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書籍と雑誌の要約と解説

「食」器公害

あなたの家のナベは安全か!?

装丁
「食」器公害 あなたの家のナベは安全か!? 「食」器公害 あなたの家のナベは安全か!?
家事問題協議会
現代書林
ISBN4-87620-194-3
1988/02/11
¥825
解説
アメリカを中心にしたアルミニウム有害論をみていくと、
アルミニウムが無害であると証明することはきわめてむずかしい状況にあるというほかはない。
日本では、このアルミニウムがいまだに安全な金属として使われている。
この本の執筆にあたり、公害に関する研究をおこなっている研究所などに問い合せてみても、
データはまったくないに等しく、はなはだしい場合には
「アルミニウムは人体に必要な金属ではないのですか?」と逆に質問される始末だった。

専門の研究所にしてこのありさまである。
われわれ一般人が、アルミニウムをはじめとする各種金属の有害性について知ることは
通常ではまず不可能といっていいだろう。
今回、この本が誕生するキッカケとなったのも、
アメリカの研究者がまとめたアルミニウムの有害性についてのレポートだった。

目次
  1. ショック!「食」器公害が死を招く
    1. アルミニウム毒を実体験したアメリカ人ドクター
    2. 弁当箱にあいた穴
    3. ナベからカドミウムが溶け出した
    4. 欠陥ヤカンから猛毒が……
    5. あっ!カン詰めのスズが溶けている
    6. 給食の食器問題で是非論争
  2. 人体実験を受けている子供たち
    1. 表面化したアルミニウム疑惑
    2. 検出が難しい体内アルミニウム
    3. 金属の毒で子供が狂っていく!?
      1. アルミニウムを食べさせられている子供たち
      2. タレ流しの有害金属
      3. 子供が凶暴化する原因はどこにある
      4. 無気力っ子の体内で鉛が見つかった
      5. ワクチンにもアルミニウムが含まれている
    4. 知っておきたい有用金属と有害金属
      1. 亜鉛
      2. モリブデン
      3. コバルト
      4. ニッケル
      5. マンガン
      6. クロム
      7. セレン
      8. その他の有用な金属
      9. 水銀
      10. カドミウム
      11. ヒ素
      12. アルミニウム
  3. アルミニウムが脳を直撃する
    1. 熟年を突然襲う原因不明の痴呆症
      1. 家族に多大な負担を強いる痴呆性老人
      2. 痴呆性老人一〇〇万人時代がやってくる
    2. 若ボケの原因はアルミニウムか!?
    3. アルツハイマー病は火山国に多い
    4. アルミニウムはこうして脳に侵入する
    5. アルミニウムが原因の腎臓と肝臓の機能障害
    6. 心もとない行政側のアルミ害対策
  4. アメリカからの緊急レポート
    1. 体内アルミニウムで骨がボロボロ(?)
    2. 実験で確認された“骨軟化症”
    3. 透析脳疾患患者にアルミニウムが侵入している
    4. 初めて報告された痴呆症とアルミニウムの関係
      1. 透析痴呆症
      2. 神経系退疾患
      3. アルツハイマー病
      4. ダウン症候群
      5. グアムに見られる風土病
    5. アルミニウムは貧血も誘導する
    6. 初のアルミニウム中毒実験の結果は……
  5. 金属公害が暮らしを破壊する
    1. “銅の毒”は一〇〇年たっても消えない
    2. 管理のズサンさが招いたセシウム一三七恐怖
    3. 水銀の恐ろしさが改めて確認された
    4. 乱れた地域開発が起こした(?)カドミウム悲劇
    5. 酸性雨で森が川が死んでいく
    6. 共存か破滅か――ああ、自然バランスが崩れていく
  6. 食器・調理器を総点検する
  7. どんな調理器具や食器が安全か
    1. アルマイト
    2. アルミニウム
    3. ステンレス
    4. 耐熱ガラス
    5. ホーロー
    6. 土ナベ/石ナベ
文献
  • 丸元淑元『丸元淑元のクック・ブック』[P.201]
  • 川城巌『食品衛生小要論』
  • 永田親義『ヒトのガンはなぜ生じるか』
  • 丸元淑元『いま、家庭料理をとりもどすには』
  • ナンシー・メイス+ピーター・ラビンズ『ぼけが起こったら』
  • 南和子『暮らしの道具学』
  • 河野友美『料理器具』
  • 谷口正和『地球人』
  • 町田貞子『暮し上手の家事ノート』
  • 藤井和子『気がつかなかった住み方』
  • 土井勝『日本料理秘訣集』
  • 青春出版社『専門家の一口メモ』
  • 吉村英敏『毒性学――その生化学的側面』
  • 宮田新平『人体パーツ別健康事典』
  • 吉川春寿+竹内端弥『食卓の不安にお答えします』
  • アネットB『素晴しい人生のための栄養・健康法のQ&A』
  • E.M.サビッキー&B.C.クリャチコ『金属とはなにか』
  • 今村光一『今の食事が子どもを狂わせる』
  • 細川久『驚くべきミネラルパワー』
  • 朝日新聞社『ことわざ医学事典』

