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書籍と雑誌の要約と解説

怖い食べ物

添加物食品がどんなに有害か知っていますか?

装丁
怖い食べ物 怖い食べ物
丹羽幸一(元東京タイムズ記者)
飛鳥新社
ISBN4-87031-077-5
1990/04/26
¥971
解説
現代社会においては、食べ物が病気を作る――
いつしか私は、この考えに深く傾斜するようになった。
そして食品や症例に関するさまざまなデータを集め、多方面にわたる取材を開始した。
納得できるまで、とにかく徹底的に調べ上げてやろうと思った。

私は、その調査の途中経過を
「警告レポート/ハンバーガーを食べるとインポ・不妊症になる?」と題して、
一九八九年六月八日号の「週刊文春」誌上に発表した。

反響はすさまじかった。わずか三ページの記事にもかかわらず、
それから三カ月近く、私の家の電話は文字どおり、鳴りっぱなしだった。
医師、看護婦、研究者はもとより、主婦、市民運動家、
そして前述の病める読者たちから、数々の問い合わせ・相談を受けた。

この時期である。私が現代ニッポンの“怖い食べ物”と、
それがもたらす病気との因果関係を明確に暴き出す本の必要性を感じたのは。
これほどまでに多くの人たちが真剣に、かつ切実に受け止めてくれるのならば、
私が集め得た材料を広く世間に提供すべきだ――私はそう考えて、本書の執筆に着手した。

目次
  1. 「流行食」の秘密
    1. チーズ・バーガーを食べると、大腸ガンになる!?
    2. スナック菓子と缶コーヒーが、歯周病を誘発する!?
    3. ダイエット食品が、女性を若ハゲにする!?
    4. ハンバーガーを食べると、インポや不妊症になる!?
    5. アイスクリームの常食は、頑固な便秘のもとになる!?
    6. コーラを常飲すると、骨粗鬆症になる!?
    7. ポテトチップス漬けの子どもは、感情障害になる!?
  2. 「便利さ」のわな
    1. 電子レンジは容器やラップを厳選しないと、肝臓障害になる!?
    2. 三歳以下の子どもにパック麦茶を飲ませると、神経障害児になる!?
    3. 持ち帰り弁当やレトルト米飯を常食していると、腎臓機能の障害が起こる!?
    4. インスタントラーメンばかり食べていると、うつ病になる!?
    5. 缶詰を常食していると、鉄欠乏性貧血になる!?
  3. 「安全」の神話
    1. “うす塩食品”を食べると、高血圧や脳血管障害になる!?
    2. 白こしょうについているカビには、発ガン作用がある!?
    3. 精白米を食べ続けると、神経痛になる!?
    4. 肉食を続けていると、乳ガンや結腸ガンになる!?
    5. 乳タンパクの変質した牛乳を飲むと、アレルギー症になる!?
    6. ドリップ・コーヒーの飲み過ぎは、心機能不全を起こす!?
    7. アルミニウムを含んだ水道水が、ボケをつくる!?
  4. 危険な「酒と肴」
    1. 安物のハム、ソーセージを食べると、心筋梗塞やガンになる!?
    2. ビールを飲み過ぎると、痛風になる!?
    3. ドライフルーツは、アレルギー性気管支喘息の引き金になる!?
    4. 魚肉ねり製品や佃煮は、膠原病の原因をつくる!?
    5. 焼いたサンマとハムの食べ合わせは、肝臓ガンになる!?
    6. 「いずし」や生ハムには、ボツリヌス中毒の危険性がある!?
文献
  • 吉利和『病気の生化学』
  • 早津彦哉『生体濃縮』
  • 高橋日出彦『くすりの毒性』
  • 吉村英敏『裁判化学』
  • E・J・アンダーウッド『微量元素 – 栄養と毒性』
  • 中野昭一『図説・病気の成立ちとからだ』
  • 堀口博『化学物質の安全性』
  • 日本化学会『環境汚染物質シリーズ』
  • 鳥居ヤス子・工藤和子・根元悦子『まともな食べものガイド』
  • 小若順一『気をつけよう輸入食品』
  • 伊藤薫『脳と神経の生物学』
  • 石館守三『生活環境と発ガン – 大気・水・食品』
  • 武者宗一郎『見えざる恐怖・食品汚染』
  • 日本食品衛生協会『食品添加物の使用基準便覧』
  • 増尾清『消費者にできる食品簡易テスト』
  • 高橋『自然食は安全か』
  • 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫『農薬毒性の事典』
  • 河村卓『がんにならない食事学』
  • 長谷川弘道『公害関連物質の毒性』
  • ナンシー・C・アンドリセン『故障した脳』
  • M.F.ジェイコブソン&S.フリッチナー『ファーストフードの秘密』[P.14]
  • 平山雄『大腸がんの疫学的変遷と今後の展望』[P.20]
  • 博報堂『食の科学』1989年11号[P.23]
  • I・I・ルーポー『毛髪ドクター』[P.32]
  • 肥後淳子『電子レンジ「こつ」の科学』[P.78]
  • 桜井芳人『総合食品事典』[P.102]
  • 落合敏『食べもの事典』[P.105_153]
  • 細谷憲政『食品成分表』[P.132]
  • サヴァラン『美味礼賛』[P.134]
  • ピーター・コックス『ぼくが肉を食べないわけ』[P.137]
  • 小冊子『乳牛の現代病を予防する』[P.142]
  • 藤澤重樹『こうして治そう・アトピー性皮膚炎』[P.145]
  • ニューヨークタイムス『医学これからこうなる』[P.156]
  • 朝長正徳『痴呆を考える』[P.158]
  • 『脳の栄養学』[P.161]
  • 膠原病友の会『私達の訴え』[P.196]
  • 塩川優一『膠原病のはなし』[P.197]
  • 河村太郎『日本食品衛生研究雑誌』[P.205]

