バベルの図書館

書籍と雑誌の要約と解説

ぼくが肉を食べないわけ

肉食と発癌の因果関係

装丁
ぼくが肉を食べないわけ 新版ぼくが肉をたべないわけ
Why you don’t need meat(the new)
ピーター・コックス
Peter Cox
浦和かおる
築地書館
ISBN4-8067-6806-5
1998/12/10
¥2200
肉食がひきおこすさまざまな病気や
肉食についての医学的な最新データを
もりこんだ全面改訂版。
10年ぶりに待望の刊行。
手軽でおいしいレシピ付き!!
目次
  1. まだ知られていないこと
    1. 私が肉食の危険を訴える三つの理由
    2. アメリカからの情報――心臓病と肉食の密接な関係
    3. 日本からのニュース――肉食と不健康の関係を解明
    4. ドイツからのニュース――ベジタリアンの喫煙者と肉食の喫煙者の比較
    5. イギリスからのニュース――ベジタリアンの死亡原因を追跡
    6. 中国からのニュース――植物を基本とした食事計画
    7. 研究成果は消し去られる
    8. 悪魔の主張
    9. 健康志向運動を鎮圧せよ!
    10. “呼び名の変更”“新語”で世論封じ
    11. 「バターは心臓病を減らす」の裏の話
    12. 印象を迷わす宣伝スローガン
    13. 国による食事ガイドラインの解体
    14. エスキモーの不吉な兆し――魚油の摂取に関連して
    15. 医者はなぜ私たちに教えないのか?
    16. ある医師の話――ベジタリアンの食事について
    17. 人間は本来肉食ではなかった
    18. 雑食性イコール肉食ではない
    19. 不変の遺伝構造と変化する食事
    20. 「男は狩人」「女性は採集者」
    21. 我々の秘密の年代記――「女性による園芸=最初の栽培」の意味
    22. 園芸は地球との共同行為、農業は本質的に強制の行為
    23. 未だにビクトリア時代の偏見が
    24. 「歯と爪に生まれつきの血」――人はハイエナと同じか?
    25. 動物の自己犠牲・勇気
    26. 憎しみがいっぱいの皿――動物たちの姿
  2. 雌牛の黙示録
    1. 狂牛病のとんでもない歴史
    2. 筋道の一――災害へのカウントダウン・スクレイピー
    3. 海綿状の脳
    4. 規模の大きい大変な病気
    5. 筋道の二――笑う死・クールー
    6. 伝染の過程――人の脳を食う
    7. クールー病の不自然な歴史
    8. 筋道の三――医師も怖れる病気・CJD
    9. 三つの病気の研究が結びついた
    10. 感染は種の壁を越えて
    11. 事実が我々から隠されているのでは?
    12. 「安全だが、間違っていると思った」
    13. 狂牛病への予言的文章
    14. 動物油脂精製業でも罹病肉を
    15. 政府はなぜ行動を起こさなかったか
    16. 食物パニックを恐れた政府
    17. 狡猾なテクニック
    18. 政府の委員会の行動
    19. 政府宣伝機関の信用失墜
    20. 燃やされる牛たち
    21. 「この病気が人に移る証拠はない」
    22. 人への伝染をめぐって
    23. 議会における質疑応答
    24. 苦境に立たされた政府
    25. 動物感染実験の不安な結果
    26. 「それがどうした?」――何ら問題なしとする見解
    27. ペットへの感染と死
    28. 自らに背いた農務大臣の発言
    29. 農務大臣の論理上の矛盾
    30. 人にも危険という最初の示唆
    31. 海面症の追跡
    32. 悪い遺伝子が原因?
    33. 動きの遅い伝染病
    34. スロバキアでの調査から見えてきたもの
    35. 「霊長類はBSEに冒される」
    36. 今最も重要な疑問――我々は感染肉を食べたが?
  3. 豚物語
    1. 世の中を変える新しい倫理・ベジタリアニズム
    2. 「残酷さと無縁の肉」という神話
    3. 食肉生産の野蛮
    4. 食肉処理場――屠畜の現場
    5. 宗教的衣をまとった野蛮行為
    6. 秘密にされる豚の生活
    7. 優しさの感情をもって
  4. 健康のために
    1. 関節炎を抑える
    2. 血圧を下げる
    3. ガンを抑えこむ
    4. ガンの基本的特徴
    5. 何がガンを引き起こすのか
    6. ガンは肉から
    7. 肉の柩にとどめの釘を
    8. 肉と乳ガン
    9. 肉を多く食べれば危険も増える
    10. 食事を変えて命を救おう
    11. ガンを抑えるしくみ
    12. 肉食をやめて失うものはない
    13. 糖尿病を打ち破る
    14. 食事を変えて糖尿病を予防する
    15. 繊維の働き――食物の体内通過時間
    16. 大きく、早く、規則正しく!――高繊維食物と排便
    17. 胆石と掴みあう
    18. 心臓病を治療する
    19. 白血病は伝染する?!
    20. 骨粗しょう症を出し抜く
    21. 骨粗しょう症を防ぐ食品、運動
    22. サルモネラを避ける
    23. まだ知らない人のために――エイズの起源
    24. 心の転換――より良い方法を求めて
  5. 肉のいらない料理例
    1. 肉の虜になる?
    2. 肉と絶縁する方法
    3. 栄養豊富なベジタリアン食
    4. 考えを打ち明ける
    5. なぜそうするのか、を知ろう
    6. 友人と食事をする場合
    7. 外食をする場合
    8. 私の台所へようこそ
  6. 疑問に答える
    1. ベジタリアンの食事は、準備に時間がかかるのか?
    2. 私の六歳の子どもは肉を食べようとしない。どうすべきだろうか?
    3. 私のかかりつけの医者は「肉を食べなさい」と言うが、どうすべきなのか?
    4. ベジタリアンの食事は高くつくのでは?
    5. もしすべての人がベジタリアンになったら、農場にいる家畜はどうなるのか?
    6. どのような台所用品が必要か?
    7. 野菜を掘り起こすと、彼らは悲鳴を上げると聞いたことがある。
      肉を食べるのと同じように残酷ではないのか?
    8. ベジタリアンの食事で、どうやって体重を減らせるだろうか?
    9. 皮製品を着用するのは良いのか?
    10. ヒトラーはベジタリアンだった?
    11. ベジタリアン・チーズを買うべきか?
    12. ビタミンDを十分にとるには?
    13. ビタミンB12はどうやってとるか?
    14. 鉄はどのようにとればよいのか?
    15. 飽和脂肪と不飽和脂肪の違いは?
    16. ペットの犬や猫もベジタリアンになれるか?
    17. 有機食品のほうが良いか?
    18. 健康食品のレストランを始めたいが?
    19. どのような組織に加入すべきか?
    20. ホットドッグは何からできている?
    21. ハンバーガリゼイションとは?
    22. 私はクリスチャン。聖書は、肉を食べることができる、と言っているが?

