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書籍と雑誌の要約と解説

ステロイドを使わないアトピー治療をめざして

患者団体のアトピー調査集成

装丁
ステロイドを使わないアトピー治療をめざして ステロイドを使わないアトピー治療をめざして
アトピー・ステロイド情報センター(患者団体)
つげ書房新社
ISBN4-8068-0452-5
2001/04/15
¥1800
解説
一九九四年に、情報センターとして初めて、
患者たちの体験も含めた書「私たちはこうしてアトピーを治した」
を出して七年近い時が流れました。
この間に、アトピーを巡る状況はずいぶん変化してきたように思います。
そういった情報の数々を改めて伝えたい
と思いながら三年あまりが経ってしまいました。
この本には、「アトピー性皮膚炎が治る」夢物語は書かれていません。
けれども、長い間アトピーやステロイドで苦しんだ患者たちの体験や、
一〇年近い情報センターの活動の中で得られたアトピー治療の実態を知ることで、
今後、アトピー患者たちがより良いアトピー性皮膚炎の治療を模索する
一助となってくれることと信じます。
目次
  1. ステロイドを使わないアトピー治療をめざして
    1. こうして年々良くなっていくと信じています – 姫路市 清原美奈子
    2. ステロイドって何だったんでしょう? – 大阪市 S・S
    3. つらいことのあとには幸せがありました – 西宮市 守山美幸
    4. 今は友達もでき元気に登校しています – 愛知県一宮市 北嶋一枝
    5. 自分の身体で風を感じられるのは幸せです – 大阪市 西村富夫
    6. 二七年間悩まされたアトピーから解放されて – 兵庫県 大石真由美
    7. 環境を整え、じっくり病気と向き合って – 京都市 E・N
    8. ライフスタイルを見直すことで – 東京都 F・M
    9. 仲間が集い語ることで、心も身体も解放されて – 大阪府 田伏尚之
    10. アトピーだからこそ得た幸せ – 貝塚市 Y・K
    11. アトピーのおかげで、たくさんの事が経験できました – 東京都 森菜穂子
    12. 苦しんでいるのは自分ひとりじゃない – 大阪市 中瀬志保
  2. ステロイドは魔法の薬ではなかった
    1. 知らなかったステロイド剤の副作用 – 泉大津市 川原美子
    2. もうこんな思いは誰にもさせたくない – 埼玉県 S・S
    3. アトピーやステロイドのリバウンドの苦しみは知っている人しかわからない – 名古屋市 H・M
    4. 医者が知らなかったステロイド剤の副作用 – 埼玉県 S・A
    5. ある日突然、網膜剥離、白内障に – 千葉県 T・W
    6. この薬は長く使ってはいけません – 大阪府 川村緑
    7. アトピーで正しい情報が知りたい – 茨城県 F・M
    8. 気づくことは変わること – 尾崎市 小島文子
    9. なぜ患者は民間療法に走るか・私の体験から – 千葉県 一杉晴子
  3. ステロイド剤とはどんな薬
    1. ステロイド剤の開発
    2. ステロイド剤の副作用
      1. 外用剤でも長期多量の投与で内服と同じ副作用が現れる
      2. 重い副作用と軽い副作用
      3. ステロイド剤と白内障
      4. ステロイド剤と緑内障
      5. 白内障とリバウンドについて
    3. アトピー性皮膚炎にステロイド剤を長期間使用してはならない理由
      1. ステロイド剤塗布はアトピー性皮膚炎の根治療法ではない
      2. アトピー性皮膚炎の診断基準があいまいで「アトピー」との診断には「アトピーでないもの」が多く含まれている
      3. ステロイド剤の副作用には重篤なものが多い
    4. それでもステロイド剤を使いたい時
      1. こんなにある外用ステロイド剤の種類
      2. 外用ステロイド剤の使い方の基本
      3. 使用部位による使い分け
      4. 年齢を考えたステロイド剤の使用
      5. ステロイド剤と他の薬を併用する時 – 漢方薬/睡眠剤・抗てんかん剤/結核治療剤/解熱鎮痛剤/経口血糖降下剤/利尿剤/予防接種
      6. 外用ステロイド剤による皮膚障害が現れたら
  4. アトピーとはどんな病気?
    1. 激増するアレルギー患者
    2. アレルギーとアトピーの発症要因
    3. アトピー性皮膚炎の診断基準
    4. アトピー性皮膚炎の治療に使われる薬
      1. 抗ヒスタミン剤
      2. 抗アレルギー剤
      3. プロトピック軟膏(タクロリムス水和物軟膏)
  5. なぜ今アトピーが激増しているのか
    1. 成人アトピー性皮膚炎患者が急激に増加した背景 – 「アトピー性皮膚炎についてのアンケート」結果から
    2. 成人アトピー性皮膚炎患者の増加はステロイド副作用の増加である
    3. なぜステロイド被害が増えてきたのか
      1. インフォームド・コンセント(患者への説明と同意)が足りない
      2. ステロイド外用剤の使用方法の基準が明確でない
      3. ステロイドでアトピー性皮膚炎をコントロールできるか
      4. ステロイドは一時の症状消しである
      5. ステロイドを使うことの抵抗感は患者自身の経験から起きたものである
      6. 資料1……日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」
      7. 資料2……日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」へのアトピー:ステロイド情報センターからの質問書
      8. 資料3……日本皮膚科学会からの回答書
  6. アトピー性皮膚炎を促進する環境化学物質
    1. 食べ物とアトピー性皮膚炎
      1. 卵アレルギー
      2. ラテックスアレルギー
      3. イーストコネクション
      4. リノール酸系油脂で発見するアトピー性皮膚炎
      5. 食品添加物
    2. 化学薬品とアトピー性皮膚炎
      1. 食べ物に含まれる農薬
      2. 家庭内にある農薬
      3. 食べ物に混入する医薬品
      4. 飲み水に含まれる化学物質
      5. アルカリイオン水の是非
      6. プラスチックに含まれる化学物質
      7. 合成界面活性剤
    3. 住環境とアトピー性皮膚炎
      1. ダニ抗原とカビ(真菌)
      2. 化学物質過敏症とシックハウス症候群
  7. アトピー性皮膚炎とつき合う
    1. ステロイド剤を使わないアトピー性皮膚炎改善への道
      1. 正しいスキンケアー用品の選択
      2. 消毒療法
      3. 温泉(入浴)療法や海水浴療法
      4. 食事療法
      5. ストレスからの解放
      6. 何よりも規則正しい生活
      7. 生活環境の改善
    2. アンケート調査から見るさまざまな療法の効果

