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書籍と雑誌の要約と解説

新・ペットフードにご用心!

『ペットフードにご用心!』(1993年)の改訂版

装丁
新・ペットフードにご用心! 新・ペットフードにご用心!
押川亮一(ペットショップ「マイティーウェーブ」経営者)
宝島社
ISBN4-7966-4848-8
2005/09/13
¥1300
目次
  1. ナチュラルフードの危険な話
    1. “プレミアムフード”が登場した本当の理由
    2. ナチュラルブームの真実
    3. フードの原材料は犬・猫!? レンダリング産物のショッキングな話
    4. 「自然食」「ナチュラル」の表現は詐欺スレスレ!?
    5. 高級ナチュラルフードの「保障成分値」を調べてみたら……
    6. 「AAFCO」の基準は最低限のルール
    7. 「総合栄養食」表示の抜け道
    8. 「不活化ガス」の充填に意味はない!?
    9. 酸化防止剤=ビタミンC+Eのメリットとデメリット
    10. ハーブ入りフードの副作用にご用心!
    11. ハーブサプリメントの乱用は危険がいっぱい!
    12. 国産ナチュラルフードもヘンだ!
    13. 究極のナチュラル!?「生肉食」の落とし穴
    14. ストップ・ザ・ナチュラルブーム!
  2. 「疾患対応フード」の真実
    1. 「アレルギー疾患対応フード」のイタチごっこ
    2. 「泌尿器系疾患対応フード」に振り回される愛好家
    3. マグネシウムは本当に“悪者”か?
    4. 「特別療法食」をめぐる相談事がたえない
    5. 「効能効果」の表示が許されなくなる!?
    6. ドライフードの普及とペットの病気
  3. ペットフードの選択眼をみがく
    1. 良質なフードほど“便”の量が少ない!
    2. フードの形状だけでも製品の“質”がわかる
    3. 「ドライフード切り替え時のご注意」に騙されない
    4. 缶詰は素材を目で確かめられる製品を選ぶ
    5. 初公開!缶詰の「栄養価」が簡単にわかる計算式
    6. 缶容器の“コーティング”とメーカーの“良識”
  4. ペットと幸せに暮らすための「食知識」
    1. 「栄養素にこだわりすぎない」という知恵
    2. これだけは知っておきたい「犬の栄養素」「猫の栄養素」
    3. 猫の食事で絶対に避けたいこと
    4. 生肉食派への警告!
    5. 「犬にタマネギは禁物!」の誤解
    6. “ニンニク反対論者”はどこに消えた!
    7. ミルク(牛乳)をめぐる怖い話
    8. 肥満対策の落とし穴
    9. 散歩中に草を食べるのは危険?
  5. 現代ペットの疾患事情
    1. 危険な“下痢”の見極め方とは?
    2. 耳のジクジクが全然治らない
    3. 「涙やけ」の症状にトリミングは禁物!
    4. 「歯石」を予防するには……
    5. 「去勢」「避妊」と骨の異常疾患の関係
    6. 「股関節疾患」を急増させたのは誰?
    7. 犬のてんかん発作と過剰なワクチン接種
    8. ペットの疾患と寿命の関係について考える
文献

