret PD,Youlten LJF,Heinzelmann DI,et al.:Prostaglandin-synthesis in hibitors in prophylaxis of food intolerance.Lancet 1:906-908,1978
  19. Gerranrdら1は59人の牛乳過敏症の乳児を調査しているが,
    そのうち牛乳のほかに,オレンジに対して20%,大豆20%,卵12%,小麦8%,トマト7%,
    米7%,豚肉5%,羊肉5%,大麦5%のアレルギーをもっていたと報告している。[P.159]
    Gerrard JW,MacKenzie JWA,Goluboff N,et al.:Cow’s milk allergy:Prevalence and manifestations in an unselected series of newborns.Acta Paediatr Scand Suppl 234:1-21,1973
  20. 多量の牛乳を摂取した後,臨床症状が起こらぬにもかかわらず小腸粘膜に組織学的,
    免疫学的な異常を呈している症例のあることを報告している学者がある6-8。[P.160]
    Savilahti E: Immunochemical study of the malabsorption syndrome with cow’s milk intolerance. Gut 14:491-501,1973
    Shiner M,Ballard J, Brook CGD,et al.:Intestinal biopsy in the diagnosis of cow’s milk protein intoleranc without acute symptoms. Lancet 2:1060-1063,1975
    Harris MJ,Petts V,Penny R:Cow’s milk allegy as a cause of infantile colic:Immunofluorescent studies on jejunal mucosa.Aust Paediatr J 13:276-281,1977
  21. 人乳によるアレルギーが人間で実証されたためしはない。[P.169]
  22. 乳汁に種特異性が存在する可能性は,
    牛乳や人乳によってモルモットにアナフィラキシーを起こすことはできても,
    モルモットの乳では起こらないという動物実験によって実証されている57。[P.169]
    Salk L:The role of the heartbeat in the relation between mother and infant.Sci Am 228:24-29,1973
  23. 大多数の例では母親の摂取した薬物が母乳の中に出てくる量は少ないので,
    ほとんど乳児に影響を及ぼさない。[P.180]
  24. 母親の摂取したカフェインは血清濃度の50%が母乳中に分泌され,
    血清中母乳中ともに30~60分後に最高に達する 166。[P.180-181]
    Tyrala EE, Dodson WE: Caffeine secretion into breast milk. Arch Dis Child 54:787-800,1979
  25. 全世界的な人乳汚染現象[P.182]

牛乳アレルギーの歴史[P.1-2]

Hippocrates(460-370 B.C.)は,牛乳が胃の障害を起こし,
蕁麻疹を起こす可能性があると記載した最初の1人である1
その後,Galen(131-210)は山羊の乳によるアレルギーの1例を記載している2

Chabot R: Pediatric Allergy.New York,McGraw-Hill,1951
O’Keefe ES: The history of pediatric allergy,in Speer F(ed):The Allergic Child. New York,Harper & Row,1963,p3

人類の生活が記録され始めて以来,
おそらくある程度まで反芻動物の乳が食料として用いられてきたものと思われるが,
初期の時代には人乳が子供の主食であった。
母親が自分の子供に授乳することができないときには,
ほとんど乳母のみがその代理を務めていたのであって,
赤ん坊に仔牛の飲む牛乳を飲ませようと考える者はめったにいなかったのである。

17世紀から18世紀の間に乳母を求める声がかなり多くなってきた。
ヨーロッパの国々の上流階級の婦人たちは、母乳哺育が容姿を損ない,
健康を害すると主張して,しだいに乳母による母乳哺育を用いたがることが多くなった。
Wickes3が指摘したように,
裕福な家庭でだんだんと母乳に関する熱意が衰えていった背景にあったものは,
おそらく母親たちが社会活動に関与するようになったことが原因であろう。
乳児の授乳に動物の乳を用いるようになったのは18世紀の中頃からの流行であり,
牛乳よりは驢馬や山羊の乳の方がよろこばれた。

Wickes IG: A history of infant feeding. Ⅱ.Seventeenth and eighteenth centuries.Arch Dis Child 28:232-240,1953