内容

超酸化水で完治した症例(愛知県一宮市 北嶋一枝)[P.24-25]

ある方から四日市にアトピーの専門の医師がいると紹介してもらい、超酸化水の治療を始めました。
その先生は自信たっぷりに「3ヵ月、長くても半年できれいになりますよ」と言って下さって、
それからは必死に水治療をやりました。
それは1日2回決められた量を身体にかけるやり方で
「本当にこんな簡単な方法で治るの?」と思いました。
心もとなくて、他に温泉の入浴剤、健康食品と同時にやっていました。
水治療を始めて8ヵ月が過ぎたのですが、よくなるどころかどんどんひどくなるばかりです。
おかしいと思ったのか、医師からいろいろ聞かれ、他にもいろいろとやっていることを伝えると、
「そんなにいろいろ手をだすからかえって皮膚が反応してしまってよくらないんだ、
全部やめて水だけにしなさい」と言われました。
一般に、アトピーの治療にはお金がかかります。
栄養食品、漢方薬、寝具、より身体にいいものといったらキリがないのですが、
その水治療はお金もかからなく、水代3000円(約1ヵ月分)、診察代に1000円くらいです。
私はその時は、「これだけ息子にお金をかけて治療をしているのだから治るだろう」
みたいな暗示にかかっていて、
水治療は安すぎて信用できなかったのかもしれません。
でも先生にそう言われてからは、全部止めて水だけの治療にしました。
入浴剤は一切止め、石けんは刺激の少ない石けん、食べ物は油をひかえめにするくらいです。
そうするとここ2ヵ月くらいで良くなってきたのです。
とにかく日中掻きむしらなくなり、
あんなに狂っていたように掻いていた夜もなんとか眠れるようになりました。
汁が出てグチャグチャだった皮膚もサラっとしていてかくと皮膚がポロポロと剥けるような感じです。

