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書籍と雑誌の要約と解説

サラダ油が脳を殺す

「錆び」から身体を守る

装丁
サラダ油が脳を殺す サラダ油が脳を殺す 「錆び」から身体を守る
山嶋哲盛
河出書房新社
ISBN4-309-25269-8
2012/08/20
¥1429
目次
  1. サラダ油が脳を殺すメカニズム
    1. 神経細胞はゆっくり死んでいく
      1. ヒトの神経細胞死は枯死ではなく壊死
      2. 膜が破裂すると神経細胞は死ぬ
      3. サラダ油こそ、神経細胞死の原因
    2. 酸化ストレスが細胞を錆びさせる
      1. 酸化ストレスを生む活性酸素という<毒>
      2. 脂肪の錆びが新たな錆びをもたらす悪循環
      3. 工場ばい煙と排ガスも錆びの原因
      4. 避けられないものがあるからこそ、避けられるものは避ける
    3. 大人になっても新しい神経細胞はできる
      1. 脳科学の常識を覆したネズミの実験データ
      2. 質の良いあぶらを摂れば、高性能の神経細胞ができる
      3. 新たに生まれた神経細胞が「うつ」を防ぐ
    4. 身体に欠かせない「多価不飽和脂肪酸」
      1. 炎症を<誘発>するオメガ6系と<鎮める>オメガ3系
      2. 毒にも薬にもなるアラキドン酸
      3. 心の病の増加は、食生活の変化が原因
      4. 血液をサラサラにし、うつを予防するピューファー
      5. ピューファーが新生神経細胞の機能を高める
    5. サラダ油こそ脳の錆びの元凶
      1. サラダ油が生み出す<炎症仲介者>
      2. サラダ油には最初から二種類の<毒>が含まれている
    6. もの忘れと油の深い関係
      1. もの忘れの原因は「接合部」の錆び
      2. 「サラダ油はコレステロールを下げるから身体に良い」はウソ
      3. マーガリンはサラダ油から作られる食用プラスチック
      4. トランス脂肪酸は百害あって一利なし
  2. <記憶の管制塔>海馬の周りは危険がいっぱい
    1. 血管の老化は脳の錆びに直結する
      1. 神経細胞を粗末にすると脳が縮む
      2. 脳動脈硬化対策が脳の老化を遅らせる
      3. 肥満を防ぐには、三つの<C>を減らす
      4. 目の血管を見れば脳の血管の老化度がわかる
    2. 記憶の重要なカギを握る「海馬」
      1. チューナー兼アンプの役割を果たす海馬
      2. ロンドンのタクシー運転手の海馬は大きい!?
      3. 血流が一〇分途絶えるだけで海馬の神経細胞は全滅する!
      4. 脳の血流が低下すると、新しいことが覚えられなくなる
      5. 海馬の脳挫傷は高次脳機能障害をきたす
      6. 海馬の軽度萎縮はCTスキャンではわからない
      7. 記憶障害に効果を発揮する「DHA」と「アラキドン酸」
    3. こんな人は認知症になりやすい
      1. 原因不明の炎症はアルツハイマー病のサイン
      2. アルツハイマー病になりやすい一〇のリスクファクター
  3. 脳を生かすも殺すも食用油次第
    1. 食用油を替えて心の病を治す
      1. なぜ、若者に心の病が増えているのか
      2. 油の種類を替えるだけでうつが治った
    2. 脳を育て、守ってくれる「魚油」
      1. 魚油を摂れば脳血管系の病気は減る
      2. コレステロールだけでなく神経細胞まで減らすリノール酸
    3. 脳にやさしい食用油はこれだ
      1. 食用油は野菜と魚と同じ「生鮮食品」と思え
      2. 二度の熱処理がサラダ油を<毒>にする
      3. 熱して使うならオリーブ油か胡麻油を
      4. 揚げ物は少量の油で。使い回しは厳禁
      5. 揚げ物にお勧めするのは「米油」。しかも、できれば高価なものを
      6. 異なる種類の油を使い分けておいしく食べる
    4. 抗酸化物質を味方にして酸化ストレスとの戦いに勝つ
      1. 抗酸化物質の王様・アスタキサンチン
      2. サプリメントならアスタキサンチンを効率よく摂れる
      3. 食品添加物も細胞を錆びさせる
    5. 魚由来の健康食品で脳を活性化させる
      1. 魚の臭いを消した魚油入りヨーグルト
      2. 効果を知るために定期的にテストを受ける
    6. インドカレーでアルツハイマー病を予防する
      1. 発病前に治す=予防が漢方医学の基本
      2. インドの高齢者の認知症患者はアメリカの四分の一
      3. 強力な抗酸化作用を持つ色素・クルクミン
    7. 質の高い油と抗酸化物質で脳を守る
      1. 正しい知識を身につけて悪い油を見抜け
      2. 家族の脳を守るために油への投資を惜しまない
  4. 脳を守るために今すぐできること
    1. 不眠は生活パターンの改善で克服できる
      1. 睡眠薬を飲むと記憶力が落ちる
      2. 睡眠剤を出し続ける医者はお勧めできない
    2. アルツハイマー病への対処法
      1. 加齢が海馬を集中的に攻撃する
      2. 進行を遅らせるための一〇の方法
      3. 「アルツハイマー病の<真犯人>はサラダ油」のもう一つの根拠
    3. アルツハイマー病の早期治療のために超早期診断を
      1. ごく初期でも発症がわかる「FDG-PET」
      2. 超早期診断ができれば、病気の感性を五年先に延ばせる
    4. 認知症は、ビタミン剤と趣味の組み合わせで予防する
      1. ビタミンB6は目薬として摂取するのが効果的
      2. 趣味とチャレンジで脳を刺激する
    5. 脳トレにボケ防止効果はあるか?
      1. 「脳トレで知的能力は高まらない」の衝撃
      2. 脳力は数ヵ月かけないと鍛えられない
      3. 海馬を活性化させる「脳トレカフェ」
    6. 一生の「こだわり」がボケを防ぐ
      1. 定年を機に山暮らしを始めたUさんの場合
      2. 「他人にできないことができる」ことによる効果
    7. 身体も脳も鍛えられる畑での野菜作り
      1. 定年が近づいたら「晴耕雨読」の準備を
      2. 自分で育てた野菜を味わうという贅沢
文献
  • 山田豊文『病気がイヤなら「油」を変えなさい』
  • 奥山治美『薬でなおらない成人病(生活習慣病)』
  • 山嶋哲盛『あなたの脳が危ない』