20世紀の初めに牛乳アレルギーに関する報告がドイツの医学誌に現れ始め,
1905年にSchlossmanは牛乳を飲んだあとで起こった
急性ショックの症状について述べている。
同じ年にFinkelsteinは牛乳を飲んだために起こった1死亡例を報告しているが,
彼が経口的減感作を提唱した最初の人である。
1908年にフランスの文献に牛乳によって起こった激しい反応が記載されている。
牛乳に対する特異体質 idiosyncrasy の1例について
スウェーデンから発表されたのは1910年であり,
牛乳アレルギーについてのアメリカでの最初の報告は1916年Talbotによってなされた。
英国の文献による報告は1940年代になるまで見られない。
それ以来、牛乳アレルギーについて理解するようになり,
牛乳アレルギーは現実の問題であり,人体のいくつもの臓器を侵してくることがあり,
かつ広汎な症候や症状を示す可能性のあることが確認された文献が
洪水のように出版されている。

牛乳過敏症だとヤギミルクにも交叉反応が出る[P.16]

Hill34は牛乳のラクトアルブミンに対して皮膚反応を示す失神の子供たち45人を調べ,
山羊のラクトアルブミンに対するテストでは25人が陽性反応,
10人が疑陽性反応を示したが、これは交又反応がしばしば見られることを物語っている。

Hill LW: Infantile eczema with a special reference to the use of a milk-free diet.JAMA 96:1277-1280,1931

牛乳と山羊乳の蛋白質の間の抗原類似性については,
いろいろな方法でSaperstein35が証明している。

  1. 牛β-ラクトグロブリンおよびα-ラクトアルブミンに対する抗血清と
    山羊の乳清蛋白質とα間の沈降テストは陽性を示す。
  2. 家兎は少量の牛乳蛋白質で感作されるが,
    数ヵ月後にも検出されうるほどの抗体を産生しなかった。
    その家兎に山羊の乳清蛋白質を注射すると,
    既往応答 anamnestic reaction が起こって牛乳蛋白質に対する抗体の産生が増加した。
  3. モルモットに1回だけ特殊抗血清を腹腔内に注射し,
    牛乳蛋白質に対して受動的に感作しておき,
    24-48時間後に山羊乳清蛋白質を静注するとアナフィラキシーが起こった。

Saperstein S: Antigenicity of the whey proteins in evaporated cow’s milk and whole goat’s milk.Ann Allergy 18:765-773,1960

(中略)

Jeness38らは,牛のβ-ラクトグロブリンに対する抗体は牛,
水牛,山羊,羊の乳のβ-ラクトグロブリンと反応したと述べている。

Jeness R, Phillip NI, Kalan EB: Immunological comparison of beta-lactoglobulins. Fed Proc 26:340,1967

臨床研究では28,29
牛乳アレルギーをもっている子供たちを山羊乳で誘発するとよく反応する場合が多い。

Freier S, Kletter B, Gery I, et al.:Intolerance to milk protein. J Pediatr 75:623-631,1969
Lebenthal E, Laor J, Lewitus Z, et al.: Gastrointestinal protein loss in allergy to cow’s milk β-lactoglobulin.Israel J Med Sci 6:506-510,1970

牛乳には抗生物質が残留している[P.18]

牛乳の中から見つかる抗原性のある物質としては,
ペニシリン,小麦粉,ピーナッツ,亜麻仁,綿の種,
ブタクサ,サクラソウ,細菌などがある4
一般には無視できるほどの量ではあるが,DDTも含まれているようである44
しかし鉛はホモ牛乳,濃縮牛乳,
調製粉乳などにかなりの濃度で含まれているものがあった45

White A, Handler P, Smith EL: Principles of Biochemistry(ed 5). New York, McGraw-Hill, 1973,pp924-925
Knowles JA: Breast milk: A source of more than nutrition for the neonate. Clin Toxicol 7:69-82,1974
Lamm S, Cole B, Glynn K, et al.: Lead content of milks fed to infants, 1971-1972. N Engl J Med 289:574-575,1973

(中略)

