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書籍と雑誌の要約と解説

油を断てばアトピーはここまで治る

どんなに重い症状でも家庭で簡単に治せる!

装丁
油を断てばアトピーはここまで治る 油を断てばアトピーはここまで治る
永田良隆(下関市立中央病院栄養管理部長)
三笠書房
ISBN4-8379-2170-1
2006/01/15
¥1300
キッチンの換気扇のような「油汚れ」がついたあなたの体内……
これが「かゆみ」や「炎症」の真の原因です。

なぜ、これまでの治療法では、アトピーは治らなかったのでしょうか。

それは、いままで健康にもよいとされていた「植物油」が最大の原因だったからです。

食べるものを“コロッケ”から“肉じゃが”に変えるなど、
簡単な食事の工夫によって、体内は浄化され、アトピーは完治に向かいます

苦しい食事制限の必要は一切ありません。
まず1週間試すだけで「よくなる手応え」が実感できることでしょう。
ステロイド剤を使う量も徐々に減っていき、「やめられる日」が必ず来るのです。
乳幼児から大人のがんこな症状まで、
1万人を超える方々の臨床から得られた実証効果で、
体に「真の健康」を取り戻してください

解説
この本は、真にアトピー性皮膚炎で悩んでいる患者さんの立場に立って書きました。

読んでいただいたように、
アトピーは植物油と動物性タンパク質のとり過ぎが二大原因なのですが、
重症になれば、米が大きな影響を与えているのです。
このことは臨床的にはっきりしています。
しかし、いままでアトピーでは米は問題にされませんでした。

いったん米を上手に遠ざけることができれば、
重症アトピーのかゆみもおさまり、みるみるうちに快方に向かいます。
そのとき、ステロイド剤を短期間、戦略的に使うことで治療期間は短くなります。
また、かゆみや不眠などの苦痛も大幅に軽減できます。

いままでのアトピー治療は、ステロイド剤の害悪を強調しすぎるか、
あるいは逆に頼りすぎるか、どちらか一方に偏ったものが多かったと思います。

しかし、ステロイド剤を毛嫌いするだけで、
何の手立てもなければ、いたずらに苦しく、回復が遅れるだけです。

本書の治療法のメインは食事療法です。
ステロイド剤はあくまで補佐的に使います。
しかし、うまく戦略的に使えば、重症期の苦痛を取り除き、
治療期間も驚くほど短くてすむことを体験できるのです。

目次
  1. 3ヵ月あれば、どんな重症アトピーの皮膚も生まれ変わる!
    1. アトピーは皮膚の上で起きている「火事」だった
    2. 治す手順
      1. 「火事の燃焼」を断つ
      2. 「消火活動」を行なう
      3. 火勢が弱まっている間に「皮膚を再生」
    3. いままでのアトピー治療法5つの誤解
  2. こんな「毎日」がアトピーをつくっていた!
    1. キッチンの換気扇のような「油汚れ」が体の中にも
    2. 「植物油」がアレルギー、かゆみの元になっていた
    3. 体内に溜まった油が「皮脂腺」からにじみ出す
    4. 「1週間に2個以上の卵」は、消化しきれずにヘドロになる
    5. 「夜寝る前にかゆくなる」のはなぜか
  3. 「油まみれ」「ヘドロだらけ」の体から抜け出せ
    1. 「ギラギラ、ツルツル」食品はこんなにも悪い
    2. 「アレルギー反応を治す食べ物」がある
    3. 離乳食は鶏肉がいいか、白身魚がいいか
    4. 「植物油抜き」でもこんなにおいしい簡単メニュー
    5. <参考例>下関市立中央病院の「治療食」
    6. 「食が細い、体力がない、朝が弱い……」が2週間で解決!
  4. 「かゆみが消えて熟睡」、これで皮膚が再生し始める
    1. クスリは治すのではなく、「症状を止めるため」に使う
    2. 「ステロイド剤3つの大誤解」を解く
    3. どのクスリ(薬品名別)をどう使うのが一番効果的か
  5. 「食べていいもの」がどんどん増えていく!わが家でらくにできる<4ステップ食事療法>
    1. 「よくなることを実感」 – まず1週間試してください
    2. いまの症状は「軽症」か「重症」か「最重症」か
    3. 自分の症状に合った「体内浄化メニュー」
    4. 「軽症」なら、たとえば牛乳は○、玉子焼きも○
    5. 「中等症」では、コロッケを肉じゃがに変えればOK
    6. 「重症」のときは、スパゲティは×、うどんなら○
    7. 「最重症」からいち早く抜け出すには、和風の煮物、いも類で
    8. より効果をあげる – 噛み方、運動法
    9. 乳幼児期、学童期、成人期別の注意点
  6. 「治る過程」で起こること、あらゆる心配事にお答えします
    1. こんな症状が出たら「治りかけている証拠」です
      1. 治療開始後約1週間に起きる「リバウンド(噴き出し)」現象について
      2. まず、頭部、顔からきれいになっていく
      3. 「排出型」と「貯蔵型」
    2. 臨床例報告 – いつ、どこから良くなるか
      1. 鏡を見るのもイヤだった。その私の肌が信じられないほどピカピカに!(18歳・女子)
      2. 肌がよくなると元気も出てくる!(21歳・男性)
      3. アトピーの息子用の食事を食べていたら、私の花粉症も治り、減量にも成功(8歳・男児の母親)
      4. 長男の皮膚からはアトピーの跡形もなくなりました(11カ月・男児の母親)
      5. 「かゆみ→かきむしり→化膿」の悪循環からついに脱出!(27歳・男性)
      6. 「みんなと同じ生活ができる!」これが一番嬉しい(16歳・男子)
      7. 「いい母乳」を与えることの大事さを知りました(3カ月・女児の母親)
      8. 「じくじくしていた皮膚」が1週間で乾いた(10カ月・男児=担当医の報告)
      9. 体全体が軽やかに……これが確実に治っていく実感(34歳・男性)
      10. 「予定通り」に皮膚がきれいになっていくから安心(1カ月・男児の母親)
      11. 知らなければ悪循環に陥るところでした(1歳7カ月・男児の母親)
    3. よく出る質問へ、私はこう答えています
      1. 保湿剤など外用薬は?
      2. 石鹸は?
      3. 牛乳とカルシウム
      4. 大豆(しょう油や味噌など)は?
      5. ダニやハウスダスト
      6. プールや日焼けは?
      7. 非アレルギー型のアトピーとは
      8. 「ひっかく」こと
      9. アトピーの「合併症」

