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書籍と雑誌の要約と解説

痛風 発作を起こさないための尿酸コントロール

東芝病院副院長による痛風ガイドブック

装丁
痛風 発作を起こさないための尿酸コントロール 痛風 発作を起こさないための尿酸コントロール
巖琢也(東芝病院副院長)
新星出版社(名医が書いた病気の本)
ISBN4-405-09683-X
1998/12/25
¥1300
目次
  1. 痛風とはなんだろう
    1. 痛風になるということ
    2. 痛風とはどんな病気なんだろう
    3. 痛風になりやすい?なりにくい?
  2. 痛風の実態はなに?
    1. 痛風が起きるしくみ
    2. 尿酸とはなんだろう?
    3. 尿酸の産生と排泄
    4. 高尿酸血症になるということ
  3. 痛風の症状と検査・診断
    1. 発作の状況と痛さの実態
    2. 痛風の検査と診断
    3. 痛風に似ている病気
    4. 痛風に合併しやすい病気
  4. 痛風の治療
    1. 痛風治療の基本方針
    2. 痛風発作が起きたときには
    3. 関節炎発作が終わったあとに
    4. 尿酸のコントロール
    5. 尿路管理の方法
  5. 自己管理する痛風の治療
    1. 痛風治療の自己管理とは
    2. 食事療法ということは
    3. 低プリン体の食事療法
    4. アルコールコントロール
    5. 日常の食べ飲みヒント
    6. 日常の食事など自己管理まとめ

内容

痛風の起源[P.19]

中国では、二、三世紀頃につくられた最古の医学者『金匱要略きんきようりやく』のなかに、
痛風発作に相当する病状が「白虎歴節風」として記載されているので、
この頃にはすでに痛風があったと推測できます。
「痛風」が病名として登場するのは、六世紀の頃、
南北朝時代の梁代にできた陶弘景による『本草書・名医別録』のなかですが、
その後1347年(元代)に朱丹渓しゆたんけいが『格致余論』のなかで「痛風論」を書いたために、
広く知られるようになりました。

日本の医書に痛風が初めて登場するのは、安土桃山時代の一五七一年、
曲直瀬道三まなせどうさんが著した『啓迪集けいてきしゆう』であるというのが従来の通説でした。
ところが、これより早く十四世紀南北朝時代に有隣という人が
『福田方』のなかで痛風という語を用いているという論文が、最近出ています。

痛風の語源[P.19-20]

痛風の語源については、「風が吹いても痛い」からとか、
「風のようにやって来て、風のように去る」からとかいうまことしやかな説もありますが、
これは、あとからこじつけた解釈のようです。
痛風の「風」は、「風疾」つまり中枢神経系の病気を意味するので、
「痛みがおきる全身の病気」の意味であると考えるのが正しいとされています。

東芝病院の痛風統計[P.33_81]

図■痛風の初診年齢
年齢 症例数
0~9歳 0
10~19歳 8
20~29歳 47
30~39歳 131
40~49歳 246
50~59歳 292
60~69歳 201
70~79歳 45
80歳 3
973
図■痛風の発症年齢
年齢 症例数
0~9歳 0
10~19歳 16
20~29歳 71
30~39歳 175
40~49歳 262
50~59歳 241
60~69歳 140
70~79歳 19
80歳 1
925
表■初回発作の部位別頻度(838例)
両側 計(%)
母趾MP関節 266 282 17 565 67.4
足関節(内外くるぶし部を含む) 51 58 6 115 13.7
足部(2~5趾、足背、足底など) 26 22 1 49 5.8
アキレス腱付着部 19 17 0 36 4.3
ひざ関節 11 10 4 25 3.0
手(手背、手関節、指関節など) 9 3 2 14 1.7
ひじ関節 3 1 0 4 0.5
肩および股関節 3 1 0 4 0.6
多関節(両側のものを除く) 21 2.5
388 394 30 838 100.0

プリン・デノボ合成[P.65-66]

体内のリボース5リン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、
蟻酸ぎさん、二酸化炭素などのプリン体ではない低分子化合物を原料にして、
ATPのエネルギーを利用しながら、新しくプリン体を合成します。
「デノボ(denovo)」とは、「新しく」という意味です。

痛風だと認めない患者[P.82]

病院においでになる患者さんのなかには、
それほどには痛くないという人が、結構いらっしゃるのです。
「先生、痛いって気はしますが、それほどではないので、
これは痛風ではないですよね」と、患者さんは気楽にいいます。

「いいえ、りっぱな痛風ですよ」と医師。
「痛風じゃない」「痛風だ」、「じゃない」「だ」ということで、
医師と患者さんがいい合いになったりします。

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