内容

  1. 肉を食べるほど心臓病による死亡率が高まる(セブンス・デイ・アドベンティスト)[P.5-8]
  2. 肉食は癌と心臓病のリスクを高め、菜食は酒と煙草の害を抑える(東京国立ガンセンター)[P.10-11]
  3. イギリスのベジタリアンは死亡率と心臓病率が低い(Burr,M.L.)[P.12]
  4. 牛乳を飲む習慣のない中国では骨粗鬆症が見当たらない[P.13-14]
  5. 食肉振興団体は世界的栄養学者と契約して健康運動を叩き潰す[P.17-18]
  6. 食肉振興団体は畜産用語を変えて肉食の残虐性をごまかす[P.20]
  7. バターに比べてマーガリンの心臓病死亡率が1.9倍[P.20-21]
  8. 食肉家畜委員会のスタッフは肉を食べない[P.24]
  9. 医学論文は重複しがちでしかも分析されていない[P.32]
  10. 肉食を止めると関節炎の症状が改善する[P.160-161]
  11. 菜食主義者に肉食をさせると血圧が10%上昇する[P.162]
  12. 肉を止めると血圧が下がり、肉を食べ始めると再び血圧が上がる[P.164]
  13. 高血圧の人たちをベジタリアンにさせたら血圧が下がった[P.164-165]
  14. 菜食療法を行うと高血圧の薬がほぼ不要になる[P.165]
  15. 肉食と腸癌は強い相関関係を示した[P.174-176]
  16. 牛肉・豚肉を食べるほど乳癌になるリスクが高まる[P.176]
  17. 乳癌と結腸癌に対して動物性食品は発癌性を示し植物性食品は抗癌性を示した[P.178]
  18. 直腸癌のリスクは肉を食べると上がり野菜を食べると下がる[P.180]
  19. 炭火焼のステーキ一キログラムには六〇〇本のタバコに含まれているのと同量のベンゾピレン(強力な発ガン物質)が含まれる。*39[P.181]
    4-39 Lijinsky,W.and Shubik,P.,’Benzo(a)pyrene and other polynuclear hydrocarbons in charcoal-broiled meat’,Science,145,pages 53-5.
  20. 加熱しすぎた肉からは8種類以上の発癌性物質が生み出される[P.181]
  21. ベジタリアンの免疫システムは肉食の人よりも強い。ある研究で、殺し屋の細胞(ガン細胞を芽のうちに摘み取る)が全く同数なのに、肉食の人の二倍の強さをもつことが示された。*44[P.181]
  22. 4-44 Malter,M.et al,’Natural killer cells,vitamins,and other blood components of vegetarian and omnivorous men’,Nutrition and Cancer,1989,12(3),pages 271-8.
  23. ベジタリアンだと糖尿病になるリスクが45%減少する[P.184-185]
  24. 牛乳哺育された乳児は糖尿病になりやすい[P.185-187]
  25. 食物繊維の摂取量を増やすと糖尿病患者のインスリン必要量が減る[P.187]
  26. 肉を除いた低脂肪・高繊維の食事だと胆石が出来にくい[P.192]
  27. ベジタリアンになることで薬を使わず冠状心臓病を退歩できる[P.194-195]
  28. アメリカ心臓病学誌編集長の言葉「人は草食動物である」[P.195-196]
  29. ヒト白血病=ウシ白血病ウイルス感染仮説[P.197-199]
  30. 肉食すると体内のカルシウムが失われる[P.202-203]
  31. アルミニウム含有の制酸剤などを長期間使用すると、カルシウムと硫黄の新陳代謝が阻害され骨の異常が生じる可能性があり、骨粗しょう症を増長させる。[P.205]
    4-104 White,J.E.,’Osteoporosis:strategies for prevention’,Nurse Practitioner,1986,11(9),pages 36-46,50.
  32. サルモネラ菌は鶏卵にも侵入する[P.206]
  33. HIVの真相=ワクチンウシエイズ混入説[P.212-213]

肉を食べるほど心臓病による死亡率が高まる(セブンス・デイ・アドベンティスト)[P.5-8]

一九七八年、一つの論文が発表された。
著者はローランド・L・フィリップス博士、アメリカの最も有名な疫学者の一人である。*2
彼とそのチームは、セブンス・デイ・アドベンティストと呼ばれる、
アメリカ人のある集団に非常な興味をもった。
というのは、そのアドベンティストの教会が、
肉食を基本としているアメリカ人とは非常に異なった生活スタイルを唱えているからであった。
フィリップス博士が最初に行ったことは、その人たちを把握することであった。
その数は数十人とか数百人ではなく、何と二万五〇〇〇人という数であった。

<中略>

調査対象となった人たちは全員カリフォルニアに住んでいた。
同じようにカリフォルニアに住み肉を食べている普通の人たちと比較すると、
アドベンディストの冠状動脈血栓心臓病による死亡の危険率は、はるかに低かった。
普通の人が一〇〇人心臓病で死亡した場合、アドベンティストの男性はたった二六人、
危険率は約四分の一であり、女性については同じく三分の一である。

