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書籍と雑誌の要約と解説

糖尿病になる人 痛風になる人

最新論文を元に構成された痛風・糖尿病新書

装丁
糖尿病になる人 痛風になる人 糖尿病になる人 痛風になる人
大和田潔(秋葉原駅クリニック院長
祥伝社(祥伝社新書297)
ISBN4-396-11297-4
2012/11/10
¥780
解説
この本の要点は、以下の7つです。

1 脳が主役
2 脂肪細胞から常に分泌されるホルモン、アディポサイトカインが鍵をにぎる
3 糖尿病はフロー、尿酸はプール
4 食事は低炭水化物、植物油を減らしてω3(オメガスリー)
5 筋肉を改良し活性化
6 アルコールを減らして、タバコを止める
7 サーカディアンリズムを大切にする

目次
  1. 知っておきたい糖尿病と痛風の基礎知識
    1. 増えている糖尿病と痛風
    2. サイレントキラーとメタボリックシンドローム
    3. 放っておくとどうなるのか
    4. 健康のための2つの指針
    5. 増えている糖尿病予備軍
    6. 脂肪組織が支配する体の仕組み
  2. 糖尿病について
    1. 糖尿病が悪化すると……
    2. 糖を使う体の仕組み
    3. 糖尿病とは何だろうか?
    4. 糖尿病の食事
    5. 糖尿病の運動
    6. 糖尿病の薬
  3. 痛風について
    1. プリン体を使う体の仕組み
    2. 痛風の薬
    3. 痛風を未然に防ぐには
  4. アルコールの害と、運動の必要性を考える
    1. アルコールやめてみませんか?
    2. アルコールの脳への影響
    3. アルコールの糖尿病、痛風への悪影響
    4. メタボリックシンドロームと脳は、大いに関係している
    5. 睡眠・覚醒と、メタボリックシンドローム
  5. メタボリックシンドロームから離脱する
    1. ダイエット成功の鍵は脳にある
    2. 運動がなぜ大切か
    3. メタボリックシンドロームの経済学
文献
  • (16)Molecular identification of a renal urate anion exchanger that regulates blood urate levels. Enomoto A. et al. Nature. 2002 May 23;417(6887):447-52.Epub 2002 Apr 14.
  • (19)Decreased extra-renal urate excretion is a common cause of hyperuricemia.Nat Commun. 2012 Apr 3;3:764. doi:10.1038/ncomms1756.Ichida K.et.al.

内容

尿酸は腸からも排泄される[P.125-126]

2012年初頭、
東京薬科大や防衛医大などのチームは英科学雑誌に、尿酸についての新しい報告を行いました。
腸からも尿酸を排泄する機能が低下することがあり、それも痛風を引き起こす一因、との報告です。
この研究チームは、尿酸を排出する役割をしているABCG2というタンパク質に注目しました。
このタンパク質は、腎臓だけでなく、小腸や大腸にも存在していました。

そこで、高尿酸血症の患者さんを調べたところ、
なんと約8割の方が、ABCG2を作る遺伝子に変異(注19)が認められたのです。

さらに、遺伝子に変異があって、
尿酸を排泄するタンパク質ABCG2の機能が低下している人は、
尿酸の腎臓からの排泄は低下せず、腸からの排泄だけが減少していました。
これまで、腎臓の排泄能力が低下していないのに尿酸値が高かった人は、
尿酸合成過剰型とされていました。

これからは、腸からの排泄機能低下も考えるべきかもしれません。

男性の方が尿酸値が上りやすい理由についての仮説

私は、男性の尿酸値がこんなにも上りやすい理由をこう考えています。

大昔、内臓脂肪という良いエネルギー源を抱えて遠くまで男性は狩りに出かけました。
炎天下の紫外線の下で、狩りという危険でストレスフルな運動を続け、
大量の活性酸素に晒され続けたことでしょう。
日差しの強い南アフリカの原住民は、
長寿のために抗酸化物質の多いルイボスティーを愛飲していました。

尿酸は、活性酸素による体のサビつき(酸化)を強力に抑えてくれる還元剤でした。

筋肉や内臓脂肪、運動が尿酸を高めるというのは、
男性を守る目的があったのではないでしょうか。
強い日差しのもと、営業で黙々と歩き続ける太めの男性の体を、
今日も尿酸は活性酸素から守ってくれているのかもしれません。

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