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書籍と雑誌の要約と解説

これがコピー食品だ!

ニセモノ食品総点検

装丁
これがコピー食品だ! これがコピー食品だ!
コピー食品研究会(北海道消費者連盟)
三一書房(三一新書977)
ISBN4-380-86007-8
1986/07/15
¥650
目次
  1. ニセモノ海産物
    1. タラのすり身
    2. カニ風味カマボコ
    3. ホタテ
    4. イカ
    5. 人造イクラ
    6. カズノコ
    7. キャビア
    8. カラスミ
    9. 柳葉魚シシャモ
  2. ニセモノ肉製品
    1. 大豆タンパク
    2. ハンバーグ
    3. ハム
    4. ソーセージ
    5. ビーフジャーキー
    6. ギョーザ・シューマイ・春巻き・肉まん
    7. ソイヤミート
    8. コンビーフ・そぼろ
    9. 成形肉ステーキ
    10. マリンビーフ
  3. ニセモノ乳製品・漬物
    1. イミテーションミルク
    2. アイスクリーム
    3. マーガリン
    4. 植物性チーズ
    5. 豆乳
    6. ロングエッグ
    7. わさび
    8. 漬物
  4. だまされない食生活をおくるために
    1. 問題のある表示基準
    2. コピー食品のキメ手、食品添加物
    3. 日本人は食品添加物を一日どれくらい食べているか
    4. 天然系食品添加物の毒性
文献
  • 志水寛『魚肉ねり製品』[P.17]
  • 上野達治『北海道の自然2 海の魚』[P.18]
  • 『健康生活の常識』[P.18]
  • 篠山茂行『食の科学』№74(水産練り製品)[P.22]
  • 『科学朝日』1984年5月号(コピーされる食品)[P.24]
  • 北海道消費者連盟『食卓に自然を!』[P.27]
  • 農林水産省『漁業養殖業生産統計年報』[P.34]
  • 『日本食品標準成分表』[P.44]
  • 『朝日新聞』1986年5月10日[P.45]
  • 『あなたの食卓が変わる』[P.100]
  • 『北海道新聞・朝刊』1985年9月7日[P.145]
  • 『四訂食品成分表』[P.163]
  • 『食品添加物の実際知識』[P.204]
  • ガン予防をすすめる会『天然系食品添加物の変異原性』[P.235]

内容

  • この本は研究会のメンバーがコピー食品を生産している現場を尋ね、調査した結果をまとめたものです。[P.3]
  • 「コピー食品」という言葉が一般に知られるようになったのは、カニカマボコの表示問題が表面化した頃からのことです。[P.4]
  • カニカマボコに代表される典型的なコピー食品は、いわば加工食品の論理の必然的な結果として誕生した、食品版フランケンシュタインと言えるでしょう。[P.4]
  • スケソウダラの加工工程[P.17]
  • カニカマボコの歴史・成分・製法[P.19-23]
  • ホタテガイの毒性を調べた結果をみると、ウロに毒性の大部分が集まっており、一部ヒモにある場合もみられるが、肝心の貝柱はいつも無害なのである。[P.29]
  • 人造イクラ(植物性人造食品)[P.37-38]
  • 北欧から輸入したカペリンというシシャモに近い魚の子を用いたコピーカズノコが市場に出回り始めました。[P.41]
  • 偽装キャビア[P.47]
  • ソ連科学アカデミーでは石油酵母から石油タンパクをとり出し、これを利用して人口キャビアを作る技術開発に成功したということです。[P.48]
  • 大豆タンパクの変遷[P.71-73]
  • 豆類と穀類には成長促進物質Pro.Bが含まれている[P.83]
  • 大豆と甲状腺癌[P.84-85]
  • 中でも悪質と思われたのは日本ハム製ハンバーグ。大きく「無添加」と表示してありますが、大豆タンパクやその加水分解物が実際には使用されています。[P.89]
  • 偽装ハム[P.93_96-97]
  • 昭和五二・三年頃、ある大手食肉会社が安い輸入の「はらみ肉」をはり合わせて売り出したのが、成形肉ステーキの元祖とされています。[P.126]
  • マリンビーフ[P.131-135]
  • 家庭用に市販されているホイップ用クリームには、乳脂肪一〇〇%、乳脂肪と植物性脂肪が混じったもの、植物性脂肪一〇〇%のものと三種類もあり、表示もフレッシュホイップ、ニューホイップ、ホイップ(以上雪印)など、ちょっと目には違いがわかりません。[P.139]
  • 紅花油を与えたラットは早死にする[P.149-150]
  • 植物性チーズ(第二のマーガリン)[P.151]
  • 豆乳批判[P.164-165]
  • ある漬物メーカーにパートで働いていた主婦の話しによりますと、糠漬けは、糠床をまったく使わず、一昼夜塩漬けしたキュウリに、さっと乾いた糠をまぶしてすぐ出荷しているということです。[P.176]