内容

  1. カス・T・ベッツ博士のアルミ中毒体験談[P.17-21]
  2. ホーローナベの傷からカドミウムが溶出する[P.26-28]
  3. いったんカンを開けてしまうと、空気中の酸素によってスズが急に溶出しはじめ、一日ごとに一〇〇ppmずつスズが食品中に溶け出してしまう。[P.34]
  4. メラミン樹脂食器ボイコット事件[P.35-36]
  5. アーマンド・リオーネ『アルミニウム中毒およびアルミニウム含有薬品』[P.42-43]
  6. 哺乳ビンから大量のアルミニウムを摂取させられている健康な幼児は、アルミニウムの体内蓄積は認められないが、尿からはかなりの量のアルミニウムが検出されているという。[P.46]
  7. 湯沸かし器によるアルミニウム汚染(一九七六年)[P.50]
  8. 少年院生は清涼飲料を多飲している[P.54]
  9. アメリカ上院栄養問題特別委員会は、家庭内暴力の多くは食べ物にその原因があり、それを改善することによって脳神経を元に戻すことができる、とのレポートも発表している。[P.56]
  10. 自販機天国日本[P.57-58]
  11. 少年院生の毛髪金属検査[P.65-66]
  12. アルミ大量添加チーズ[P.104]
  13. 腎不全の患者のなかで関節炎をわずらっている者から摘出した腎臓組織の一部に、アルミニウムを含む濃度の高い沈殿物があることを発見した学者もいる。[P.107]
  14. アルミの肝臓蓄積[P.107-108]
  15. アルミ性貧血[P.109-110]
  16. アメリカ合衆国公正取引委員会ファイル・NO五四〇[P.117-118]
  17. ビタミンD耐性骨軟化症[P.121-123]
  18. アルミ性高カルシウム血症[P.125]
  19. アルミニウムの連続的な投与が繰り返されると慢性的なリン欠乏症になり、骨軟化症を誘発するという報告もある。[P.126]
  20. 食品中に含まれるアルミニウムは、たとえわずかな量であっても、腸のフッ化物吸収をさまたげる。[P.126]
  21. 透析脳障害[P.128-129_133]
  22. 放射能塗料事件[P.154-158]
  23. アルミ製調理器具にはバクテリアが残留しやすい[P.202]

カス・T・ベッツ博士のアルミ中毒体験談[P.17-21]

アルミニウムの毒性はあまりにも広範囲であるため、私自身の経験を記述し、
アルミニウム使用への警告をおこなうことは私の義務であるように思える。

数年前、私達は良質のアルミニウム製調理器具を購入した。
この中には、つねに料理用コンロの上に置き、水を入れていたヤカンが含まれていた。
私は毎朝2~3杯の水をこのヤカンから飲み、夕食前にも多少、飲んでいた。

その後、私は悪性の内臓疾患をわずらった。
健康を回復するためにあらゆる治療を試みたが、薬草や薬品は継続的効果を現さなかった。

私はその原因を解明しようとしたが、すべては失敗に終わってしまった。
医師は私の病状についてあらゆる説明をしてくれたが、
すべて病気の原因とはかけ離れたものだった。

「なんとかしないと、間違いなく私は死ぬ!」そう思った。
追いつめられた私は、肝臓、膵臓、腎臓などの期間にアルミニウムが存在していることを発見した。

そして、調理器具をチェックしてみた。
するとどうだろう。

アルミニウムのヤカンで沸騰させた水からは、簡単にアルミニウム粒子を観測できた。
皮をむいた芋をアルミニウム容器に保存すると、ひと晩で黄ばみ、
それを料理するとしなびて内部にまでどす黒い筋が現れた。

アルミニウムの調理器具上で作ったパンやパイのドウは灰色がかる。
キャベツをナベで煮るとナベがどす黒くなる。トマト、アップルソース、
さくらんぼ、ブドウなどを煮ると、五分で即座にナベの内側がきれいになってしまう。