化学繊維アレルギーの症例(兵庫県 大石真由美)[P.31-32]

そのお医者様は、日本で初めて米アレルギーを発見された方です。
私が初めて診察していただいた日は、なんと私一人に二時間近くも診察やらお話をして下さいました。

医者不信に陥っていた私はその先生にしつこく食ってかかったものですから、
私が納得するまで一生懸命話を聞いて下さったり、お話をして下さいました。
その先生自身もアレルギー体質なんだそうです。

その先生は徹底した「木綿対策」をとられていました。
いろいろと検査をして、私が生まれてから今までのアレルギー症状を
こういうものだと説明して下さいました。

生後2、3ヵ月で出来た顔の湿疹は母親に抱かれた時、
母親の着ているものが木綿でなかったため、赤ちゃんが顔をすり寄せるとかぶれてしまい、
そこに汗と涙とよだれでよけいにひどい症状になってしまったようです。
耳の湿疹は、赤ちゃんが寝ている時、
どうしても汗と涙とよだれで耳の方に流れてしまうためだそうです。
そこに加えて、枕が木綿でないため、あるいは木綿でも塗れて下の材質に反応したために、
耳切れや耳の湿疹ができてしまうようです。
体の湿疹は着ている物が木綿でなかったために発症するそうです。

身に着けるものや体に直接ふれるものを全て木綿に替えることで、
私のアトピーはすっかりよくなりつつあります。

ステロイド皮膚炎の症例(東京都 森菜穂子)[P.44-48]

私は、赤ん坊の時にも酷い湿疹があったそうです。
風邪でも腹痛でも必ず医者だ薬だとう親だったので、
きっと何かを塗っていたのでしょうが、それが何かはわかりません。
ものごころつく頃には一旦きれいになっていたようですが、
八歳の頃、小児喘息になると同時に、アトピー性皮膚炎になりました。
病院に通い喘息は1~2年で治まりましたが、アトピーはずっと治りませんでした。

その時から約二〇年、ほぼ毎日、
一~ニ週間に一本程度の塗り薬をコンスタントに塗り続けました。                  
当時は、アトピー性皮膚炎という言葉も聞きませんし、
最初の頃の薬の名前もわかりませんが、おそらくステロイドでしょう。

最初の症状はたいしたものではなく、
肘、足の内側と首に湿疹があり、ちょっと痒いという程度でした。
今から思えばそんなものほっておけばよかったと思います。
薬を塗っても、それほど効いた記憶はありません。
それでも当時は親も私も、湿疹があれば薬を塗らなくてはならないと思い込んでいました。

額に症状が出始めたのは中学生の頃だったでしょうか。
ボロボロと皮が剥げ痒みが強かったです。
もちろん、額にも薬を毎日せっせと塗りました。
顔は副作用がでやすい等という話は聞いた事もありません。

大学の頃には、腕・首・額はずっと治らないし、
肩・胸・手指・頭にも症状が広がり、程度も酷くなっていました。
汗をかくと痒みが強いため、できるだけ汗をかかないようにしていました。
また、痒みのためなかなか寝つけなかったり、
夜中に一、二度目が目覚めるのは普通になっていました。
それでも、生活に支障が出る程ではありませんでした。
その頃は何も知らず、カサカサするのを何とかできないかと、
化粧品やクリームを塗ってみたりもしていました。
もちろん、何の役にも立ちませんでした。

社会人になって四年目、ひどく悪化してきました。
当時、染料を扱う仕事をしていたのですが、
それが良くなかったのか、二〇年間のステロイド仕様がついに破綻したのか、
それはわかりません。