内容

  1. ペットフードの残留バルビツールが心臓疾患の原因か?[P.26-27]
  2. ハーブで病気になるペット[P.61]
  3. ペットフードの獣毛混入問題[P.87-88]
  4. 結石仮説[P.93]
  5. 通販ショップ「ポチの幸せ」から離反したTamiys[P.108]
  6. トウモロコシと聞くと、実(種子)の部分を想像しますが、家畜飼料としてのトウモロコシは、その外皮から芯に至るまで、すべての部分を指します。[P.111]
  7. ドライフードによる犬の窒息死[P.115-116]
  8. 犬用の生肉として、蝦夷鹿の名前がたびたび出ますが、北海道に生息している蝦夷鹿はE型肝炎に汚染されている場合があり、食べさせるのなら、加熱処理は欠かせません(人間の話ですが、毎年、蝦夷鹿の生肉を食べて肝炎に感染する人が跡を絶ちません)。[P.146]
  9. 反タマネギ有害説[P.149-150]
  10. 肥満の原因は、人間同様の飽食、運動不足(飼い主に抱っこされて散歩する小型犬!?)、去勢・避妊による性ホルモンの欠如……この三点セットです。この三点がそろっていると、肥満から脱け出すのは、なみたいていのことではありません(ペット用のスナック類も肥満の大きな原因です)。[P.157]
  11. ペットの肥満対策[P.158-159]
  12. 雑草を食べる理由[P.160-161]
  13. この症状(※耳のジクジク)を改善する方法としては、ハーブのユッカ粉末(一回量〇・一グラム)を食事に混ぜて与えるか、銀の溶液を綿棒やコットンにつけて軽く拭いてください。私の経験上、かなりの確率で快方に向かうはずです。[P.169]
  14. 涙やけとトリミング[P.170]
  15. 押川亮一流ペットの歯石予防法[P.174-175]
  16. 股関節疾患と近親交配[P.178]
  17. 癲癇とワクチン[P.179-181]
  18. ナチュラルブームは、ある意味で、十年ほど前に私自身が作り出したものかもしれません。前著『ペットフードにご用心!』を通じ、ペットの食と自然治癒力の関係について紹介したことが、ブームに影響してきた側面もあるからです。[P.187]

ペットフードの残留バルビツールが心臓疾患の原因か?[P.26-27]

ペットの死亡原因の第一位は「安楽死」と言われているほどで、
安楽死には、バルビツール酸神経系薬剤を使用するケースが多く、
それがレンダリングされた肉骨粉や動物性脂肪に残留した場合、
抗生物質などと同様に、ペットのからだが吸収してしまうリスクも考えられます。

<中略>

バルビツールは、全身麻酔薬として医療の現場に欠かせない薬品でもあります。
それが混入したレンダリング産物を用いたフードを食べ続ければ、
いずれなんらかの影響が出てくるのではないでしょうか。

これはあくまでも私の印象ですが、
近年、低年齢で心臓循環器系の疾患を発症するペットが目立っています。
五~六歳ぐらいから犬が罹患りかんする心臓疾患に、
なんらかの影響を与えているのではないかと危惧しています。
その原因としては、インブリード(近親交配)の影響も少なからずあるとは思いますが。

ハーブで病気になるペット[P.61]

ペットフードの通販業者のなかには、
世界中のハーブサプリメントを一手に販売しているところもあるようですが、
その業者に勧められて、多種類のサプリメントを服用させていたところ、
ペットのからだが疲弊してしまったという相談を何件も受けたことがあります。
症状によって、次から次へと六~八種類のハーブサプリメントを買う羽目になったそうです。

皮肉なのは、ハーブサプリメントを中止した途端、元気になったという話が意外に多いことです。

ペットフードの獣毛混入問題[P.87-88]

アレルギーという不測の事態に対応するため、新しい分野のフードが登場しました。
「アレルギー疾患対応フード」です。

この種のフードには特徴があります。
原材料の肉としてラム肉を使っている製品が目立ちます。
これまでにない、アレルギー対応の「ラム主成分フード」の登場でした。

なぜラムの肉かといえば、牛やニワトリの肉に対するペットのアレルギー反応が増えたため、
新しい原材料が必要になったからです。

そしてこの系統のフードは、多くの犬がアレルギー疾患を抱えていたため、
急激に普及しましたが、常に問題を抱えていたのも事実です。
フード内に混入した「獣毛」の問題です。

異物混入のクレームは今でも続いているようで、販売側も手の打ちようがありません。

アメリカ製のフードに典型的に現れている現象ですが、
フードそのものを家畜飼料の基準で製造、
つまりラムを丸ごと粉砕して製造するために起こった問題です。
毛を刈り取ってから製造工程に回すのではなく、そのまま粉砕するのです。

