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書籍と雑誌の要約と解説

続どうしても化粧したいあなたに

髪も肌も、より美しく

装丁
続どうしても化粧したいあなたに 続どうしても化粧したいあなたに
船瀬俊介
三一書房(三一新書1035)
ISBN4-380-91012-1
1991/12/31
¥777
日焼け止め(UV)化粧品で皮ふ癌の衝撃!!

「知らなかった…」
全国からの女性の声。
塗れば塗るほど、肌荒れ・シミに。
“朝シャン”で、枝毛・脱毛・ダメージヘア激増。

目次
  1. なるほど、きょうから自然派――全国の女性たちからの声――
    1. 荒れる、乾く、つっぱる
    2. ビビッた
    3. 皮フ科のせっけんまで……
    4. 首筋ボロボロ……
    5. ソフィーナでブツブツが
    6. 知らなかった……
    7. 顔の”お手荒し”やーめた
    8. 今日からせっけんシャンプー
    9. フユカユミがとまった
    10. 髪さらさら
  2. さあ、あなたもせっけんシャンプーを
    1. たすけてください
    2. 女性若ハゲ急増
    3. マスコミ”朝シャン論争”
    4. 主婦シャンプー変死事件
    5. 女子大生、失明事故
    6. 朝シャン水不足
    7. 朝シャンタオルの落日
    8. 殺さないで
    9. 女性むけ育毛剤
    10. アリ地獄
    11. 往復ビンタ
    12. さらば”朝シャン”ブーム
    13. パーマイン美貴
    14. ソープ洗髪法
    15. せっけんシャンプーQ&A
    16. 「輝く黒髪がもどった!」
    17. 広がれ! せっけん美容院
    18. こんなにある「せっけんシャンプー」
  3. 男たちよ……もっと悠然と
    1. うすれゆく髪
    2. “育毛剤”のワナ
    3. 「発毛促進」のウソ
    4. ペンタデカンの自爆
    5. ああ……『一〇一』後日談
    6. またぞろ……
    7. 買うべきや? 買わざるべきや?
    8. 男の軟弱
    9. 髭剃りの復権
  4. “UVケア”は危ない
    1. 「日焼けどめ」で発癌
    2. 「ウロカニン」ショック
    3. PABAショック
    4. 光毒性などの恐怖
    5. 疑問? UV効果
    6. 奇怪「SPF指数」
    7. UV化粧品をテストする
    8. 手作り日焼けローション
    9. 紫外線狂躁曲
    10. 骨がモロく
    11. パラソル賛歌
  5. もうひっかからない
    1. 入浴剤の”怪”
    2. バスクリンなどをテストする
    3. 効果ナシ! 入浴剤
    4. カブレた
    5. マウスウォッシュ
    6. スクラブ洗顔剤は危ない
    7. ゲルマニウム美容ローラー
    8. オゾン美顔器
    9. 美容サロン一一〇番
    10. 対決、美容サロン
    11. 脱毛エステ残酷物語
    12. 入れ墨エステ
    13. シリコン・ショック
    14. ピアスの苦行
    15. 毛染め大変
    16. ヘアダイ再生不良性貧血
    17. 中国製「化粧品」誇大表示
    18. “若返り”クリームの恐怖
    19. ダイエット原料を禁止
    20. ワシントン条約違反
    21. アルブチンの正体
  6. より美しくすこやかに
    1. ノーメイクのすすめ
    2. 水洗い洗顔
    3. 酸性化粧水
    4. 野菜で一〇歳若く!
    5. コーヒーから緑茶党へ
    6. 美しくする食物
    7. 「和布」のすすめ
    8. グッバイ! タバコ
文献
  • 『すてきな奥さん』「元気な髪の秘訣」1990年7月号[P.43_99-100]
  • 『週刊文春』「朝シャンするとハゲになる」1990年11月22日[P.49]
  • 船瀬俊介『どうしても化粧したいあなたに』11_43_30_83_43__185_63頁[P.50_55_78_79_82_124_252_262]
  • 『サンフランシスコ・クロニクル』「Morning Shamapoos Cause Furor in Japan」1991年1月7日[P.53]
  • 『週刊ポスト』「「朝シャン」と「ハゲ」の大論争」1990年11月30日[P.54-55]
  • 『朝日新聞』「朝シャンはハゲの原因――」1990年11月11日[P.54]
  • 『続々あぶない化粧品』[P.56]
  • 『朝日新聞』1990年8月2日[P.61]
  • 『くらしの木』「化粧品のために眼をツブされる「ウサギ」たち」1991年6月[P.66]
  • 『朝日新聞』1989年4月25日[P.72]
  • 『朝日新聞』1991年2月19日[P.81]
  • 『朝日新聞』「朝シャンにご用心――合成シャンプーの使い過ぎは有害」1990年11月11日[P.82]
  • 『日本消費者新聞』1989年6月15日[P.117_119_124]
  • 『朝日新聞』1991年2月15日[P.130]
  • 『日本消費者新聞』「日焼け止めクリームで皮膚がん」1991年1月1日[P.141]
  • 『化粧品原料基準』[P.146]
  • 『あぶない化粧品』[P.148]
  • 『ソープ・コスメティック・ケミカル スペシャリティズ』1990年2月[P.149]
  • 『ボストン・グローブ』1990年2月12日[P.151]
  • 『食べ物文化』1991年9月[P.170]
  • 『朝日新聞』1990年5月6日[P.179]
  • 西岡一『化粧品毒性テーブル』[P.200]
  • 『日本消費者新聞』1988年5月1日[P.203]
  • 『週刊新潮』1989年7月6日[P.232]
  • 『朝日新聞』1991年6月9日[P.239]
  • 『朝日新聞』1988年12月2日[P.241]
  • 『喫煙新時代』[P.282]
文献
  • 『だからせっけんで洗う』⇒『だから、せっけんを使う』[P.24]
  • UV化粧品なみ紫外線を防げる⇒に[P.181]
  • 『薬用』と言う表現はすで一般に⇒すでに[P.202]
  • 増血障害症の発症を報告した二六施設⇒造血障害症[P.244]