けれど、この時初めて自分のアトピーのことをちゃんと考えたのかもしれません。
そして、二〇年間も病院に通い続けて、少しも良くなっていない、
それどころか悪くなっているという事に気がついて愕然としました。
あまりにも徐々に変化しているので、自覚がなかったのです。
そして、どうせ塗っても効かないし、副作用もあるそうだから
塗らない方が良いのだろうとステロイドをやめました。
リバウンドに対する警告など医者の口から聞いたこともありません。

それから、一年半、この世の地獄のような思いを味わいました。
激しい痛みと痒みに昼夜襲われ、のた打ちまわりました。
発狂しているようでした。
腕をまわしてもピシピシと油分ゼロの皮膚が裂け、滲出液が出て痛みました。
際限なく剥がれる皮でシーツも服もそこら中粉だらけで、点々と血が付いていました。
風呂から上がれば因幡の白兎のように、「痛い、痛い」と声をあげて泣きました。
漢方を飲み、断食し、数えきれないほどの民間療法に手を出し、
東奔西走し貯金も使い果たしましたが、なかなか良くなりませんでした。
この苦痛には終わりがないのではないかという恐怖と絶望にうちのまされました。

しかし、ステロイドをやめて一年半経ったある時、急速に良くなったのです。
その時は知りませんでしたが、リバウンドは一~ニ年でおさまる事が多いそうです。
その頃していた食事療法や田舎に引っ越した事も良かったのではないかと思います。

リバウンド直後、不思議なことに、ものごころついて以来はじめて見るほど綺麗な皮膚に一旦なりました。
一ヵ月ほどで少しぶり返してしまいましたが、生活には支障ない程度でした。

ステロイド離脱後、約三年の頃、何がいけなかったのかまた大きく悪化しました。
リバウンド時の八割程度まで行ったかもしれません。
その時は慌てましたが、幸いニ~三ヵ月でおさまりました。
その後も波があり、何度か悪化した事もありますが、
その程度はリバウンド時の五割、三割程度とだんだん小さくなり、
時間も一ヵ月、ニ週間、というように短くなっていきました。
トータルして振り返ってみると、一年一年確実によくなっています。
今、離脱後八年ですが、手荒れと、汗をかいた時、
肘や首が痒いですが、軽いアトピーといった程度でしょう。
ステロイドを塗り続けていた二〇年間よりはるかに良い状態なのは確かです。
夜も一度も目覚めることなく眠れます。

<中略>

この八年間は、もう半ば趣味のように色々アトピー・グッズを試しています。
塗るものは色々試しましたが、役に立った感触のあるものはひとつもありませんでした。
むしろ悪化したものが一つ二つありました。
塗るものは悪化すると分かり易いというのもあるかもしれません。
いくつかの入浴剤はなかなか良かったようです。
食餌はやはり気を付けていると良いように感じます。
睡眠不足ははっきり悪化するのが分かります。

脱ステロイドの症例(大阪市 中瀬 志保)[P.49-51]

幼児期からのアトピーで、ずっと薬を手放せなかった私も、
九六年七月、思いきってステロイドを断ち、ようやく一年が過ぎました。

<中略>

離脱期当初、自分を支配して止まなかったのは、悲しみ・絶望・不安。
どれを取ってもプラスになる事など一つもありませんでした。
赤銅色で、石膏のように固くなった顔や首。
そこからは絶えず流れる体液や血液を鏡で見ては、毎日泣いていました。
いくつも亀裂の入った肌。握り拳大まで腫れ上がったリンパ腺。
下がらない微熱。眠れない日々。
「これが人間と呼べるのだろうか!?」と、幾度嘆いたかわかりません。
「私にはもう何もない」そう思いました。
親や周囲の声、全てが疎ましく感じられました。
同じアトピーの方の体験談でさえ、「この人は、私よりマシだから」とか、
「治った後だから、頑張れなんて言えるんだ」などと、
屈折した受け取り方しかできない時期がありました。
「誰も自分を見てくれない」と思った事もしばしばです。