1950年代初期に,
アメリカでは市販牛乳の中の抗生物質含有量を調べる検査が3回も行われている46
この調査で,試料の3.2%から11.6%にペニシリンが発見され,濃度は0.003から0.55 unit/mlであった。
バシトラシンは1%に,ストレプトマイシンは1706例中ただ1例しか見つからなかった。
経口的に投与したときにはストレプトマイシンやオキシテトラサイクリンは
抗原となる可能性がないが,ペニシリンは強力な抗原となりうることが知られており,
鋭敏なペニシリン感受性のある体質の人では,
たとえ微量であっても激しい反応を惹き起こす可能性がある。
この潜在する危険を予防するため,
1953年に食品医薬品局は牛の乳腺炎に使用する抗生物質を製造する業者に対して,
その薬で治療した牛からとった牛乳は,投薬中止後3日以上たたなければ
ヒトの飲料用として販売してはならないという声明を,
各包装ごとに挿入しておくように要求している。
そのほか,牛乳販売店が細菌数を減らすためにペニシリンを添加することも考えられるため,
同局はこれを禁じ,不良品と見なしている。
しかし,この取締りにもかかわらず,
牛乳の中にあるペニシリンによって起こっている過敏反応が続いて報告されている。
Wicherら51はペニシリン感受性のある一婦人が,
約10単位/mlのペニシリンの入った牛乳を飲んで激しいアレルギー反応を呈したと報告している。

Welch H: Problems of antibiotics in food as the Food and Drug Adminsitration sees them. Am J Public Health 47:701-705,1957
Wicher K, Reisman RE, Arbesman CE: Allergic reaction to penicillin present in milk. JAMA 208:143-145,1969

牛乳アレルギーの症状一覧[P.52-86]

消化器症状
嘔吐 蛋白喪失性腸症
腹痛 全腸炎
下痢 潰瘍性大腸炎
吸収不良 便秘
腸管出血 直腸痛
 肉眼的 牛乳拒否
 顕微鏡的 胃炎
脂肪便 口唇浮腫
呼吸器症状
鼻炎 再発性肺炎
慢性の咳 肺ヘモジデロージス
気管支炎 上気道閉塞
喘息 浸出性中耳炎
皮膚症状
アトピー性皮膚炎 肛門周囲発疹
蕁麻疹 紫斑病
血管性浮腫 ヘルペス性皮膚炎
脂漏性発疹 脱毛症
接触性発疹
血液学的症状
貧血 低蛋白血症
血小板減少症 好酸球増加症
中枢神経系の症状
アレルギー性緊張性疲労症候群
泌尿器系症状
夜尿症 膀胱炎
起立性アルブミン尿症 ネフローゼ症候群
心血管系の症状
アナフィラキシーショック 冠動脈疾患
肺性心 不整脈
さまざまな症状
発育障害 乳児突然死症候群
乳児皮質過骨症 眼アレルギー
帯下
嘔吐[P.52]

嘔吐は牛乳アレルギー患者の1/4から1/2に見られる。
嘔吐は一般に牛乳を飲んでから1時間以内に起こり,嘔吐物にはかなりの量の粘液を含むことが多い。

腹痛[P.52-53]

胃痛,漠然とした腹痛または疝痛が牛乳過敏症の患者の約1/3に見られる。
48人の疝痛もちの子供のうち,12%は牛乳アレルギーが主因と見られ,
他の19%にも牛乳が何らかのかかわりをもつと見られている15
Wessel MA, Cobb JC, Jackson EB, et al.:Paroxysmal fussing in infancy, sometimes called colic. Pediatrics 14:421-435,1954
乳児期での牛乳アレルギーの病像は,いつまでも泣いていたり,上腿を曲げたりしているのが多いが,
これは牛乳を飲んでいるときまたは飲んだ直後に起こってくるのが普通である。

下痢[P.53]

いろいろな程度の下痢が牛乳アレルギーの一般症状として見られるが,
これは牛乳過敏症患者の1/4から3/4の人に現れる。
便通は瀕回でゆるく,黄色または緑色を呈している。
また,粘液を過分に含み,線状の血液が混じることが時々ある。

潰瘍性大腸炎[P.58]

潰瘍性大腸炎は慢性の炎症状態であるが,
さらに病状が急に悪化するのは特殊な食物に対する不耐症による場合があるとされており,
おそらく牛乳が原因であろうと予想されていることが多い。
潰瘍性大腸炎をもっている患者のうち,
生後第1ヵ月目から牛乳哺育を受けている人は,対照に比して2倍の数に達している44
Acheson ED, Truelove SC: Early weaning in the etiology of ulcerative colitis: A study of feeding in infancy in cases and controls. Br Med J 2:929-933,1961

口唇浮腫[P.59]