各社、さまざまな言い訳をしていますが、製造工程をひた隠しにしているため、
結局は、ペット愛好家を混乱させることになりました。
原因について正直に説明した会社は、一社もなかったのです。

結石仮説[P.93]

私は科学者ではありませんから、データを取って証明したわけではありませんが、
去勢・避妊を施したペットに、下部尿路結石の症状が頻出しているように思います。
性ホルモンの欠如による代謝異常、また手術による卵巣・精巣の摘出によって
尿路などの位置が変化することなどに関係しているのではないか……
そのような推測を立てています。

ドライフードによる犬の窒息死[P.115-116]

ドライフードを食べた犬が窒息死――。
以前から、たびたびこうした事故の危険性が指摘されてきましたが、
ドライフードによる窒息死事故は、完全には解決していません。

辛辣な意見を言えば、今後もゼロになることはまずないと思います。

(中略)

しかし、なぜ犬にかぎって、不幸な事故が報告されているのでしょうか。

犬と猫の食べ方の違いを考えれば、理由は一目瞭然です。
犬は「ガツガツ食べる」、猫は「ひと粒、ひと粒、噛んで食べる」、
そこに運命の分かれ目があるといっても過言ではありません。

私たち人間の食道は、胃に対して垂直に繋がり、
よほどの早食いをしないかぎり、むせて苦しむことなどありません。
しかし犬の食道は、地上に対して水平です
(食道が横になっている姿を想像していただければ、わかりやすいと思います)。

ドライフードを乾燥したまま与えると、場合によっては食道に引っかかってしまいます。
その量が少なければ、食道の嚥下運動(食べ物を胃に送り出す運動)によって、
食べたフードは胃に送りこまれるはずですが、
食べるスピードが速すぎて嚥下運動が追いつかなくなると、
胃に到達する前に食道に溜まってしまうことになります。
やがて水分を含んだドライフードが食道の中で膨れ、最後は気管を閉塞してしまうのです。

通常、犬が苦しみだすのは食後です。
食後しばらくたって、様子がおかしいと思ったら、気管閉塞による窒息寸前だと考えてください。
急ぎ、気道確保をしなければなりません。
後ろ足を持って逆さにしたり、口の奥にまで手が届くようなら、
指でフードをかき出すのです。

反タマネギ有害説[P.149-150]

麻布大学獣医学部内科学教授・小林好作氏による実験観察データです。
「犬に体重1kg当たり10~15gのタマネギに相当するスープを1日おきに3回、
あるいは5日間にわたって毎日与えたところ、赤血球の減少が見られた」

つまり、タマネギのスープを与え続けたら、貧血時と同じように赤血球が減少したということです。

やっぱりタマネギは危険……
そう考える前に、この犬がいったいどれだけのタマネギを食べ続けたか、計算してみてください。

たとえば、この犬は大型犬で、体重が約三〇キログラムだったと想定してみます。
すると、毎回三〇〇~四五〇グラムのタマネギを食べていたことになります。
この分量に相当するタマネギは、大玉一個半から二個半ぐらいです。

つまりこの実験では、それだけの量を毎回食べさせていたことになります。

もし犬の食事にタマネギを入れるとしても、毎回毎回、これだけの量は入れないはずです。

ペットフードがない時代、犬や猫の食事は、味噌汁ごはんが当たり前でした。
若い方には理解できないでしょうが、ほとんどの家庭がそうだったはずです。
ましてや、犬が生肉を口にすることなど皆無だったと言っていいでしょう。

当時、味噌汁には、具としてさまざまな野菜が使われていましたが、
ネギ、そしてタマネギは代表的な具だったと思います。
その味噌汁の残り汁をごはんにかけて、食べ残しの魚の頭などをそこに入れ、
ペットの食事にする、日本中、どこでも見られた光景です。