スケソウダラの加工工程[P.17]

スケソウダラは比較的、海面より深い所で生息するため、
底引き網を用いて引き上げられ選別されたのち、「浮かぶ工場」と呼ばれる二万数千トンの母船に送られ、
すべて自動化された機械にかけられ、頭・内臓・骨・皮が取り除かれ、身だけが次の工程に送られます。

身はまず清水でさらし、機械ですりつぶし、
魚肉タンパク質の変性を防ぐために、表2に示すような添加物が混入され、
均一に攪拌されたのち、ポリ袋に詰められます。
マイナス三〇度くらいで急速冷凍されたのち、マイナス四五度の冷凍庫にレンガのように積まれます。
そして日本にはこばれて来るのです。
このようにして作られる、すり身を洋上ものと普通呼んでいます。

カニカマボコの歴史・成分・製法[P.19-23]

昭和四八年頃から、ズワイガニのクズ肉に魚肉のすり身を混ぜ合わせ、
カニ足風に成型したカマボコが、大手の漁業会社から発売され大ヒットしました。
これがカニ風味カマボコの最初だと言われています。

その後、カマボコメーカーの㈱スギヨがスケソウダラのすり身だけを用いて、
カニ肉のスティックに似た商品を開発したことがきっかけで
急速にこの分野での生産が増えました。

<中略>

原料は先に述べた(一七ページ参照)洋上冷凍スケソウダラのすり身が用いられています。
まず原料のスケソウダラのすり身の品質が変化しないように
高周波または加熱加圧解凍します。
次にサイレントカッターでペースト状にし、
それに食塩を添加して擂潰ライカイを五分程度行ないます。
そして表4に示したような添加物を加えペースト状のすり身をつくります。

次に裏ごし機にかけて魚のホネなどを取りのぞき、
温度が上がることを防ぐことのできるホッパーに入れます。
さらに、スリットを通してスチールベルトの上に押し出し、
連続的に蒸された後バーナーの炉を通過して焼きます。
焼かれたすり身は冷却され薄いカマボコのシートに変身します。

表4 カニ風味カマボコ標準配合例
冷凍すり身 100kg
食塩 2.7
デン粉 4.0
化学調味料(グルタミン酸ナトリウム) 1.0
グリシン 1~1.5
アラニン 0.5
カニエキス 1~2
カニ香料 1.0
30.0
卵白 10~15

食の科学 No.74 篠山茂行(水産練り製品)より

さらにカニ足の赤身を出すため赤色三号やモナスカラー等で着色*した
すり身を繊維の束の上からはりつけ包装します。

人造イクラ(植物性人造食品)[P.37-38]

実はこのニセ物、今から一七年くらい前に
接着剤の研究をしていた会社が拙者ク剤をカプセルの中に入れる工夫をしていた際に偶然、
イクラとよく似たカプセルができあがり、
これがヒントとなり五年の歳月と五億円もの金をかけて作り出したということです。

<中略>

目玉に相当する部分を作る溶液は、サラダオイルにニンジンエキスなどで着色して作ります。
一方、膜が破れた時に出てくる溶液は、凝固剤でゲル化しにくい、
カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、
アラビアガムなどを含む溶液が用いられています。

また外側の膜は、
テングサなどの海藻から抽出したペクチンやアルギン酸ナトリウムで作られています。
この他に魚の臭いを付けるフレーバーや食用色素なども使用されていますが、
詳しいことは明らかにされていません。

偽装キャビア[P.47]

西ドイツから輸入しているドイツ・キャビアは、
ホウボウの仲間であるランプフィッシュという魚の卵を用いて、
合成着色料で黒く染め、合成保存料を用いて日持ちをよくしています。

また、デンマークから輸入しているデンマーク・キャビアも、ドイツ・キャビアと同じです。
この他に台湾から輸入しているゴールデン・キャビアは、トビウオの卵を用いて作られています。

大豆タンパクの変遷[P.71-73]

大豆タンパクが食用とされるようになったのは、第二次世界大戦後の食糧不足の頃からです。
最初は脱脂大豆を豆腐に使用したのがきっかけで、パンの生産などにも使用されました
(その伝統のせいか大量生産形式の豆腐は今でも脱脂大豆を使用しているものがあります)。
その後、一九六〇年代に入って分離大豆タンパクの生産が始まり、
当時の加工食品ブームにのって少しずつ私達の口に入るようになってきました。