内容

  1. システム協会会長・斎藤真範の脱毛症理論[P.37]
  2. 不妊症食源説[P.40-42_48]
  3. ブロイラーに到っては、狭いケージ飼いを可能にするために、抗ストレス剤のトランキライザーを飼料に投与する例すらある。[P.47]
  4. コーラで骨粗鬆症になった症例[P.56-57]
  5. 特別委員会のコーラ毒性論争[P.59-60]
  6. 貯水式のマンションの水道水には赤水防止のために、総合リン酸塩がふんだんに使用されている。[P.61]
  7. 少量の総合リン酸塩でも骨に異常をきたす[P.61-62]
  8. カラメルは体内でエチルニトロソ尿素に変換される[P.81-85]
  9. サイクロデキストリン合成酵素[P.88-90]
  10. エンクルム(塩味緩和剤)[P.113-115]
  11. アフラトキシンB1汚染報告[P.120-122]
  12. 牛の乳房炎と牛乳アレルギー[P.145]
  13. 水銀痴呆[P.158-159]
  14. 植物防疫所が検査したところ、輸入小麦やトウモロコシの中に、燻蒸後のリン化アルミニウムの残留値が、〇・〇〇二~〇・〇五四ppmのものが見つかっている。[P.159]
  15. 有機銅(商品名は「オキシンドー」「キノンドー」「サンキノリン」など)は、慢性毒性試験のデータが明らかにされていないが、あのスモン病の原因となったキノホルムに類似した化学構造をもつ。[P.160]
  16. 死体ハム[P.167]
  17. 高コレステロール血症児率10%[P.171]
  18. アシルニトロソアミンを投与すると造血器細胞が発癌する[P.174-175]
  19. 痛風とビールの因果関係究明はタブー[P.179]
  20. 亜硝酸塩は気管支喘息を引き起こす[P.188]

システム協会会長・斎藤真範の脱毛症理論[P.37]

地道なハゲ研究を続ける美容師のひとりで、全国にも数少ない“育毛専門家”といわれる、
システム協会会長の斎藤真範氏は、毛包中のホルモン代謝を狂わす要因について、
「最近、急増している女性の脱毛症の原因は、偏った食事とアルコールの飲み過ぎ、
寝不足、そしてストレスでしょう」

と語る。そして、つぎのような例を教えてくれた。

 S子さんは二四歳のOL。
 女子大生の頃から斎藤氏の美容室に通いはじめ、五年が経過した。
 大学を卒業後、コンピュータ会社に就職、現在に至っている。

 五年前のS子さんの髪の毛は硬く、毛量も多くて、
 美容師にとっては扱いにくいタイプだった。
 ところが、コンピュータ会社に就職後、一〇カ月が経過したある日、
 S子さんが三カ月ぶりに来店したところ、髪は驚くほどの変貌を遂げていた。
 毛が細く、頭頂部が薄くなっていたのである。