内容

リンスに触れるとニキビのできるO・F子(堺市OL27歳)[P.20]

いつも額や首すじにニキビができ、背中にもできていました。
なぜかわからずBF(注…ボーイフレンド)には、
不潔みたいにいわれてくやしかったりしました。
毎日、お風呂にはいって磨き、毎日シャンプーしていたのに。
それが貴社の『あぶない化粧品』などにより、リンス液にかぶれるとわかり、
気をつけて洗うようにしたら、きれいに治りました。

リンス・イン・シャンプーでうなじ皮膚炎になった富山市・内海くるみ[P.24-25]

「『だからせっけんで洗う』(三一新書)
私も実は、合成洗剤の被害者していました。
うなじ皮膚炎に何年も苦しんでいたのです。
シャンプーとリンスを別々につかっていた時はさほど、ひどくなかったのですが、
リンス・イン・シャンプーのタイプを使うようになってから、
異常な痒みと痛みで夜も眠れないほどでした。
夜中に自分でも、知らず知らずのうちに掻きむしってしまったらしく
枕に血が点々とついていたこともあります。
当然、首筋はボロボロで、着物を着た時にも、
汚らしい首筋を人前に晒すこともできず、大変哀しい思いをしていました。
しかし先生のご本でせっけんシャンプーを知った結果、
私は、長年泣かされていた首筋の皮膚のトラブルともおさらばできました。
ありがとうございました」
「ご本(『どうしても化粧したいあなたに』)を読んで、
どうもあれは合成洗剤が原因ではなかったのか、という皮膚トラブルが何回かありました。
カネボウのシャンプーで地肌に湿疹ができ痒くてたまらなかったこと。
資生堂のシャンプーでひどいフケ症になったこと。
メーカーはわかりませんが、サウナでシャンプーした翌日に地肌に痒みが走ったこと。
液体洗剤で手の皮膚がボロボロになったこと。
あのときは『体調が悪かったか体質のせいだろう』と深く考えてもみなかったのですが、
今になってやはりあれは、合成洗剤のトラブルだとわかりました。
メディアの申し子である私たちの世代にとって、CMは絶対的なものですが、
私たちの心をとらえるCMをバンバン流している製品が、
私たちの皮ふや髪を傷つける張本人になっているわけです」

朝シャンタオル詐欺[P.64-66]

一九八八年ごろから「すぐに髪の毛が乾く」と吸水性のよさをうたって発売した。
「素材に吸水能力の高い化学繊維や、通常のタオルより細かい繊維を使って吸水性を高めた」
というのがキャッチフレーズ。
発売してみると「もの珍しさもあって爆発的に売れました」(都内大手百貨店)。