時々牛乳に触れただけで,患者の唇や舌に膨脹を起こすことがある。
この浮腫は接触後数分で現れてくるが,それ以上接触がなければ数時間後に自然に消失してゆく。

鼻炎・慢性の咳・気管支炎[P.62]

鼻づまり,発作性のくしゃみおよび頑固な水性または粘液性の分泌物が,
牛乳アレルギーの子供の10-30%に見られるといわれている。
この症状はまま生後数週目から始まることもあるが,
一般的には粉ミルクを飲ませ始めてから数日ないし数週後に始まる。

<中略>

こういう症候は牛乳アレルギーの子供206人中17%に見られた。
粘液分泌過多はいちばん際立った症候のようである。

<中略>

牛乳感受性のある子供たちのうち当面の症状として報告された反復性気管支炎の頻度は,
79/150(53%)とも,5/17(29%)ともまた,10/59(17%)ともいわれている。

喘息[P.63]

牛乳過敏症の子供の7-29%に気管支喘息が見られる。
気管支痙攣と気管粘液の過剰分泌によって大きな気道が狭くなり,
さまざまな程度の喘鳴を起こし,両親を不安にするほど大きな音を出すこともある。

(中略)

牛乳が原因で起こる喘鳴は,生後牛乳で哺育を始めると間もなく現れてくるのが普通である。
再発は頻繁に起こってくるが,その因果関係が判明するまでは永い間かかることが多い。
ふだんから乳児には喘息が稀であると考えており,
喘息という診断をあまりしないために,牛乳アレルギーによる喘息症状の発症のピークが,
1歳前であることを見逃している医師が多い。
数週の間に喘鳴の再発を起こして頻回に救急外来に連れてこられ,入院を繰り返し,
食事の中から牛乳を除くことによって初めて完全に喘息発作が消失した子供を数多く見てきた。

脂漏性発疹[P.72]

187人の脂漏症の乳児のうち,68%が牛乳の原因によるものと思われた。
しかし,牛乳を除外した食事で症状が改善されてしまった患者でも,
誘発テストによっても牛乳アレルギーが診断されなかった場合もある。
10-15年も患者を追跡してゆくと,2/3の患者にはさまざまなアレルギー症状が現れており,
1/3以上にアトピー性湿疹のあることが診断されている。

脱毛症[P.73]

牛乳過敏症のために完全脱毛症を起こしたと思われるひとりの乳児のことが報告されている。
消化管の牛乳アレルギーのため,その乳児は2週間牛乳を与えられないでいたが,
9ヵ月のときに再度牛乳を飲んだ後に全身の湿疹性発疹が現れ,
1週間以内に頭髪,眉毛,まつ毛などが全部脱落してしまった。

アレルギー性緊張性疲労症候群[P.78-79]

アレルギー性緊張性疲労症候群という用語は1954年にSpeerがつくったもので,
呼吸器や胃腸のアエルギー症状とともに多彩な運動性
または感覚性愁訴として見られる慢性の症候群を意味している。
他の著者たちも以前に同様の症状について報告しており,
そのアレルギーとの関連についてはRandolphが報告している。
この症状は吸入したものとか経口的に摂取したものが原因になって起こる
中枢神経系の遅発性アレルギー疾患だという学者もあるが,
特に牛乳,チョコレート,小麦,トウモロコシが原因となることが多いという。
病気の始まりは潜行性で,症状は何年も気がつかないうちに進行しており,
その間何度も医師にかかり,何回も検査や投薬を受けても効き目がないことがある。
診断は当たらぬことが多いが,
これは症状が主観的であることと信頼できる検査成績に乏しいからである。
次のような症状が合併して現れるのが注目されている。

  1. 神経的な緊張,不安,無関心,集中不能,嗜眠,無気力,傾眠,易刺激性,
    落ちつきのなさ,不眠,抑うつ,学習障害,依存性運動亢進,またはその他の行動異常。
  2. 疲労,飽きっぽさ,虚弱,目まいまたは鈍痛。
  3. 頭痛:間歇的で軽度のことが多いが,
    ときには偏頭痛であったり,臥床せざるを得ないほど激しい。
  4. 腹部の不快感または疼痛:上腹部または全体に現れるが,食事とのはっきりした関係は見られない(大体は軽度であるが,子供が夜中に目をさますほど激しいことも時々ある)。
  5. 筋肉痛または関節痛の形で現れる筋肉や骨格の痛みは下肢に多く,夜間に起こる(生長痛)。
  6. 通常貧血がないにかかわらず血色の悪い蒼い顔
    (眼窩の下方の部分のうす蒼く変色した腫れ〔アレルギー性の眼の下のくま〕は
    鼻粘膜の浮腫のため静脈の流れが抑制される結果と考えられている)。
  7. アレルギー性鼻炎,滲出性中耳炎または喘息などの形をとる呼吸器系アレルギー。
夜尿症[P.80-81]