では、タマネギ入り味噌汁の残り汁を食べた犬は、溶血性貧血に襲われたのでしょうか。

貧血で犬が倒れたという話など、聞いたことがありません。

タマネギに関する私の結論は、大量に与えなければ、
やはりペットの健康に役立つはずだ、となります。

ペットの肥満対策[P.158-159]

①ベースになるドライフードやご飯の量を減らし、豆腐を混ぜて与えてください。

②大食漢で肥満傾向が激しい場合は、ベースになるものを減らし、オカラを混ぜて与えます。

③食事に動物性の肉が入っていないと食べない場合、
あるいは脂肪制限を目的にしている場合は、
適量の寒天を食事の前か、食事に入れる形で与えてください。

雑草を食べる理由[P.160-161]

散歩中、犬はなぜ草を食べるのでしょうか?
人によっては、野菜が不足しているから草を食べるんだろう……と解釈しがちです。
しかし、答えは違います。犬の持つ、生理的生体防御反応がそうさせるのです。

消化しにくい食べ物を食べた場合や、からだが“異物”と認めた食べ物を食べた場合、
草を食べることで、早く異物を体外に出そうとして、嘔吐するために食べるのです。
加えて、胃酸のペーハーや胃酸過多を解消させる目的もそこにはあるようです。
また、ミネラル不足を補っているとも言われています。

涙やけとトリミング[P.170]

「涙やけ」の悩みを抱える犬が増えたのは、トリミングが普及してからです。

犬を可愛らしく見せるため、頭髪をカットし、
リボンが外れないように強く結ぶと、「まぶた」が閉じにくくなります。
そのため、犬地震の生体防御反応が生じ、眼球の水分蒸発を補うため、
どんどん涙が流れてくるという悪循環を招くのです。
涙の成分にはたんぱく質が含まれており、空気に触れると、
赤茶色っぽく目の周りの被毛を染色してしまうのです。

押川亮一流ペットの歯石予防[P.174-175]

私が昔から実践してきたのは、犬の場合、使い古した手ぬぐいの両端に硬い結び目を作り、
片方を犬にくわえさせて、引っ張りっこをして遊ぶことです。
仔犬の時からこうやって遊んでいると、成犬になっても、けっこう長く遊び、
定期的な歯磨きのような効果を期待できます。

しかし、一番効果があったのは、ペット用のスナック(ジャーキーなど)をほとんど与えないこと……
これに尽きると思います。

股関節疾患と近親交配[P.178]

とどまるところを知らないほど、犬の股関節疾患が急増しています。
昔のペットにはまず見られなかった現象です。
先天性、後天性を含めて、多くの犬種に見られる現象です。

最大の原因は、インブリード(近親交配)と言われていますが、
このインブリードを止める手立てがありません。
我が国最大の血統書発行団体JKC(ジャパンケンネルクラブ)は、
近親交配のペットにも血統書を発行し、差し止めるようなことは行っていません。

血統書発行団体とは、正しい血統を守るために活動する組織だと考えていたのですが、
血統書という紙切れを次々に発行する組織に成り下がっています。

癲癇とワクチン[P.179-181]

犬のてんかん発作――この疾患も、近年になって目立ってきたものです。
昔の犬には稀な疾患で、てんかんになった犬の話など、聞いたことがありませんでした。

(中略)

謎を解く手がかりになるかどうかはわかりませんが、過去にこんな報告がありました。

一九〇二年、犬を使った実験で、「抗体過敏症反応」と呼ばれる反応の出現が確かめられています。
一度作られた抗体に、再度ワクチン接種(毒素の再注入)をすると、
前回作られた抗体が新たに作られた抗体と接触し、過敏症反応を起こすことがわかったのです。

過敏症反応とは、平たく言えばショック症状のことですが、
そうなると犬には、発疹、嘔吐、下痢、痙攣、呼吸困難などの症状が現れます。
これを「アナフラキシー・ショック」と呼びます。

この症状が、実はてんかん発作の症状によく似ているのです。

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