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書籍と雑誌の要約と解説

川畑式元気の素カルシウム健康法

肩こり・腰痛・慢性病・成人病をはね返す

装丁
川畑式元気の素カルシウム健康法 川畑式元気の素カルシウム健康法
川畑愛義(京都大学名誉教授)
光文社(KAPPA HOMES)
ISBN4-334-05100-6
C0277
1984/07/31
¥770
解説
栄養を完全にして長寿を全うするために
食糧産業研究所所長九十歳の青年 川島四郎

これまでにカルシウムの栄養に関する著書はたくさん世に出ているが、
さすがに川畑先生のこの著書は素晴しく、
良書などといった平凡な表現ではいい表わしがたく、まさに快著というべきである。

過去における内外のカルシウム研究者の実績をことごとく渉猟し、
しかも自身実行されて矍鑠八十歳の高齢の健体を示されている点に、
所説に真実性があり、それだけに説得力が強い。

だれもが知る骨や歯の問題からさらに深く研究のメスを入れて、
腰痛、肩のこり、精神におよぼす影響に至るまで生物学的な機序がこと細かに説かれている。

近来、日本人の食生活が裕福になって、
その栄養素の摂取は、ほぼ充足されているが、
ただひとつ必要量に充たないものがある。
それは、カルシウムなのである。
この著書は、そこを衝いている。

目次
  1. なぜいまカルシウムなのか
  2. カルシウム効果のメカニズム
  3. 成人病をはね返すカルシウム・パワー
    1. 高血圧症をカルシウムで克服する
    2. 肥満の悩みをカルシウムで解消する
    3. 糖尿病をカルシウムで撃退する
  4. ガンをも寄せつけぬカルシウム効果
    1. ガン発生のメカニズム
    2. カルシウムがガンを予防する
    3. ガンを予防する食事法
    4. 川畑式ガン予防の七ヵ条
  5. おいしいカルシウム・クッキング
校正
  • 重い成人病のような病い[P.12]

内容

  • 私の調査でも、一〇〇人のうち七四人までがカルシウム不足という結果がでています。[P.4]
  • 茨城県民2000名を対象にした不定愁訴調査[P.12-13_24]
  • 大学生1200名を対象にした不定愁訴調査[P.13_24]
  • カルシウムの働きを抑制する薬を大量に投与しますと、筋肉はけいれんします。[P.18]
  • 血液が酸性に傾くと、中和するために、人体はカルシウムを放出させ、水素イオン濃度を調節するのです。[P.19]
  • カルシウムは痛覚も司る[P.19]
  • カルシウムは高血圧の予防にも、治療にも、たいへん役立っています。[P.20]
  • カルシウム・イオンが不足すると、動脈にカルシウムやほかのミネラルや、コレステロールなどがたまり、硬化が起こりやすくなります。[P.20-21]
  • 「自然(老衰)死をとげた人を、自分はまだ一人としてみたことがない」カナダの内分泌学者、ハンス・セリエの言葉です。[P.28]
  • 「健康とは、自分の体を意識しない状態である」と、かの哲学者ニーチェは明言しています。[P.32]
  • 大手商社720名を対象にした不定愁訴調査[P.32-33]
  • 近ごろ、内科を訪れる患者さんのうち、約四〇パーセントまでが、心身症、もしくはうつ病に近い症状に悩まされています。[P.33]
  • 「人は自然から遠ざかるほど、病気に近づく」。ギリシャの医聖、ヒポクラテスの言葉です。[P.39]
  • 「朝からあくび、背中ぐにゃぐにゃ、朝礼バターン」最近の子どもたちを皮肉ってながめた生きざまです。[P.48]
  • 運動しないと骨が弱くなる[P.49-50]
  • 妊産婦の食物中のカルシウムが少ないと、胎児にカルシウムを与えるため、彼女らは、みずからの骨を溶かし出して、第二世のために分かち与えます。[P.68]
  • カルシウム不足がつづくと、骨のカルシウムはどんどん溶け、骨質は薄弱となり、やがて腰痛、関節痛などを訴えるようになり、ひどいときには背骨が曲がってしまうことさえあるのです。[P.69]
  • 心臓の動力源はカルシウムとカリウム[P.75]
  • カルシウムの抗菌作用[P.78-79]
  • コーラ安全説[P.81-82]
  • カルシウムの降圧効果[P.99-100]
  • 酵素の働きが鈍り血液中のカルシウムの濃度が減退すると、インスリンの分泌は低下してくるのです。[P.137-138]
  • 添加漬物を支持する消費者[P.163]
  • その名古屋大学の勝沼清蔵教授によると、妊娠の初期において妊婦の栄養が悪く、とくにカルシウムとリンと鉄のミネラルが欠乏した場合、脳の小さな小脳児が多く誕生するという恐るべき研究結果を発表しています。[P.180]
  • カルシウムは虫歯の発生率を減少させる[P.180-181]

茨城県民2000名を対象にした不定愁訴調査[P.12-13_24]

重い成人病のような病いを患っていないからといって、
あなたの健康状態は申し分なし、と、満足しきれるでしょうか。
あんがい、みおとされている症状。
それを、忘れてはいませんか。