夜尿症の原因のひとつとしてアレルギーが指摘されたのは1931年であったが,
Bary129は喘息の子供の誘因となるアレルゲンを除去すると
夜尿症がなおることがあると述べている。
Bray GW: Enuresis of allergic origin. Arch Dis Child 6:251-253,1931
1959年にBreneman130は24人の夜尿症について述べているが,
その原因となるアレルゲンとしては,
牛乳単独の場合と他の食物と一緒の場合とが推定されている。
Breneman JC: Allergic cystitis: The cause of nocturnal enuresis. GP20:85-98,1959
そして,牛乳を食物の中から除去し始めると夜尿が消失した。
この経験に基づいて,Brenemanは食物アレルギーが夜尿症のありふれた原因と信じ,
そのアレルゲンの主なものは牛乳であるとした。
もうひとつの研究で彼は131夜尿症の子供100人を対象として
2種類の食事療法を行ってみたが,
就寝時の投薬の際に今まで排除していた食事をとらせてみると,
夜尿症の率の26.2%だけ増加し,
また夜尿症が治ってから原因となる食物を食べさせて誘発テストを行ってみると,
52%に夜尿が起こったという。
Breneman JC: Nocturnal enuresis: A treatment regimen for general use. Ann Allergy 23: 185-191,1965

Gerrardらは夜尿におけるアレルギーの役割についてもうひとつ興味ある観察をしているが,
夜尿症の子供は対照に比してアレルギー疾患をもっていることが多い132
Zaleski A, Shokier MK, Gerrard JW: Enuresis: Familial incidence and relationship to allergic disorders. Can Med Assoc J 106:30-31,1972
また,夜尿症の子供に牛乳またはその他アレルギーを起こす
食物を除いた食事を与えると約1/5の子供は膀胱の最大許容量が増し,
日中の排尿回数が減少し,夜尿がやむ133,134という。
Esperanca M, Gerrard JW: Nocturnal enuresis: Comparison of the effect of imipramine and dietary restrictions on bladder capacity. Can Med Assoc J 101:721-724,1969
Gerrard JW, Zaleski A: Functional bladder capacities in children with enuresis and recurrent urinary infections, in Dickey LD(ed):Clinical Ecology,Springfield,Ⅲ.,Thomas,1976,pp224-232
これらの研究の示唆するところは,
牛乳アレルギーが膀胱筋肉の慢性の収縮を起こすかまたは弛緩の度合いを少なくするため,
排尿回数が多くなり,夜尿を惹き起こすものと思われる。

膀胱炎[P.81]

患者によっては尿路系のアレルギー反応によって膀胱炎,
尿道炎または株尿路生殖系の疾患に似た症状を起こすことがある。

ネフローゼ症候群[P.81-82]

蜂にさされてネフローゼ症候群が起こることは以前から知られている。
ネフローゼ症候群は季節的に特殊な花粉にさらされることによって悪化する人があり,
この場合は減感作によって緩和する。

<中略>

松村らは,ネフローゼ症候群をもつ子供のうち,
ある者では蛋白尿が特殊な食物の摂取によって誘発されたり,
悪化したりすることがあると証明したが,
この中には牛乳が関係しているものもあった。
特発性ネフローゼ症候群の原因に牛乳アレルギーが関与していることも,
Sandbergらが6人の子供について研究して発表している。
6人の子供はどの子もみなステロイド療法を繰返して受け,
そのため何度もネフローゼ症候群の再発を見ている。
6人のうち5人には喘息や湿疹の既往歴があった。
牛乳による皮内反応では全例が陽性を示したし,
腎生検の工学的顕微鏡所見では正常な構造を示し,
免疫蛍光法では糸球体に免疫複合体の沈着を示さなかった。
主食の中から牛乳を除いてみると,コルチコステロイド療法を行わなくとも蛋白尿は減少した。
1オンス(約28.3g)の牛乳を飲ませて誘発してみると,
顕著な蛋白尿,浮腫が現れ,尿量減少が見られた。
4人の患者では血清IgGが減少し,
6人にはC3の活性化が見られたが血清IgA,IgM,IgEは正常範囲にとどまっていた。
しかし,牛乳を除いてしまうと3-10日の間に病状は緩和した。