 驚いた斎藤氏が空白の三カ月間について尋ねたところ、
 S子さんはコンピュータの端末の前に座り続けて残業、残業の毎日だったとの答え。
 ストレスがたまり、家に帰るとウイスキーの水割りを飲む習慣がついてしまったとも。
 不眠症気味で、酒の力を借りて眠ろうとした結果、
 さらに杯を重ねることになったという。

不妊症食源説[P.40-42_48]

先頃、私は都内のある病院の泌尿器科に通う患者一五名に面談する機会を得た。
年齢は二四歳から三二歳まで。女性八名、男性七名の割合だった。

A子さんは二五歳。福井県の出身で、
東京の某有名私立大学の理工学部を卒業後、大手コンピュータ会社に就職した。
現在、ソフト・ウエアの開発を担当して三年目になる。

<中略>

「そういえば、私は以前から生理が不順だったのですが……」

とA子さんはいう。

家族に不妊症の人はいないかと尋ねたが、そんな人はいないという。
これまでにかかった病気、常用している薬の有無等も質問したが、これもとくに問題がない。

そんな質問をあれこれ投げかけるうちに、やがて話は食生活に向かった。
そしてA子さんが、食事のほとんどすべてをファスト・フードで済ませているという、
驚くべき事実が明らかになった。

「大学に入ってひとり暮らしをはじめた頃から、
食事はずーっとハンバーガーやフライド・チキン。
それにコーヒーがあれば、私は十分なんです。
それが私の胃袋には合ってるみたい」

<中略>

私が面談した他の一四名の患者たちの食生活も、みなA子さんと大同小異だった。

*   *   *

今回、私は全国の産婦人科、泌尿器科の医師たちに、
不妊症や無精子症が増えている原因を尋ねてみた。
そして大多数の医師が、食生活との関連性を指摘した。

「食品添加物の有害性。それに加えて栄養のバランスも崩れてますから、
ファスト・フードやインスタント食品の影響が大きいでしょう」

多くの医師が、はっきりとそれを認めている。

コーラで骨粗鬆症になった症例[P.56-57]

Sさんは五二歳。二〇年ほど前から、静岡県掛川市でスナックを経営しているという。

<中略>

骨粗鬆症。彼女の話を聞きながら、私の頭の中にはその病名が、こだまのように反響した。
もしやSさんは日頃、店で何か決まった飲み物を飲んでいたのではなかったか?

「私はアルコールはダメなんです。
その代わり、お客様に合わせてコーラを飲むようにしていますけど」
「どれくらい?」
「一晩に五、六杯かしら。多いときは一〇杯以上、飲むこともあります」
「この二〇年あまり、ずっとコーラを?」
「ええ、そうです」

なるほど、Sさんの骨をボロボロにしたものは、コーラなのであった。

特別委員会のコーラ毒性論争[P.59-60]

一九六九年六月一九日には、衆議院物価問題等に関する特別委員会において、
式部委員と、厚生省の金光環境衛生局長、小島食品化学課長(いずれも当時)との間で、
こんな“コーラ毒性論争”が繰り広げられた。
少し長いが引用してみよう。

