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書籍と雑誌の要約と解説

水道の水は飲んではいけない

この危機から自分をどう守るか

装丁
水道の水は飲んではいけない 水道の水は飲んではいけない
暮しを守る会調査部
青春出版社(PLAYBOOK)
ISBN4-413-01244-5
1980/12/10
¥690
知って下さいこの事実!

▼水道の水は発ガン性がある
▼驚くべき日本各地の発ガン性の濃度
▼信じられないような全国からの実態報告
▼水道から出てきた、グリース、赤水、クズ、汚物……

守って下さいあなたの体!

▼自分で守るしかない最新方法とは
▼安心して飲める水の研究
▼安全で美味うまい水を手に入れる五つの発見

目次
  1. 水道の水は発ガン性がある
    ・アメリカからもたらされた衝撃の調査報告
    1. EPA(米国環境保護局)が発表した報告書
      1. ひた隠しにされていた重大発表
      2. 疫学調査で証されたガン死亡の事実
      3. 論争に結着をつけたEPAの決定的証左
    1. 大阪府立大、武者教授の調査結果
      1. 日本の水道にも含まれている発ガン性物質
      2. 水道の水から起こる複合汚染の危機
      3. 多指症ザルを生んだ“水”
    1. やっぱり発見されたトリハロメタン
      1. 塩素消毒が生む発ガン性物質トリハロメタン
      2. 動物実験で立証されたクロロホルムの発ガン性
      3. 発表をためらった厚生省
    1. 驚くべき日本各地の発ガン性の濃度
      1. “淀川・水問題を考える連絡会”の実態報告
      2. いまなら救える“水道の危機”
    1. 塩素消毒は避けられない方法なのか
      1. 10年間で2倍になった塩素投入の害
      2. なぜこの危険な塩素消毒をやめないか
  2. あなたが飲んでいる水の実態
    ・水源から蛇口まで――その汚染状況の徹底分析
    1. 自然水を飲料水に変える驚くべき経路
      1. 三つの水源とその浄化方式
      2. “水道法第四条”
    1. このままでは水はどんどん汚れていく
      1. 投網とあみ調査で初めてわかった隅田すみだ川の汚染度
      2. 合成洗剤で死の湖となった琵琶湖
      3. 汚染防止に立ち上った滋賀県の条例制定とは
    1. 新聞報道から割り出された一つの結論
      1. この恐るべき汚濁状況
    1. 信じられないような実状報告
      1. 実態1 骨がポキポキ折れる奇病――神通川
      2. 実態2 世界中に知られた公害病――水俣湾
      3. 実態3 生き物の住めない青い水――飛騨高山
      4. 実態4 取水停止となったアワの川――多摩川
    1. 下水処理にもあった危険な問題点
      1. 大転換を余儀なくされた米の処理技術
      2. 今の方法はただ病原菌を振りまいているだけ
      3. 注目され始めた土壌浄化法
  3. 水道の水は飲んではいけない
    ・あなたのところも例外ではない事実
    1. こんなに汚れているのを知っているか
      1. 異物が混入される要因は
      2. 証言1 洗たく物が真っ黒になった
      3. 証言2 40日間グリースが出てきた
      4. 証言3 マンションの水に塗料片が浮いた
      5. 証言4 受水そうの中にゴキブリやハトが死んでいた
      6. 証言5 水道法の適用を受けているビルはわずか14%
      7. 証言6 住んでいるマンションからだけ赤水が出た
      8. 証言7 水道屋にお茶を出したが飲まなかった
      9. 証言8 貯水そうのフタがなく、鳥が巣を作った
      10. 証言9 トイレの地下に受水そうがあった
      11. 証言10 喫茶店の受水そうに大便が浮いていた
      12. 証言11 受水そうの裂け目から汚物が流れこんだ
      13. 証言12 くみたての水からラーメンのくずが見つかった
      14. 証言13 飛行機内の水はなぜ飲めないか
    1. この水を飲んだあなたはどうなるか