<中略>

私はこの一年、医者には全く通わず、自分なりの方法で、対処して来ました。
薬は、一切使わず、天然のヨモギエキスとスクワランオイルだけで、ここまできました。

ステロイド性白内障[P.55]

今、成人のアトピー性皮膚炎の人たちの間では白内障が増加しています。
白内障もアトピー性皮膚炎の人に多い合併症ですが、
ステロイド剤を長期に連用することにより、
「ステロイド性白内障」という副作用が起きることも明らかです。
外用剤ではほとんど白内障はおきないと言われてはいますが、
ステロイド剤の効能書には、大量、または長期にわたる広範囲の使用、
密閉法により、白内障、緑内障等が現れることがあると記されています。
しかし、体験談にもあるように「ステロイドで白内障なんて聞いたこともない」
という医者がいることも事実なのです。
医者が本当に「ステロイド性白内障」というのがあるのを知らないのなら、
医者が副作用を知らなくても薬を処方できるという
日本の医療そのものを問題にしなければなりません。

脱ステロイドの症例(泉大津市 川原 美子)[P.56-58]

私は生まれたときからのアトピーでしたが、成長していくうちに、湿疹もましになっていきました。
それでも季節の変わり目には出てきていましたので、
皮膚科に行って病院が出す塗り薬や飲み薬をもらい、
今まで長期に、出ては塗っての繰り返しでした。

<中略>

私は三年前に“ヘルペス”という感染症にかかってしまい、顔面一面! 
顔中の毛穴という毛穴に、赤いブツブツが一瞬のうちに広がって、
すごい痛みで顔に空気がふれているだけでもピリピリと痛く、
あまりの痛さに涙も出ないくらいだったのを覚えています。

この時は一週間入院して、一週間は自宅療養してやっと社会復帰できましたが、
それまでそんな病気の名前さえ聞いたこともなく、
「なんでこんな訳のわからない病気にかかったんやろ」と思っていて、
まさかステロイドを長期に使用したための副作用の一つだなんて夢にも思いませんでした。

全ての薬を止めて一週間経った頃、
赤いブツブツが顔中出てきて、だんだん顔面、むくみ、熱をもってきて、
そのニキビのようなブツブツから黄色い汁のようなウミのようなものが吹き出し、
止めどなく吹き出てしたたり、顔中、目と鼻以外は皮膚がずるむけになって、
黄色い膿でジュクジュクになりました。
その間、もちろん痒くなってひっ掻いたりすると、
又、黄色い膿でジュクジュクになり、そこだけがガビガビに固まり、
その鉄仮面のように汁でカチカチに固まった状態からボロボロとカサのように剥がれ、
今度は皮膚がパサパサに乾燥し大きな皮が剥がれて、
細かい粉状のまるでフケのような皮膚がボロボロと顔からめくれての繰り返しです。

毎日、毎日、朝起きると、その粉状の皮が手のひらにのるくらい、
枕元にいっぱい剥がれ落ちてつらい毎日でした。
恐ろしいぐらいの寒気もあり、眉毛も抜け薄くなり、頭皮の皮もめくれたため、
髪の毛も抜けてしまい人相が変わるほどで、想像を絶するようなリバウンド症状が出ました。

アトピー離婚(名古屋市 H・M)[P.63-64]

彼から突然
「汚いし、イライラするので実家に帰ってくれ」と追い出されました。
その時は、母親が頭を下げて戻ることができましたが、しばらくすると、
「汚いし、楽しくないから別居したい」と改めて言われ、
泣く泣く実家に帰り、この日から39度の高熱で1週間寝込みました。
1ヵ月ほどして彼から呼び出され、その場でいきなり離婚届をだされ、
「アトピーのおまえと住みたくない、別れてくれ」と告げられました。
私がアトピーであるということは、結婚前から話していたが、
私の両親には、離婚の原因は「アトピーであること」
「僕の方が被害者だから慰謝料が欲しいくらいです」と言っていました。

ステロイド注射禍(埼玉県 S・A)[P.65-67]