その代表的な症状が、
筑波大学の国民体力特別研究プロジェクト・チームにより、明らかにされました。
茨城県下の住民、約二〇〇〇人近くについて調査したところ、
別表(一五ページ)に挙げたとおり、注目すべき結果が浮かび上がったのです。

日ごろ、どんな症状を覚えるか。
その内訳は女性の場合、第一位が肩凝り腰痛
ついで疲れやすい、だるい、と訴えました。

男性もおおむね同様です。
腰痛が第一位、疲労感が第二位、肩凝りが第三位を占めています。

次に、それらの割合をみますと、女性の約半数以上が肩凝り、腰痛のような不調に悩んでいます。
男性ですと、腰の痛みが過半数近く認められます。

以上の結果は、職種を問いません。
平均年齢は、およそ三五歳です。

≪中略≫

次に情緒面、精神面からみますと、住民の場合、
イライラすると訴えた人が男性で二二パーセント、女性には二八パーセントもいました。

大学生1200名を対象にした不定愁訴調査[P.13_24]

肩凝り、腰痛は何も熟年層の専売特許ではありません。
三〇代。いや二〇代でも、腰痛などのために、病院を訪れる例はきわめて日常的なことです。
現に、大学生一二〇〇名を対象に、私がアンケート調査をしたところでは、
やはり同じような訴えがみられました。
男女の差はほとんどなく、第一位が肩凝り(三八パーセント)。
第二位が疲労感(三六パーセント)でした。

≪中略≫

神経が「イライラする、落ち着かない」が、三一パーセントにものぼりました。

*   *   *

睡眠時間からスポーツなどの娯楽まで多岐にわたって調べた結果、
とくに栄養のアンバランスがきわだっていました。
なかでも、いちばん不足していた栄養素は、やはりカルシウムだったのです。
そこで、カルシウムを中心とした食生活をすすめたところ、
ひどかった肩凝り、だるさ、イライラが治ったものは、約六〇パーセントにのぼりました。

カルシウムは痛覚も司る[P.19]

カルシウムが足りないと、痛みをいっそう強く感じるようにもなります。
筋肉などに分布する知覚神経が、カルシウム不足によって、過敏になるせいです。
知覚神経は、痛いと感ずる感覚、痛覚をコントロールします。
その知覚神経が鋭敏になれば、とうぜん痛みも感じやすくなるのです。

大手商社員720名を対象にした不定愁訴調査[P.32-33]

医者にかからなかったとはいえ、なんらかの不調に悩んだことが、少なからずあるはずです。
私どもの調査が、それを立証します。

某大手商社の男女社員、約七二〇人について調べたところ、
じつにいろいろな症状群が浮かび上がってきました。
結果は、以下のとおりです。

①体がだるい――三九パーセント
②肩や背中などが凝りやすい――三三パーセント
③疲れやすい――三二パーセント
④気分がすぐれない――二八パーセント
⑤便秘がちだ――二八パーセント
⑥イライラする――二七パーセント
⑦頭痛がする――一九パーセント
⑧太りやすい――一七パーセント
⑨頭がすっきりせず、ぼんやりしてくる――一六パーセント
⑩腰や、体のふしぶしが痛む――パーセント
⑪寝つきが悪い――一三パーセント
⑫めまいがする――一二パーセント
⑬下痢をしやすい――七パーセント
⑭目がかすむ――五パーセント

なかには、三つ以上、症状を挙げた人も認められました。
何ともない、元気だ、という健康人は、たかだか五七パーセントにすぎません。
この豊かな時代に、ほぼ二人に一人は、体や心の異状を訴えているのです。

運動しないと骨が弱くなる[P.49-50]

運動不足が、骨を弱くする。
このことを証明する格好の例があります。
スペースシャトルに乗りこんだアメリカの宇宙飛行士たちがそれです。
無情力状態におかれたパイロットたちは、体を支える必要がありませんから、
空中を泳いだりして、いかにも身軽な様子です。

ところが、骨の損傷はひどいものです。
帰還後、X線などを使い、骨を調べてみると、
骨の成分であるカルシウムが、だいぶへっていました。
失った分は、尿中に出され、その含有量はぐんと増加していたのです。
また、ネズミにやわらかい流動食ばかり食べさせると、
あご骨や咬む筋肉や舌の筋肉が退化していく徴候がみられたという報告が、
鹿児島大学歯学部のグループからなされています。

心臓の動力源はカルシウムとカリウム[P.75]

カルシウムの効用をもっとも端的に証明したのが、ウサギを使った実験です。

まず、ウサギの心臓を生体からとり出し、
カルシウムのない生理的食塩水(リンゲル液)を注流させると、
心臓はまたたくまに拡張したままで拍動を停止してしまいます。

次に、カルシウムではなく、カリウムを欠いたリンゲル液を注流させます。
すると、やはり心臓は拍動をやめますが、心臓は拡張せず、収縮したままの姿です。
心臓の収縮にはカルシウムが、拡張にはカリウムが絶対必要なのです。
両者が調和すれば、心臓というエンジンは全開し、力強く能率的に活動しはじめます。

