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書籍と雑誌の要約と解説

人権ノート

職質・交通切符・逮捕・弁選・裁判まで

装丁
人権ノート 人権ノート
千代丸健二(『人権110番』代表)
三一書房(三一新書1113)
ISBN4-380-95010-7
1995/04/30
¥750
あなたと家族を守る日本で唯一の人権ノート

この一冊で安心――。
いざという時、人権110番と弁護士に連絡がとれる!
緊急弁護士リスト10年目の大改定。
人権110番への登録制度を市民に開放。

目次
  1. 法の不備を市民の側から補う
  2. 逮捕された人に「当番弁護士」の出前制度あり
  3. 市民のための「登録制度」を開放
  4. 緊急弁護士リストの活用法について
  5. 人権110番活動の歩み
  6. 現場取り調べから警察署での対抗法
  7. 警察からの呼び出し、捜査、逮捕に対抗する法
  8. 検察庁(区検)と不起訴交渉をする法
  9. 起訴/裁判対抗法=無罪を争うポイント、その腹構えと技術
  10. 裁判で闘うことの意味は何か
  11. ビラや街宣で闘う法=市民、公共機関への訴え、アピールの方法
  12. 告訴・告発、懲戒請求、市民運動の戦術
  13. 悪徳警官追及の決め手=現場での抗議、対抗、追及の技術
  14. これだけは覚えよう、人権を守るための条文
  15. 車両等の停止権限及び免許証提示の法的根拠
  16. 交通否認事件の取扱要領=確実な現認と、毅然たる態度で
  17. 交通違反に対する逮捕権の運用
  18. 反則制度の流れ(図解)
  19. 交通反則切符のシステムは?
  20. 警察手帳規則=条文のすべて
  21. 警察手帳は市民から要求されたら素直に見せなければならない
  22. 警視庁警察職員服務規程抜粋
  23. 市民が作る供述書や要求書
  24. 職務質問はこんな要領でかけられる(警察側資料)
  25. 職務質問の要件(条件)とは何か
  26. 憲法の黙秘権と供述拒否権の有効な使い方
  27. 逮捕されると取り調べや留置はどうなるのか
  28. 免許証を見せろというが、提示義務と権限は
  29. レッカー移動された車をタダで取り戻す特別対抗法
  30. 駐車違反と事前広報の義務と警察比例の原則
  31. 不起訴処分告知書を獲得する方法
  32. 逮捕されたらすぐ弁護士はとんでくるか
  33. 交通違反での逮捕基準はどうなっているか
  34. 街でビラまきをしていたら警官がきた、撃退法は
  35. 悪徳警官と闘う市民の会(会費不要)に参加しよう
  36. 民間団体の「人権・法律相談」窓口
文献
  1. 千代丸健二『無法ポリスとわたりあえる本』[P.123]
校正
  1. いい勉強になりました⇒」[P.124]

内容

  1. レッカー移動された車に移動料と保管料を支払う理由はない[P.122-124]

レッカー移動された車に移動料と保管料を支払う理由はない[P.122-124]

車を誰が停めたのかということを別にして、車のみとりあえず取り戻したい時の方法を教えよう。
運転者もしくは所有者・管理者として警察におもむき「車を返してもらいたい」と申し出ればよい。
道交法第五一条に基づくもので警察署長は車両の「善管義務」があり、
運転者等に「速やかに返還すること」となっている。
この際「反則切符と引き換えでないと車両を渡さない」とか
「レッカー代、保管料を払うまで車を押さえる」ことはできないのである。
警察には車両にかかわる代金徴収(警察による業務代行窓口のようになっている)と、
車両を返還する義務(運転者等にとっては権利となる)がある。
従って車を黙って返還しなければならない警察の義務は
「所有者などが出頭して身元を証明した場合は、
受領書と引き換えに返還しなければならない=令一七条」として明文化されているのだ。

警察にしてみれば君が停めたのか誰か第三者が運転してその人が停めたのか、
あるいは運転者以外の人がそこの場所に停めたのか、
あるいは指示、その他の事情で移動したのかは分からないのだ。
そこでとにかく警察に出頭してきた者が違反者という前提で切符を切ろうとし、
またレッカー移動料と駐車料金の支払いを求めるのだ。
誰が車を停めたかをいう必要は一切ない。
ましてや君自身でなければ大威張りで「オレじゃない」といえるだろう。
だからといって友人や貸した先の名前を「供述」する必要も法的義務もない。
刑事訴訟法の第一九八条だ。
それは「供述や調書作成に応じるも応じないこともすべて自由で任意であり、
官憲は市民に対して強制できない、あらゆる人に黙秘権は保障されている」という趣旨であり、
その権利を犯した調書は違法で無効だ。
罪を犯していてもいなくてもという意味である。
いわないからといって証拠隠滅罪なんかにはならない。
「友人に貸した」というと警察は「その人の名をいえ」というだろうが、
そんなことも喋る必要は一切ない。
要するに「この車の持ち主は私だ、返せ!」の一点張りでよい。
余計なことを喋るとボロが出たり、嘘をついたり適当なことをいうとそこをつつかれる。
矛盾がでるとまた新しい嘘をつかなくてはならなくなるという自己矛盾を抱え込む。
昔からいう、「沈黙は金なり」と。
駐禁で対抗して見事に勝利した会員の葉山勝利君は、新しい体験でまた一段と成長した。

<ポイント> 誰が停めたかをいう義務はない、警察は車を無条件返還の義務あり

●事件簿八九〇九

葉山勝利君(東京・会員)が『レッカー移動』の不当性と闘い、
見事レッカー料、保管料を払わずに車両を取り返した(東京・巣鴨警察署)

● 車を実際に止めていたのは、A君である
(注/助言・1=こんな時には、誰が車を止めたのかは一切、警察にいう義務も必要もない)。

● 車の所有者、名義人、運転者は違反の有無、
認否にかかわらず車両の返還を正当な権利として要求できる。
その請求があれば、警察は無条件で返さなくてはならないのである。

このことは道交法の条文にもハッキリと書かれてあり、
『無法ポリスとわたりあえる本』PART・3〔駐禁対抗の項〕に詳しく書いてある。

● さて、助言を得た葉山君は、テレコを用意して単身、巣鴨警察署に乗り込み、
警官たちと約一時間わたりあい、見事に、車を取り返したのであった。
一切金も払わず、交通切符も受け取らずに。

●葉山君からの報告

「最初は具体的にどうやっていいのか分からずに、困って千代丸先生に電話をかけたが、
助言を貰って少し自分で考え、そのうえで警察に乗り込んだ。
最初に応対に出た警官は、金を払わないと返さないと、しきりに言い張っていたけど、
僕が法律的なことをいい始めたら、奥の方から、当直責任者の頚部と、
交通執行係の係長というのが出てきて、ウルサイやつだと思ったのか、スンナリ返してくれました。
とてもいい勉強になりました』

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