<中略>

次に、アドベンティストで心臓病のため死亡した人と、
対照グループ中の非喫煙者で心臓病のため死亡した人とを比較した。
それはちょうどアメリカガン協会が研究していた。
もしアドベンティストが喫煙しないという理由だけで他の人より健康であるというのなら、
これら二つのグループの死亡率は全く同じはずである。
しかしそうではなかった。それもはるかに違っていた。
一般の非喫煙者(アメリカガン協会により喫煙経験皆無と認められた人)と比較したとき、
アドベンティストの心臓病による死亡危険率は半分であると、数字は冷たく示していた。

<中略>

アドベンティスト教会はベジタリアンの生活スタイルを唱えていたが、
決して強制はしておらず、実際肉食をしている人もおり、調査にそれは含まれている。

<中略>

肉食のアドベンティストの心臓病による死亡率は通常人の三七%であった。
それ自体印象的である。
しかしベジタリアンであるアドベンティストはさらに低く、通常人の一二%、わずか一二%である。

<中略>

致命的な心臓病の危険率が、肉を食べる頻度と密接に関係している。
週に一~二回肉を食べる男性のアドベンティストは、
肉を食べない人より心臓病で死ぬ危険性は四四%高く、
三~五回食べる人は六〇%、六回以上の人は六二%も高い。
女性についてもそれぞれ三八%、二五%、五八%高くなっている。
週に一~二回というわずかな量でも危険性は非常に高くなるという意味深い発見といえる。

1-2 Philips,R.L.et al,’Coronary heart disease mortality among Seventh-day Aventists with differing dietary habits:a preliminary report’,Amerikan Journal of Clinical Nutrition,Oct 1978,31,pages S191-8.

肉食は癌と心臓病のリスクを高め、菜食は酒と煙草の害を抑える(東京国立ガンセンター)[P.10-11]

アメリカのセブンス・デイ・アドベンティストの研究に刺激されて、
東京の国立ガンセンターの科学者たちも同じような研究に乗り出した*4

すなわち、考え方は同じだが、規模はもっと大きい。
日本での場合、アメリカの二万五〇〇〇人に対し、
一二万二〇〇〇人以上という驚くべき人数を追跡することが決められ、
しかも一六年以上研究するという。

統計という意味でもすごい。
対象者(この研究においては分別のある男性に限られた)は、
特に訓練を受けた公的保健婦により各家庭でインタビューを受けた。

対象者が多数のため、食生活やライフスタイル別にいくつかのグループ分けが可能になった。
最終結論が出るまで分析のために大変な作業と時間が費やされた。
その結果、危険率の非常に高いグループと非常に低いグループの二つが現れた。
前者は、喫煙し、飲酒、肉食で緑黄色野菜を食べないタイプであり、
後者は、驚くにはあたらないが、全く正反対のタイプであった。
図5がその比較表である。
死因合計で前者は後者の一・五三倍、心臓病に限れば一・八八倍、
ガンについては二・四九倍という高率を示した。

次にそれを要約してみよう。

●肉食という一つの要素を、他は全て健康的なライフスタイルに加えるだけで、
死亡率に大きな影響を与えることがわかった。
危険率の低いグループ(禁煙・禁酒・非肉食・緑黄色野菜の多食)と、
肉食を除いて似たようなグループとの差は、心臓病についていえば三〇%あった。
他は健康なライフスタイルに肉を加えるだけでだ!

●もう一つの結論は、別の二つの不健康なグループから発見された。
一般的に喫煙と飲酒はかなり不健康であると考えられているが、
この研究でもそれは確かめられた。
喫煙し飲酒する人たち(しかし野菜を多食し肉食をしない)は、
最も健康な人たちに比べ全体的な死亡率は三九%も高かった。
しかしもっと不健康な人たち
(さらに野菜を食べず肉食する)はさらに一四%も死亡率が上昇した。
言い換えると、ベジタリアンの生活スタイルにより、
喫煙・飲酒する人たちにさえ何らかの防御作用が与えられていたといえる。

1-4 Hirayama,T.,’Mortality in Japanese with life-style similar to Seventh-day Adventists:strategy for risk reduction by life-style modification’,National Cancer Institute Monograph,Dec 1985,69,pages 143-53.

イギリスのベジタリアンは死亡率と心臓病率が低い(Burr,M.L.)[P.12]

イギリスのベジタリアン四〇〇〇人余りについて、
七年間にわたり死亡原因を追跡研究した結果も同様であった*6
ベジタリアンの男性の死亡率は普通の人の約五〇%、女性の場合約五五%であった。
心臓病についていえば男性は四四%、女性は四一%であった。

1-6 Burr,M.L.and Butland,B.K.,’Heart disease in British vegetarians’,American Journal of Clinical Nurtrition,Sep 1988,48(3 suppl),pages 830-2.

牛乳を飲む習慣のない中国では骨粗鬆症が見当たらない[P.13-14]

それはザ・ニューヨークタイムズ紙のトップニュースになった。*7

この中国での研究は実に壮大で、一九八三年以来、
国中の六五〇〇人につき食事とライフスタイルを調査し、
三六七のくわしい事実について述べている。

<中略>

この研究はまだ継続中であり、最終結果が出るまで多くの年月が必要であろう
(それでも途中経過報告で九二〇ページという大冊になっている)。
その中で鍵となる発見を次に記そう。

●骨粗しょう症予防のために牛乳を飲む必要はない。
 多くの中国人は酪農製品を食べず、代わりにカルシウムを野菜から得ている。
 中国人は西洋人の半分のカルシウムしかとっていないが、
 骨粗しょう症は見当たらず、にもかかわらず平均的寿命は七〇歳である。

「骨粗しょう症は、カルシウム摂取が非常に多く、
しかもそれらをタンパク質の豊富な酪農製品からとっている地域に生じる傾向がある」
と、コーネル大学栄養生化学のT・コリン・キャンベル博士が述べている。

1-7 The New York Times,8 May 1990.