話は少し深刻になります。
病人の臨終が近づき、心臓の鼓動が次第にか弱く、細くなっていくとき、
医者は最後の努力としてほかの強心剤とともに、
カルシウム注射を行なうのは、きわめて平常的なやり方です。
このカルシウムの心筋活動に対する薬効は、
今日なおほとんどの医者たちが認めるところです。

カルシウムの抗菌作用[P.78-79]

その昔、結核は不治の病いであったのが、現在では、
結核予防ワクチンのBCGなどのおかげで、かかる率はぐんと低下しました。

それに、抗生物質・ストレプトマイシンの開発があります。
この二つが出現したことで、結核はいまや軽い病気、といえるほどになったのです。

こうなるまでには、カルシウムが大いに助力していました。
ストレプトマイシンが生まれる以前、
結核はリンパ性結核、肺炎カタルなどと呼ばれていたものです。

その時代の治療法といえば、主としてカルシウム剤を与えることでした。
今日の治療医学からみても、きわめて妥当な処置だったといえましょう。

なぜなら、カルシウムは、まず病巣での菌の活動を抑え込み、
組織が破壊されることを食い止めたからです。
そればかりではありません。
結核菌が生産する毒素に対し、働きが弱まるよう働いてもくれました。

コーラ安全説[P.81-82]

コーラのような甘い飲み物の糖分が血液に吸収されて、酸血症を起こし、
そのために歯のカルシウムを溶かしてしまうという説があります。
これは事実無根です。
歯のエナメル質、象牙質ともそれを組み立てているカルシウムが、
酸性の血液のために奪われることはありません。
エナメル質などに血管もリンパ管もいっていないからです。
いわば死んだ組織なのです。

コーラなどの炭酸飲料は、ほかにもムシ歯の原因になるとみなされ、矢面に立たされがちです。
はたして、徹底的に目の敵にすべき食品なのでしょうか。

日本人の食物から摂取するリンは、一日平均およそ一三〇〇ミリグラムとされています。
これに対して、炭酸飲料には、一本につき約三二ミリグラムのリンが含まれています。
一日に四本飲んでも、一日のリンの摂取量の一〇分の一にも達しません。

食物として酸性食品である(pHニ・八)こと、砂糖を含む点(一本に約二〇グラム)は、
事実として指摘されてよいでしょうが、それとても、
骨を弱くしたりムシ歯の原因という過大不当の非難は、問題になるでしょう。

カルシウムの降圧効果[P.99-100]

ジョンズ・ポプキンズ大学医学部助教授のJ・ビラー博士らの研究によると、
一日一グラム(一〇〇〇ミリグラム)のカルシウムを投与しただけで、血圧が低下したそうです。
最大血圧は、女性の場合は約六パーセント、男性は約九パーセントも低くなりました。
しかも、その効果は女性では、九週間後に、男性では、六週間たらずで現われたのです。

さらに、コーネル大学高血圧センター内科助教授のローレンス・レスニク博士らは、
カルシウムの補強で高血圧症の患者さんを治療しました。

同博士によると、カルシウムの降圧効果は偶然に起こったものとは認めがたく、
将来、高血圧症治療にカルシウムがもちいられるにちがいないということです。

博士はこう語っています。

「私の臨床結果では、
患者のうち半数から三分の二のものに、カルシウム降下が認められました。
血圧は、下がったのです。

しかも、カルシウムには副作用がまったくありません。
服用のさい、問題になるのは、腎臓に蓚酸カルシウム結石を生ずる傾向のある人たちだけです。
しかし、そういう人はごく少数にすぎません。

アメリカでは、最近まで、
カルシウムが高血圧によい影響を及ぼすなどと考える研究者は、ほとんどいませんでした。
私、そしてマサチューセッツ州のフラミンガム心臓研究所の所長
W・カステリ博士らが先鞭をつけたといってよいでしょう。

カルシウムの降圧効果は朗報です」

WHO(世界保健機構)のJ・ベリザンは、成人に対する人体実験の結果、
カルシウムが血圧の低圧の低下作用のあることを確かめました。

カルシウム五〇〇ミリグラムを含む通常食を摂っていたものに対し、
Aグループには一〇〇〇ミリグラムのカルシウムを毎日追加して与えたところ、
これを加えなかったBグループに対し、最少血圧が男女とも明らかに低下したというのです。

添加漬物を支持する消費者[P.163]

私の京大時代のこと、某日、ある漬け物屋が来て見栄をよくするためだけの着色、
着味の添加をやめたいから推奨してくれというので、私は即座にOKしました。
ところが、彼の良心をお客さんたちは、ほとんど顧みてくれなかったとのことです。

カルシウムは虫歯の発生率を減少させる[P.180-181]

岡山県の学校保健会長本城明朗博士の調査によれば、
妊婦に一日〇・四~〇・六グラムのカルシウムを与えておくと、
生後一、二歳の幼児のムシ歯発生率は、かなり減少低下します。
いつものように食事していた母親から生まれた子どものムシ歯発生率は三三パーセント。
これに対し、カルシウムを服用していた母親から生まれた子は、
その半分以下の一三パーセントにすぎなかったのです。

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