      1. 赤水と汚染の重大関係
      2. 野放しになっている防錆剤の恐さ
      3. 検出された高濃度の有害金属
      4. 赤ん坊に表われた異常
      5. 効き目のない防錆剤
  4. この方法できれいな水が作れる、飲める
    ・自分で守るしかない最新方法
    1. 安心して飲める水の研究
      1. どうすれば安全な水を飲めるか
      2. すべての過程で汚染される水
      3. 活性炭を義務づけたアメリカの方法
    1. 安全で美味うまい水を手に入れる五つの発見
      1. 生活の知恵から見つけられた“ラジウムの水”
      2. 驚くべき殺菌効果を発揮する“銀”
      3. 味をよくしミネラルを補給する“サンゴ”
      4. 汚染源からきれいにする“土壌浄化法”
      5. 発想の転換から生まれた“自然エネルギー法”
    1. 水道、悩んだときの対応策Q&A
  5. ちょっと知るだけで役に立つ付録情報
    ・あなたは知っていますか水と水道の知識
    1. 付1 困ったときの水道便利事典
    2. 付2 水とあなたのからだの重大関係
    3. 付3 知っていますか水道の歴史
文献
  • B・デルプゴリツ『水の世界』
  • 上平恒『水とは何か』
  • 中村政雄『気象資源』
  • 石橋多聞『飲み水の危機』
  • 佐藤武夫『水の経済学』
  • 庄司光&宮本憲一『恐るべき公害』
  • 小林純『水の健康診断』
  • 田尻宗昭『公害摘発最前線』
  • 水野康『水の科学』
  • 富山和子『水と緑と土』
  • 富山和子『水の文化史』
  • 杉本昭典『水質汚濁』
  • 津田松苗『水質汚濁の生態学』
  • 合田健『水質工学』
  • 栗山毅一『真水健康法』
  • 新見正彰『土壌浄化法』
  • 新見正彰『汚水の土壌浄化法研究』
  • 日本水道協会『水道協会雑誌』第543号~第550号
  • 岩波書店『科学』「飲み水の危機」1980年8月号[P.38_44]
  • 厚生省『水道統計』[P.79-80]
  • 厚生省『厚生白書』
  • 科学技術庁『日本の水資源』
  • 森下郁子『生物からみた日本の河川』
  • 阿部友三郎『海水の科学』
  • 日本河川協会『日本河川水質年鑑』
  • 青春出版社『ビッグトゥモロウ』第4号&第5号
  • 月間水発行社『水』第22巻
  • 西田哲夫『下水道技術のポイント』[P.110]
  • 服部勉『大地の微生物』
  • 建設省『日本の下水道』
  • 日本水道新聞社『日本水道新聞』第2121号~第2136号
  • 水道産業新聞社『水道産業新聞』第1989号~第1996号
  • 小瀬洋喜『水と公害』
  • G・V・ジェームス『水処理技術辞典』
  • W・L・フェイス『大気汚染防止と公害処理』
  • 宇井純『公害列島70年代』
  • 毎日新聞社『骨を喰う川(イタイイタイ病の記録)』
  • 『朝日新聞』1979年12月06日[P.77]
  • 『朝日新聞』1976年01月22日[P.80]
  • 『朝日新聞』1978年02月28日[P.82]
  • 『朝日新聞』1978年06月26日[P.83]
  • 『朝日新聞(夕刊)』1979年09月26日[P.84-86]
  • 『朝日新聞(夕刊)』1977年05月07日[P.117-118]
  • 『朝日新聞』「ゲェッ! 汚水飲まされた」1974年06月01日[P.144-147]
  • 『読売新聞』1976年09月08日[P.156]
  • 『読売新聞』1976年09月09日[P.156-157]
  • 『読売新聞』1976年09月14日[P.164-165]
  • 『山海経』中国古典[P.177]
  • 『産経新聞』1957年03月23日[P.203]
  • 東京都水道局『水道ニュース』1979月01日[P.227]
校正
  • まつわりついています。⇒まとわりついています。[P.136]
  • 浄水器のこれからの課題は、殺菌、滅菌効果のあるものを作ることにあります。たとえば、“銀”“サンゴ”といったものを使用することによって、味もよくするのみならず、人体に有害な物質を除去するというものでなければなりません。→浄水器の銀は有害[P.197]