食肉振興団体は世界的栄養学者と契約して健康運動を叩き潰す[P.17-18]

「ミラー氏は食肉を全体的に任された」
とミート・トレード・ジャーナルは誇らしげに声明を出した。*8
「それが体に良いと彼が知っていたからではない。
食肉振興団体が彼とアドバイザー契約をしたからでもない。
彼がその材料を愛しているからである」。
ミラー氏は人をだます商人ではない。世界的な栄養学者の一人であり、
政府・国際連合・その他重要機関のアドバイザーとして高い地位にある。
したがって、食肉産業が彼を“アドバイザーとして獲得する”ことに成功したとき、
喜びを隠し切れなかったのだ。

「勝利宣言!」。
ミート・トレード・ジャーナルは第一ページに大きな見出しを躍らせた。
「栄養学のトップが健康食運動を叩きつぶすために食肉振興機関に助力する」。
話はこう続く。
「世界的に有名な栄養学者の一人が食肉振興機関に助力し、
健康食運動論争にけりをつけることになった」。

1-8 Meat Trades Journal,28 Jun 1984.

食肉振興団体は畜産用語を変えて肉食の残虐性をごまかす[P.20]

養豚農場は、成長を促進するため豚に与える薬に、
“成長促進剤”という言葉を使わないよう強制されている。
そして、これら可哀想な動物が生涯の大部分をすごす“平床のおり”とか
“お産のための木枠”とかいった仕切りにつけられた名前は
“あまりに感情的”と考えられ、“育児室”とか“産科設備”とかいう言葉に置き換えられつつある。*12

1-12 Meat Trades Journal,25 Aug 1988.

バターに比べてマーガリンの心臓病死亡率が1.9倍[P.20-21]

ある新聞が全段抜きの大見出しで、「脂肪分の多い食物と心臓病は無関係」と述べた。
別の新聞も絶叫調で同じ同じ記事を発表した。いったいこれはどういう意味だ?

その新聞では、バターを食べている人は、
多価附飽和脂肪酸の多いマーガリンを食べている人より
心臓病にかかりにくいことが科学的研究の結果わかった、という。
この研究は国立医薬委員会で行われ、
すばらしい科学的研究との証明付きであるという。
そしてメディアはそれを公表した。

<中略>

真実が現われるまでむしろ時間がかかりすぎたと言えよう。
偶然、英国医学誌*14を目にしなければまだ知らないでいたであろう。
実はこうである。

報告書にある生のデータというのは、
バターを食べている人の中で不飽和脂肪入りマーガリンを常食している人は、
そうでない人の一・九倍の心臓病による死亡率であったということだ。

1-14 Shaper,A.G.et al,’Milk,butter and heart disease’,British Medical Journal,30 Mar 1991,302,pages 785-6.

食肉家畜委員会のスタッフは肉を食べない[P.24]

少なくとも食肉家畜委員会はベジタリアンの食事がまさに彼らの“心臓”に良いことを理解している。
最近マーケティング雑誌の記者が昼食をとった際、
“食肉家畜委員会のスタッフの食堂は、彼らが自分で売っている者を食べたくない人のために、
毎日ベジタリアン食を提供している”ことを発見した。*22

1-22 Marketing,13 Jun 1991.

医学論文は重複しがちでしかも分析されていない[P.32]

研究成果は医学・科学雑誌に発表されており、
大部分の医師はこれらの資料を持っていると読者は思っているだろう。
トラブルのもとは他の研究成果もこれらの雑誌に恐ろしいほどの量で発表されていることにある。
ベルノン・コールマン博士、著名な医学コラムニストは、このあたりの事情をこう説明する。

「現在非常に多くの医学雑誌が存在し、世界中で28秒ごとに新しい論文が発表されている。
彼らは論文を発表しないと経歴にならないため、その目的で成果の発表にすがりつくようになってしまう。
研究の目的は患者を助けることなのに、それを忘れてしまっている。
信じられないことだが、この20年に成された研究の多くは分析されていない。
医学図書館のどこか暗い奥深い所にしまい込まれている新しいペニシリンが、
あるいはガン治療薬があるかもしれない。
数多くの成果が読まれないでいることを証明するのは至って簡単である。
すべての研究のうち約20%は故意にではなく重複している。
研究者は自分の専門分野に関して発表された成果をすべて読む時間はもっていない」。*38
1-38 Coleman,V.,The Health Scandal,Sidgwick&Jackson,1988.

肉食を止めると関節炎の症状が改善する[P.160-161]

●最近非常に印象的な試みの結果が発表された。*3
 二七人の患者が、最初は七~一〇日間、次に三~六か月間、
 グルテンも含まないベジタリアンの食事をとった。
 その後はラクトベジタリアン(乳製品は食べてもよい)の食事に変わった。
 コントロールのグループは研究期間中ずっと普通の食事であった。
 四週間後、初めのグループは、関節の柔らかさ、はれた関節、痛み、
 朝のこわばっている時間、握力、白血球数、
 その他多くの健康の目安にはっきりと改善が見られた。
 何よりも良いことは、その良い影響が一年後にまだ残っていたということである。

●もう一つの研究がリューマチ性関節炎について行われ、
ベジタリアン食が最初の一週間は厳密に、
その後三週間はややゆるやかに続けられた。
その結果六〇%の人は、「痛みが減少し、機能が改善された」と言う。*4
その食事は、肉・魚・卵・酪農製品を除外し、
果物・野菜・穀物・豆類・種子類に富むものであった。

4-3 Kjeldsen-Kragh,J.et al,’Controlled trial of fasting and one-year vegetrian diet in rheumatoid arthritis’,The Lancet,12 Oct 1991,338(8772),pages 899-902.
4-4 Skoldstam,L.,’Fasting and vegan diet in rheumatoid arthritis;Scandinavian Journal of Rheumatology,1986,15,pages 219-23.

