バベルの図書館

書籍と雑誌の要約と解説

それでも化粧したい貴女に

素肌はそのままで美しい

装丁
それでも化粧したい貴女に それでも化粧したい貴女に
橋本田鶴子(東京化粧品被害を考える会)
三一書房
ISBN4-380-82238-9
1982/12/15
¥1000
目次
  1. 化粧品皮膚炎について
    1. 洗顔後のつっぱりはどうして?
    2. 使用をやめると痛む
    3. 素肌のままで外出できますか
    4. 子どもの肌あれ
    5. おむつカブレ
    6. 中・高校生と化粧品
    7. 男性の肌と比べてみましょう
  2. ニキビ対策「八章」
    1. 早く治すためにはよく洗うこと
    2. 何も塗らないこと
    3. 洗顔の心得
    4. せっけん洗顔
    5. 甘いものを控へ野菜を多く
    6. ニキビダニについて
    7. 心因性のニキビもある
    8. ニキビ薬はどうでしょうか?
  3. カブレにご用心
    1. 化粧品カブレと医者の責任
    2. 接触性皮膚炎
    3. アレルギー性皮膚炎
    4. ヘヤダイのカブレは?
    5. パッチテストとは?
    6. ステロイド皮膚炎に要注意!
  4. たいていのシミは治ります
    1. 化粧品のシミ
    2. 「肝斑」とは「シミ」のことです
    3. 治るシミ
    4. 治りにくいシミ
  5. 髪の手入れ
    1. 髪の毛をいためるもの
    2. 薄毛と禿の原因は?
    3. 男性の禿についての考察
    4. 髪にもノーメイク
    5. 髪油は椿油かオリーブ油が素敵です
    6. 海水浴には植物油を塗って行く
  6. ノーメイクのすすめ
    1. ノーメイクとはなんでしょうか?
    2. 化粧品をやめればそれでよいのです
    3. “シミ取り”治療にひっかかってはダメ
    4. ノーメイクで水洗い
    5. 身のまわりから香料を遠ざける
    6. せっけん・シャンプー
    7. がまんがまん……
    8. 紫外線をじょうずにさける
    9. 気分の転換も大切です
    10. 外出のとき美しくみせるには
  7. あぶない化粧品あれやこれや
    1. 化粧水ぐらいは……?
    2. クリーム、乳液は?
    3. ファンデーション
    4. 口紅、アイシャドウその他
    5. 化粧品も成分表示すべきです
    6. 流行の「自然化粧品」もダメ
  8. それでもお化粧したい人のために
    1. 素肌を若々しく保ちたい人
    2. 素肌がきたないので美しくしたい人
    3. 勤務先で化粧していないと注意される人
    4. 夜の接客業でどうしても必要な人
    5. 和服で化粧しないと“映えない”と思う人
    6. みんな化粧するから自分もしたい人
    7. 化粧品のマネキンをやっている人
    8. 先天性のアザを隠したい人
    9. たまに変身したい人
    10. 化粧で少しでもよくみせたい人
  9. それでもお化粧したい人のために
    1. 政治とのユ着とかけひき
    2. 被害と交渉の進め方
    3. 化粧品の使用歴を証明すること
    4. 慰謝料および保証金の金額は?
    5. 交渉の解決と意義は?
    6. これからメーカーと交渉する人へ
文献
  1. 『毎日新聞・夕刊』「大迷惑!キャッチセールス」1982年4月9日[P.35]
  2. 『読売新聞・西部版』「シーボンのキャッチセールス初逮捕」1981年4月11日[P.37]
  3. 『毎日新聞』「シーボン化粧品会社を愛知県警・強制捜査」1982年5月31日[P.38]
  4. 『日本消費経済新聞』[P.99-100]
  5. 『朝日新聞』1982年9月6日[P.103]
  6. NHK『化粧品―肌への衝撃』[P.120]
  7. 西岡一『化粧品毒性テーブル』[P.152]
  8. 国民生活センター『危害情報報告』[P.170]
  9. 『週刊新潮』1982年1月14日[P.187]
  10. 『消費者リポート№415』[P.202-203]

内容

  • ニキビが治らない人の場合、たいてい油分の多い化粧品をベタベタ塗っているようです。[P.47]
  • 最近は、せっけんを使わず、クレンジングクリームやコールドクリームで拭き取るだけの“洗顔(!?)”をする女性が多くなり、このニキビダニが増えているようです。[P.57]
  • 脱毛症頭蓋成長仮説[P.102-104]
  • 「東京化粧品被害を考える会」の会員たちや、相談を寄せられた人々はみな、ノーメイクでトラブルを解消してきました。[P.116]
  • 橋本田鶴子の経験則によるシミが治るまでの所要期間[P.121]
  • 会の仲間の若い主婦、Yさんは日曜大工の壁塗りした後に近づくと頬がムズムズしてかゆくなるといっていました。[P.128]
  • 化粧品の使用を中止した時に起きる症状[P.135-137]
  • よく私のところに電話相談を寄せられる方のなかにも、化粧品で顔が黒くなってからは、医者に行く日以外は外にでたことがないということでした。[P.145]
  • 病気勝ちで外出できない人や、長期間の入院生活をしている人、または、長く刑務所暮しをした人は、肌がとてもきれいになることは知られています。[P.145]
  • ビタミンCでシミのとれた人はいません。[P.171]
  • 某中堅化粧品会社広報部長は医者と化粧品会社が癒着していると証言する[P.184]
  • 大阪化粧品公害裁判原告・鳥帽子田*子[P.186-187]
  • 東京化粧品被害を考える会[P.197-201]
  • 冬センターによっては、いったい被害者をどう思っているのかと疑いたくなるような高圧的態度で接し、被害者を憤慨させるところも少なくありません。[P.205]
  • 化粧品裁判における最大の障害は被害者の夫[P.214-216]