また、二時間ほど沸かした良質の水は乳白書君稲荷、アルミニウム容器の内側を黒っぽくしてしまう。

そのほか、アルミニウムの容器で数分似たバタースコッチパイの詰め物は、
濃い茶色から暗い緑に変わり、マヨネーズドレッシングは明るい黄色から茶色に変色した。

アルミニウムの容器で作ったレモネードを金属容器に入れて放置すると味がひどくなった。
水を一時間半にわたってアルミニウム容器で沸騰させてのちガラス容器に移すと、
明るい羽毛状の物質が肉眼で観測でき、冷却後はガラス容器の底に沈殿した。

私の観察は以上のようなものだったが、
アルミニウムの毒性について調べてみると、1925年から1930年にかけて、
アメリカ政府がこの特定な事項に関する徹底的な調査をおこなっていることを知った。

連邦取引委員会は、158人の証言をタイプで400ページにもわたる膨大なレポートにまとめ、
公式に発表している。

それによると、アルミニウム器具で牛乳といっしょに料理されたシーフードを食べた人が病気になった。

集団中毒がもっとも起こりやすいのは、アルミニウム容器で料理されたのち、
12時間にわたり同容器内に保存されたニワトリ、豚、子牛などの塩味フリカッセが出されたときである。

教会の夕食で200人が食中毒にかかったときは、
長時間にわたり肉汁ソースをアルミニウム容器に放置したために
ソース全部が毒性となったためであると医師が語っている、
などと紹介されており、この記録の証拠は、これらのものが有毒であると断定できる根拠がある。

調理器具から分離したアルミニウムを食品とともに摂取すると人体に悪影響を与える
さらなる証拠として誰にでも理解できる証拠が揃っている、と記されていた。

このようなことがわかり、私はアルミニウムの調理器具からの毒素の摂取を避けた。
すると八週間後には私の健康が回復し、その後は健康を維持することができた。

ホーローナベの傷からカドミウムが溶出する[P.26-28]

ホーローナベからカドミウムが溶け出すことは、昭和五六年五月に、
愛媛県生活センターが商品テストをした結果、確認された。
当時の新聞もそれを報じている。

それによると、一主婦の「キズついたホーローナベをそのまま使っても人体に影響はないのか」
という疑問に応え、県生活センターが商品テストをしてみたところ、
前述のようにカドミウムの溶出が確認されたというものであった。
これについて、業者はただちに回収をはじめている。

<中略>

福岡県や東京都でも、ホーローナベからカドミウムが検出されている。
福岡県の場合は〇・八一ppmという高濃度のカドミウムが検出され、通産局に回収を申し入れている。

東京都の場合は、アメリカ製のホーロー両手ナベ。
都消費者センターが昭和六一年に検査したところ、
日本琺瑯工業会の自由規制基準である〇・四ppmをオーバーする
〇・六ppmのカドミウムが検出されたというもの。

メラミン樹脂食器ボイコット事件[P.35-36]

学校給食に使われている食器の材質についてひとつの事件が持ちあがった。

場所は福岡県飯塚市。
そこの小中学校の学校給食の食器にメラミン樹脂が使われようとした。
これを知った父母と先生が、メラミン樹脂には有害物質のホルムアルデヒドが含まれているからと反対。

その食器を使って給食が出される日には、
小中学校生徒のうち一三・八パーセントが自宅から食器を持参し、
実質的にメラミン樹脂製の食器の使用をボイコットしたというものである。

このメラミン樹脂製の食器そのものは、
食品衛生法にのっとって衛生公害センターでテストされ、
有害物質が溶出するレベルはすべて規準以下だった。

にもかかわらず父母と先生が反対し、教育委員会と対立しているというものである。

アーマンド・リオーネ『アルミニウム中毒およびアルミニウム含有薬品』[P.42-43]

「アルミニウム中毒およびアルミニウム含有薬品」と題するレポートは、
こういう書き出しではじまっている。
臨床すなわち実際に治療の最前線で活躍する立場にある医師が、
現実に患者の身体に起きている異変からアルミニウムの人体におよぼす影響を認めているというのだ。