ところが買った消費者から「あまり水を吸わない」という苦情が殺到。
各種商品テストでもバツ印がつき、自らブームに水をかけたかたちに。

こうして朝シャンタオル市場は、八九年には一〇四億円にたっしたものの、
翌九〇年には五二億円と一挙に半減の奈落の底。
あまりのちょう落ぶりにあわてたタオル業界は通産省と「新基準」を作成。
売り上げ減少にブレーキをかける作戦に出た。
つまり一定の計算式で「吸水性」を測定。
その「吸水式評価指数」を定めて、
指数八〇〇以上のものを「高吸水性タオル」と呼ぶことにしよう、というもの。

ブームに悪乗りの業界のウソが、通産省の商品テストでもばれました。
九一年二月二五日、通産省の発表では
「“朝シャン用タオル”として『高吸水性』をうたっているタオルは、
テストしてみると四分の三は、通常のタオルと差がなかった」ということです。
実験を行ったのは、通産省生活産業局長の諮問機関の「アパレル製品等、品質性能対策協議会」。
テストしたのは、市販の四〇種類の“朝シャンタオル”。
九〇年五月より①六〇〇人の女子大生を対象にモニターテスト
②「吸水性指数」を測定の二通りのテストを実施してみました。
その結果、通産の設定した「高吸水」指数の八〇〇をクリアしたのは、わずか一一種類。
約四分の三が失格。それどころか一七種類の“朝シャンタオル”は、
通常の綿タオルの平均値(五七一・四)以下でした。
まさに名ばかり。これオカシイワ……と苦情が出て当然です。

タオル業界も、これはイカンと「高吸水性繊維製品協議会」なるモノモノしい機関を設置。
九一年より、この新基準をクリアした製品に「高吸水性タオル」のシールを貼ることにした。
しかし、時すでに遅かりし……。
一度なくした信用をとりかえすのは沈む夕陽を引っ張り上げるのよりむずかしかろう。

『パーマイン美貴』が取材中に発言したシャンプー批判はオールカット[P.88]

環境を汚さないせっけんシャンプーの下町の美容院と、
マスコミなども方々から取材にくるようになってきた。
「だけどテレビはダメねえ……。
その番組は関係なくっても他の時間帯で合成洗剤メーカーが提供しているから。
『言いたいこと言っていい』というし『大丈夫です。出します』
と言うんでずいぶんしゃべったのに、ェーンカット……!

『パーマイン美貴』の客は若ハゲ・若白髪が石鹸シャンプーで治った[P.94]

■髪がうすくなって……心配

A:せっけんシャンプーに替えてください。弱々しかった髪が太くつややかになってきます。
「小学校五年から脱毛症の三三歳の人が、
せっけんシャンプーに替えて一年目で生えてきた例もあります」(小川美貴恵さん)。

■若白髪で悩んでいます

A:やはり、せっけんに替えることです。それで治った方が何人もいます。

シャンプーで腕が真っ赤に腫れた『アキ美容院』の院長[P.102-103]

「自分自身、腕はひじまで合成シャンプーで真っ赤に腫れて、痛くてたまらなかったし……」。
やはり、せっけん美容院を経営するのは島村明子さん。
熊本県菊池市隅府にあるお店。菊池市内でも「せっけんシャンプーのお店」として有名です。

<中略>

■問い合わせ先:
〒861-13 熊本県菊池郡北原六〇〇―三 「アキ美容院」
℡〇九六八―二四―二一〇五

101育毛ツアーの結果アンケート[P.125-126]

「かゆくなった」「かぶれた」「リンパ節が腫れてきた」……
八八年二月から四月までに「一〇一育毛ツアー」に参加した
一四〇名の参加者へのアンケート調査に寄せられた副作用の苦情である。
「円形脱毛」で参加した人のうち四六名、「若ハゲ」の四八名、
計九四人がこのような副作用症状を訴えている。
耐え切れずに医者に駆け込んだ人六人。
使用後二週間ほどして、かゆくてたまらなくなり、頭部が激しくかぶれてしまった。
うち二例は重傷の炎症を起こしていた。
全体に「一〇一」のかぶれは「変色と痛がゆさをともなう」という特異なもの。
医者は“一〇一かぶれ症”と命名。
これを診察した医師によると、
ジニトロクロルベンゼン(DNCB)という薬剤のかぶれ症状と似ているという。
DNCBは本来免疫機能の確認用試薬。塗布すると異様なかぶれを起こす。
そのかぶれの副作用で発毛作用が現れることもある。
皮膚を徹底的に痛めつけ、その反作用で毛を生やすというリクツである。