式部 リン酸は従来から事実上食品に使われていたのを食品添加物として追認指定したというが、いったいリン酸は何の用途でどの食品に使われていたのか。
小島 リン酸は天然界に広く存在するものでいろいろの食品の中に含まれている。しかし合成リン酸は厚生大臣の指定を受けて酸味剤として清涼飲料水に用いられている。
式部 清涼飲料水でリン酸を使うのはどういう飲料か。
小島 コーラ飲料だ。
式部 イギリスではリン酸が人体に有害だというので、コーラにクエン酸を使っているのに日本ではリン酸を認めている。これはおかしい。クエン酸を使わせるべきではないか。
小島 リン酸は国連のFAO・WHOの食品添加物専門委員会で人体摂取許容量が決められている。だから安全量の範囲でなら使って差しつかえないと考えている。
式部 たしかにリン酸が指定された当時は急性毒性がないということであったが、慢性毒性の危険性が非常に強いし、人体の保健上いろいろ問題があるから、これは添加物から抹消してリン酸を使わせないほうがいいと思うがどうか。
金光 リン酸そのものはわれわれの食べ物の中にも含まれているし、リン酸塩としては一日に一グラムから二グラムは人間の栄養として必要なものだ。ゆえに人体に必要な量、あるいは毎日の摂取量ともかねあわせて考えるべき性格のものと思う。そういう意味で現在リン酸を使っていることにとくに問題はないと考えている。
式部 コーラの中のリン酸の量が非常に多いことが問題になっているのだ。酸性食品であることが問題なのだ。クエン酸を使って別に問題がないはずなのに、リン酸を入れるのはやはり何かの目的があって入れているのだ。ぜひ調査せよ。

少量の総合リン酸塩でも骨に異常をきたす[P.61-62]

東邦大学医学部の大本美弥子助教授は、
市販食品に用いられている総合リン酸塩二種類とピロリン酸塩混合物を、
マウスの固形飼料に一年間にわたって投与し、肝臓や腎臓、筋や骨組織への影響を調べた。
一九八六年に発表されたその報告書には、つぎのようなショッキングな事実が列挙されていた。

【マウスの染色体に及ぼす影響】

実験結果では、リン酸塩のDNA障害性、変異原性は認められなかった。

【肝臓、腎臓、筋、骨に及ぼす影響】

高濃度投与したマウスでは、筋の繊維径の萎縮が、添加濃度に比例して強く見られた。
肝臓、腎臓、骨にも、老化に伴う加齢現象が見られた。

低濃度投与したマウスでも、肝臓、腎臓、筋、骨の加齢現象が、ある程度、観察された。

【マウスの後肢骨X線像】

後肢骨は皮質、骨梁が薄くなり、骨多孔が見られた。
アキレス腱に石灰が沈着、また骨棘が形成されていた。

膝関節軟骨部の組織を調べたところ、表層細胞が薄くなって、細胞数が減り、
軟骨下骨へ軟骨が食い込むなどの症状が見られた。骨棘も形成されていた。

カラメルは体内でエチルニトロソ尿素に変換される[P.81-85]

パック麦茶の場合、「カラメル」と呼ばれる着色料が広く使われている。
カラメルの正体と添加の目的について、さっそく毒性の専門家に聞いてみた。
話してくれたのは、国立衛生試験所のF研究員である。

「まず、最初に申しあげておきますと、
たとえ天然着色料であっても生体にとっては異物にあたるわけですから、
立派に毒性研究の対象となるんです。
天然という言葉に惑わされてはいけません。

お尋ねの『カラメル』ですが、これはブドウ糖を二〇〇度以内で加熱したとき、
ガスが発生してできる黒褐色の物質です。
濃厚なドロリとした液状の物で、わずかながら苦味を呈しています。

つぎに、なぜ、カラメルが冷やし麦茶に使われるかですが、
じつはあらゆる食品には『褐変かっぺん現象』と呼ばれる色の変化が起こります。
調理したり、加工したり、貯蔵したりしているうちに、ひとりでに黄褐色に色づくんですよ。
それによって風味が増す場合もあります。
これは、食品中のアミノ酸と還元糖が反応して
『メラノイジン』という褐色の物質に変化して起こる現象で、
発見者である化学者・メイラードの名を取って『メイラード反応』ともいわれます。

『メイラード反応』は、アミノ酸と還元糖が反応して起こるほか、
アミノ酸と脂質が空気中の酸素に反応したり、
小麦や大麦などでは鉄分や銅分などの金属イオンと反応したりして起こり、
いっそう着色効果が促進されます。

ところが、品質の悪い素材を使って食品を作ろうとすると、
この『メイラード反応』がスムーズに発生しないことがあるんですね。
そんなとき、カラメルが非常に便利なんです。

カラメルを適量、添加すると、食品の色が自在に調節できます。味の調整も容易です。
つまり、色と味を自由自在に操作して、色あいや風味をごまかすことができるんです」

どうだろう。これが冷やし麦茶の成分表示に「天然着色料」と書かれている物の正体なのだ。
麦茶ばかりではない。安物の煎茶、ほうじ茶、番茶、玄米茶には、
程度の差こそあれ、みなカラメルが添加されている。
こんなものがお茶といっしょに私たちの体内に摂り込まれて、
弊害はないのだろうか。F研究員に聞いてみた。