そして、こうした文献は、過去一〇年間に急増している。
その背景にあるのは、肝臓病の患者がアルミニウムの含まれた薬剤を連続的に投与され、
致命的な神経破壊、すなわち透析脳疾患を誘発しているという事実があるのだ。
病気を治すべく与えられた薬が、患者をアルミニウムの被害者にしているというのである。
そのほか、アルミニウムによる脳疾患の発病と
尿毒症患者を襲う骨ジストロフィー特有の症状との関連を指摘する報告書もある。

少年院生は清涼飲料を多飲している[P.54]

発達心理学を専攻する大澤博岩手大学教授によると、
五八年に少年院生に入院前の清涼飲料摂取量を調査した結果、
健全な高校生のうちもっともよく飲む人で最高五本なのに対し、
少年院生は三分の一が一日六本以上、最高は一日に二〇本という数字もあったという。

自販機天国日本[P.57-58]

自動販売機は現在、日本全国に二〇〇万台を超える数が設置されている。
この数字はアメリカの総台数を抜いており、国民六〇人に一台という高い普及率になる。

なお、これほどまでに自動販売機が普及しているのは、日本をおいてほかにないという。
諸外国にももちろん自動販売機はあるが、日本のように二四時間、
屋外に放置されている自動販売機が多いところはない。

なぜなら、外国は日本ほど治安が良くないため、
人通りの少ない場所に自動販売機を置いておくと、自動販売機ごと持ち去られるからである。
これほどまでに自動販売機が普及した裏には、
日本がまれに見る治安の良い国であることも大きな要因であるようだ。

少年院生の毛髪金属検査[P.65-66]

生活学園短大の佐藤教授が高温炉原子吸光分析という高精度の分析法で、
少年院生と一般の少年の毛髪に含まれる金属をはじめとする
一四種の微量元素について調査したところ、両者には明らかな違いあった。
結論からいえば、少年院生の毛髪にはアルミニウム、
鉛、亜鉛、カドミウムが多く、カリウムが少なかった。

アルミ大量添加チーズ[P.104]

アメリカの例だが、
チーズに使用が認められているアルミニウム・リン酸塩の量を計測したところ、
チーズの約三パーセントの重量を占め、
ひときれで五〇ミリグラムものアルミニウムが含まれていたという。
一般に成人の一日当たりのアルミニウム摂取許容量は五ミリグラムだから、
チーズひときれで優にその量の一〇倍に達してしまう計算になる。
食品にアルミニウムを添加することは、
人体にとって無益な化合物を人間に摂取させるだけであることはいうまでもない。
アメリカではアルミニウムの毒性が認められるようになってからは、チーズには、
アルミニウムの代わりにカルシウム含有食品添加物が使われるようになっている。

アルミの肝臓蓄積[P.107-108]

それは肝臓をわずらう五人の子供の肝臓機能障害の原因を特定するためにおこなわれた
肝臓生検琺によってわかったものだ。
肝臓組織を分析してみると、五人全員に大量のアルミニウムが検出され、
全員に中程度から重度の肝臓組織病理が認められた。

アルミ性貧血[P.109-110]

われわれのもっとも身近な病気のひとつである貧血にも
アルミニウムが関与しているというレポートがある。

そのレポートは、
アルミニウムによるものと思われる骨軟化症と脳疾患の尿毒症患者を調べた研究者による。
一般に、貧血は鉄分の不足が原因とされているが、いくら鉄分が体内に供給されていても、
アルミニウムが侵入してくると貧血になるというものである。
これは、アルミニウムがプラズマ結合によってマトランスフェリンと結びつくために、
鉄分の分配と代謝が阻害され、その結果、貧血が起きるというのだ。
また、アルミニウムが正常なヘモグロビンの合成を直接、阻害していると考えている学者もいる。

アメリカ合衆国公正取引委員会ファイル・NO五四〇[P.117-118]

アメリカ合衆国公正取引委員会ファイル・NO五四〇によれば、
アルミニウムに関して、次の結果が判明している。

1 アルミニウム製品で水を沸湯させた場合、悪性の酸化水素が発生する

2 アルミニウム製品で卵をゆでると、悪性のリン酸塩、
またはリン酸を含む炭酸水、ソーダー水が発生する

3 アルミニウム製品で肉を料理した場合、悪性の塩化物が発生する

4 アルミニウム製品でベーコンを料理した場合、非常に強力な麻酔性の酸が発生する。
そして、それらを大量に吸引すると気を失ったり、ときには死に至ることがある。

5 アルミニウム製品で野菜を料理した場合、酸化水素を発生させる。
酸化水素は野菜に含まれている消化性のエキスを中和させてしまい、消化効力をなくしてしまう。
したがって胃と腸の働きを弱めて、胃潰瘍などの原因になることがある