内容

大阪府水道のクロロホルム調査[P.27-29]

昭和五〇年、大阪府立大学の武者宗一郎むしゃそういちろう教授(現名誉教授・分析化学)が、
同大学の工学部応用化学教室の研究員の協力を得て、
わが国の「水道水中に発ガン性の物質が入っている」ことを明らかにしています。

武者教授は、大阪市、さかい市、奈良市内の家庭をはじめ、
大阪府立大学構内の水道から採取した水を、
高度の分析装置であるガスクロマトグラフィーなどを使用して、
コンピューターにインプットして分析を行ないました。

この結果、発ガン性のあるクロロホルムと四塩化炭素が混じっていることが判明したというものです。

その測定値は、

▼クロロホルム
 大阪市水道 21・2ppb
 堺市水道  25・1ppb
 府立大構内 18・7ppb

というものでした。

同時に、四塩化炭素についても、クロロホルムより低量ながら、
確実に水道水に混じっていることも解明されました。

<中略>

武者宗一郎教授は、昭和五〇年一〇月に厚生大臣に対し、

「これらの物質について人体への影響があるかどうか、
全国規模の調査を実施、安全性の確認をし、
そのうえで害のあるものなら水道水の新しい殺菌方法を開発すべきだ」

という意見書を提出しました。

ところが、その警告に対しても「なしのつぶて」と同教授がいうように、
厚生省からは何の返答もありませんでした。

『淀川・水問題を考える連絡会』のトリハロメタン全国調査報告[P.42-44]

『淀川・水問題を考える連絡会』は、
昭和五五年七月二五日に発足したばかりの新しい市民団体ですが、
この動きはいま全国の大都市を中心に広がり、
この一〇月二六日には全国集会が開かれるほどの規模になりました。

<中略>

七月二五日の結成会では、大阪を中心に京都、枚方ひらかた、大津の有志が集まりました。
既存の市民団体である『使い捨て時代を考える会』『食品公害と健康を考える会』
の幹部を中心に、八人の幹事会が開かれたのです。

このとき報告されたのは、大阪・尼崎両市のトリハロメタンの検出量でした。
大阪府水道局に依頼して確認したところ、夏場、淀川では70ppb、冬で25~30ppb、
平均して50ppbものトリハロメタンが検出されたのです。

人間は冬より夏にノドの渇きを感じ、水を多量に飲むものです。
大阪が、このような高い検出値を示しているのですから、
東京もそれとあまりかわらないだろうと予想されます。

そして、この一〇月二六日に“10・26集会”と称し、ついに全国レベルで、
トリハロメタンを徹底的に追求しようという決起集会を開くに至ったのです。

その集会で報告されたのは、全国の四大都市における水源の総トリハロメタンの濃度でした。

その報告によると、

①東京 75年冬――朝露浄水場 92ppb、金町浄水場 95ppb
②大阪 78年2月――村野浄水場 26ppb、同年7月――同浄水場 63.1ppb
③横浜 78年夏――横浜国大構内水道水 42.4ppb
④京都 80年5月――蹴上浄水場 8.7ppb

と、想像を上まわる実態報告でした。

「分析の不統一もありましたが、東京で示した冬場95ppbという数字は、
トリハロメタンが多く生成される夏になると、
EPAが当面規制値とした100ppbをかるく越えてしまいます。
おそらく東京は全国一危険な水を飲んでいるということになります」
(前出、山田国広氏)