脱毛症頭蓋成長仮説[P.102-104]

皮膚の成長は、二十代でおとろえ三十歳くらいで止まってしまいます。

しかし、遺伝的にホルモンの関係で、頭蓋骨は成長し続けます。
禿げている状態をよく見ますと、
その部分の骨が特別出っぱっているのがよくわかります。

皮膚の成長が止まって、中の頭蓋骨だけが発育すれば、
物理的に皮膚は引っぱられつっぱってきます。
そこで毛根部の機能もおとろえてくる、
つまり、住むところがなくなってしまうので、
毛が無くなってくるというわけです。
この説は、あまり聞いたことがないでしょう。

私もこれを聞いたのは実をいいますと、
終戦当時の女学校の生物の先生から聞いただけです。

橋本田鶴子の経験則によるシミが治るまでの所要期間[P.121]

小さなシミを発見してすぐに化粧品の使用を中止すれば、
はやければ一週間、ふつうの人で一、二ヵ月で消えます。

何年も過ぎたものは、化粧をやめてニ、三ヵ月で急に薄くなり、
あとはじょじょに消えて目立たなくなります。
さらに、ニ、三年でほとんど見えなくなります。
ただし、途中で化粧をしたり、薬を塗ったりすればそれだけ治る日数もよけいかかります。

治りにくいシミは、“治療”のつもりで種々の刺激をあたえてしまったケースです。
逆に治りをおくらせてしまっているのでなかなか治らないのです。

また、肌のきめが非常にこまかくて、
汗もほとんどかかないタイプの人も治りがおそいようです。
ニ、三ヵ月過ぎても何の変化も現われなくても、
あせらずに待てばじょじょにとれはじめる時期が必ずきます。
私に被害を訴えてきた人で
三年目に少し薄くなり始め五年目に完全に消えた人もいるのですから。

化粧品の使用を中止した時に起きる症状[P.135-137]

化粧品の使用をやめるとさまざまな症状があらわれます。
これは化粧品で肌を荒らしてきた後遺症といえます。

赤くなって痛むのは、シミのある人のほとんどにおこります。
化粧品を使い過ぎた人、マッサージ、
ブラシ洗顔さらに顔ソリ等をした人ほど痛みも長く続きます。
なかには四、五年たってもお天気のよい日に外出したり、
日あたりのよい部屋やストーブのある部屋にいるのがつらい人もいます。

一ヵ月目ぐらいから口のまわりや頬などにかけて細かいフケのようなものが出てきます。

皮膚の表面の角質細胞がはがれ落ちるためです。
頭のフケと同じものですから心配はいりません。
これは、表皮細胞が生まれかわっているというしるしです。
たくさん出るかたは、汚い顔になりますから、外出する時などは、
オリーブ油や白色ワセリンを少し塗れば目立たなくなります。

これは基礎化粧品で皮脂膜がとれ、ふやけた皮膚が乾燥してはがれ落ちてくるためです。
むりにとろうとしてせっけん洗いでこすったり、
中にはカミソリでけずる(!)人さえいますが、こんなことは絶対に禁もつです。

カユミのでる人もあります。
全体に赤くなってカサついたりカユイときは、水洗いだけで我慢します。
頬などところどころが赤くなってカユイ場合でも、
せっけん洗いは、かるーく寝る前に洗うていど。

それでも肌がカサついたり痛んだり、あるいはかゆかったりする場合は、
皮脂腺からの皮脂の分泌が、洗顔においつかないのですから、水洗い洗顔もやめます。
朝起きたら洗顔のかわりにオシボリで眼と口のまわりをそっとぬぐうていどにします。

大阪化粧品公害裁判原告・鳥帽子田*子[P.186-187]

「四十八年の夏に、サンローション(五百円)というのを使ったのですが、
途端に、顔がひりひりしてほおが赤くなってしまった」
「驚いて、買った化粧品店に行くと、
別のクリームを勧めてくれたので、それを使い始めた。
ところが今度は、赤くなった所がしみになってしまいました。
そして、それからはしみを隠すファンデーションを断続的に塗ることになりました。
しみが多くなるので、ファンデーションを広げるため、ますますしみになってしまう。
五十一年の十一月には、もう、しみではなく、ほお全体が黒くなってしまいました。
メーカーに苦情をいうとマッサージ用クリームと、軟こうを持ってきたが、
それを使うと、黒さは増すばかり。
主人(高校の教師)は、あのクリームを塗ったのがいけないんじゃないかといい出し、
私のほうは、あんたが濡れといったから塗ったのよ、と大ゲンカになってしまって……。
そんな顔で人前に出られないぞとまで主人は申しましてね、
で、五十二年の一月ごろから別居生活になってしまいました。
本当に、一番ひどい時は、何度、首をくくって死のうと考えたか……。
でも、いつも、こんな顔じゃ死ぬに死ねないと思ったものでした。
首を切って、別の首と取り替えたいと心底思いましたね」
香椎化学工業の化粧品で黒皮症になった大阪化粧品公害裁判の原告の一人、
鳥帽子田*子さん(四八)

