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書籍と雑誌の要約と解説

恐怖の食物

自然食のすすめ

装丁
恐怖の食物 恐怖の食物
郡司篤孝
三一書房(三一新書820)
ISBN4-380-94000-4
1974/06/30
¥800
目次
  1. 日本人と米について
    1. 長寿者の食事の調査
      1. 高齢禅僧の食生活
      2. 長寿のガキを解く主食
      3. 乞食、山窩、苦力の食物
      4. 無病頑健だった未開日本人
      5. 歴史に残る日本人のすばらしい食生活
    2. 米の害とは何であるか
      1. 白米の栄養学的欠点
      2. 白米と化学物質
      3. 農薬と化学肥料
      4. 残留農薬
      5. カドミウム汚染
      6. フッ素汚染
      7. カビ米
      8. ビタミン強化米
      9. 殺虫剤ピペルニルブトキサイト
  2. 麺について
    1. 自然の麺
    2. インスタントラーメンを食べる馬鹿
    3. カップヌードルとプラスチック
  3. パンについて
    1. 自然のパン
    2. ニセ自然パンの横行
    3. プレミックスの正体
    4. パンとPCB
  4. 果実について
    1. すぐれた日本の果実
    2. 余り物のグレープフルーツ
    3. ビフェニールと果実と食用油
    4. 果実のお化粧
    5. 果皮は食えない
    6. 酸っぱい果実を甘くする
    7. ごまかしの味つけ
    8. 食品用リン酸塩の害性
    9. ビタミンの減る果実
  5. インスタントという妖怪
    1. 味の素の「スープ改良技術」の中身
    2. インチキインスタント日本酒
    3. なぜアルコールを添加するのか
    4. 食生活をほろぼすレトルト食品
    5. レトルト食品とプラスチックフィルム
    6. 水とは何か
    7. 終戦直後の漬物
    8. 汚濁した漬物
文献
  • フランシスコ・ザビエル『ザビエルの書翰集』[P.40]
  • 藤井光雄『プラスチックの実際知識』[P.77]
  • 堀口博『公害と毒・危険物 有機編』[P.114_120]

内容

  1. 支那の後漢書倭伝という書物に、もっとも古い日本人の記録がでている。それによると、「日本人は酒を好むが長生きするものが多く、百歳をこえる人がはなはだ多い。また、女は貞淑で、一般に泥棒や争いがない」と書いてある。[P.39]
  2. 日本人はビタミンB1の潜在欠乏症[P.44]
  3. そういえば、昭和四七年度などはミカンが余りに余って、やけくそになってミカン山を焼いてしまったり、気の小さい栽培主は自殺したりした。[P.104]
  4. 去年、千葉県のチバ日興製油という会社が製造している食用油の中から、ビフェニールが七~一〇ppmも検出されて、毎日のように新聞記事を賑わせた事件があった。[P.112]
  5. 食用油の精製工程(工業用抽出法)[P.113-115]
  6. ミカンにはヒ酸鉛が噴霧されている[P.122]
  7. 合成酒を擁護する日本酒の最高権威[P.163]
  8. 水道水の残留塩素は細胞を破壊する[P.181-182]

日本人はビタミンB1の潜在欠乏症[P.44]

最近は、カッケによる死者は非常に少なくなった。
しかしビタミンB1の欠乏による軽いカッケ症状を気づかずにいる人や、
いわゆる潜在欠乏症の人は非常に多いという。
実はこれがはなはだ危険だと、学者はいうのである。

右の事実を裏書きしているのが、厚生省の国民栄養調査である。
昭和四十年度の結果をみると国民一人一日当りのビタミンB1摂取基準量
(一日の平均必要量)一・二ミリグラムにたいし、
実際の摂取量は〇・九七ミリグラムで、やく八〇%にすぎない。
また数年前のことだが、伊勢湾台風のとき、
被災地では、台風後にカッケ症状者が急増したという報告が出ている。
このことは、台風で野菜などB1を含む食料が不足したとたんに、
ふだんは表面に出なかった欠乏症が、たちまち馬脚をあらわしたことを物語っている。
この二つの例でも判るように、洗剤欠乏症は、白米を主食とするかぎり、
依然として私たちの周囲に根強く残っているのである。