アナフィラキシーショック[P.82]

牛乳による全身的なアナフィラキシー反応は稀であるが,
実際に起こりうるということは知っておくことが大切である。
一般に,このショックは牛乳の摂取後急速に起こってくるが,
2,3滴または数mlの牛乳でも起こりうる。

冠動脈疾患[P.83]

1960年,Briggsら156の疫学的研究によれば,
牛乳を多量に飲んでいる患者の心筋梗塞発症率は予想以上に高かった。
Briggs RD, Rubenberg ML, O’Neal RM,et al.: Myocardial infarction in patients treated with Sippy and other high-milk diets. Circulation 21:538-452,1960
この調査が刺激になって,
冠動脈疾患患者の牛乳蛋白質に対する免疫学的な応答の研究を行った学者がある。

剖検による若年者の冠動脈疾患発生率をレトロスペクティブに研究して,
Osborn157は,母乳哺育を受けなかった人々の冠動脈には一般に異常が認められたが,
2ヵ月以上にわたって母乳哺育を受けた者ではほとんど正常であったと述べている。
Osborn GR: Stages in development of coronary disease observed from 1,500 young subjects: Relationship of hypotension and infant feeding to etiology. Colloques Int Cent Natn Rech Scient 169:94-139,1968

1969年,Daviesら158は,
冠動脈疾患では血清中の牛乳に対する血球凝集抗体価が上昇していると報告している。
Davies DF,Davies JR, Richards MA: Antibodies to reconsituted dried cow’s milk protein in coronary heart disease. J Atheroscler Res 9:103-107,1969
加熱乾燥したミルクの成分に対する抗体の上昇も無視できないが,
非加熱牛乳成分に対する抗体に比較すれば遥かに少なかった。
これらの観察結果に基づき,Daviesはアテローム性動脈硬化性心血管疾患には
免疫学的機序が関与するのだろうと見なしている。
彼は循環血中の抗原抗体複合体は牛乳を多量に飲む人では過剰に形成され,
数年にわたって内皮の損傷,血小板の付着,斑形成,血栓症を起こしてくるものと信じている。
その後の研究162で,心筋梗塞の患者では,
対照に比して循環血中に牛乳中の抗原に対する血球凝集抗体をもつ割合がずっと高く,
卵に対してはそれより少ないことが報告されている。
Davies DF, Johanson AP, Rees BWG, et al.: Food antibodies and myocardial infarction. Lancet 1:1012-1014,1974
この差は心筋梗塞のため6ヵ月以内に死亡した患者で最も著しかった。

しかし,他の研究者たちの行った成績では,冠動脈疾患における免疫学的病因論の仮説を支持していない。
2つの研究では,心筋梗塞の患者と同年齢の対照の人との間に牛乳に対する抗体価の差がみられていない。

不整脈[P.84]

心臓がアレルギーのショック器官となることは,何人もの研究者から報告されている。
アレルギーによる不整脈については大人に報告が多い。
Reaは心室細動と低血圧の68歳の男性が心臓ショックを起こし,
蘇生と昇圧療法を2日間にわたって受けたことを報告している。
この患者がショックから抜け出して昇圧療法を中止すると,
経口的に食事をとるようになったが,食後まもなく鼓腸が現れ,
心室性期外収縮を起こし,血圧が下降した。
再発を何度も繰り返したが,その後は牛乳や卵を食べるたびにこの反応が起こるようになった。

乳児突然死症候群[P.85]

過去20年間に文献上議論のもとになったひとつの仮説は,
SIDSが牛乳アナフィラキシーによるとするものであるが,
睡眠中に起こるため症状が修飾されてしまうという。
この仮説は,感作されている人工栄養児に睡眠直前に牛乳を与えると,
胃内容を吐き,少量の牛乳が肺に入り,
そこで急性アナフィラキシー反応を起こし,突然死になるというものである。
この仮説は母乳哺育より人工栄養児の方にSIDSを起こす率が高いという観察結果から,
ある程度の免疫学的な支持を得ているが,
SIDS児と対照の子供を比較してみても哺乳形式に差は見られないとする報告もある。

