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汚れ役 「味の素総務部」裏ファイル

巨大企業味の素の裏の顔

装丁
汚れ役 「味の素総務部」裏ファイル 汚れ役 「味の素総務部」裏ファイル
石神隆夫(元味の素株式会社総務部課長)
太田出版
ISBN4-897233-475-2
1999/08/05
¥1500
企業にとって本当の「危機管理」とはなにか?
「社内総会屋」とまで呼ばれた元総務課長が赤裸々に語る
「総会屋対策」「スキャンダルのもみ消し」の実態。
売上高六千億超の巨大企業・味の素とそのグループ企業をめぐる
「危機管理」の核心を記した“石神メモ”の内容がいま初めて明らかに!
解説
本書では、闇社会とか裏社会と言われる部分と深く関わる総務の仕事を明らかにしたい。
報道によって批判の的となってきた「癒着」の現実の姿を知っていただきたい
ということに加えて、反社会的集団との関わりに今後も苦しめられるであろう
日本の企業に少しでもお役に立てれば、と思うからだ。
目次
  1. 歌田代表取締役(81年-89年)
    1. グリコ・森永事件と便乗反
    2. 総会屋との付き合いを再開へ
    3. 似非同和事件
    4. 商法改正後の変貌ぶり
    5. 味の素にも株付けが
    6. 転換社債発行へ
    7. スキャンダル
  2. 鳥羽代表取締役(89-95年)
    1. 四社の総務を担当
    2. インサイダー取引
    3. 富津ゴルフ倶楽部の顛末
    4. これでも利益供与か
    5. 相つぐ女性トラブル
    6. トップと総会屋との面談
    7. ダイエー顧問から社長へ
  3. 稲森代表取締役(95-97年)
    1. 稲森社長就任を巡る不可解
    2. 荒れた株主総会の真相
    3. 株を買い占められた熊沢製油
    4. カルピス時代の稲森社長
  4. メルシャン鈴木社長、山縣副社長
    1. 顧問弁護士を「懲戒免職」
    2. 女性スキャンダルと総会対策
    3. 鈴木社長夫妻から直々の頼み事
  5. 利益供与事件
    1. 任意捜査から強制捜査へ
    2. 会社の手のひら返し
    3. ごまかしは味の素のお家芸
    4. 裁判の経緯
    5. 日本一有名な総務担当者

内容

  1. 反味の素運動は取引をもちかけて解体する[P.219]
  2. 味の素を告発する学者は接待で手なずける[P.219-220]
  3. 味の素に不都合な論文は寄付をして口封じ[P.220]
  4. フィリピンでは食用犬を味の素で毒殺している[P.221]
  5. 味の素社員は味の素を使わない[P.221-222]

反味の素運動は取引をもちかけて解体する[P.219]

平成の時代に入ったころだが、
「味の素」の安全性を巡って女性を中心とした消費者グループが行動を開始しようとしたことがあった。
ところが、たまたま私が警察官時代に警備上の関係からこのグループの
広報誌の編集長と知り合いだったことから、私が話をつけることになった。
その時は、各地で開かれている味の素のクッキング教室を通じて先方の活動に協力をする、
ということでどうにか折り合うことができた。
しかし、これも広い意味では利益供与と言われても仕方ない一種の取引であった。

味の素を告発する学者は接待で手なずける[P.219-220]

味の素という社名のとおり、会社は調味料の「味の素」から出発している。
ところが、化学調味料というのではイメージがよくないことから
「うま味調味料」と呼び方だけを変えてみたりした。
あるいは、あたかもさとうきびから作った天然の調味料であるかのような
キャッチフレーズを付けたりして工夫している。

しかし、本当は原材料が問題にされるのではない。
その製造方法に異議を唱える人が意外に多いのだ。
日本においても「味の素」の安全性に疑問を投じる論文を発表したり、
それを経済誌に発表する人が何人かいるが、
そのような人に対処するうえで接待費や広告料が膨大にかかる場合もある。

そんな中には向島の料亭で芸者をあげてドンちゃん騒ぎを好む人もおり、
一回の支払いだけで数十万円にもなる接待をする場合もあるようだ。

味の素に不都合な論文は寄付をして口封じ[P.220]

海外では、たとえばタイを代表するような大学の教授が
「味の素」の安全性について論文を発表したことがあった。
すると、すぐさまその大学に対して、タイ味の素から寄付がなされた。
また、味の素はタイにおいて小中学校にノートや鉛筆、
消しゴムといった文房具を無料配布する運動を行っているが、
じつは安全性をうんぬんされないように口封じをする意味合いがあるのだ。

フィリピンでは食用犬を味の素で毒殺している[P.221]

右翼団体が発行するある新聞が、
タイの教授の研究資料と東南アジアの取材の結果という材料によって、
「フィリピンでは食用犬を殺害する際、大量の『味の素』を使用している」
という特集記事を組んだことがあった。
この団体の狙いは単なる購読料のアップだったため、大事にはいたらなかった。

味の素社員は味の素を使わない[P.221-222]

味の素には社員食堂がある。
本社ビルの最上階に近いワンフロアを使った眺め抜群の
おしゃれなファミリーレストランといった感じなのだが、
各テーブルには「味の素」が置いてある。
私が入社した直後、意外に感じたものだが、
この「味の素」を使わない社員が結構いるのだ。

ある部長職などは、
「大きな声では言えないが、ちょっと振りかける気にならないよ」
と言いながら使わなかったのである。
かくいう私も入社してから間もなく、家庭でも使わなくなった。
当時としては愛社精神の欠如ということでクビものだろうが、
上司の言葉が気になって仕方なかったからだ。

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