バベルの図書館

書籍と雑誌の要約と解説

恐るべき水汚染

合成化学物質で破壊される水環境

装丁
恐るべき水汚染 恐るべき水汚染
小林勇(元川崎市衛生研究所主幹)
合同出版
ISBN4-7726-0143-0
1989/09/01
¥1359
解説
本書では、ガンの発生に結びつくような、
有害化学物質がどのような経路で水を汚染し、
またわが国の水汚染がどのような実態になっているのかを明らかにしました。
目次
  1. 水と人間
    1. からだの中の水の働き
    2. 人間のくらしと水
    3. 日本人にはどのくらいの水が必要か?
    4. エネルギーを作る水
    5. 人間を殺す水
  2. 水の履歴書
    1. 水の特異な性質
    2. 地球上の水
  3. 飲料水の安全性をめぐって
    1. 水道水の水質基準
    2. 水道水のカビ臭の原因
    3. おいしい水の条件は?
    4. 水質の簡易測定法
  4. 水の微生物汚染
    1. 細菌による水汚染
    2. ウィルスによる水汚染
    3. 寄生虫、原虫による水汚染
    4. 塩素消毒の功罪を考える
      1. 塩素消毒の効用
      2. 浄水器は塩素除去装置
      3. 野菜・果物洗いに漂泊剤の功罪
      4. 塩素がつくるトリハロメタン
      5. 塩素の毒性
      6. 家庭で起きる塩素中毒事故
  5. 化学物質による水汚染① 合成洗剤
    1. 化学物質による水公害の歴史
    2. 合成洗剤による水質汚染
      1. 合成洗剤はどう変ったか?
      2. 無リン化のあゆみ
      3. 洗剤が水棲生物に及ぼす影響
      4. 合成洗剤が細菌に及ぼす影響
      5. 界面活性剤の環境汚染量
      6. どんな洗剤を選ぶか――必携カードの使い方
  6. 化学物質による水汚染② 新しい型の化学汚染
    1. ダイオキシンと水田除草剤CNPの汚染
    2. 農薬による水汚染
    3. 有機スズ化合物による水汚染
    4. ポリ塩化ビニルによる水汚染
    5. アスベストによる水汚染
    6. ハイテク汚染とトリハロメタン汚染
    7. 家庭雑排水が水汚染の主犯か!?
  7. 水道水の汚染物質を検出する
    1. 九八種類の汚染物質がみつかった
    2. 水道水中の農薬
    3. 水道水の毒性
  8. 産業廃棄物処理と水汚染
    1. 政府統計による産業廃棄物の現状
    2. 業者のみる産業廃棄物の実態
    3. 廃棄物処理場をめぐって
    4. 国境を超える有害廃棄物
  9. エネルギー問題と水環境
    1. 原子力発電と水汚染
    2. 酸性雨の現状
    3. 地球温暖化と森林の破壊
  10. 水をよみがえらせるために!
    1. 巨大な下水溝・都市の河川
    2. 川の再生のために
    3. エコロジーハウスを提案する
文献
  • 『読売新聞(夕刊)』「猛毒「ダイオキシン」東京湾底で初検出」1988年11月12日[P.83]
  • 『赤旗新聞』「魚類8割に有機スズ汚染」1989年7月27日[P.95]
  • 『水質汚濁研究』VoL.10 №12(1987年)[P.96]
  • 『産業立地』1985年7月号[P.103]
  • 日本電子工業会『’86集積回路ICガイドブック』[P.103]
  • 『いんだすと』「今後の産廃処理対策について」Vol.3,№1,1988[P.124]
  • 『朝日新聞』「トラック5万台のゴミ 底の遮水シート破損?」1986年3月11日[P.127]
校正
  • 野菜・果物洗いに漂泊剤の功罪⇒野菜・果物洗いに漂白剤の功罪[P.7]
  • この二つ常備していました。⇒この二つを常備していました。[P.59]
  • テトラクロロエチレンによるによる⇒テトラクロロエチレンによる[P.105]

内容

  • 小林勇の緑膿菌増殖実験[P.49-50]
  • 滑石(タルク)は微粉末にして化粧品の白粉、アセモシラズ、食品添加物としてチューインガム、白米のつやをよくするために精米の際に添加されたり、農薬の増量剤としても多く使われています。[P.98-99]
  • 全国の地下水が有機溶剤に汚染されている[P.105]
  • 一九八八年一二月一六日の「ニューズウィーク」でも、「有毒廃棄物を第三世界に輸出」としてとりあげ、トルコ、ハイチ、アフリカ、フィリピンにアメリカ、ヨーロッパの有害物質が投棄されている実態が厳しく指摘されています。[P.128-129]
  • 洗剤いらずの和布[P.149]

小林勇の緑膿菌増殖実験[P.49-50]

私の緑膿菌の実験は、①蒸留水だけ、②蒸留水にカルシウムイオン、
ナトリウムイオン、塩素イオン、リン酸イオンを微量入れた水、③水道水、
④水道水中にLAS(洗剤成分、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
を〇~一〇〇ppmまでを入れた液に、緑膿菌を同じ数だけ入れて、
時間を追ってその殖え方を比較実験しました。

その結果、

①蒸留水だけの中では緑膿菌はまったく殖えない。
②蒸留水に四つの無機イオンを入れた液では、二四時間で一cc当たり一〇〇万倍に殖える。
③水道水でも、②と同じに一〇〇万倍に殖える。
④LASを入れた水道水では、LAS一〇ppm以下では、
一千万倍と②よりも③よりも一〇倍も緑膿菌が殖えましたが、
LAS一〇〇ppm中では死にました。

驚いたことにLASの一〇ppmは緑膿菌の発育を促進しました。
このような現象はプランクトンでもみられることが、
三重大学水産学部の安達先生からも報告されています。

全国の地下水が有機溶剤に汚染されている[P.105]

神奈川県衛生研究所の田中克彦氏らが「水質汚染研究」に報告した調査例では、
県内の浅井戸一四四本のうち五四本(三七・五%)、
深井戸二三一本のうち五九本(二五・五%)、
九本の河川ではすべてからトリクロロエタンなどが検出され、
横浜市が行なった市内井戸水調査では、
六六九本のうち一九一本(二八・六%)から検出されています。

これらの結果をみますと、
日本列島全体に分布した半導体工場から排水されるトリクロロエタン、
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンによるによる水質汚濁が、
一部の森林地帯を除いて日本中の地下水、
河川の全体にくまなく広がっているといってよいと思います。

洗剤いらずの和布[P.149]

洗剤を使わなくても、
「朝光テープ」(愛知県豊橋市瓦町一一三)で作っている古い伝統のある「和布」を使うと、
食器類の汚れはすべて取ってくれて、あとは酸素系漂白剤で殺菌するか、
煮沸すれば清潔なうえ、長持ちします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です