「じつはカラメルは体内に入ると、メチルニトロソ尿素、
エチルニトロソ尿素などといった化学物質を産出します。
メチルニトロソ尿素、エチルニトロソ尿素は、サルなどの動物実験で、
中枢および末梢神経系を狂わせ、運動・学習機能を傷害することがわかっているんですよ。
さらに骨、腸、腎臓、膀胱などにも発ガンなどの有害作用をもたらします。
つまり、カラメルは体内に摂り込まれた時点から、安全ではなくなるということですね」

おわかりいただけただろうか。
天然着色料カラメルは、二次的に神経系統や内臓器官に異常を催させる、危ない物質なのである。

サイクロデキストリン合成酵素[P.88-90]

以下は、一九八九年に一部上場のA化学を退社した元研究員Cさんの証言である。
私は彼の話に、強い戦慄を覚えながら聞き入った。ここにその一部を再現してみよう。

「私は、新米のご飯が炊き上がったときの、
あの“ふっくらしたうまみ”と質感についての研究をしていました。
とくに、その質感のもとになるサイクロデキストリン合成酵素の研究を、集中的に行っていたんです。

市販のレトルト米飯や、低コストの古米を頻繁に使う外食産業では、
サイクロデキストリン合成酵素をさかんに添加します。
これは、バチルス・マセランスという名の特殊な微生物が分泌する物質で、
デンプンに反応すると別種の化学物質に変化するんですね。
化学方程式に表したとき、クサリ状の結合が連鎖して続く『重合物質』になるんです。

この重合物質は、クサリ状の結合の内部に、一定の大きさの分子を包み込む性質を持っています。
そんなわけで、サイクロデキストリン合成酵素は香料や顔料の保持剤、
ビタミンその他の不安定物質の安定剤、
そしてコメなどデンプンが多い食品のうまみの量感出しに、広く活用されているんです。

いっぽう、古米は精米すると、コメ表皮の脂肪分の酸化が早まることがわかっています。
古米の脂質成分の中で、とくに高度不飽和脂肪酸と呼ばれる成分が、
空気中の酸素と結びついて容易に酸化し、
わずかながら過酸化物質ヒドロキシペルオキシドを生み出します。
このヒドロキシペルオキシドというのがクセモノで、
いったんできると自己触媒的に急速に周辺の酸化を進め、
あっという間に古米をヒドロキシペルオキシドだらけにしてしまいます。
ヒドロキシペルオキシドは毒性物質ですから、これはたいへん困ったことなんです。

さらに研究室で実験を繰り返すうちに、
私は、うまみの演出家であるサイクロデキストリン合成酵素を、
脂肪の酸化が進んでいる古米に添加すると、
ヒドロキシペルオキシドと結びついて非常に危険な化学物質になることに気づきました。
単に栄養価が低下するばかりでなく、腎臓細胞の肥大を引き起こす、
たいへん恐ろしい化学物質に変化するんです。
これはさまざまな実験データからも、まちがいのないことです」

元研究員Cさんはさらに続けて、
古米に“ふっくら添加剤”サイクロデキストリン合成酵素を加えることの危険性を、
こう説明してくれた。

「単純にいうと、サイクロデキストリン合成酵素によって起こる『重合』が、
古米に含まれる毒性物質ヒドロキシペルオキシドの影響を受けて、
異常な方向へ進んでしまうんですね。
その結果、たとえば腎臓や肝臓の細胞に悪影響を与えるカルボニル化合物など、
より組成が複雑で悪性の酸化生成物が続々と生まれてくるんです。

この酸化生成物が怖いんですよ。
どんどん増加するうえに、五〇度以下でも簡単にできてしまうんです」

Cさんの話を整理すると、こういうことになる。
市販のレトルト食品や外食産業の米飯には、
ふっくら感を出すために特殊な化学物質が添加されている。
いっぽう、レトルト食品や外食産業の米飯の大半は古米で、
脂肪分の酸化によって有毒な物質ができていることが多い。
この酸化した有毒古米にふっくら感を出す添加物を振り撒くと、
複雑な化学反応が発生して、人体に有害な別の物質が作られてしまう。
そしてそれが腎臓や肝臓に蓄積、人体を蝕むことになる……。