UV化粧品ウロカニン酸ショック[P.140-145]

「市販の日焼けどめ化粧品に、皮ふ癌を起こす成分がふくまれている」。
告発したのはアメリカ消費者連盟(CFA)。

一九九一年三月二一日、同連盟は
「いまアメリカ国内で売られている一二種類以上の『日焼けどめ剤(サンスウリーン)』に、
皮ふ癌の発生を促進する危険性をもつウロカニン酸がふくまれている」と、
米食品医薬品局(FDA)に、販売停止を申しいれました。
CFAの申し立てによると「実験動物の皮ふに、問題成分のウロカニン酸を塗り、
紫外線を当てたところ、腫瘍が発生した」というのです。
この実験を行ったのは
ジョージ・ワシントン大学医療センター皮ふ科のエドワード・デファブ博士ら。
「ウロカニン酸をふくんだ化粧品は危険性が高いというのが結論です。
この結果は他の研究機関の支持も得ています」(エドワード博士)。
「ウロカニン酸を塗った方のマウスやラットの腫瘍の数が多かった、
という実験結果による警告ですネ」(厚生省薬務局、審査室)。

<中略>

「UV(日焼けどめ)化粧品」の発癌性を警告したのは、
アメリカの消費者団体だけではありませんでした。
問題の紫外線吸収剤「ウロカニン酸」はシンガポールやオーストラリアでも
「発癌促進作用アリ」と指摘されています。
オーストラリアの学者は「ウロカニン酸は、紫外線と反応して体の免疫システムを抑制して
皮ふ癌の危険性を増加させるおそれがある」と警告。
それを受け、同国政府は九〇年一二月一八日、
「考えられる危険性は排除する」と同国内での、この「UV化粧品」の販売中止を勧告。

すぐに米国系のエスティー・ローダー社、クリニーク社など四社が勧告にしたがって回収。
ついで、シンガポール市場からもウロカニン酸配合のUV化粧品は回収された。

これに衝撃を受けたのが日本最大手の化粧品メーカー、資生堂。
あわてて九〇年一二月二六日、シンガポールの子会社
「資生堂シンガポール」販売の基礎化粧品「資生堂フェイシャル」のうち
同成分を含む乳液やローションなど「UV化粧品」六種類の回収をはじめたのです。

<中略>

不可解なのは、シンガポールでは即時回収の措置をとっていながら
「安全性は確認で着ている」(資生堂)と、日本国内では「回収しない方針」という。
この海外と国内との信じがたい消費者差別。
その理由を資生堂は「現地(オーストラリアやシンガポール)では
他のメーカーに歩調を合わせたが、日本での回収は消費者の不安を招く」と、釈明しています。
日本の消費者は、皮ふ癌になってもかまわない、というのでしょうか。
国内ではカネボウもウロカニン酸配合の「UVケア化粧品」を販売しており対応に右往左往。

また、オーストラリア政府の“販売禁止”に衝撃を受けた日本化粧品工業連合会は、
いまごろになってウロカニン酸の安全性の「再検討」を始めるという。

さて、わが国の厚生省の対応は――。

「エー……と、まず薬務局安全課のほうで一応評価してますが、
はっきりした結果は評価されてません。それで、こちらのほうではとくに禁止、
回収などの措置は、とっておりません」(厚生省薬務局審査課)。

UV化粧品PABAショック[P.147-150]

「とても不安な話があるのです……」。
一九九〇年、四月、アメリカのワシントンDCのラルフ・ネーダー氏のオフィスを訪ねたときのことです。
かつてネーダー氏の秘書として辣腕をふるっていたルース・フォート女史が、私に語りかけてきました。
ネーダー氏は言うまでもなく二〇世紀最大といってよい消費者運動のリーダー。
その片腕だったルース女史の言うには、彼女の知人が医学博士で、
最近、マサチューセッツ州一帯でアメリカの若い男女に皮ふ癌が急増していることに気付いたという。

そこで、調べてみると、このヤングたちは皆、
“サンスクリーン剤”(日焼けどめ化粧品)を顔などに塗っていた。
いわゆるUV化粧品。そして、そこにはPABAという成分が配合されていた。
「このPABAが、皮ふ癌を起こしていたことがわかったのです」(ルース女史)。