菜食主義者に肉食をさせると血圧が10%上昇する[P.162]

一九二六年、食事の中身と高血圧とが関連することが実験的に明らかにされた。
その同じ年、この道の先駆者であるカリフォルニアの研究者たちは、
肉食をしない人々に肉中心の食事を二週間続けてもらった結果、
その人たちの血圧が一〇%上昇したと発表した*8
その後いくつもの実験が行われ、同様の結果が得られた。

4-8 Donaldson,A.N.,’The relation of protein foods to hypertension’,Californian and Western Medicine,1926,24,page 328.

肉を止めると血圧が下がり、肉を食べ始めると再び血圧が上がる[P.164]

最近の「交差」試験で、一九二六年の研究結果が確認された。*13
治療を受けていない高血圧ぎみの三〇~六四歳までの五八人に、
卵と牛乳は含まれるベジタリアン食自我与えられた。
二~三週間で平均収縮血圧は五mm低下した。
彼らが肉を食べ始めると血圧は上昇して元に戻った。

4-13 Margetts,B.M.et al,’Vegetarian diet in mild hypertension:a randomised controlled trial’mBritish Medical Journal(Cinical Research Edition),6 Dec 1986.

高血圧の人たちをベジタリアンにさせたら血圧が下がった[P.164-165]

オーストラリアのロイヤル・パース病院で、
高血圧の人たちがベジタリアンの食事をとることにより実際に血圧が下がった*14

「通常、軽い高血圧患者の治療目的が収縮血圧を一四〇以下にすることだとすると、
これを達成したのは通常食の人がたった八%なのに対し、
肉の入らない食事をした人は三〇%であった」と、述べている。

4-14 Margetts,B.M.et al,’A randomized control trial of a vegetarian diet in the treatment of mild hypertension ‘,Cinical and Experimental Pharmacology and Physiology,1985,12,pages 263-6.

菜食療法を行うと高血圧の薬がほぼ不要になる[P.165]

ベジタリアンの食事で高血圧を治療しようと一年かけた実験がスウェーデンで行われた。
この国では健康維持運動が活発で、
食事により高血圧を含む多くの病気が予防あるいは治療できるとしている。*15
この実験は、その主張の確認のため計画された。
平均八年間の高血圧の病歴をもつ二六人が対象となった。
全員薬物治療を受けており、うち八名は一六五:九五という異常値を示していた。
頭痛、めまい、疲労感、胸の痛みで悩んでいたが、
これは病気のためだけではなく、薬のせいでもあった。
そこで彼らは厳しい食事制限を受けることになった。
コーヒー、紅茶、砂糖、塩、チョコレートが除かれ、塩素殺菌した水も止められた。
果物や野菜は有機栽培によるものとされた。

<中略>

結果は実に印象的であった。まず患者は自分が健康的になったと感じた。
この治療により、変化なし、あるいは悪くなったという人は全くいなかった。
少し良くなったと感じた人が一五%、とても良くなったという人が五〇%以上、
完全に治ったという人が三〇%であった。
血圧の低下は収縮血圧が七~九、拡張血圧が五~一〇であった。
「全員の血圧が下がると、ほとんどの薬は不要になった。
一年後、二六人中二〇人は投薬は全く不要になり、
残り六人は多少投薬を受けていたが、量は半分になった。」

4-15 Lindahl,O.et al,’A vegan regime with reduced medication in the treatment of hypertension’,British Journal of Nutrition,1984,52,pages 11-20.

肉食と腸癌は強い相関関係を示した[P.174-176]

三七か国の食事を分析し、食事成分と腸ガンとの相関関係を調べる大規模な研究が行われた。*31

<中略>

図13を見ると、肉に関係する要素はすべて腸ガンと強い相関関係にあることがわかる。
総カロリー、総タンパク質、総脂肪も強く関係しているが、肉とつながっているのだから当然である。
しかし植物由来のカロリー、タンパク質はマイナスの相関関係にある。
言い換えると、それらはガンに対し、保護・防御の作用があるということになる。

図13 食事内容と腸ガンとの関係
植物性脂肪 +0.14
植物性タンパク質 -0.36
植物性カロリー -0.26
総脂肪 +0.9
総タンパク質 +0.72
総カロリー +0.79
食肉性脂肪 +0.86
食肉性タンパク質 +0.89
食肉性カロリー +0.88

4-31 Howell,M.A.,’Diet as an etiological factor in the development of cancers of the colon and rectum’,Journal of Chronic Diseases,1975,28,pages 67-80.

牛肉・豚肉を食べるほど乳癌になるリスクが高まる[P.176]

カナダのアルバータ州では、乳ガンの女性とそうでない女性との食事の比較が行われた。*33
この研究は乳ガンと特別な食品、特に食肉由来食品との関係に重点が置かれた。
その結果、牛肉、豚肉の増加とともに乳ガンになる危険度が高まることがわかった。
豚肉について言えば、週一回以上食べると、月一回以下の人にくらべ危険度は二倍になる。

「乳ガンと牛、豚肉摂取とは深い関係がある。
世界中で乳ガンの多いところほど牛、豚の利用頭数も多いという事実と一致している」。

4-33 Lubin,J.H.et al,’Dietary factors and breast cancer risk’,International Journal of Cancer,1981,28,pages 685-9.

乳癌と結腸癌に対して動物性食品は発癌性を示し植物性食品は抗癌性を示した[P.178]

一九八一年、アメリカとイギリスを含む四一カ国にわたる大規模な統計学的調査が行われた。*35
その結果、ある種のガンと肉食とに相関関係があるのが確実となり、
植物性食品が防衛機能をもつことが示された。
図17図18はこの調査からのものである。

図17 乳ガンと食材との関係
食肉 +084
-0.7
コーン -0.66
-0.5
図18 結腸ガンと食材との関係
食肉 +084
-0.68
コーン -0.67
-0.34

4-35 Correa P.,’Epidemiological correlations between diet and cancer frequency’,Cancer Resarch,41,pages 3685-90.