「じつは、この研究結果を報告書にまとめて提出したところ、
会社側から一方的に研究の中止を命令されてしまいました。

私たち研究員は、
レトルト米飯の内部で起こっていることの怖さを知っていますから、けっして食べませんよ。
原料の古米に生じるヒドロキシペルオキシドの毒性、そして重合の結果、
作り出されるさまざまな酸化生成物の毒性については、一般の方はほとんどご存じないでしょう。

とくに酸化生成物の多くは腎臓などの臓器細胞中に蓄積し、
細胞を肥大させますし、また神経毒をもたらし、障害を引き起こします。
なぜ、レトルト米飯に古米を使うことを放置しておくんでしょうね。
私には信じられませんよ」

エンクルム(塩味緩和剤)[P.113-115]

塩味緩和剤――すなわち、本来、含まれている塩分の味をごまかして、
あまり塩辛く感じさせないために混ぜられる、特殊な添加物のことである。
「うす塩」「塩分ひかえめ」という表示の正体は、
じつは減塩ではなく、塩味緩和剤の添加だったのである。

これはあきらかに、消費者の「うす塩志向」「ヘルシー志向」に合わせた、
メーカー側の“悪知恵”である。
こんなごまかしが、私たちの気づかないところで堂々と行われていたのだ。

私は、塩分と塩味緩和剤の現状について詳しい人物を探し出し、
忌憚きたんない話を聞く必要性を感じた。
幾人かの専門家にコンタクトを取り、
ざっくばらんなところを話してくれるように持ちかけたところ、
大手調味料メーカーの研究者Oさんに行き当たった。
彼はまさに塩味緩和剤の専門家である。
以下は、私の疑問に対するOさんの見解である。

<中略>

現在、食品業界で塩味を出すために使われる代表的な物質は、塩化ナトリウムです。
ところが塩化ナトリウムは、分子量が増大すると苦味の傾向が強まります。
そのため、塩味緩和剤『エンクルム』などを添加して、味の調整をするんですね。
味をごまかしたり、現実以上にうす味感を出したりするために使っているとは、
一概にはいえないんですよ。

アフラトキシンB1汚染報告[P.120-122]

一九八七年五月に開かれた日本食品衛生学会で、
都立衛生研究所の上村尚主任研究員が、
アフラトキシンB1汚染に関するこんな発表を行ったのである。

上村主任研究員は、一九八二年から八五年にわたって、
市販のピーナツ油、ピーナツバター、ナチュラルチーズ、そば、ハト麦、
制あん原料豆、白あん、赤あん、ナツメグ、白こしょう、
ミックス・スパイス、トウモロコシなど計二二六二検体について、
アフラトキシンB1が含有されていないかどうかの調査を行った。
そしてその結果、
つぎのような割合でアフラトキシンB1が検出されたことを報告した
(以下、検出率の高い順に並べてみる)。

  • ピーナツ油(六検体中、四検体)
  • ピーナツバター(六検体中、三検体)
  • ナツメグ(五六検体中、二五検体)
  • 白こしょう(二四検体中、七検体)
  • ハト麦(一四四検体中、三四検体)
  • そば(一二三検体中、二三検体)
  • ナチュラルチーズ(二七二検体中、四四検体)
  • ミックス・スパイス(三七検体中、五検体)
  • 白あん(四一検体中、五検体)
  • 赤あん(二四検体中、一検体)
  • 制あん原料豆(三八一検体中、四検体)

このうち、制あん原料豆の一検体からは、
なんと二五四ppbという恐るべき高濃度のアフラトキシンB1が検出された。
仮にこれをラットに食べさせると、まちがいなく三~四時間のうちに死んでしまう。
それほどの猛毒が、制あん原料豆から出てきたのである。
またナツメグの九検体からは、一〇ppb以上のアフラトキシンB1が検出された。

牛の乳房炎と牛乳アレルギー[P.145]