ある日、知人に勧められた近所の医者にいってみました。
初めての診察で「注射を打ちにしばらく通院するように」と言われ、
内服薬と二種類の塗り薬をもらって帰りました。
薬の説明は何もされず、
「後々、なんかなることないですか?」と聞いたら
「大丈夫、心配ない」との答えでした。
何ヵ月か通院しましたが、アトピーの症状は変わらないのに、
注射を打つと痒みが楽になるだけで、これではいつまで続けていても、
まるで麻薬と同じだと思い通院するのを止めました。

2週間くらいしたら、生き地獄が始まりました。
顔が真っ赤に腫れ上がり、痒みと痛みでどうしようもなくなりました。
身体中のリンパ腺のあちこちに紫色の斑点が出き、
熱が出て身体中が痛くて、全身が化け物みたいになりました。
部屋の隅にうずくまり、発狂しそうな痒みたえるだけで、他には何もできなくなりました。

二ヵ月ぐらい経った頃、目がおかしくなっているのに気付き、
眼科へ行って「白内障です」と言われ、すごいショックを受けました。
その後、2軒かかった医者からも「ステロイドを使っていたための白内障」だと診断されました。
最初にかかった医者に、白内障のことを言いにいったのですが、
「ステロイドで白内障」なんて聞いたこともないと言われました。

その間も全身の痛みと痒みがものすごくて、
下着も着れないほどになり、死ぬことばかり考えていました。
痒くて掻くと肉までずるりと剥けてしまって、そこからばい菌が入るのか、
身体中が血と膿だらけになってしまい、熱も下がらなくなり、
もうどうやって死のうかということも考えられなくなってきました。
本当に屍のようになってしまい、病院で点滴注射を2日ぐらい続けると
血と膿がポロポロと落ちて元の生き地獄へ戻りました。
そんなことの繰り返しをしているうち、
実家の父がこんなことをしていたら死んでしまうと実家へ連れて帰りました。

子どもも側へ寄ってこなくなり、出される物を食べるだけの生活が続きました。
父はどうにか助けようと一生懸命になっています。
死にたい気持ちは変わらないのですが、少しは気持ちが落ち着いてきました。
夜もたまに2時間くらいなら眠れるようになってきました。
ところが24時間、痛みと痒みの拷問を受けているようで、心臓がおかしくなってきました。

それまで痛くてだめだったシャワーを浴びればショックで死ねると思い、
シャワーを1日に何回も浴び、石けんでごしごし洗い始めたら、
死ぬどころかみるみる身体がきれいになっていったのです。

ステロイド性白内障の症例(尼崎市 小島文子)[P.79]

私は1989年から1994年3月までステロイド剤を塗っていました。
量はトータルでおそよ顔3本、目の周り2本、
目薬4本で時々使ってアトピーとみじんもかんじさせないぐらい、十分にコントロールできていました。
それが少しづつ効きが悪くなり、塗っていても症状が変わらなくなってきたので、
塗るのを中止したところ1ヵ月ぐらいして、顔が発赤、膨張、浸潤、落屑と信じられない状態になり、
6月には目の見えが悪いことに気づきました。
9月になると白内障が急に進行し、ほぼ1ヵ月で失明状態になりました。

白内障アンケート[P.103]

アトピー性皮膚炎の患者では、かなり高率で白内障が発症することが明らかになっていますが、
アトピー性皮膚炎の合併症としての白内障もあり、
ステロイドと白内障との関係については否定的なものが多いようです。
情報センターのアンケートでも、ステロイド剤と白内障の関連性を調査するために
いくつかの質問項目を設けました。
その中で白内障だけに限らず、何らかの眼の疾患があると答えた人は、
男性66人、女性90人で合計延べ157人でした。
その中で白内障があると回答した人は97人(男性42人、女性55人)で対象者全体の6.2%でした。
アトピー性皮膚炎と白内障については多くの報告がありますが、その頻度は0~25%といわれています。

緑内障アンケート[P.104]