<中略>

「(アメリカの)サンスクリーン商品は、どんどん組成を変えて、
成分からPABAをとりのぞき始めている。
これは肌に刺激性があり、皮ふ癌の原因にすらなる物質である」
(『ソープ・コスメティック・ケミカル スペシャリティズ』誌 90・2)。

<中略>

業界誌ですら「PABAは皮ふ癌の原因になる」と書いてあるのです。
その発癌性はアメリカでは、周知の事実と言ってよいでしょう。
だから、アメリカ化粧品業界は大急ぎでPABAを抜き始めたのです。

<中略>

いまや、アメリカのUV化粧品(サンスクリーン剤)のほとんどは
「PABA無添加」と表示されているそうです。
アメリカ消費者同盟(CU)がテストした三四品目もすべて「無添加」でした。
しかし、これは「純粋PABAを含まず」の意。
「PABA誘導体」で代替していたサンスクリーン剤が一一品目。

<中略>

――最近、アメリカでもPABA無添加のものが、ほとんどですが。
日本のUV化粧遺品はどうでしょう。

「このPABA誘導体は今も使われています。
グリセリルPABA(ベンゾカインを副成分に含む)などがそうです」(田代医師)。

薬用入浴剤の不正表示についての厚生省見解[P.202]

厚生省(薬務局審査課)に、この入浴剤のゴマカシを問い質してみました。

まず、「『リウマチ』『神経痛』……など二二種類もの病気に効く、というなら、
医薬品ではないか?」という問いに「温泉地の効能をそのままもってきたものですから……」
(審査課薬務局)と、歯切れが悪い。

――しかし、これは実際の温泉とは、似て非なるものですヨ。

厚生省「……まあ、風呂に入る、温まる効果がいいんです」
(ア然……。なら普通の風呂に入ればすむ話)。

――薬ではないものを「薬用」として表示しているのはおかしい。
どうして薬として用いられるのか。薬と誤認するんではないですか?

厚生省「化粧品に似た使いかたをするヤツという意味。
『薬用』と言う表現はすで一般に定着していますから問題はありません。
非常に素晴しい言葉です」

ヤングビーナス工業の入浴剤商法[P.204-205]

山口県に住む四三歳の主婦C子さんの気の毒な被害例です。
皮ふが弱く、もう数年間も、首や腕の内側のしっしんに悩んでいた。
近所の皮膚科にかよってもなかなか治らない。
ところが近所の入浴剤を販売している店の人が
「これをお風呂に入れれば、慢性皮膚病も治りますよ」とすすめる。
その入浴剤は「ヤングビーナスSS」という商品。
粉末ニkg詰め、二〇〇〇円。メーカーはヤングビーナス工業㈱(愛知県犬山市)。
ナルホド、袋には“効能”として「あせも、しっしん、しもやけ……」
とC子さんが日頃悩んでいた症状がならんでいる。
さらに、このメーカーの山口県の特約店はチラシに
「アトピー体質、動脈硬化、糖尿病にも効果がある」と印刷して配っていたのです。
C子さんは、さっそく、粉末をお風呂に溶かしてつかってみたが「しっしん」はまったく治らない。
それどころか悪化してきた(これはあたりまえ)。
そこで、販売店に文句をいうと、これからが悪質。
「それは体の中の悪いものが出てるんだから、がまんして使いなさい」。
さらに「医者は薬などをつけて、悪いものを体の中にとじこめてしまうので
医者にはいかないほうがいい」と、とんでもないアドバイス。

さらに目をむくのは
「かゆくてがまんできないようなら、その部分に、入浴剤の原液をつけなさい」という指導。
C子さんは、いわれるままに入浴剤をドロドロに溶かしてかゆいところにつけたから、サア大変。
それから三カ月、しっしんは急激に悪化。
原液を塗った部分からは黄色い体液がにじむほどにかぶれてしまった。

そこで、困りはて、ちかくの薬局に相談してみると「そりゃすぐにやめたがいい」。
で、入浴剤の使用を中止、治療薬をつけてようやく黄色い体液の滲出はとまったのです。

この特約店は、薬事法でみとめていない“効能”まで、チラシでばらまくなど、きわめて悪質。
C子さんは、山口県消費者センターに苦情としてこの被害例を相談。
これを受け、山口県薬務局は、特約店に薬事法違反容疑で、
問題のチラシの回収・廃棄を命じたのです。

