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書籍と雑誌の要約と解説

合成洗剤の話

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装丁
合成洗剤の話 合成洗剤の話
日本消費者連盟
三一書房(三一新書1025)
ISBN4-380-91002-4
1991/03/31
¥728
解説
本書は、日本消費者連盟発行のブックレット『合成洗剤は地球を汚す』と
『合成洗剤は細胞を破壊する』を一冊にまとめたものです。

先の二冊には、少なからず関心が寄せられましたが、窓口が限られていました。
これからはこの新書判が書店に並びます。
多数の方がたに読んで頂き、合成洗剤の問題点を知ってほしい、
そして、合成洗剤に頼らない暮らしをめざす方が一人でも増えるよう願っています。

目次
  1. 合成洗剤は細胞を破壊する 坂下 栄
    1. 目に見える障害
      1. せっけんに切り替えて湿疹が治った
      2. アレルギーのしくみ
      3. アトピーの根底に合成洗剤?
    2. 実験から明らかにされた障害性
      1. 動物実験結果を人間に適用できる理由
      2. 洗剤によっては二日目に死亡
      3. 障害がひどい外資系の洗剤
      4. 本来皮膚から体内へは何も入らない
      5. 細胞内変性そして細胞死
      6. 洗剤によっては肝臓の機能が低下
      7. 気休めシャンプーまで出現
      8. たとえ毛が残っても非常に細くなる
      9. キューティクルがなくなってサラサラサラ
      10. 一方で毛を薄くし、一方で養毛剤を売る
      11. 変性の仕方は舌も肝臓も腎臓もみな同じ
    3. 経皮吸収とは――洗剤は分解されるのか
      1. 分解する酵素がない
      2. 少しずつ排泄はするが少しずつ残りもする
      3. 経皮毒性と経口毒性
      4. 残留に注意
    4. 胎児への影響
      1. 明らかに経皮的に入って卵子に影響
      2. 催奇形性なしの根拠
      3. 母体の問題と男女の生殖機能への影響
      4. 男性も安易にはしていられません
      5. 避妊薬・マイルーラの問題点
    5. 環境への影響
      1. 環境に出た合成洗剤は生物の細胞を壊す
      2. 魚はどこをやられると死ぬのか
      3. 植物の生長を抑制する硫酸基
    6. 合成洗剤は細胞を破壊する
      1. カルシウムの減少を引き起こす
      2. 相乗作用とは何か
      3. 細胞レベルで何が起きているのだろう
      4. 防禦装置を破壊する合成洗剤
      5. 分解性について
    7. 安全論に異議あり
      1. 安全論の根拠
      2. 安全な合成洗剤はあり得るか
      3. 皮膚と同じ成分を取り入れるのは危険
      4. <資料>シャンプー・リンス混合商品の成分表
  2. 合成洗剤は地球を汚す   石川貞二+鈴木紀雄
    1. 湖とウミから見える合成洗剤問題
    2. 有害性の考え方
      1. 個体発生は系統発生を繰り返す
      2. 魚は死んでも人間には大丈夫?
    3. 自然からの警告
      1. 生態系が不安定になると生物の種類が減る
      2. 赤い生物の急増は水汚染のしるし
    4. せっけんと合成洗剤はこんなに違う
      1. 環境汚染に敏感な生物、鈍感な人間
      2. 海外の洗剤事情と日本
      3. 分解性とは何だろう
      4. 川を流れ海にそそぐ合成洗剤
      5. ごまかし社会の権化・蛍光増白剤
    5. 自然と共生する暮らしに向けて
      1. 優しい関係を地球と結ぶ
文献
  • 坂下栄『あなた生活を科学していますか――知っておきたい洗剤の知識』
  • 国民生活センター『国民生活9巻11号』「鈴木紀雄:くらしと湖沼――富栄養化現象と合成洗剤」
  • 三上美樹&藤原邦達&小林勇『合成洗剤』
  • 日本消費者連盟『合成洗剤』
  • 合成洗剤問題研究会『合成洗剤研究』第1号~第8号
  • 合成洗剤研究会『合成洗剤研究会誌』第1号
  • 柳澤文徳『合成洗剤研究学術集会抄録集』
  • 『技術と人間9巻2号』「鈴木紀雄:合成洗剤追放と琵琶湖の環境問題」
  • 国民生活センター『国民生活1979年11月号』「合成洗剤と下水処理――下水道週末処理に及ぼす合成洗剤の影響調査」
  • 東京都公害研究所水質部『合成洗剤に関する研究報告』
  • 合成洗剤研究会『合成洗剤に関する文献・資料総覧』
  • 柳澤文正&山越邦彦&柳澤文徳『合成洗剤の科学』
  • 合成洗剤環境影響調査団『合成洗剤の影響に関する調査研究報告』
  • 鈴木紀雄『合成洗剤ハ公害源デス――安全性に反論するⅡ』
  • 日本消費者連盟『合成洗剤はもういらない』
  • 坂下栄『合成洗剤ハ有害デス――安全性に反論する』
  • 小倉紀雄『調べる・身近な水』
  • 井上勝也『生活の中の洗剤・活性剤』
  • 柳澤文徳&谷美津枝『石けんのすすめ』
  • 藤原邦達&小林勇『洗剤汚染』
  • 三上美樹&藤原邦達&小林勇『洗剤の毒性と環境影響』
  • 赤松純子『手づくり石けん』
  • 国民生活センター『都道府県における合成洗剤対策』
  • 日本地域社会研究所『日本洗剤公害リポート』
  • 柳澤文正『日本の洗剤その総点検』
  • 琵琶湖環境権訴訟弁護団『飲める水と呑めない話 琵琶湖裁判のまとめと琵琶湖のゆくすえ』
  • 鈴木紀雄『地理27巻5号』「琵琶湖総合開発と環境問題――琵琶湖」
  • 朝日少年少女理科年鑑『琵琶湖で追放されたリン入り合成洗剤』
  • アイリーン・M・スミス『琵琶湖と富栄養化防止条例』
  • 鈴木紀雄『びわ湖にみる赤潮の発生』
  • 鈴木紀雄『琵琶湖のほとりから地球を考える――人間の危機と環境の再生――』
  • 小林直正『水汚染の生物検定』
  • 城雄二『もう毎日が洗たく日――実験しながら考える』
  • 多田富雄『免疫学イラストレイテッド』[P.23]
  • 池田良雄『薬物致死量集』[P.26]
  • 藤田尚男&藤田恒夫『標準組織学総論』[P.41]
  • 野澤義則『生体膜に学ぶ』[P.109]
  • 日光ケミカル&日本サーファクタント工業『ハンドブック――化粧品製剤原料』[P.122]
  • 堀口博『新・界面活性剤』[P.122]
  • 大木昭八朗『集団給食と洗浄問題』[P.151]
  • 『水処理記述』「藤田超:洗剤と魚」[P.168-169]
  • 小林勇『よくわかる洗剤の話』[P.170]
  • マレーシア・ペナン消費者協会『消費者の声』「合成洗剤に注意せよ」[P.174-176]
  • 東京都公害研究所水質部『合成洗剤に関する研究報告』[P.175]
  • 『油化学』24(3),1975[P.177]
  • 『日本水産学会誌』40(12),1974[P.180]
校正
  • 使命感が先に立ち。⇒使命感が先に立ち、[P.172]