アナフィラキシーの仮説は,動物や人における免疫学的な研究によっても支持されている。
Parischらは非経口的に感作した覚醒しているモルモットの喉頭に少量の牛乳を与え,
典型的な全身性アナフィラキシー反応を起こしている。
しかし,モルモットに軽く麻酔をかけておくと,
喉頭に牛乳を入れた場合は必ず突然呼吸停止が起こり,頓死している。
このときの病理学的所見はSIDS児のそれと似ているし,
これと同じ結果は経口的に感作した動物でも起こる180
Devey ME, Anderson KJ, Coombs RRA, et al.: The modified anaphylaxis hypothesis for cotdeath: Anaphylactic sensitization in guineapigs fed cow’s milk. Clin Exp Immunol 26:542-548,1976

SIDSの乳児の血清には,IgM,IgG,IgAおよびIgEなど
種々な免疫グロブリンクラスの牛乳蛋白に対する抗体が検出されている。
さらにSIDS乳児の肺や血清からは,対照に比して
牛乳蛋白分画のβ-ラクトグロブリンやα-ラクトアルブミンが高頻度に検出されている。
しかし,牛乳に対する血清抗体は,
SIDS児でも正常児でも同一レベルに存在しているとする研究者もある。

乳児皮質過骨症・眼アレルギー・帯下[P.86]

Bowmanら191は,アレルギー現象ではないかといい,
この病気をもった2人の乳児が大豆粉乳で哺育してから劇的に病状が改善され,
食事に牛乳を混入すると症状が再現したと報告している。
Bowman JR, Crosby LF, Jr, Piston RE: Observations on the etiology and therapy of infantile cortical hyperostosis. J Tenn Med Assoc 48:257-260,1955
我々の知っているかぎりでは,
この違憲は他の研究によって実証されておらず,病因は依然として不明である。

<中略>

牛乳など食物アレルギーによるアレルギー性結膜炎およびアレルギー性角膜炎の患者では,
病因となる食品を除外することによって症状の改善された者がある。

<中略>

食物アレルギーによって帯下が起こった婦人や少女のあることが報告されている。
ある患者は牛乳を飲んだ後で顔面の浮腫や帯下が現れたが,牛乳をやめると症状が消失し,
2-3日後食事の中に薄めた牛乳数滴を入れたところ再発している。

原因不明の患者は血清抗牛乳沈降素値が上昇している[P.113-114]

小児脂肪便症,その他の慢性下痢症,鉄欠乏性貧血,膵嚢胞性繊維症,
IgA欠損症,ダウン症候群,家族性自律神経障害,Wiskott-Aldrich症候群,
Hurler症候群および慢性反復性肺炎の患者の血清には,抗牛乳沈降素の値が上昇している。
これらの疾患の多くの場合における抗牛乳沈降素の意義は,未だ解明されていない。

*   *   *

潰瘍性大腸炎,ダウン症候群,乳児突然死症候群,Wiskott-Aldrich症候群,
家族性自律神経失調症,心筋梗塞その他種々な慢性疾患の患者に,
高値の抗牛乳赤血球凝集素が存在すると報告されているが,
これらの疾患における病因としての役割については未だ解決されていない。

粉ミルクの代用品には大豆粉乳が適している[P.145_186]

乳児哺育での「大豆粉乳」に関しては,おそらく1909年にRuhrahが
胃腸疾患の人に牛乳の代わりに用いたのが最初の報告と思われる。
1917年にOsborneとMendelは
大豆が乳児の正常な発育のための適切な栄養価をもっていると述べている。
1929年にはHillが牛乳特異体質の乳児の哺育に大豆粉乳を用いることをすすめている。
1950年代までにアメリカでは大豆を利用した調製粉乳が広く手に入るようになった。