内容

  • 必要以上にとり過ぎた植物油は体内からあふれ出し、皮脂腺を通して皮膚表面に排出されます。そして、これがかゆみ、湿疹の元になります。[P.26]
  • アトピーが最初に現れる場所は決まって、おでこ、顔の頬、脇の下、腕の関節部分などです。これはどこも皮脂腺が多く集まっている場所です。[P.30]
  • 私たちの調査では、成人女性でも、鶏卵は週に1個か2個しか消化しきれないという結果が出ています。[P.33]
  • ポリペプチド原因説[P.35]
  • ひっかき発作[P.37-38]
  • 私たちの臨床観察では多くの場合、アレルギー反応を引き起こすのは大豆油だけではなく、植物全般であることがわかっています。[P.40]
  • アトピーの症状に応じて、植物油の使用をいったん減らす、あるいは完全に避けてみる――すると驚くほど症状の軽快が見られるはずです。[P.42]
  • 永田良隆のステロイド処方[P.64-66]
  • 蒸しパンなどに使われる薄力粉、うどんに使われる中力粉は影響が少なく、ラーメンやスパゲティに使われる強力粉のほうが影響が出やすいのです。日本の土壌では強力粉は栽培できないので、ふつう和食では伝統的に強力粉は用いません。そのことと私たち日本人への影響の度合いはどうも関係があるようです。[P.97]
  • 食品別かゆみの程度[P.132-133]
  • 運動不足の人に米の影響が多く見受けられます。[P.136]
  • 同じ食事内容でも、十分に運動をして、空腹のときに食べると影響は意外に外に出ないようです。[P.142]
  • 乳児が母乳を飲まない理由[P.144]
  • 中等症や重症アトピーの乳児にとって、一般に市販されている粉ミルクは、牛乳から作られているので適切ではありません。ふつうの粉ミルクをやめて、牛乳タンパクをアミノ酸レベルまで分解処理した特殊ミルクに切り替えるといいでしょう。[P.144]
  • 母乳で育てている場合、離乳食は生後6カ月くらいからはじめるといいでしょう。[P.145]
  • 噴き出し現象[P.154-156]
  • アトピーの出る順序[P.158]
  • 排泄型と貯蔵型[P.159-160]
  • 私は生まれた時からアトピーの気があったそうです。でも、母に聞くと、顔だけは大丈夫でした。[P.161]

ポリペプチド原因説[P.35]

タンパク質が消化によってアミノ酸に分解される途中に、
「ポリペプチド」という物質ができます。

いままでは一般に、このポリペプチドは、
腸から体内には吸収されないと考えられてきました。
しかし、それをくつがえす事実がだんだん明らかになってきたのです。
ふだん健康な人でも、たとえば風邪をひいたり、
体調を悪くして腸管内の環境も悪化すると、腸管の粘膜が膨張して、
ポリペプチドが吸収されることがわかってきています。
これがジンマシンの元です。