内容

  • 岡本夫妻の洗剤湿疹写真集[P.17]
  • 合成洗剤を使うと湿疹が現れ、せっけんに替えると治る、その事実だけで合成洗剤の有害性の説明として十分であるということでしょうね。[P.22]
  • 長い間合成洗剤の仕事をしてきて行き着くところは、やはり合成洗剤が細胞を壊していくという事実ですから、そこのところから、根源的にはアトピーも合成洗剤の影響が根底にあるのではないかと非常に気にしています。[P.23]
  • 同じ一%という濃度にして、せっけんの場合には十日もすれば新しい毛が生えるのに、合成洗剤は毛が生えかわらない、というかたちで現れています。[P.27-29]
  • シャンプー脱毛[P.59-60]
  • 歯磨き剤は舌乳頭を変性させる[P.64-68]
  • 分野の違う仕事なので公的には発表しておりませんが、私はネズミの皮膚の脂質の分析を試みたことがあります。その結果、洗剤を塗布した皮膚の脂質は、正常の四分の一まで減少しておりました。[P.110]
  • マレーシアのABS事情[P.174-176]
  • ドジョウを使った洗剤実験詐欺[P.182]
  • 大学生の四十人に一人は、四本足のニワトリを描くようです。[P.197]
  • 名古屋大学名誉教授の梅津*美先生が常々言っておられる言葉なのですが、「この地球上には三〇〇万種(五〇〇万ともいわれている)もの生物が生存しているのだから、人類が地球上で生きるための権利は三〇〇万分の一しかない」ということがあります。[P.199]