さらに、一九七〇年代になると粒状や繊維状などの組織状大豆タンパクの生産が始まり、
使用範囲も広がってきました。
そして一九七七年の二〇〇海里経済水域の制定による「すり身」資源の減少により、
すり身加工分野にも大豆タンパクが使用されるようになってきたのです。

<中略>

大豆タンパクのトップメーカーである不二製油は、
アメリカのラルストンピュリナ社と技術提携して、高度な加工技術を日本に最初に導入した会社です。
ところが、このラルストンピュリナ社というのは、
飼料やペットフーズ部門で世界「第一」の実績に輝く食品会社。
要するに、大豆タンパクは「エサ」に他ならないことが、この辺からも察しがつくというものです。

<中略>

脱脂大豆の多くは飼料として消費されていますが、それでは売値が安くあまり儲けにならず、
なんとか人間の「エサ」に格上げする必要が製油メーカーとしてはあったわけです。

豆類と穀類には成長促進物質Pro.Bが含まれている[P.83]

大豆にはある種の代謝促進物質が含まれており、
その物質の存在によって効率よく代謝が進み、成長も促進されるというのです。
この物質は Pro.B と呼ばれていますが、試みにこの物質をラットのエサに微少量加え、
加えなかった場合との体重増加率の比較を行ったところ、
二週間後には約五〇%もの成長促進効果が認められたのです。
(食の科学,No.74,1983)

その後の実験で同様の物質が、ソバやトウモロコシなどにもあることがわかってきており、
豆類や穀類に共通の現象らしいのです。

大豆と甲状腺癌[P.84-85]

東北大学農学部の木村修一教授(栄養学)は、
大豆をシロネズミに長期間与えたところシロネズミの甲状腺が大きくはれあがり、
甲状腺腫をつくるケースが多いことに着目し、その原因物質の抽出に取り組んだ結果、
大豆の中に含まれるサポニンが甲状腺肥大の原因物質の一つであることをつきとめました。

さらに同大学抗酸菌研究所の佐藤春朗教授は、シロネズミに出来た甲状腺腫を調査したところ
甲状腺ガンである疑いがきわめて強いことを日本栄養・食糧学会第三〇回総会で発表しています。

大豆の中に含まれている大豆サポニンは抽出が大変困難であるが、
これまでの研究で大豆一〇〇グラム中に〇・三グラム含まれていることがわかっています。
また海草に含まれているヨードが甲状腺肥大症を防ぐことも知られています。

大豆を原料とする味そやしょう油、トウフや納豆を主な蛋白源とする日本人の食生活において、
湯豆腐にはコンブ、納豆には青ノリ、味そ汁にはワカメというように
大豆を用いた料理にはかならず海草が組み合わされ、
大豆による甲状腺ガンを自然にふせいでいたと考えてよいのではないでしょうか。

偽装ハム[P.93_96-97]

プレスハムというのは肉の小片をつなぎを用いてかためたものを原料としています。
しかも普通は豚肉以外にマトン、馬肉、鶏肉、ウサギなどいろいろな肉が使用されており、
魚肉をかなり使用しているものもあります。
またつなぎとして安いひき肉やデンプン、植物タンパクなどが二〇%近くも使用されています。

<中略>

さらにチョップドハムと称する、薄くスライスしてパック詰めしたものが出回っていますが、
これについて品質基準がまったくなく、
デンプンや大豆タンパクなどの植物タンパクをたっぷり入れており、
プレスハムよりもさらに品質の悪いものです。

*   *   *

ボンレスハムやロースハムは日本では高級ハムという印象が強いのですが、
これが本来のハムそのものであったことは前に述べた通りです。
しかし本物指向よりは、
安易に品質を落して「大衆化」するのが美徳と考えられている日本では、
これらの「高級ハム」にも大衆化すなわち低品質化が進行中なのです。

これらのハムは塊肉を使用するので、プレスハムのようなゴマ化しはできません。
そこで登場したのがインジェクション(注入)法というもの、
肉塊にたくさんの針を突き刺し、針先からいろいろなものを注入するものです。

本来のハムの工程では、少なくとも二~三週間は塩漬けにして熟成させるのですが、
インジェクション法の開発により、その工程は大幅に簡略化あるいは省略されました。
つまり、肉の内部に塩、香辛料、調味料、
添加物などの調味液を直接注入することによって人工的に味つけし、
長時間かけてうまみを出す塩漬けの工程を省いてしまったのです。

さらにこのインジェクション法により、大豆タンパクを注入して増量する方法も登場しています。
なにしろこの方法で大豆タンパクを注入すると、あっという間に肉は二倍近くに膨れ上がるという具合。
事実スーパーの特売用などには一・五倍くらいに増量したものも売られているとのこと。
また大豆タンパクの保水性を利用した水ブクレハムも出回っています。