内容

  1. サラダ油が脳細胞を破壊するメカニズム[P.5-9_23-26_28-29]
  2. オメガ6系対オメガ3系の食用油の摂取比率として、
    従来、厚生労働省では「四:一」、日本脂質栄養学会は「二:一」を推奨してきました。
    しかし、私は「一:一」をお勧めします(詳しくは第三章で触れます)。[P.51]
  3. シナプス膜は、良質の油で塗り替えれば二、三カ月で若返り、
    神経細胞のネットワーク機能はかなり回復します
    。[P.66]
  4. クッキー作りでは風味を出すのに五パーセントのみバターを使うものの、
    残りの九五パーセントはショートニングを用いることで
    製造コストを抑えています。[P.69]
  5. バターも三〇分加熱すると、大豆油やコーン油の三分の一程度のヒドロキシノネナールを産生し、
    三時間の加熱ではその産生率が二分の一程度まで上昇してしまいます
    (一一九ページの図版参照)。[P.73-74]
  6. 記憶障害に対するPUFA臨床試験(山嶋哲盛)[P.110-112]
  7. 日本では、政治家と開業医にはボケた人は少ないことがよく知られています。[P.115]
  8. サーリ・ツァラニー博士のサラダ油病源説[P.120]
  9. サラダ油を多用する人は、肌が荒れやすく、
    アトピーやアレルギーにもなりやすいのですが、
    これは母胎内にいるときに皮膚と脳とがいずれも外胚葉からできるからです。[P.120]
  10. 抗うつ剤を使わずに、食用油の指導だけでうつが治ることは多々あります。[P.128]
  11. キャノーラ油のエルカ酸問題[P.147]
  12. 一度加熱した油は間違っても再利用してはいけません。[P.148]
  13. ビタミンB6の脳保護作用動物実験(山嶋哲盛)[P.203-204]

サラダ油が脳細胞を破壊するメカニズム[P.5-9_23-26_28-29]

リノール酸を摂り過ぎると健康に良くないことは、以前から生化学者や栄養学者が指摘してきました。
ただ、リノール酸が身体に良くないことはわかっていても、
「脳を錆びさせる根本原因である」ことの科学的根拠は誰にもわかりませんでした。

それが、最近、私たちのグループの研究でわかったのです。

脳梗塞の発症前後でサルの脳に見られる蛋白質の変化を調べるプロテオミクス研究から
リノール酸から発生するヒドロキシノネナールこそが脳を錆びさせる元凶である。
つまり、ヒドロキシノネナールが、本来神経細胞を守っている熱ショック蛋白70
(Hsp70)に酸化損傷を与えることが、
そもそもリソソームの破裂と神経細胞死の原因である

という衝撃的な結論が導き出されたのです。それによって、
サラダ油の主成分であるリノール酸が脳の健康を害している
ことに、サラダ油を加熱することで発生する過酸化脂質のヒドロキシノネナールは
細胞膜に錆びの連鎖を起こす神経毒である」という
コンセプトが世界中の研究者たちのあいだでますます話題となってきたのです。