一九九〇年、肉食とガンとの関係についてかつてない大がかりな研究が発表された。*36
三四歳から五九歳までの八万八〇〇〇人を越える女性がこの研究のために募集された
(彼女らにガンおよび腸の病気の経験はない)。
彼女らの健康について六年間追跡調査が行われ、毎日メインディッシュに肉を食べる人は、
それらを月にせいぜい一回しか食べない人にくらべ
結腸ガンにかかる確率が二・五倍であることがわかった。
この研究が理屈抜きに明らかに示したことは、
肉自体が主要な危険因子である、ということであった。
肉を食べる人たちに他の栄養素、たとえば食物繊維が不足していた、
ということではなかった。彼女らが肉を多く食べるほど危険性は増した。

4-36 Willett,W.C.et al,’Relation of meat,fat,and fiber intake to the risk of colon cancer in a prospective study among women’,New England Journal of Medicine,13 Dec 1990,323(24),pages 1664-72.

直腸癌のリスクは肉を食べると上がり野菜を食べると下がる[P.180]

実際に食事を変えるとどうなるのか。ギリシアで行われた研究を見てみよう。
これは肉や野菜の食べる量を増やすとどうなるかを調べたものだ。*38
その結果、ホウレンソウ、ダイコン、キャベツまたはレタスを多くすると結腸ガンにかかりにくくなり、
牛肉、羊肉を多くするとかかりやすくなることがわかった。
図19を見てほしい。

図19 食物を2倍にしたときの直腸ガンにかかる危険度
牛肉 1.77
羊肉 2.61
キャベツ 0.76
レタス 0.76
ホウレンソウ 0.44
ダイコン 0.54

4-38 Manousos,O.et al,’Diet and colo-rectal cancer:A case-control study in Greece’,International Journal of Cancer,1983,32,pages 1-5.

加熱しすぎた肉からは8種類以上の発癌性物質が生み出される[P.181]

ローレンス・リブモア国立研究所は五年にわたり「何千ポンドものハンバーガー」を焼き、
加熱しすぎの肉からどんな毒物ができるかを研究した。*40
そして、染色体に損傷を与えガンに関係する化学物質が少なくとも八個あることを確認した。
これらの物質は豆腐やチーズからはできてこない、と同研究所主任研究員は述べている。

4-40 UPI,10 May 1986.

ベジタリアンだと糖尿病になるリスクが45%減少する[P.184-185]

ミネソタ大学公衆衛生教室の研究が、糖尿病にかかりにくくする方法を示している。*52
一九六〇年から二一年間、二万五六九八人のアメリカ人の成人を対象としたものだ。
彼らはSDA教会に所属しており、すでに肉の少ない食事をとることで有名である。
この研究は、肉を食べない人の場合、
全人口に比較して糖尿病にかかる率が実質的に四五%減少することを示した。
また、肉食する人の糖尿病関連病で死ぬ率が二倍以上であることも示した。
肉と糖尿病との相関関係は、特に男性に強いこともわかった。
この研究は、体重の過多・過少、他の食習慣、
運動量などから生じる混乱を招かないよう注意深く考慮された。

4-52 Snowdon,D.A.and Phillips,R.L,’Does a vegetarian diet reduce the occurrence of diabetes?’,American Journal of Public Health,1985,75,pages 507-12.

牛乳哺育された乳児は糖尿病になりやすい[P.185-187]

母乳で育てられた子どもと比較すると、
牛乳で育った子どもは人生の後期に糖尿病にかかりやすい。*55
最近国際的な牛乳消費パターンを調べた結果、
インスリン依存型糖尿病と強い関係があることがわかった。

<中略>

この研究は、人体が誤って自身のインスリン生成細胞を攻撃する
という自動免疫反応を牛乳タンパクが引き起こしていることを示唆している。

4-55 Scott,F.W.,’Cow milk and insulin-dependent diabetes mellitus:is ther a relationship?’,American Journal of Clinical Nutrition,Mar 1990,51(3),page 489(3).

食物繊維の摂取量を増やすと糖尿病患者のインスリン必要量が減る[P.187]

レキシントンの復員軍人医療センターでの研究では、
インスリン療法が必要な患者全員に、二種類の食事療法が行われた。*56
一方は平均的な西洋食で、含まれる食物繊維は一日二〇グラム、もう一方は三倍強の六五グラムであった。
その結果、後者に必要なインスリンは前者の七三%減となった。

4-56 Anderson,J.W.,’Plant fiber and blood pressure’,Annals of Internal Medicine,1983,98,pages 842-6.

肉を除いた低脂肪・高繊維の食事だと胆石が出来にくい[P.192]

イギリスのオックスフォードで、食事が胆石発生に影響するかどうか、
二つの女性グループを比較する試みが行われた。*59
第一のグループは肉食をする六三〇人、
第二のグループは肉を食べず自然の繊維を多くとる一三〇人であった。
胆石発見は超音波による診断で行ったが、前者は後者の二・五倍の発生率であった。
科学者たちの結論は、肉食をせずに、低脂肪、高繊維の食事をとると、
胆石はできにくい、ということであった。

4-59 Pixley,F.et al,’Effect of vegetarianism on development of gallstones in women’,British Medical Journal,6 July 1985,291,pages 11-12.

ベジタリアンになることで薬を使わず冠状心臓病を退歩できる[P.194-195]

研究者によって初めてベジタリアンの食事が――治療や薬を使わずに――
冠状心臓病を退歩させるのに使えることが証明された。*64
対象患者は、実験グループと、比較のためのコントロールグループのどちらかに無作為に分けられ、
研究の始めと一年後に病変を注意深く検査された。

実験グループの人たちの食事は、野菜・果物・穀物・豆・大豆製品からなる低脂肪のもので、
注目すべきことは、好きなだけ食べてよく、カロリー計算は要求されなかったことだ。
それは普通の規準である「食事療法」とも異なっていた! 
動物性食品は、蛋白と最大一日一カップの低脂肪の牛乳かヨーグルトしか許されなかった。
その食事のカロリーは脂肪から一〇%、タンパク質から一五~二〇%、
炭水化物から七〇~七五%の構成であった。
カフェインはなし、アルコールはごく微量許された。
リラックスすることがすすめられ、
週に計三時間の運動をするよう依頼されたが、大部分の人は胸の痛みのため、
実験の始めは部屋を横切るのに休まず歩くのがやっとという状態であった。

さてその結果だ。一年後、コントロールグループの三分の二は病気が悪化した。
しかし、実験グループの二二人中一八人は血管内の妨害物のサイズが小さくなり、
結果として血液の流れが増加した。ひどい妨害物のある人ほど改善程度が良かった。

4-64 Ornish,D.et al,’Can lifestyle changes reverse coronary heart disease? The Lifestylle Heart Trial’,The Lancet,21 Jul 1990,336(8708),pages 129-33.