また、授乳中は母親の腸管から、
未消化の鶏卵や牛乳などのポリペプチドが血液中に吸収されて、
母乳に分泌されることが判明しています。
妊娠中には胎盤を経由して胎児に移行することもわかってきました。
このように、妊娠中や授乳中は母親の食事が子どもに影響を与えるのです。

このポリペプチドは、体が栄養素として利用することができません。
そのため血液中に入っても利用できないポリペプチドは、体の中にヘドロのように溜まります。

そして溜まりすぎると、やがて皮膚へと排出されるのです。
これが、強烈なかゆみの元になります。

ひっかき発作[P.37-38]

日々、脅威のかゆみに悩まされている成人男性は、

「毎晩、就寝前になると、皮疹の深い場所からかゆみが次々と湧き出してくる感じがする。
かゆみは最初は1ヵ所からはじまって、
ひっかいているうちに全身に限りなく広がって1時間以上も続き、
後は手のつけようがない。どうしようもないのです」と訴えられます。

また、入院したばかりの子どもを観察していると、
夜中に突然起き出して、1ヵ所をしきりにかきはじめます。
しばらくするとかゆみの場所が1時間以上も続くのです。
ひっかくのをやめさせようとしても、まったく手がつけられません。
この間、本人はまったくかいているという意識がありません。
この一連の状態を私は「ひっかき発作」と呼んでいます。

なぜこのようなひっかき発作が起こるのでしょうか。

科学的にはまだ厳密に証明できていませんが、私はこのかゆみの実態から、
「体の処理能力を超えて摂取された植物油やタンパク質が、
未処理のままポリペプチドの形で腸管から血液に吸収されて、
皮疹の部分に無限に運ばれてきている」と推測したのです。
つまり、植物油とポリペプチドが、かゆみの燃料として続々と供給されているのです。

食事後、しばらくするとかゆくなる」という方が多いのも、
まさしくこの減少を示している証拠でしょう。

また、この一連の現象は、いったん燃料を断ってアトピーを消失させた後、
再び燃料となる原因食品(植物油や動物性タンパク質)を食べ過ぎると、
また燃料が供給されて、数時間後には皮疹の場所にかゆみが出てくるので、
患者さんなら実感できると思います。

永田良隆のステロイド処方[P.64-66]

いままでの使い方とは逆に、
強いものを最初に使い、徐々に弱いものに変えていく
のです。
すると最後には、
ステロイド剤の使用を終わらせる「塗り納め」を迎えることができます。
まず、最初に完全にかゆみを止めてしまう強さを使います。
それも、こわごわ使うのではなく、
完全にかゆみを止めるよう十分に塗るのです。
1日に4~5回塗る場合もあるかもしれません。
症状の度合いによりますが、自分のアトピーをよく観察して、
安眠できる強さの薬をまず使うのです。

かゆみが止まったらチャンスです。
その間に並行してアレルギー体質を食事で治しにかかります。
治療のメインは食事であって、
ステロイド剤はあくまでも手助け
にすぎません。

ステロイド剤でかゆみを止めるのは、二つの理由があります。
一つは、再生しかけている皮膚をひっかいてダメにしてしまわないため。
皮膚表面が傷つくと、いつまでも炎症が治らないのです。

二つ目は、ぐっすりと眠るため。皮膚が再生する時間を十分とりましょう。
安眠できれば、皮膚は驚くほど早くきれいに再生してきます。

そのとき、1ランク弱いステロイド剤に変えるのです。
食事を変えながら皮膚が再生してくれば、
1ランク弱いステロイド剤でも、今度は十分にかゆみを止めることができます。
それを続けて、どんどん弱いものに変えるのです。
そしてついには、ステロイド剤を手放し、抗アレルギー剤で間に合うようになります。

食品別かゆみの程度[P.132-133]

アトピーのかゆみは、原因の食品によっても変わってきます。
私たちの病院での臨床研究で、
原因の食品別にかゆみの程度を大まかに比較すると次の通りです。

「牛乳で感じるかゆみを1とした場合、
「小麦で感じるかゆみ」 3~5倍
「植物油で感じるかゆみ」10倍
「卵で感じるかゆみ」  20倍
「米で感じるかゆみ」  50倍

つまり、米の影響を受けるまでに症状が進むと、
そのかゆみはそれまでとは比べものにならないほど強烈になり、
日々苦しむことになります。

このような場合、どうすればいいのでしょうか?
まずは1週間ほど米を完全に避けると、
かゆみがおさまり、夜ぐっすり眠れるようになります。

乳児が母乳を飲まない理由[P.144]