*   *   *

大豆粉乳は,牛乳アレルギーの予防のために最も普通に用いられている製品である。
1952年GlaserとJohnstone196は,アレルギーにかかる危険性のある67人の乳児に
生下時から大豆粉乳を与えて成功したと述べている。
Glaser J,Johnstone DE: Soybean milk as asubstitute for mammalian milk in early infancy;with special reference to prevention of allergy to cow’s milk. Ann Allergy 10:433-439,1952
またレトロスペクティブに見て,
アレルギーにかかる危険性ある子供たちに生下時から大豆粉乳を与え,
幼児期にも牛乳を与えなかったところ,
6歳までに重いアレルギーにかかった子供は牛乳で育てた兄弟に比較すると,
約4分の1発病率(すなわち15:65%)だったと述べている2,197
Glaser J,Johnstone DE: Prophylaxis of allergic disease in newborn. JAMA 153:620-622,1953
Johnstone DE, Glaser J: Use of soybean milk as an aid in prophylaxis of allergic disease in children. J Allergy 24:434-436,1953
この観察はその後JohnstoneとDutton3のプロスペクティブな研究によって10年間続けられた。
アレルギーにかかる可能性の強い子供たちのうち生下時から大豆粉乳で育てて9ヵ月間,
牛の製品,ニワトリ,卵,小麦を与えなかった子供は,牛乳で育った群では50%に
呼吸アレルギーが見られたのに対し,僅か18%であった。
Johnstone DE,Dutton AM: Dietary prophylaxis of allergic diseases in children. N Engl J Med 274:715-719,1966
しかし,特にアレルギー罹患の危険性ある子供だけに限定しない場合は,12-27ヵ月の間,
大豆で哺育された群は10.6%,牛乳で哺育された群は13.3%の発生率であった198
Brown EB, Josephson BM, Levine HS, et al.: A prospective study of allergy in a pediatric population. Am J Dis Child 117:693-698,1969

幼若な乳児の循環血中抗体の研究で,
大豆蛋白も牛乳蛋白も同程度に抗原性のあることがわかった199
Eastham EJ, Lichauco T, Grady MI: Antigenicity of infant formulas: Role of immature intestine on protein permeability. J Pediatr 93:561-564,1978
しかし,この研究は,
2種類の蛋白質が同等のアレルギー誘発性をもつことを実証しているのではない。
一般的に,アレルギー疾患の予防に
牛乳の調製粉乳より大豆粉乳の方がすぐれているとはいいきれないという学者もある8,200
Gruskay FL: Prophylaxis of allergic disease. Does milk-free diet help? A prospective study. Ann Allergy 42:128,1979
Kjellman N-IM,Johansson SGO:Soy versus cow’s milk in infants with a biparental history of atopic disease: Development of atopic disease and immunoglobulins from birth to 4 years of age. Clin Allergy 9:347-358,1979

全世界的な人乳汚染現象[P.182]

アメリカの7つの市から集められた
人乳中のジクロロジフェニールトリクロロエタン(DDT)の濃度は,
0.02以下のものから0.83μg/mlの範囲にわたり,平均0.17μg/mlを示したが,
一方WHOの勧告では牛乳中の最大許容量は0.05μg/ml172である。
Wilson DJ, Locker DJ, Ritzen CA, et al.: DDT Concentrations in human milk. Am J Dis Child 125:814-817,1973
授乳中の女性は摂取したDDTの約125%を母乳中に分泌しているので
DDTは負のバランスを保っていると考えられている163が,
牛では僅かに1.5%で分泌されるにすぎない。
Knowles JA: Breast milk: A source of more than nutrition for the neonate. Clin Toxicol 7:69-82,1974

<中略>

ヘキサクロロベンゼンで汚染された小麦を食べた母乳が原因で,
1956年トルコで子供たちの中毒症状が流行したといわれている177
Cam C: A new epidemic dermatosis of children. Ann Dermatol Syphiligr(Paris) 87:393-397,1960
同じようにメチル水銀による流行が,イラクで1972年に起こっている178
Amin-Zaki L, Elhassani S, Majeed MA, et al.: Studies on infants postnatally eposed to methylmercury.J Pediatr 85:81-84,1974

デリドリンヘキサクロロチクロヘキサン
およびヘプタクロロエポキサイドは人乳の中からいろいろな濃度で検出されているが,
他の殺虫剤ほどの検出率はない176,179
Bakken AF, Seip M: Insecticides in human breast milk. Acta Paediatr Scand 65:535-539,1976
Dyment PG, Hebertson LM, Decker WJ, et al.: Relationship between levels of chlorinated hydrocarbon insecticides in human milk and serum. Bull Environ Contam Toxicol 6:449-452,1971

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です