6 アルミニウムによる弊害は酸性症を引き起こし、
赤血球を激減させ、貧血症と同様の症状を引き起こす

というわけで、この結果をもとに、西ドイツ、フランス、ベルギー、イギリス、スイス、
ハンガリー、ブラジルなどでは、アルミニウム製調理器具の販売は禁止となっている。

ビタミンD耐性骨軟化症[P.121-123]

アルミニウム過多による神経症的な兆候が出ている透析患者には、
特殊なビタミンD耐性骨軟化症状が頻繁に発生している。
ここからアルミニウムが骨中毒の原因であるという説がとなえられるようになったのである。

ビタミンD耐性骨軟化症の尿毒症患者の骨には大量のアルミニウムが蓄積されており、
アルミニウムは骨の硬化作用がおこなわれている最前部に位置していることがわかっており、
そうした患者には透析やアルミニウムの経口投与量を減らすか、
アルミニウムの排出量を多くするキレート化合物形成療法によって
体内アルミニウムを減少させる方法がとられている。

ある研究によると、骨の組成率とアルミニウム含有量には強い因果関係はないが、
準骨組織といえる類骨の体積とアルミニウム含有量には因果関係があるとされている。
そして、硬化作用の最前部に多くのアルミニウムが蓄積している骨では、
アルミニウムが造骨細胞に直接、中毒作用をおよぼすなどして、
骨に作用していることが考えられるという。

また、骨形成障害の原因は、
アルミニウムによる副甲状腺ホルモンの免疫反応の後退が考えられるほか、
アルミニウムそのものが副甲状腺ホルモンの分泌を抑制していると見ている学者もいる。

いずれにしても、アルミニウムが骨を襲って骨軟化症を引き起こすことは明らかといっていい。
アルミニウムによって引き起こされる骨軟化症として有名なのはヨーロッパのニュキャッスル病。
これはイギリスのニューキャッスル地方に骨軟化症が多発しているのに注目して、
ニューキャッスル・アポン・タイン大学の透析センターが研究を進めて、命名した病気である。

アルミ性高カルシウム血症[P.125]

犬を実験台にした最近の調査では、
アルミニウムがカルシウム代謝におよぼす影響が明らかにされている。
アルミニウムの静脈注射を一本打つと数分後には軽度のカルシウム過多血症が起こり、
静脈注射を繰り返すと、カルシウム過多血症は数週間にわたって続く。
このことから、アルミニウムが骨格に含まれているカルシウムを
流動させるのではないかと考えられている。

透析脳障害[P.128-129_133]

透析脳障害は、一九七〇年代前半に初めて報告された新しい病気である。
もっとも、当初は単に神経系にのみ発生する病気として考えられていたが、
最近のアメリカやヨーロッパでのレポートは、脳障害、骨軟化症、近位曲筋疾患、
貧血症などを含む複数の病気の一部であるとの見解が示されている。
また、ほぼ半数の患者が胃腸系の病気を同時に訴えているという報告もある。

透析脳障害に関する初めてのレポートは、一九七二年にデンバーで発表されたが、
それをきっかけとして世界じゅうから同様の報告がなされた。
それらによると、患者は二年以上にわたり慢性血液透析を受けている者であり、
早期の症状としては、続けて不明瞭な発音をする、
どもる、口ごもるなどの言語の構語障害があったという。
精神病を含む性格の変化としては、痴呆症や筋肉の発作などが見られた。
そして、これらの早期症状は断続的に現われ、慢性化し、六か月で死に至ったという。

なお、言語障害は患者の九〇パーセント、痴呆症は八〇パーセント、
運動障害は七五パーセントに、発作は六〇パーセントに発生したとされている。

*   *   *

アルミニウムが透析性痴呆症の直接原因であることの証拠は、
オランダのアイントホーヘンで実証されている。
そこの病院で使われていたふたつの透析ユニットのうち
ひとつには九か月の間に六ケースも透析性痴呆症が発生したが、
もう一方にはなんの症状も起こらなかった。
調べてみると、透析性痴呆が頻発したユニットの温水システムには
侵蝕の進んだアルミニウム陽極が発見され、
アルミニウム濃度を高めていたことがわかったのである。

このユニットはのちに新しい病院に移動して使われたが、
給水システムが変わったために、それ以降は透析性痴呆や骨折は発生しなかったという。
透析性痴呆症の発生は透析時間の長さとは相互関係にないが、
高アルミニウム透析物にさらされる時間とは相互関係にあるといえるだろう。