情報センターの調査では、緑内障は14人で全体の0.9%に起こっており、
男性2人、女性12人と圧倒的に女性に多く発生していました。
ただ、発症時期の調査で、ステロイド剤を使用中に緑内障を発症した人は8人、
中止後に発症したとする人が5人でした。
この結果では、緑内障がステロイド使用中の人に有意に発症しているという結果になります。

ステロイド外用期間と中止した理由[P.167]

有効回答数1265( )内は外用期間の%
改善 憎悪 変わらない 人から勧められ
1年未満 29(14.8) 46(20.4) 54(27.6) 37(18.9)
1~2年 19(12.3) 46(29.7) 48(31.0) 51(32.9)
3~4 15(10.4) 45(31.2) 47(32.6) 38(37.9)
5~10 16(0.5) 113(36.7) 104(33.7) 65(21.0)
11~15 12(7.2) 72(43.6) 46(27.8) 50(30.3)
16~20 3(2.2) 48(35.8) 35(26.1) 29(21.6)
21~25 3(2.6) 45(38.8) 38(32.8) 30(25.9)

ステロイド外用を中止した理由[P.168-169]

過去にステロイドを外用していたけれど現在は中止している
という人に対して行ったアンケートで、
「ステロイドを外用していた時の症状はどうでしたか」という問いに、
90%以上の人が良かった、まあまあ良かったと回答しています。
が、使っている間に「効かなくなったと感じたことはありませんか」
という問いには70%以上の人が、感じたと答えています。
そして、最終的に「ステロイド剤を使わなくなったのはなぜか」という問いに、
「症状が良くなったから」と答えた人はわずか6%で、残りの人たちは、
「症状が悪くなった」「症状が変わらない」「人から勧められて」などと答えていることからも、
実際にステロイドの外用で症状が改善した人は非常に少ないことがわかります。

症状が悪くなってステロイドの外用を中止したと答えた人でも、
60%近くの人が中止してからの方が症状が良いと答えており、
むしろステロイドを使わずに良い状態を維持していることがわかります。
また、中止してからの症状が悪いと答えた人でも、
90%以上の人が現在の状態に満足していると答えています。
これらのことを考え合わせると、
今までステロイドを塗っていたのは何だったのかということになります。

ステロイドに対する抵抗感の原因[P.170-171]

今回のアンケートで「ステロイドに対する抵抗感」はどこから生じたものなのかを質問しました。
結果は「ステロイドに対する抵抗感」を持っていないと回答した人はわずか3%少しで、
95%以上の人が大なり小なりステロイドを使うことに抵抗感を持っていることがわかりました。

なぜ、抵抗感を感じるようになったかという動機は、
家族や知人、マスコミなどの外部からの情報よりも、
「一時しのぎ」「塗っても効かない」「副作用を感じた」「医師への不信感」などの、
自分自身の経験から発したものであり、民間療法やマスコミの影響を受けたり、
まして「ステロイドをできるだけ使わない治療」
を勧めようとしている医師たちの影響で
「ステロイドを拒否」しているのではないことが明らかになりました。

生卵アレルギー[P.201-202]

卵については、緑餌と小米、海藻類だけを与えた鶏の卵を卵アレルギーを持つ
成人アトピー(26歳・女性)の患者さんに食べてもらいました。
しかし、このような自然に飼われた鶏の卵でも、生卵でははっきりとアレルギー症状が出ました。
ただ、加工して食べれば大丈夫だったようです。
「卵アエルギーの人が加工して食べれば大丈夫だった」というのは、
その人に「安全」な卵を食べてもらった結果ですが、
一般に市販されている卵でも、この患者さんの場合は加工すれば大丈夫なようです。
またその反対に、市販されている卵を食べられなかった子供が、
その「安全」な卵であれば、それほどアレルギー症状も示さなかった、
という結果もありました。

パンと花粉症[P.213]

和歌山県古座川町の明神診療所の森田裕司医師からは、
山林労働者(スギ花粉症をもたない)とスギ花粉症を持つ人を比較調査した結果、
スギ花粉症の人は朝食がパンの人は7割、山林労働者は5%ぐらいという報告や、
山林労働者40名中スギ花粉症の人はゼロという報告もされています。