厚生省の残留塩素安全宣言[P.50]

「塩素自体は、水に溶かした場合まったく危険はありません。
現在、残留塩素(各家庭の水道の蛇口から出る塩素量)は、最低、0.1ppmとされています。
それ以下だと、消毒がきかないので安全な水とはいえません」
(厚生省環境衛生局水道整備課)

活性汚泥法は大気中に病原菌をまきちらす[P.108-109]

現在、曝気槽、活性汚泥装置という処理装置が多く用いられていますが、
これは汚水を直方体の水槽に入れ、底から空気を吹き込んで活性させるというものです。
下水処理場でも、し尿処理場でもつかわれている方式です。
簡単にいえば、汚水に空気を吹き込んでかきまわす、という方式です。

「だが、この活性汚泥法だと、河川や海岸への水質汚染のみならず大気汚染にも影響をおよぼし、
あまりにも問題が多すぎるのです」

と前出の毛管浄化研究会を主宰する新見正氏が次のように説明します。

「この場合、当然のことながら水面に洗剤の泡がたちます。
風が吹くとその泡は飛ぶ。だから周辺の住民が文句をいう。
その対策として、水面に水をかけたり、屋根をとりつけたりするわけですが、
この泡というのは目にみえた環境汚染だから住民とケンカになる。

ところが、汚水の底から空気を吹き込むと水面で空気が水泡となって破裂する。
この水滴はだいたい30ミクロンという微小なものです。
空気を1l汚水に入れたとしたら、約一〇〇万個の水滴が飛び散り、どこかへ飛んでしまう。
その水滴に病原菌の1ミクロン単位の小さなものが無数についている。
この水滴に運ばれてくる大腸菌を追跡している研究が外国にはたくさんあるんです。
ところが日本での処理場の紛争で、この病原菌を問題にしているひとつもない。
日本は密集した住宅地に汚水処理場を作っていますし、とくに団地はその典型です。

これは大きな問題になるべきなんですが、もし問題になれば大きな混乱をまねくでしょう。
というのも病原菌が飛んできて、
頭の上からそれが水滴の状態で落ちてくるのを想像してみただけでもソッとしますよ。
夏に処理場の付近で窓をあけて食事をする人はいなくなるでしょう。
実際、病原菌は、その濃度に関係なく食物の上に落ちると、驚くほどに早い速度で増えていくんです。
それを知ると、まず嫌悪感が先にたって嘔吐するくらいの精神障害を起こす人が続出するでしょう」

東京都小金井保健所の受水槽調査[P.127-129]

次の調査は、昭和五一年一〇月、
児玉威・来里大学教授(衛生工学)や、東京都小金井保健所の村松学衛生課長らが行なったもので、

「中高層共同住宅の衛生管理については法的な規制がなく、盲点になっている」

ことを裏づけたものです。

報告書は、こう述べています。

「調べたのは都内二三区と多摩地区にある
マンションや中高層の団地住宅二〇棟、一九二世帯。
内訳は民間一四、公社・公団・都営四、社宅ニ。
また一四棟は分譲、六棟が賃貸。
建築後の経過年数は二年から一四年、階数は最低三階から最高一四階まで。

この調査は空調、給排水管理、清掃、ゴミ処理、ネズミや衛生害虫防除など
五二項目について都衛生局員が立ち入り検査し、合わせて上水道の水質検査も行なった。

その結果、とくに不合格が目立ったのは給水管理で、
二〇件のうち水質検査をしていないのが七件、残留塩素測定をしていないのが一四件など、
基本的な検査を行なっていないマンション、団地の多いことがわかりました。

