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書籍と雑誌の要約と解説

人間エコロジーと環境汚染病

公害医学序説

装丁
人間エコロジーと環境汚染病 人間エコロジーと環境汚染病 – 公害医学序説
Human ecology and susceptibility to the chemical environment
セロン・G・ランドルフ
Theron G. Randolph
松村龍雄&富所隆三
農山漁村文化協会(人間選書92)
ISBN4-540-86024-0
1986/07/25
¥1200
目次
  1. 背景
    1. 緒言
    2. 人間エコロジー
    3. 適応
    4. 適応についての一臨床医の見解
    5. 特異適応症候群
    6. 適応反応を引き起こす環境因子
  2. 環境汚染化学物質――総論
    1. 頻度
    2. 範囲
    3. 代表症例
    4. 症状
    5. 診断
    6. 病歴
    7. 問診表
    8. 問診表の解釈
    9. 総合環境管理
  3. 大気汚染
    1. 屋内空気化学汚染
      1. 燃料、溶剤とそれらの燃焼産物
        1. 燃料
        2. 燃料の燃焼産物
      2. 塗りたてのペンキやニス
      3. 接合剤やほかの接着剤
      4. クリーニング液やライター燃料
      5. 新聞紙
      6. アルコール
      7. 冷却ガスとスプレイ容器
      8. 殺虫剤
      9. スポンジラバー
      10. プラスチック
      11. 機械器具
      12. 自動車
      13. そのほか
      14. 公共の場所
    2. 大気化学汚染
      1. シカゴにおける大気化学汚染
      2. エンジンの排気ガス
        1. 一般的考察
        2. ディーゼルエンジン排気ガス
        3. ガソリンエンジン排気ガス
      3. 交通機関の臭いによる危険な症状
      4. 昆虫と雑草の駆除のための薬剤噴霧
      5. コールタールによる屋根塗装や道路建設
      6. いろいろな化学物質への曝露
  4. 飲食物の化学汚染
    1. 食品添加物と食品混入物
      1. 緒言
      2. 残留農薬
        1. いわゆる・多種類の果実による感作
        2. いわゆる・多種類の野菜に対する感受性
        3. 食肉の残留農薬やほかの汚染
      3. 残留燻蒸物
      4. 漂白剤
      5. 硫黄
      6. 人工着色料
      7. 人工甘味料
      8. ガス処理をした食物
      9. 容器
      10. ワックス
      11. グリコール
      12. 抗生物質およびホルモン
      13. そのほか
      14. まとめ
    2. 飲料水への添加および混入化学物質
      1. 塩素
      2. フッ素
      3. 軟水化した水
    3. 生物学的薬剤
      1. 保存料
      2. 色素
      3. ほかの物質
  5. 化学薬剤、化粧品と人への接触
    1. 合成薬剤
    2. 化粧品および香水
    3. そのほかの接触
      1. 繊維および仕上げ剤
      2. ほかのプラスチック類
  6. 治療
    1. 急性反応の治療
      1. 経口摂取化学物質
      2. ほかの急性反応
      3. 酸素
      4. 薬剤
    2. 慢性反応の治療
      1. 有害物質の除去
      2. アルカリ剤および酸素
      3. 薬剤
      4. 特異的減感作療法
      5. 一般処置
    3. 予防
      1. 原因物質が診断されている症例
      2. 原因物質が診断されていない症例
  7. 症例報告
  8. 添加物および混入化学物質と化学薬剤を避けるための指針
    1. 屋内空気化学汚染
      1. 住宅
      2. 公共の場所
    2. 大気汚染
    3. 薬剤、化粧品および接触物
      1. 薬剤
      2. 化粧品
      3. 衣類、寝具および接触物
      4. そのほか
    4. 化学物質に汚染されている食物
    5. 化学汚染が少ない食物
    6. 討論とまとめ

内容

牛乳を止めた途端に虚弱体質から脱した群馬大学医学部名誉教授・松村龍雄[P.13-14]

訳者の一人松村は、食物が栄養になっても、毒になるなどとは思ったこともなかった。
しかし、小児科の先輩から
「乳児は母乳で育てなくてはいけない」と教えられていたので、
赤ちゃんにミルクはよくないだろうと考えていた。
それで、乳児のミルクアレルギーの研究を始めたのが昭和三十五年である。
私は生来虚弱で、赤ちゃんのときは重い消化不良症にかかり、
おしりがサルのようにまっかにただれたという。
幼児期から小学校の低学年にかけてはかぜをひきやすく、
よく寝小便をたれたものである。
小学校の二年のときに虫垂炎にかかったが、
小児の開腹手術はほとんど行なわれなかった七〇年ほど前の地方の都市だったから、
ついに穿孔して腹膜炎を起こし、
それが吸収されて治るまで三、四カ月は床についていた。
旧制の高等学校時代には胃酸過多症、大学時代には胃下垂症、
卒業後からは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胆嚢炎と、
波はあったものの、いつも悩み続けてきた。

それが、乳児のミルクアレルギーの研究に手を染めて一年、
病院へ急ぎながら桑原の向こうに赤城の姿を仰いだ瞬間に、
ふと「俺もミルクアレルギーでは?」と思いついた。
そして、生まれてから五〇の年まで一日も欠かさなかった牛乳をやめてみて三日、
今までにない爽快感を覚えて、「俺は助かった」と叫んだ。私の転機である。

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