岡本夫妻の洗剤湿疹写真集[P.17]

合成洗剤の有害性を人体で示されている最も分かりやすい例は、
岡山の岡本隆夫・和子ご夫妻の写真集だと思います。
合成洗剤を使っていて非常に湿疹がひどかったのが、
せっけんに切り替えてからきれいに治っている、という事例を集めたものです。
二十数年前の写真集ですが、
合成洗剤追放の運動をしている人々によって今も広く使われているものですね。

シャンプー脱毛[P.59-60]

毛は少しずつ変化を起こしているので合成洗剤のためだとは気がつかないのですが、
頭皮でも人間は後洗いするから気がつかないだけで、少しずつ少しずつ侵されているでしょう。
だから毛がよく抜けたり、かさぶたができてかゆい、かゆいからまた洗う、
洗うからますますひどくなる、ということを繰り返し、
エスカレートしてしまっているのではないでしょうか。
男性の場合頭の中央が薄い人が多いのは、
そこにシャンプーの原液をかけるからだと考えられます。
女性では生え際の毛がない人がいますが、
それは生え際にシャンプーをまずつけて洗うからだと考えられます。
私も合成シャンプーを使っていたときには、生え際によくかさぶたをつくっていました。
それはストレスがたまっているからだと考えていたのですが、
せっけんシャンプーに替えたら、すっかり無くなってしまいました。

歯磨き剤は舌乳頭を変性させる[P.64-68]

市販の合成歯磨き剤もアルコール系の合成界面活性剤が四%前後入れられているようです。
これを希釈してネズミの舌表面に毎日一回ずつ、六十回ほど塗布して、
走査電子顕微鏡で表面の立体構造を、
そして肝臓と同じように電子顕微鏡で中の細胞構造を見ました。
舌の表面には舌乳頭というのが出ています。
水やせっけん歯磨き剤を塗布した場合は、同方向に同じ間隔で出ています(写真32)。
ところが合成洗剤入りの歯磨き剤を塗布した場合、
舌乳頭が右を向いたり左を向いたり方向がまちまちで、間隔も揃っていません(写真33)。
これは中の土台の細胞(舌粘膜上皮細胞)が変性してきているということが推測されます。
舌乳頭を拡大して見ると、先端に二次乳頭という切れ込みがあります(写真34)。
生物の合目的性で吸収能力を高めるものです。
ところが合成歯磨き剤を塗った方は、二次乳頭がまったくありません。
表面から壊れていっているということが言えます(写真35)。

マレーシアのABS事情[P.174-176]

一九八一年十一月、
マレーシアのペナン消費者協会の月刊紙『消費者の声』タブロイド判五ページにわたって、
手荒れその他の皮膚障害の大きな写真入りで
「合成洗剤に注意せよ」という記事が掲載されました。
特に主婦の足に皮膚障害が出るのは、足で踏んで洗濯をするためだと考えられます。

その記事によれば、花王は、フィリピンにピリピナスカオーという会社を設立して、
ヤシ油で高級アルコール系の洗剤を作り、日本にも出しています。
その他台湾、タイ、インドネシア、マレーシアに家庭用品工場を持っています。
ライオンは、タイ、台湾に合併会社を持ち、
マレーシア、インドネシアに歯磨き工場があります。
ライオンの合併会社ではABSを生産しており、
LASでは原料面やコスト高の問題があるとうそぶいています。
花王は花王で日本では売れないABSを東南アジアに輸出しています。

私は日本人であることが、いろいろな面で恥ずかしくてしかたありません。
日本も欧米もABSはすでに行政指導をしているのに
「ABSを選択するのは、現地側の問題だ」と言い切るこれらの企業の人間と、
同じ国に住んでいるということが情けないです。

ドジョウを使った洗剤実験詐欺[P.182]

ドジョウでやったら合成洗剤もせっけんも全然変わりがなかったというのもあります。
ドジョウは腸呼吸ができるのです。
やられるのはエラがやられて死ぬのだから、
エラがなくなってもドジョウは生きていられるのです。
こういうことをメーカー側がやって、
合成洗剤を使ってもなんでもないですという言い方をするんです。
ドジョウでやったからいけないんです。

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