水道から受けた水をいったん蓄える受水タンクには、とりわけ問題が多く、
掃除をしていないのが七件、中に異物や汚れがあったのが九件、
下水タンクと隣り合っていて汚物混入の恐れがあったり、
フタにカギがなく誰でも開けられるなど、場所や構造に問題があるのが二件ありました。
さらに屋上などにあって、受水タンクからポンプで揚げた水を入れる
ハイ・タンク(高置水槽)についても、掃除をしていないのが四件、
異物や汚れがあったのが九件、場所、構造に問題があったのが四件と
飲料水をためるタンクとは考えられないような成績でした。
その中の一件は水質検査でも、
「肉眼でわかる程度の色がついている」との理由で飲用不適当と判断されています。

同時に行なった入居者のアンケートでは、
「水道の水が濁っているか」という質問に対して、
「いつも」2%、「毎朝、最初のうちは」8%、「時々」38%、
と五割近くが「ある」と答え、「においを感じるか」の質問にも「いつも」9%、
「時々」34%という答えが得られた」

水道屋はマンションの水を飲まない[P.132-133]

「水洗便器の水がちょろちょろ流れ、
大変な水のロスだということで水道屋さんにお茶を出したところ、手をつけないんです。
いくら勧めても飲まないので、コーヒーにしましょうかと尋ねたところ、
『実は、マンションの水は飲まないことにしてるんです。
いろいろ知っていますからね。
たとえそれが煮沸した水だとしても、とても飲めませんよ』といいます。

さらにしつこく尋ねると、

『団地の貯水タンクの底には、サビや泥が数センチも積もっているんです。
ゴキブリが浮いていることなんて珍しくないことだし、
ネコやネズミの死骸が沈んでいたなんてこともしょっ中なんですよ。

中には、ネズミのしっぽだけが発見されたりしてね。
これはネズミがタンクの中で死んで、体は溶けてしまうけど、しっぽは残りますから、
その数を数えて、そこで死んだネズミの数がわかるんです。
おどかすわけじゃないけど、水道業者、
特にタンク清掃や修理を手がけている連中の間では常識ですよ』

と、とても信じられない話が続々飛びだしました。

このことがあってから、生水は飲まないことにしていますが、
ネズミのしっぽの話はいささかショックでした。
水道水の中にある塩素で体だけは溶けるといっていましたが、
動物の死骸の溶け出した水を飲んでいたなんて……。

この団地に引っ越して一〇年になりますが、
一〇年間、そのようなタンクの水を飲み続けていて、
人体に影響がないのかと不安になります」(埼玉県・主婦・41歳)

大便の浮かぶ受水槽[P.140]

私がよく利用する池袋の喫茶店でのことです。
以前から、この喫茶店の水は臭くて飲めない、コーヒーもまずいともっぱらの噂でしたが、
駅に近く、人と待ち合わせるのに便利なので、度々利用していました。

ところが、ある日の新聞を見て愕然がくぜんとしました。
その喫茶店の記事がでており、お客が“臭い”と保健所に通報し調べたところ、
黄色い大便が水槽の中にプカプカ浮いていたということです。
もちろん営業停止処分になったことはいうまでもありませんが、
お客は大小便入りの水を飲まされていたということです。
お客の中には、下痢や腹痛を覚えても、
まさか一時立ち寄った喫茶店の水が原因だとは思わないでしょう。
ですから、実害は届けられていないとしても、潜在被害者はかなりの数に上ると思います。

なぜ、糞尿が水槽に流れこんだのかといいますと、受水槽と下水槽がまったく同じで、
途中、たった一枚のコンクリートの壁で仕切られていたにすぎないという、
あまりにズサンな飲料水の管理だったからです。
これが、飲食業者のやることかと、しばらくは外で何も口にすることはできませんでした。

水道事故の構造[P.141_144_147]

「事故のほとんどは、受水槽、高置水槽関係です。
主な原因は設備場所の不適、構造上の欠陥、維持管理上の不備によるものです」

東京都衛生局の田中守男水道課長は、こう指摘し、次のような具体例を挙げます。

まず始めに、受水槽の設置場所不適による事故――。

  • 汚水槽に隣接して受水槽を作ったために、壁の亀裂から汚水が流入した。
  • 汚水層のポンプ故障により、あふれた汚水がマンホールや亀裂から受水槽に流入した。
  • 調理場の下だったため、料理カスや排水、洗剤などが、マンホール、亀裂などから流入した。
  • 受水槽の上が薬品倉庫だったため、こぼれた薬剤が流入した。