牛乳アレルギー症の原因は、牛乳タンパク質中に含まれるラクトアルブミンという物質だが、
このラクトアルブミンの牛乳中の含有量が、近年、増え続けているのだ。
その理由は、乳房炎をはじめとする乳牛の病気、不健康な状態等によって、
乳タンパク質そのものが変質しているせいだと考えられる。

水銀痴呆[P.158-159]

水俣病は、工場の廃液中に含まれる有機水銀が原因だった。
患者は、有機水銀に汚染された魚を食べて発病した。
興味深いのは、患者の多くが有機水銀によって脳神経を侵された結果、
ボケ老人ときわめてよく似た行動を取った点である。
彼らは不幸にも、有機水銀によってボケを“作られた”のだった。

一九七二年には、イラクでメチル水銀消毒を施した小麦が出回るという事件が起きた。
これを材料にパンをこしらえたところ、なんと六五三〇人が中毒にかかり、四五九人が死亡した。
このときも、一命をとりとめた患者の多くが、ボケ老人によく似た“ボケ行動”を見せた。

死体ハム[P.167]

「とあるハム・メーカーが、馬肉やウサギ肉のほか、
法律で禁じられている獣死体肉をコマ切れにして、ハムに混入している。
しかも、獣死体肉の腐敗に伴う細胞反応・毒性反応が出てこないように、
阻害剤を添加している」

などという言語道断な話が、信頼できる筋から入ってくるのだ。
どうやらいま、食肉工場の内部では、とんでもないことが進行しているらしい。

高コレステロール血症児率10%[P.171]

最近、日本の循環器医と小児科医、栄養学者が共同で行った、
日本の子どものコレステロール測定調査結果によれば、
調査対象となった小中学生のおよそ一〇パーセントが、
高コレステロール血症児(血液中のコレステロールが高濃度になる)であったという。
これらの子どもたちの家庭を追跡調査したところ、一様に動物性脂肪の多い食事を摂り、
親が夕食時にいない場合のメニューとしては、
①カップラーメン、②ソーセージとパン、③ハンバーグの順に、好んで食べられていたという。

アシルニトロソアミンを投与すると造血器細胞が発癌する[P.174-175]

国際毒性学会が一九八六年にまとめた研究報告書の一節には、
つぎのような動物実験結果が紹介されている。
ニトロソ化合物の一種であるアシルニトロソアミンをマウスに投与したところ、
造血器細胞にガンの発生を見た、というのだ。

最近、小児ガンが急増中であることを、読者はご存じだろうか。
これらのガンのうち、
とくに小児性白血病(造血器細胞に起こるガンの一種)の発生については、
食品添加物・亜硝酸ナトリウムが深く関わっている可能性がある。
厳密な因果関係の究明は、今後の研究を待たなければならないが、
私は子どもたちの幼い体を蝕んでいる発ガン物質のかなりの部分が、
食品添加物によってもたらされているとニラんでいる。

痛風とビールの因果関係究明はタブー[P.179]

筑波大学付属病院・臨床医学系代謝内分泌科のE医師にも、同じ疑問をぶつけた。
E医師はビールの成分と痛風発病との因果関係について、ズバリこんなことを話してくれた。

「ビールと痛風発病との因果関係を知るには、もっともヒトに近いサル
――カニクイザルなどですが――に市販のビールを飲ませて、
痛風が起こるかどうかを調べる必要があります。
ところが、この動物実験はまだ一度も試みられたことがないんです。
実験してみたくても、酒税で成り立っている国家予算の一部を割いて、
国立大学で実験研究を行うなんてことは、タブー中のタブーなんですね。
というわけで、実証的なデータをお目にかけることは不可能ですが、
医局で私が主治医として診ている患者さんの中に、
急性痛風から慢性痛風に進んだ筑波の政府機関の研究者が、六人ほどいますよ」

亜硝酸塩は気管支喘息を引き起こす[P.188]

いまから十数年前、アメリカの全米アレルギー・感染症研究所が、
つぎのような意外な警告を発して私を驚かせた。

 しおれたレタスや干しブドウの変色を防ぐために、
 ビタミン剤などといっしょに添加される化学物質に、亜硝酸ナトリウムがある。
 この亜硝酸ナトリウムのかかった野菜や果物を知らずに食べていると、
 アレルギー体質を持つ人の中には、
 重症の気管支喘息を発症する者が出てくる。

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