アメリカ心臓病学誌編集長の言葉「人は草食動物である」[P.195-196]

「人は肉を食べるけれども、本来肉食ではない。
人の食の好みは植物であり、果物や澱粉質のものであった。
肉食動物はいかに多くの脂肪を食べてもアテローマ性動脈硬化症になることはない。
たとえば、犬に一〇〇グラムのコレステロールと
一二〇グラムのバターを餌に上乗せしても、
アテローマ性動脈硬化症になるのは不可能である。
このコレステロール量は、アメリカ人が毎日食べる平均量のほぼ二〇〇倍である!
逆に、草食動物は、自然の肉食動物用の餌、
すなわち脂肪とコレステロールを与えるとすぐにこの病気になる。」

「こうして、人は肉食であると思い、また肉食であるかのように行動しても、本来肉食ではない。
我々が動物を食べるために殺すと、最終的に彼らは我々を逆に殺す。
なぜなら、コレステロールと飽和脂肪を含む彼らの肉は決して人の好みではないからだ。
人は本来草食動物なのである。」*67

4-67 Roberts,W.C.,’We think we are one,we act as if we are one,but we are not one’,American Journal of Cardiology,1 Oct 1990,66(10),page 896.

ヒト白血病=ウシ白血病ウイルス感染仮説[P.197-199]

  1. アメリカの調査では、雌牛の二〇%以上、群の六〇%以上は感染している。*70[P.197]
  2. 牛の白血病ウイルスが、培養している人の細胞内でも生存・増殖した。*72[P.198]
  3. 牛の白血病ウイルスとHTLV-Ⅰ(ガンを起こすことが最初にわかった、人のレトロウイルス)に非常な類似点があった。*73[P.198]
  4. フランスでの研究で、食肉関係の仕事をもつ父親の子どもは、小児ガンにかかる危険性が高いと結論された。*74[P.198]
  5. 牛白血病に感染している牛からのミルクで生まれたときから育てられた六匹のチンパンジーのうち二匹が白血病で死んだ。*75[P.198]
  6. ネブラスカでの研究によると、常に牛と接触していた人は白血病で死ぬ危険率が二倍であった。*76[P.199]
  7. ポーランドでの研究で、牧畜業・屠畜業・製革業の人は他の人より白血病になる率が高いことがわかった。*77[P.199]
  8. ミネソタでの研究で、動物といつも接触している牧畜業者のほうが、他の人より白血病者が多いことがわかった。*79[P.199]
  9. 一九九〇年、スイスとフランスでの研究で、男性では一般に稀な乳ガンにかかった男性は、大部分が屠畜作業員であることがわかった。*82[P.199]
  10. イタリアのツーリン大学での研究で、屠畜作業員の子どもはガンにかかることが多いことがわかった。*83[P.199]

4-70 Gardner,M.B.,’Viruses as enviromental carciogens:an agricultural perspective’,Basic Life Science,1982,21,pages 171-88.
4-72 Diglio,C.A.and Ferrer,J.F.’Induction of syncytia by the bovine C-type leukaemia virus’,Cancer Research,36,pages 1056-67.Cited in Veterinary Research Communications,Dec 1981,5(2),pages 117-26.
4-73 Rifkin,J.,Beyond Beef,Dutton,1992.
4-74 New Scientist,7 Jan 1989.
4-75 McClure,H.M.et al,’Erythroleukaemia in two infant chimpanzees fed milk from cows naturally infected with the bovine C-type virus’,Cancer Research,34,pages,pages 2745-57.
4-76 Lemon,H.M.,’Food-born viruses and malignant hemopoietic diseases’,Bacteriological Review,28,pages 490-2.
4-77 Aleksandrowicz,J.,’Leukamia in humans and animals in the light of epidemiological studies with reference to problems of its prevention’,Acta Medica Polona,9,pages 217-30.
4-79 Linos,A.et al,’Leukaemia in Olmsted County,Minnesota,1965-1974′,Mayo Clinic Proceedings,53,pages 714-18.
4-82 Lenfant-Pejovic,M.H.et al,’Risk factors for male breast cancer:a Franco-Swiss case-control study’,International Journal of Cancer,15 Apr 1990,45(4),pages 661-5.
4-83 Magnani,C.et al,’Risk factors for soft tissue sarcomas in childhood:a case-control study’,Tumori,31 Aug 1989,75(4),pages 396-400.

肉食すると体内のカルシウムが失われる[P.202-203]

エスキモーは世界でも食事からとるカルシウムの量が多いことで有名である
(主に魚の骨から一日二〇〇〇ミリグラム以上)が、
骨粗しょう症の率も高いので有名である。*91

それでは何が正しいのだ。 すべてを示す最新の研究がある。*92
ミシガン州のアンドリュース大学の研究者は直接光子吸収測定法という技術を用いて、
ベジタリアンと肉食者の骨の量を比較した。
一六〇〇人の女性が対象となり、次のことがわかった。

●少なくとも二〇年以上ベジタリアンの食事をしている女性は、
 八〇歳までに骨のミネラルの平均一八%を失う。

●一方、肉食の女性は平均三五%を失う。

おもしろいことに、二つのグループに栄養摂取の統計的違いはなかった。
言い換えると、ベジタリアンの食事の利点はカルシウムの量が多いのではなかった。
それでは理由は何なのか?