*   *   *

第二番目に、受水槽の構造上の欠陥による事故――。

  • 受水槽のマンホールが床の面と同じ高さだったり、周囲よりも低かったりしたため、床排水や、こぼれた灯油などが流入した。
  • 受水槽の容量が使用水量より大き過ぎたため、水槽内に停滞水ができてしまい、濁ったり異臭がでるようになった。
  • 受水槽のオーバーフロー管が排水設備などと連結されていたため、排水ポンプの故障などで汚水が逆流した。
  • 点検、清掃が困難なため、放置しておいて水質が悪くなった。

*   *   *

第三番目に考えられるのは、受水槽の維持管理の不良による事故が挙げられます。

  • 水槽内の清掃をしなかったため、赤水(サビ)が出たり、水アカができて水が濁ったり異臭が出るようになった。
  • 水槽の上に灯油、殺虫剤などを置いたため、もれた薬剤、油などが流入した。
  • マンホールにカギをかけていなかったため子供が誤って殺虫剤を水槽の中にまいてしまった。

ウジ虫の湧く受水槽[P.143]

受水槽の清掃を請負っている前出の日栄実業の田崎一幸社長は、こう話します。

「水が臭いとか、異物が混じっていた、という現象が現れて初めて清掃依頼がくるわけですが、
小さな受水槽ほどその汚れはヒドイですね。
ズサンなビル管理と、建築的にみてもいいかげんに作られた受水槽が多いんです。

その実例として、ある寿司屋の受水槽を清掃したところ、
その中に、使用したお茶ガラが山のように入っていて、
受水槽の天井にウジ虫が無数にわき出ていたんですよ。
飲料用に使うタンクの上にですよ……」

水道水の防錆剤[P.154-164]

わが国で、防錆剤が使われだしたのは比較的古く、戦後から始まっています。
当初は、ボイラー、冷暖房用水系が主でしたが、
昭和三〇年代に入ると、飲用水系にも使われるようになりました。
そして四〇年代に入ると、ビル建設の増加に伴い、利用量も増えて、
薬剤は外国輸入品から国産品へと、その主流が代わっていきました。

正確なデータが、いままで発表されていないので確たることはいえませんが、
中、高層建築物のクーリングタワー(冷却塔)、給湯用水系の大半、
そして、飲料水系統では全体の一~ニ割に使われているといわれます。

しかし、ここで問題にしたいのは、その安全性なのです。
赤水が出ないようにするための薬剤ですから、
当然、水質基準が設けられているだろうと思うのは早計なのです。

現在、水道に添加する薬剤に関する規定は何ひとつなく、
そのため防錆剤という名の薬品添加物は、法的にも完全な野放し状態になっています。
その安全性すらハッキリしていないのです。

<中略>

ある防錆剤メーカーでは、安全性を強調して次のようにいっています。

「防錆剤として使われているリン酸塩は、
食品添加物として作られているものを配合、結晶させたもので、毒性の心配はない。
しかもチーズ、ハム、ソーセージ、乳製品、清涼飲料水などに
使用されている食品添加物の場合は添加量も数百~数千ppmというが、
飲料水には最高でも15ppm、一般には2~5ppmという少量なので問題はない。
ケイ酸塩はもともと地中に多量に含まれているもので、これも心配することはない。
またメタリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムは一部の水道事業体でも使っている」
(読売新聞、五一年九月九日)