昭和五七年に制定されたハム類のJASでは、従来のもの(上級品)に加えて標準品を設け、
これには植物タンパクなどの異種タンパクを使用してもよいことになりました。
それと同時に、たとえばロースハムの場合、上級では赤身中の水分が七二%以下であるのに対し、
標準品は七五%以下と水ブクレを許容したかたちとなりました。

その上、時間や手間のかかるくん煙さえも行なわないところが増えてきています。
くん煙する代りに、くん液と呼ばれる液体に浸したり、注入したりという方法で、
それらしい香味をつけるのです。しかしこのくん液の正体は不明。
煙の成分が主成分とすると、タール系の物質が含まれているかも知れません。

マリンビーフ[P.131-135]

マリンビーフの正式名称は「魚肉タンパク質食品素材」といういかめしいもの。
それもそのはずで、なんと水産庁の研究機関が開発したという官製コピー食品。

原料になるのは、イワシ、サバ、スケソーなど、
大量にとれる割には「魚」としては消費しきれず、かつ安価な魚。

これらの魚肉から脂肪分と水分を取り除いて乾燥し、二~三ミリの粒状にしたものがマリンビーフ。
色はごく薄い茶色で、水につけて四〇分くらいおくと容積は約五倍になります。
水で膨脹したものは、歯ごたえが畜肉そっくり。
しかも魚臭が抜けて、無味・無臭であるため、加工次第で何にでも化けられるのが特徴。

<中略>

実験によると、マリンビーフを七〇%まで使用したものと、
牛肉一〇〇%のものの歯ごたえはほとんど変わらなかったとのことで、
肉のコピーとしてはなかなか優秀な性能です。

<中略>

価格も一〇〇グラム当り二八円と豚肉や鶏肉よりはるかに安いこともあって、
今後急速に消費が拡大して行く可能性があります。

<中略>

マリンビーフの開発者である、水産庁水産研究所の鈴木たね子氏によると
「利用されずに捨てられたり、エサになっている魚を有効に利用できないか」
とうことが研究のきっかけとのこと。

<中略>

マリンビーフの製造工程そのものに関しては、
「安全性についてよく質問を受けるが、使用する添加物は食塩と重曹だけであり、
エチルアルコール処理によって殺菌され、衛生的でもある」
(鈴木たね子氏)とのことで、安全面にはそう大きな問題はなさそうです。

紅花油を与えたラットは早死にする[P.149-150]

これは国立栄養研究所の山口母子栄養部長が発表したもので、
附飽和脂肪酸を多量に含む紅花油と、飽和脂肪酸のラードでネズミを飼育して両群を比較したところ、
四五週目の生存率はラード率八二%に対して紅花油群は三六%と予想外の結果となりました。

早死にした紅花油群のラットを調べたところ膀胱や腎臓に出血のあとが見られるなど、
血管障害が主な死因と見られています。
この結果から山口部長は「植物油一辺倒は良くない」と警告しています。

植物性チーズ(第二のマーガリン)[P.151]

一〇年ぐらい前からアメリカでは、アナログチーズとかイミテーションチーズの名称で
植物性の原料を用いたチーズが出回り始め結構な人気を集めています。
日本では一般にはまだあまりなじみはありませんが、
数年ほど前からその種のものが製造され始めています。
植物性チーズにはいろいろなタイプのものがありますが、
目下のところ一般的なのは、乳脂肪を植物性脂肪におきかえたタイプのものです。
ところが植物油は液状であるため、乳脂肪のように口に入れるととけるという性質がありません。
そこでチーズと同様の食感を与えるために、
部分的に水素添加した大豆油、ナタネ油などの硬化油を原料としています(マーガリンの項参照)。

豆乳批判[P.164-165]

カルシウムを何からとるかということになると、最もおすすめしたいのが牛乳です。

調整豆乳などにはカルシウムを強化したものもありますが、
量的にも摂取効率の面でも牛乳には及びません。
牛乳中のカルシウムはコロイド状で非常に消化吸収されやすい状態で存在しており、
今後とも日本人にとっては重要なカルシウム源としてとらえて行かなければならない食品の一つです。
とても豆乳などで代用できるものではありません。

<中略>

牛乳とくらべて豆乳のよいところは、植物性脂肪という点だけ。
中年以降の成人病対策としては一定の効果が期待できるかも知れませんが、
牛乳が重要なカルシウム源であることを考えると、
特に発育盛りの年少者には、豆乳よりは牛乳を飲むことをすすめます。

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