もしも母親が、植物油や動物性タンパク質をとり過ぎて、
それを十分に処理できなかった場合、数時間後には母乳に分泌されます。

赤ちゃんは、防衛反応が非常に敏感です。
母乳を飲んでいる時期は、特に自分に害を与えるものをいち早く察知して、拒否反応を示します。

その防衛反応に早く気づいて、母親が食事を切り替えると、
子どもは母乳を喜んで飲むように
なります。
すでにアトピーが発症していても眼に見えて治っていきます。

したがって、乳児にアトピーが発症したときは、まず母親の食事を変えることが大事なのです。

噴き出し現象[P.154-156]

本書のやり方でアトピー治療をはじめると、まず、皮膚炎とかゆみが劇的に減少します。

ところがその約1週間で、突然、嵐が吹き荒れるように、
以前のもっとも悪い状態が再現してびっくりすることがあります。

こうした現象は何なのでしょうか。

この現象を重症の幼児を例に見てみましょう。
この子の場合は、浸出液しんしゅつえきを伴う皮膚炎が全身に見られる
湿潤型(赤く腫れぼったくなった病変がジクジクして、血が混じり、
かさぶたも混在している状態)で、米にまで影響が及んでいました。
そこで、直物油、卵、牛乳、米を完全に避けたのです。

食事療法をはじめて2~3日後には浸出液が出なくなり、乾燥してきました。
また、かゆみと赤みも劇的に減少して熟睡できるようになりました。

ところが、4日目ごろ、突然に頭や顔が赤くなって浸出液が流れ出し、
耐えられないほどにつらそうな状態になってしまったのです。

5日目には、この激しい現象は胸やお腹から、
背中と手や腕に移行し、6日目には両脚へと広がっていきました。

しかし、そのころには、最初にジクジクしはじめた頭や顔はすっかり乾燥し、
いたんだ皮膚がきれいにはげ落ちて、その下には健康な皮膚が再生しているのが観察されました。

この激しい嵐は一定の周期で、何回か全身を上から下へと順序よく吹き荒れ、
回を重ねるごとにその規模は小さくなり、それに呼応して健康な皮膚が増えてきたのです。

それはあたかも、これまで体の中に大量に溜まっていた毒素が、
体外に噴き出してくるようでした。
私はこれを「噴き出し現象」と名づけています。
一種の皮膚の再生現象、つまり回復の過程
と解釈されます。

この噴き出しがはじまるまでの周期は、
乳幼児で約3日、学童で約7日、成人で約14日です。
乳幼児ほど短く、成人になるほど長くなります。
この事実からしても、乳幼児ほど治りの早いことが容易に想像できます。

アトピーの出る順序[P.158]

私は生まれて間もない乳児から、成人にいたるまで、
また、軽症から最重症まで多種多様のアトピーを
観察・治療しているうちに次のことに気づきました。それは、

「アトピーが出る場所には順序がある」

ということです。
皮膚の湿疹は、まず頭部や顔面に表れ、ついで胸やお腹、
背中や手と腕からお尻、両脚へとしだいに広がっていきます。
そして、食事療法を実行すると、皮膚炎が生じたときと同じ順序で消えていくのです。

つまり、上半身から下半身の順に、
また、皮膚炎の軽い部分が早く、重い部分が遅れて治っていきます。
これらの現象を見ると、血液循環のいい部分から順に皮膚炎が表れたり、
消えたりすることがわかります。

つまり、食べた物の余分な成分や未処理の成分が、
消化管から吸収されて血液によって全身に運ばれていく様子が実によくわかるのです。
反対に正しい食べ物に変えると、今度は血のめぐりのいい場所から、
順に掃除されて皮膚炎が消えていくのです。

排泄型と貯蔵型[P.159-160]

私は多くの臨床経験から、植物油や動物性タンパク質の過食に対する体の反応には、
アトピーとして表れる「排出型」のほかにも、
「貯蔵型」があると考えるようになりました。
「排出型」は、おもにアレルギー疾患の形で表れます。

たとえば、過剰なカロリー(植物油やポリペプチド)が
皮膚へ排出されると、アトピーや慢性のジンマシンとなります
それが呼吸器系に排出されると、気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、
蓄膿ちくのう症(副鼻腔炎ふくびくうえん)などとなり、
消化器系に排出されると慢性の下痢、潰瘍性大腸炎
などになります。

それに対して「貯蔵型」では、
おもに内臓に貯えられ、肥満症、糖尿病、高脂血症、痛風、動脈硬化、
心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病
といわれる病気になって表れます。

排出型は、比較的若年・短時間で表れますが、
貯蔵型は長い年月を経て発病し、おもに中年期以降に表れることが多く見受けられます。
しかし、貯蔵型が発症すると命にかかわる重大な病となります。

そういう意味で、アトピーというのは、体にかゆみとして表れた警告反応なのです。
つまり、食べ物が間違っていますよ、という警告です。

その警告に気づいて食事を変えればアトピーは治ります。

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