バベルの図書館

書籍と雑誌の要約と解説

痛風はもう怖くない

こんなに変わった痛風治療

装丁
痛風はもう怖くない 痛風はもう怖くない
西岡久寿樹(聖マリアンナ医科大学教授)
マキノ出版(ビタミン文庫)
ISBN4-8376-1179-6
2003/07/23
¥1300
目次
  1. もう怖くはない痛風
    1. 痛風は怖くない
    2. 痛風はエンジョイしながら克服できる病気
    3. 歴史に名を残した痛風患者たち
    4. 日本人に痛風はもともと少なかった
    5. 痛風の増加が始まる
    6. 日本の患者数は推定60万人
    7. 痛風の若年化が進んでいる
    8. 生活習慣の変化に伴って
    9. 痛風にかかりやすいのは?
    10. 痛風を招く食生活
    11. 運動・ストレスとの関係
    12. 性格・遺伝との関係
    13. 痛風の発作を未然に防ぐ
    14. 痛風と上手につきあう
  2. 痛風とはこういう病気
    1. 高尿酸血症と痛風
    2. 痛風発作
    3. 痛風の心構え – ポイントさえ押さえれば怖くない
  3. 痛風の診断と検査
    1. 痛風の診断
    2. 痛風と似た病気
    3. 痛風の合併症
  4. 痛風はこうして治療する
    1. 痛風の治療のポイント
    2. 発作が起こったら
  5. 痛風と上手につきあう生活の注意
    1. 食事の質的制限は不要です
    2. 食事療法
    3. 献立のたて方
    4. 痛風によい食べ物
    5. 運動
    6. ストレス
    7. 薬の注意点
    8. 医師のかかり方
文献
  • 西岡久寿樹『徹底図解 痛風』
  • 西岡久寿樹『痛風の人の食事(保健同人社)』
  • 西岡久寿樹『痛風の人の食事(女子栄養大学出版部)』
  • 内田詔爾『痛風に克つ』
  • 香川芳子『五訂食品成分表』

内容

痛風投薬不要論[P.64]

尿酸値が七・五mgになったから薬を飲んで下げなければいけないと考える必要はありません。
尿酸値が高くなっても寿命には関係ないし、
脳卒中や心臓病に直接関係しているわけではないし、
必ずしも発作が起こりやすくなるとはかぎらないからです。

痛風はもともと欧米で多かった病気なので、
アメリカでは痛風の臨床経験も研究も進んでいます。
そのアメリカでは、高尿酸血症という考え方はありますが、
何mg以上だと高いから、何mg以下に下げなければならないという考え方はしなくなりました。

わが国では高い値といわれる尿酸値七・〇mgも、欧米では正常範囲内と考えられています。

ただ、痛風発作の頻度と尿酸値の高さは統計学的に相関していることが認められているので、
尿酸値が高いと発作は起こりやすいとはいえます。
しかし、何mgぐらいから高いといえるのか、実のところ、よくわかっていません。

痛風の法則[P.72-74]

時代が進むにつれて、痛風の現れ方が変化してきました。
私自身、痛風結節を有する患者さんにはここ一〇年以上お会いしたことはありません。
以前、一九六〇年代ころまで最大の問題であった痛風の患者さんの腎障害(痛風腎)も
ほとんど診る機会がなくなってきました。

なぜ、こんなふうに痛風の症状が軽くなって、また変わってきたのかはわかりません。
もともと痛風が多かった欧米でも痛風結節や腎障害が多発していましたが、
知人の欧米のリウマチ専門医に聞いてもだんだんとみられなくなったようです。
それに少し遅れて、わが国でも痛風がふえるとともに、
痛風結節や腎障害の多発が起こるようになりましたが、
やはり時代の推移とともにほとんどなくなってきたのです。

そして、興味深いことに、
最近、痛風がふえて、痛風結節や腎障害が問題になっているのは、
東南アジアを中心とする発展途上国といわれる国々なのです。
どうやら、途上国が欧米型に発展していく過程で痛風という病気がふえ、
痛風結節や腎障害などの深刻な事態も招くけれども、
社会の発展とともにそうした症状もなくなり、
痛風は恐れるべき病気ではなくなっていく、
という経過をたどるように思えます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です