東京化粧品被害を考える会[P.197-201]

私たち「考える会」は、厚生省、国会、東京都薬務局、
公正取引委員会など化粧品被害に関連があると思われる役所に、
話し合いを求めてきました。

東京都および公取委には電話の段階で、
権限外であり、厚生省の仕事だと断わられました。
しかし、電話の役人は、個人的にはと念をおして
「化粧品は肌にとって異物であり、塩水をぬっても、砂糖水をぬっても
毎日塗れば異常が出ることはあたり前と思うし
私の家内もいっさい使って居りません」と、はっきり言ったのです。
その後こうつけたしました。
「しかし、害があるからといって、強制的に取り締まることは、
この社会をまた戦前のような状態にもどすことになり、
役所が取り上げることではありません。
あなたがたの御苦労はわかりますが、頑張って下さい……。」
東京都と公取委双方ともまったく口を合わせたような担当者の返事でした。

一九七八年一〇月一八日化粧品メーカー、工業会との対話集会の席で、
メーカー代表の社員から「化粧品は、全部、厚生省の許可を受けて、
きちんと安全だと認められているので、苦情があれば、厚生省にいって下さい」
といわれました。

<中略>

一九七八年十一月一日のことです。

一行十人ほどは、守衛に突けんどんに、
しかも私たちが、爆弾でも持って行ったように扱われ、
中庭の、廃墟のような建物に通されました。
女性ばかりの中に男性は日本消費者連盟のスタッフと取材記者の方二人だけの訪問なのに……。
私たちは化粧品の話をしに行ってあげたのだから、
表の大きな建物の大臣室の隣りあたりの部屋で、静かに話したかったのです。

国民の身体に害を与えないための話し合いなのに、
なぜかテレビカメラが同行したのを気にして、「合わない」といい出す始末。
しかも結局は、○○補佐、○○補佐ばかりの、話せないロボットに、
真面目に話をするというマンガを演じただけの、おそまつさでした。

化粧品裁判における最大の障害は被害者の夫[P.214-216]

被害者が百人いたとして御主人が、理解し、応援してくれる人は、一人いるかどうかでしょう。
妻が化粧品で顔が黒くなって、
メーカーと損害賠償の交渉をしているのが人に知れたら仕事に差しつかえるというのです。

被害を受けた女性はメーカーに責任をとらせたいと思っているのに、
「夫が反対するので残念ですが参加できません、どうか私の分も頑張ってください」、
といわれると暗澹アンタンとした気分になってしまいます。
「考える会」に参加した人たちも、最後まで夫に秘密でとおした主婦が何人かいました。

ここでまた日本女性の意識を考えさせられてしまいます。
今の社会に生きていく女性としてはちょっとは、自分の立場が悲しくならないものでしょうか。

あなたは、どうお感じになりますか?

家庭内では、主婦の立場とか、母親の立場はことに強くなっているように見えます。
夫の給料はぜんぶ妻が管理し、買物や趣味にお金を使ったり、
おしゃれや、化粧品に相当な出費をしていても、
夫はむしろ、なんでも自由にやって、きれいにしているのを喜ぶという人が多いのです。
ところが、さて夫に喜ばれていたはずの化粧日で顔がきたなくなって、
メーカーに苦情をいおうとすると、「やめろ」といわれるのだそうです。

理由はいろいろで、まず多いのは、主人が公務員だから立場上困る。
一流企業の相当な地位にいるのでまずい。
といったぐあいですが、自家営業の人でも同じですから、
本当は職業には関係ないのでしょう。

また、夫が応援してくれるという人も職業はまったくいろいろです。
まず二十代の若い人は、ご主人も一緒に心配してくれるとうのが普通で、
中には私のもとへの電話も一緒に相談しながらかけてくるような人もあります。
しかし化粧品の被害は、二十代の人には重症者は少ないのです。
三十代後半から被害も大きくなるのですが、
理解のある家庭はやはり、夫が妻の気持をくんで、
一緒に心配してくれているからでしょう。

反対する夫から、
「お前の顔はもともときたないのに、無理にいろいろな化粧をするからだ」、とか、
「おれがいいっていっているのだから、
お前はそのきたない顔で、もうぜったいに外にでるな」
という言葉を投げつけられた胸の内は察するに余りあります。

その反対に「君の肌はもとはそんなではなかったのに、やっぱり化粧品にだまされて、
こんなにされたのだから、気が済むまでやりなさい。」
そういって励ましてくれる夫たちもいるんです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です