栄養学者ナザン・プリチキンの解説である。

 「アフリカのパンツー人の女性は
 カルシウムを一日たった三五〇ミリグラムしかとっていない。
 彼女らは生涯九人の子を産み、子どもたちに母乳を二年間与える。
 それでも彼女らは決してカルシウム不足にはならず、
 骨折も滅多にせず、歯をなくすのはきわめて稀である。
 子どもたちも強く成長する。
 おすすめのカルシウム量は一二〇〇ミリグラムだというのに、
 どうして三五〇ミリグラムで良いのだろう?

 答えは簡単だ。それはカルシウムを体外に追い出さない低タンパク食だからだ……
 我々の国で余裕のある人の場合、全カロリーの二〇%をタンパク質が占めている。
 それはカルシウムだけでなく、マグネシウム、亜鉛、
 鉄などのミネラルのバランスを保証しない。
 すべて食べるタンパク質の量と直接関係している。*93

ついに我々は事の真実に到達した。
事実、ベジタリアンと肉食の人との骨損失に関する違いはいくつかの要素により説明できる。

●まず、プリチキンの言うように、
 タンパク質をとればとるほど「カルシウムを体外にけり出す」。
 すでに一九二〇年代の科学者は
 高タンパク食が尿を通じてカルシウムを失う原因となることを知っていた。*94
 典型的な研究の一つに、若者にタンパク質を
 一日四〇グラムから一四一グラムに増やした食事を与えた実験がある。
 タンパク質が増えたほうは尿から出されるカルシウムが二倍になることがわかった。*95
 そして、動物性タンパクを特に増やした場合、この影響が大きい。*96
 肉は体内で酸負荷を生じ、
 それを中和するため骨中カルシウムを放出しなければならないから、
と科学者は説明している。*97

4-91 Mazess,R.B.and Mather,W.,’Bone mineral content of North Alaskan Eskimos’,American Journal of Clinical Nutrition,Sep 1974,27(9),pages 916-25.
4-92 Marsh,A.G.et al,’Vegetarian lifestyle and bone mineral density’,American Journal of Clinical Nutrition,Sep 1988,48(3 Suppl),pages 837-41.
4-93 Vegetarian Times,43,page 22.
4-94 Hegsted,M.and Schuette,S.A.,’Urinary calcium and calcium balance in young men as affected by level of protein and phosphorus intake’,Journal of Nutrition,1981,111,pages 553-62.
4-95 Johnson,N.E. et al,’Effect of level of protein intake on urinary and fecal calcium and calcium retention of young adult males’,Journal of Nutrition,1970,100,page 1425.
4-96 Breslau,N.A.et al,’Relationship of animal protein-rich diet to kidney stone dormation and calcium metabolism ‘,Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism,Jan 1988,66(1),pages 140-6.
4-97 Scharffenberg,J.A.,Problems with Meat,Woodbridge Press Publishing Company,1979.

サルモネラ菌は鶏卵にも侵入する[P.206]

現在、新種のサルモネラ・エンテリティディス・ファジータイプ四が、
他の菌より明らかに強力ということで注目されている。
これは鶏に組織感染し、腸ではなく卵巣と輸卵管に侵入する。
その結果、この菌は卵の中身に深く侵入する。*108

4-108 Mason,D. and Vines,G.,’Eggs and the fragile food chain’,New Scientist,17 Dec 1988.

HIVの真相=ワクチンウシエイズ混入説[P.212-213]

実はこうだったのかもしれない、という一つの可能性は次のようなことである。
人のワクチンの生産には、牛の胎児の血清を用いてウイルスを細胞内増殖させる必要がある。
この血清は混入物を濾過したものだが、すべての感染、
たとえばBIVなどを濾過し切れない可能性がある。*127
そのため、人にBIVを注射してしまったかもしれない。その論文はこう結論している。

 「すべてのワクチンは使用前にHIVが濾過されているか。
 そしてBIVとHIVとの関係、BIVがAIDSに変化し、
 その原因となる役割を果たす可能性について、さらなる研究が進められているか。
 これらは全く人の生命にかかわることである。」

引き続き、これらの指摘に対する国側の学者の答えが同じ雑誌にのった。

 「我々の知っている限り、子牛の血清からBIVを分離したという報告はない。*128

しかし、BIVは研究室内という条件下で、あるタイプの人の細胞に感染し得る、
という事実から、決して安心はできない。*129

<中略>

●アメリカ農務省は、すべての牛の一〇%はBIV――「牛のエイズ」に感染していることを認めている。*130
ミシシッピーの研究では、調査した牛の五〇%が感染しているという。*131
●BIVは伝染性である。前述したように、人の細胞での培養に加えて、山羊、羊、兎にも感染することが示された*132
●役人「BIVの人への感染の可能性はゼロである*133」と主張している。
しかし、BIVとHIVとは遺伝学的に約三五%から三七%の類似性があることが示された(アフリカミドリザルのウイルスとHIVとは約四〇%から四二%似ている)。*134
両ウイルスは八個の遺伝子があり、電磁顕微鏡で見ると恐ろしいほどよく似ている。*135

4-127 Benz,E.W.and Moses,H.L.,’Small virus-like particles detected in bovine sera by electron microscopy’,Journal of the National Cancer Institute,1974,52,page 1931.
4-128 Lucas,M.H.and Roberts,D.H.,’Bovine visna virus and the origin of HIV’,Journal of the Royal Society of Medicine,May 1989,82,page 317.
4-129 Georgiades,J.A.,’Infection of human cell cultures with bovine visna virus’,Journal of General Virology,1978,38,pages 375-81.
4-130 Foundation on Economic Trends,3 Jun 1991.
4-131 Thomas,S.et al,’BIV and BLV infection of Mississippi dairy cattle:a seroepidemiological survey’,AIDS Weekly,22 June 1992,page 15(1).
4-132 van der Maaten,M.J.and Whetstone,C.A.,’Infection of rabbits with bovine immunodeficiency-like virus’,Veterinary Microbiology,1992,30(2-3),pages 125-35.
4-133 New York Times,1 Jun 1991.
4-134 UPI,19 Sep 1987.
4-135 San Francisco Chonicle,1 Jun 1991.

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