さらに、東邦医大の阿部達夫教授は、
「ビタミンB1が不足すると、とくに心臓の弱まっている中高年者は、
カッケ衝心で死にいたることもある」、と警告している。

食用油の精製工程(工業用抽出法)[P.113-115]

かつては融出法・圧搾法によって採油していたが、
現在ではほとんど工業用抽出法によっている。
この原理は、含有原料を抽出装置の容器に入れ、これに溶剤を加えると、
原料中の油脂が溶剤に移行するから、あとで溶剤を分離するものである。
この溶剤として、

(1)抽出用溶剤(ヘキサン、石油ベンジン、ベンゾール、トリクロールエチレン、
二硫酸炭素など)のうちヘキサンがもっとも多く用いられている。
ヘキサンはメタン列炭化水素の総称で、天然ガソリンの称でもある。
このように猛毒な物質を食品製造に使うことは問題にさるべきであろう。

抽出した植物油を精製するために、いろいろな工程を経なければならない。
その第一が脱ガム工程である。
脱ガム工程では、主にリン脂質(レシチン)を除去することである。

(2)脱ガム用薬品(リン酸・クエン酸・シュウ酸など)のうち、
クエン酸は石油から、シュウ酸は劇物で、きわめて強い皮膚障害や内臓、
循環系に障害をあたえ、尿毒症を起こす。

ついで、遊離の脂肪酸を除去するために脱酸工程に入る。

(3)脱酸工程用薬品(カセイソーダ、クエン酸、濃厚リン酸など)のうち
欠かすことのできない薬品はカセイソーダである。
遊離脂肪酸を除去するほか、残存するリン脂質や色素物質の一部も除去するので、
油の色合いをよくする特色がある。
カセイソーダはもちろん劇物の指定を受けている危険物質である。

さらに色相をよくするため、つまり油脂中に含まれる黄赤色系のカロチノイド、
緑色系のクロロフィルを除去するため脱色工程に入る。

つぎが問題の脱臭工程で、ビフェニールはここの工程で使用される。
脱臭するために油を高温に熱する必要があるが、普通の平釜加熱では、
高温の油が空気にふれて品質を落とすため、熱媒体としてビフェニールと、
ビフェニールとビフェニールオキサイドの混合物である
ダウサームが用いられている。

ミカンにはヒ酸鉛が噴霧されている[P.122]

ミカン、とくに夏ミカンは酸っぱいのが特長であるが、
この酸味の原因であるクエン酸を消すためにヒ酸鉛を噴霧する方法がとられている。
昭和四〇年ころ愛媛県あたりで始められたものであるが、
この辺の業者が自分で栽培したミカンを食べないという噂は、
このあたりに原因があるように思われる。

合成酒を擁護する日本酒の最高権威[P.163]

前に国立醸造試験所長を勤め、日本酒の学者としては最高権威とされているA博士と、
あるパーティで会ったことがある。
そのとき日本酒にアルコール添加の話が出て、
博士は「アルコールを添加するから、サリチル酸のような殺菌剤を使わなくてもすむのですよ」
と、こともなげに言った。
私を、酒のことをまったく知らない素人と思って言ったのであろうか。

水道水の残留塩素は細胞を破壊する[P.181-182]

実は「水道の滅菌用塩素は人間の細胞をこわす」という研究が、
東大薬学部と国立衛生研究所によって発表されているのである。
それによると、
肉体の基本的要素である細胞(白、赤血球もその一つ)を塩素水に入れ、
濃度が増すにつれての細胞の変化を調べたところ、
法律で定める最低限の〇・一ppmでは変化はないが、
一ppmになると全赤血球のうち五%の細胞膜がこわれて中味が出、
はっきりした溶血現象を示すことがわかった。

また白血球は五ppmで二〇%、一〇ppmで二五%も死んでしまった。

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