放射能塗料事件[P.154-158]

一九八七年九月、ブラジルで信じられないような事件が発生した。
放射性物質の“死の灰”であるセシウム一三七を、
多くの人々が身体に塗ったり、食べたりして放射能汚染され、
これまでに四人が死亡、約二五〇人が治療を受けた。
しかも、被曝者は最終的には一〇〇〇人にものぼり、今後の成りゆきが憂慮されている。
この事故は一九八六年春に起きた
ソ連のチェルノブイリ原子力発電所の事故につぐ大きな放射能事故であり、
西側諸国では最悪のものである。

事故が起きたのは、ブラジルの首都ブラジリアの南西に位置するゴヤース州の州都であるゴヤーニャ。
人口は約七〇万人。
この最悪の放射能事故は、
ここゴヤーニャでくず鉄商を営むデバイル・フェレイラさん(三五歳)のところに、
若者二人が円筒形の機械部品らしいものを持ってきたことからはじまった。

フェレイラさんは、その部品を約四〇〇〇円ほどで買いとり、分解した。
円筒形の部分はスチールと鉛でできていたが、
これを壊すと中からプラチナで包まれた手のひらに乗るほどのカプセルが出てきた。

カプセル内に詰めこまれていたのは、濃いブルーの粉末約四オンス(一一三グラム)。
粉末は、暗いところでは青白く光った。
四〇〇〇円という値段で、この魅力的な物質を手に入れたフェレイラさんは、
兄に、また近所の人にわけ与えた。
カーニバルで有名な土地柄、
その不思議な物質を演出用の小道具として使おうという人がいたとしてもおかしくはない。
暗闇で青白く光る粉末を身体じゅうに塗りたくった人もいたし、
来年のカーニバルには衣装に塗って行こうと考えた人もいた。

フェレイラさんの兄は、
青白く光ることを確認しようと、家に持ち帰ったその物質を床にまいてみた。
六歳の娘レイデちゃんは、その物質を手にとって遊んだあと、手も洗わずにゆで卵を食べた。
が、すぐに吐き気をもよおして、ゆで卵を吐いた。
母親は、卵が腐っていたからだろうと思ったという。

そして、セシウム一三七の放射能被曝により、
フェレイラさんの妻マリアさん、レイデちゃんら四人が死亡、約四〇人が重症、
被爆者と認められた人は二五〇人にも達しているというが、
汚染者は一〇〇〇人にのぼると見られている。

この青白く光る物質がセシウム一三七だった。
セシウム一三七はプルトニウムやストロンチウム九〇などと並んで
きわめて高い危険性を持つ放射性物質。
ウランの核分裂の際に発生する“死の灰”である。
核爆発や原子力発電などに用いられる核燃料の灰にも含まれるアルカリ金属で、
人体内に侵入しやすく、消化器や筋肉に放射線障害を起こすし、
大量に被曝すると骨髄が冒される。ガンにかかる可能性も増大する。

今回のブラジルでの事故の原因となったセシウム一三七は医療用のものだった。
廃屋となったガン治療診療所に放置されていた放射線照射装置から、
若者二人がとりはずし、フェレイラさんのところに持ちこんだのだ。
ガン治療診療所は二年前にとり壊されたが、放射線照射装置はそのまま置かれていた。
ブラジル連邦警察はこのことをつきとめ、当時の診療所の医師三人をとり調べている。

また、住民の間に異常が起こりはじめてからの当局の対応も遅かった。
病院では原因がわからず、患者は病院をたらい回しにされたし、
ブラジル原子力委員会が現地に専門家を派遣したのは事故の発生からほぼ一か月後だった。

放射線汚染が明らかになってからは、住民はパニック状態に陥った。
検診には八万人近い人が列をなした。
他の都市のホテルでは、ゴヤーニャからの旅行者お断りというホテルも続出したし、
ゴヤーニャからの農作物はボイコットされた。

アルミ製調理器具にはバクテリアが残留しやすい[P.202]

ミシガン州立大学公共衛生学研究リポートによれば、次のような調査結果がでた。
調査したのは五種類の調理器の使用後、および洗浄後のバクテリア残留度である。

未使用のステンレス、ガラスおよび陶磁器製の調理器具は、
九七~九九%のバクテリアを洗い流すことができた。
しかし、アルミニウム、プラスチック製品は、テストの結果、
五六~八五%しか取り除くことができなかった。

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