何もしないのが一番良い[P.230]

ステロイドの離脱をこえて
「アトピー性皮膚炎もなんとか落ち着いてきました」という
お返事をいただいた時に、
「何が良かったと思われますか」とお聞きすると、
「いろいろ試してきたので何がよかったかわからない」
という言葉とともに
「結局、なにもしなくても良かったのかもしれない」
という言葉が返ってきます。多分、そうなのだと思います。

温泉療法[P.232]

情報センターに寄せられる体験談の中でも最も多いのが温泉療法(入浴療法)です。
取りあえずその場の酷い症状を抑えるのには比較的良いようです。
温泉は、単純温泉が比較的評判が良いようです。

しかし、こうして温泉療法が話題になると、
高額な温泉療法をしている子供さんが温泉療法を中止することで
症状が元に戻ってしまうのではないかという危惧から中止することができず、
温泉から離脱する方法を真剣に考えているという
何だか訳のわからない現象も起きてきています。

海水浴療法[P.233]

海水浴療法は、アトピー性皮膚炎の患者が海水浴に行くと
症状が軽快するというところから考え出された療法です。
重症のアトピー性皮膚炎患者に海水浴をさせると、
患者の尿に含まれるアレルギー関連物質が減って、
症状が改善されることが飯倉洋治医長(国立小児病院)らによって確かめられています。
海水の殺菌力だけでなく、
紫外線の作用や心理的に解放されたりすることで効果が現れるのではないかとも言われています。
反面、海水浴療法に関しては、医師によってはかなり否定的に捉えられてもいる人もおられるようです。

アトピー性皮膚炎についてのアンケート[P.238-239]

良くなった 変わらない 悪くなった 試した人
食べ物アレルゲン除去
(卵、小麦、大豆など)
315(88.7) 430(57.1) 8(1.1) 753
環境アレルゲン除去
(ダニ、ハウスダスト、カビ等)
318(38) 522(61.2) 4(0.8) 844
金属アレルゲン除去 77(25.8) 219(73.5) 2(0.7) 298
抗真菌療法
(体内のカンジダの除去)
53(22.5) 172(73.2) 10(4.3) 235
入院(ステロイド剤を使用せず) 148(60.9) 76(31.3) 19(7.8) 243
PUVA療法 51(24.0) 143(67.5) 18(8.5) 212
漢方(内服、外用) 301(33.8) 522(58.7) 67(7.5) 890
カウンセリング 210(57.4) 152(41.5) 4(1.1) 366
鍼 灸 44(19.1) 176(76.5) 10(4.4) 230
入浴(入浴剤などを使って家庭での入浴) 415(50.8) 375(45.9) 27(3.3) 817
温泉療法(宅配) 177(64.4) 79(28.7) 19(6.9) 275
温泉療法(湯治) 211(68.7) 77(25.1) 19(6.2) 307
海水浴療法 157(53.2) 97(32.9) 41(13.8) 295
強酸性水(超酸化水) 301(43.9) 345(50.3) 40(5.8) 686
イソジン療法 414(58.1) 261(36.7) 37(5.2) 712
食事療法(小食、和食) 348(61.6) 211(37.3) 6(1.1) 565
食事療法(断食) 36(27.3) 84(63.7) 12(9.0) 132
無農薬や添加物の少ない食品に変えた 298(44.1) 376(55.7) 1(0.1) 675
運動療法(ジョギング、水泳等) 159(56.6) 102(36.3) 20(7.1) 281
スキンケア(保湿剤など) 604(63.5) 315(33.2) 31(3.3) 950
合成洗剤を石鹸に変えた 323(47) 359(52.3) 5(0.7) 687
宗教 25(23.6) 74(69.8) 7(6.6) 106
各種健康食品 135(25.5) 368(69.6) 26(4.9) 529
各種水(アルカリ水など) 153(32.0) 312(65.1) 14(2.9) 479

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