豊胸シリコンショック[P.236]

九二年一月六日、FDAは安全性が立証されるまでシリコンの販売停止と、手術禁止を医師たちに勧告。
日本でも医療用具として認可された七九年以来、三万個近くが売られてきたと見られています。
一月一七日付『ワシントンポスト』紙は、政府、医師、メーカーの怠慢を告発。
UCLA大学のS・ウィーナー助教授は、
リューマチ患者で豊胸手術を受けている五〇〇ン二条の女性のうち
「一二五人に埋めこんだシリコンの漏出が確認され、
シリコンがリューマチの引き金になったのは明らか」と言う。
また、シリコン取除手術で「半数から三分の二はリューマチ症状が軽減」。
メーカー各社はいっせいに在庫回収。
こうして世界のシリコン美容整形は終りを迎えたのです。

その後、メガトン級の大パンチがメーカーを襲った。
豊胸手術を受けた女性たちの損害賠償請求が全米で巻き起こり、
メーカー各社は膨大な被害者たちへの補償基金として
総計四七億五〇〇〇万ドルの支払いを受け入れたのです。

再生不良性貧血ヘアダイ原因説[P.243-245]

「毛染めをしている人は難病の再生不良性貧血になる可能性がある」。
厚生省研究班の警告です。

<中略>

班長は虎の門病院血液内科部長、塚田理康氏。
研究班は血液専門医が勤務する一九七の医療施設にアンケートを送付。
まず、染毛剤使用中に再生不良性貧血などの増血障害症の発症を報告した二六施設をピックアップ。
さらに、第二次アンケートで追跡のはばをせばめていった。

その結果、“染毛剤との関連性(可能性)あり”と判定された症例は、
再生不良性貧血九六〇例中一九例。その比率一・九八%。
五〇人中一人が、ヘアダイが引き金で、この難病に発病している可能性が指摘されたのです。
また、やはり造血障害の一種、血小板減少症も一一八四症例中、
八例(〇・六八%)がヘアダイが原因では? 
と、現場の研究者がみています(一九八八年四月七日、日本血液学会総会にて発表)。

厚生省はこの研究班の報告をうけ、
①「染毛剤の『注意書き』に貧血傾向のある人は注意するように、と書き加える」
②「動物実験による因果関係の確認」の二点の「追加指導」を業界にたいしておこないました。

ようやくヘアダイ容器に「注意書」が、表示されるようになりましたが、気がつく人はマレでしょう。

一方、筑波大学臨床医学会内科では「ヘアダイと関係あり」と判定された
一〇人の再生不良性貧血の患者が重体におちいり死亡しています。

ワシントン条約に違反するウミガメ化粧品[P.254-255]

一九九一年七月二一日、警視庁保安二課は、
都内豊島区の化粧品販売会社「日本タートル」を薬事法違反容疑で摘発。
家宅捜索でアオウミガメから採った油一八l缶四二個。
二〇㏄のびんにつめられたクリーム、一二五九個を押収しました。

さらに社長の台湾系米国人、シーティーン・T・リー(六〇歳)ら三人を
薬事法違反容疑で東京地検に書類送検しました。
容疑は、化粧品の無許可製造。化粧品は薬事法にもとづく許可がないと製造はできません。
ところが、リー社長らは八八年一〇月、よりによってワシントン条約で
商業取引がきびしく禁止されているアオウミガメの油九〇七lを約一〇〇万円で輸入。
この量は、アオウミガメ約四〇〇匹にも相当するそうです。

滅びる寸前にあるこれだけのウミガメの命が、化粧品商法のために失われたのです。
さらに、リーらは、これらウミガメ油を原料に九〇年六月から三カ月をかけて、
無許可で“美顔クリーム”を製造した。

さらに、悪質なのは、「シミがとれる」などのウソ八百の“効能”で
女性週刊誌などに大々的に広告をのせたこと。
これだけでも、薬事法(六六条)違反(虚偽の効能宣伝)の犯罪行為。
“美顔クリーム”の商品名は「ケイマンブライト」。
一びん五四〇〇円から一万八〇〇〇円で販売していました。

化粧品商法の裏のイカガワシサをかいま見せてくれた後味の悪い事件です。

それにしても、ウミガメ油などの輸入は通産省がきびしくチェックしているはずです。
ところがどうどうと輸入されています。見逃したのです。

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