添加の方法は、塊状、片状、あるいは液状にした防錆剤を
受水槽を結ぶパイプの中の装置に溶かし込むようになっています。

ここに、防錆剤について危険の心配はないといいながらも、
防錆剤メーカーが定めた自主規約があります。

「給水用防錆剤及びその管理規格」というのがそれです。

自主規制の要旨は、

「添加濃度は汚濁を防止し得る最低の濃度とし、五酸化リン、ケイ酸成分、
または両者の合計が15ppmを超えてはならない。
薬剤に含まれる有害金属類はヒ素2ppm以下、
水銀0.2ppm以下、カドミウム2ppm以下、鉛15ppm以下」

となっており、四七年にメーカー有志によって組織された
「給水用防錆剤技術協議会」がその監視にあたっています。

ところが、このような自主規制だけでは、安全ではないのです。
五五年六月に都立衛生研究所の三村秀一水質研究科長が公表した資料によると、
試料とした七防錆剤の中から異常に高濃度の有害金属が見つかったというのです。
とくに鉛は業者間で決めた品質規格に合格したものはひとつもなく、
少ないものでも二倍、高いものになると七倍近くの濃度の鉛が検出されました。
これは、「イタイイタイ病」の原因になったカドミウムですらも、
多いもので六・五倍だったのですから、
いかに危険であるかを雄弁に物語っています。
一メーカーの規格上限値2ppmを除いて、他は全部規格以上というありさまでした。

<中略>

防錆剤は名前のとおりに鉄サビを防ぐための薬品ですが、
果たしてその効果がどれだけあるものか、人によってさまざまな評価があるようです。

あるビルの管理職員は、次のように防錆剤について語っています。

「はっきりいって効果があるのかないのかわかりません。
三、四年前から赤い水がではじめて防錆剤を使いはじめたのですが、
やはり使用前と同様に朝は赤水がでています。
ただ時間が少し短縮された程度なのです。
その点は多少とも効果があったのかとも考えていますが、
使用後、水に含まれている鉄分が0.28ppmと使用前より0.06ppmも増えているんです。
これはどういうことでしょうね」

その他の利用者の反応は――、

「依然として赤水が消えない」
「赤水の回数は減ったが朝には相変わらず出る」
「赤水が出たり出なかったりする」
「赤水はなくなったが水質検査による鉄分含有量が増加した」
「防錆剤を入れても赤水がでるので業者は変えたら止まった」

防錆剤を入れると鉄サビが防止できるのは次の三つの理由によるといわれています。

①亜鉛メッキがなくなったあとの鉄管表面に目に見えない皮膜をつくって腐蝕を防止する。
②水中の鉄イオンと結合して、鉄の酸化、赤色化を防ぐ。
③水酸化鉄に付着し、それらを別に分解して微粒子が集まって水が赤くなるのを防ぐ。

最初の皮膜を作ってサビ止めをするのは別として、あとの二つには問題があります。
それは、水道水中に大量に鉄分が混入していても、
薬の作用によって赤くならないだけなのです。
そのため、全般的には赤い水が減っていますが、それは目に見えなくなっただけで、
鉄分が増加していることは変わらないのです。

武者宗一郎のピラミッドパワー実験[P.193]

ピラミッドパワーというものがあります。
エジプトのピラミッドを研究したところ、底辺が正しく東西南北にピタリと合わされていた。
こうしておくと、人間の死体は腐敗せずに何千年もミイラとして残される。
これがなぜそうなるのか、残念ながらそのナゾは今の科学では解明されていません。
しかし、現実に、私自身も市販のピラミッドで実験したところ、同じような結果が出ました。
ピラミッドの中に入れておくと炊きあげた玄米はニ週間たっても腐敗せず、
ピラミッドの外側の玄米は、青カビ、赤カビなどが繁殖し、ドロドロになってしまいました。
これはなぜなのか。
東西南北にピラミッドを設置することで、
宇宙からやってくる太陽エネルギーがピラミッド内に集中している、
といわれている程度のことしかわからないのです。
水も同じです。そのなかに水を入れておくと腐敗しないんです。

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