サラダ油が脳を錆びさせる仕組みは、次のとおりです。

神経細胞の大多数は、皮膚や消化管の上皮細胞と違って再生せず、ヒトの一生と運命を共にします。
そのため、古くなった蛋白質を定期的に壊してアミノ酸をリサイクルし、
新しい蛋白質を合成する<細胞自体の新陳代謝>が盛んです。
これを担う細胞内のリサイクル工場が、強い酸性環境にあるリソソーム(ライソソームとも言う)です。

食べ物を消化する胃の内側は酸性ですが、そろと同様に、
細胞内で消化を担うリソソーム膜の内側も酸性です。
そして、胃の壁自体が酸性の胃液で消化されないように守られているのと同様に、
リソソームの壁も「熱ショック蛋白70(Hsp70)」
という物質によって自己消化から守られています。
この熱ショック蛋白70を、何年もかけてジワジワと攻撃するのが、
サラダ油の主成分であるリノール酸由来のアラキドン酸が、
加熱処理を受けて作り出す「ヒドロキシノネナール(HNE)」という<神経毒>なのです。
このヒドロキシノネナールは電磁波や排ガスなどの酸化ストレスを受けることで、
細胞膜内のリノール酸やアラキドン酸からも自然発生します。
したがって、日頃からサラダ油ばかり摂っていると、細胞膜は錆びやすくなります。

ヒドロキシノネナールに攻撃されると、リソソーム幕は少しずつ劣化して、
リソソームの中からプロテアーゼ(蛋白分解酵素)の一種である
「カテプシン」という分解酵素が漏れ出てきます。
この酵素は、リサイクル工場にたとえるとゴミ粉砕機に相当します。
胃から胃液が漏れると劇症の腹膜炎が起きますが、それと同様に、
リソソームからカテプシンが漏れ出すと、
神経細胞は少しずつ壊されついには死んでしまうことが、
最近の研究で明らかになっているのです。

そして、こうした神経細胞死への一連の流れが、脳卒中のみならず、
アルツハイマー病などの難治性脳疾患の原因になっています。

*   *   *

急性または慢性の脳血流低下によって、
本来の生理的なカルシウムイオン濃度の上昇をはるかに超えたカルシウムが流入したり、
細胞内で発生したりすると、それは神経細胞死の引き金になりえます。

海馬の神経細胞死は、脳の血のめぐりが悪くなってカルシウムイオンが以上に上昇すると同時に、
それが二次的に「カルパイン」という蛋白分解酵素を活性化することが最初のきっかけになります。

カルパインの活性が異常に高まると、リソソーム膜を破ってしまいます。
その結果、リソソーム膜の内側にあった「カテプシン」という
強力な蛋白分解酵素が膜の外へこぼれ、神経細胞を殺してしまう。
つまり、神経細胞を殺す直接の原因は、リソソーム膜の破裂なのです。

さらに、カルパインの活性化以外にこのきっかけになるのが、
リソソーム膜を守っている「熱ショック蛋白70(Hsp70)」が
酸化ストレスによってダメージを受けること。
ダメージを受けた熱ショック蛋白70は、カルパインによって一刀両断されてしまいます。
切られた熱ショック蛋白70はもはやリソソーム膜を守ることができません。
その結果、リソソーム膜の<城壁>は崩れてしまうのです。

カルパインの攻撃を受けたとしても、リソソーム膜に、
岩のように丈夫な魚油成分がたっぷり含まれていれば、城壁はなかなか崩れません。
ところが、日頃からサラダ油ばかりで城壁を固めていると、
サラダ油に含まれる泥のように脆いリノール酸から、
脂質過酸化物である「ヒドロキシノネナール(HNE)」という
強力な酸化ストレスの元凶ができてしまいます。
ヒドロキシノネナールとは、大豆油やコーン油、紅花(サフラワー)油、
日本製のキャノーラ油、およびひまわり油など、リノール酸を多量に含む植物性の
食用油を加熱し過ぎたり再加熱したりしたときにできる<毒物>であり、
お酒を飲んだ後、エチルアルコールが分解されてできる
「アセトアルデヒド」と同じ化学構造(-CHO)を持っています。

サラダ油を摂り過ぎると、ヒドロキシノネナールを量産することになるため、
リソソーム膜はどんどん錆びていきます。
錆びた膜はカルパインの一撃で崩れ落ちる。
これが、とりもなおさずリソソーム膜の破裂です。

*   *   *

熱ショック蛋白70は「シャペロン蛋白」とも呼ばれ、
壊れた蛋白をカゴに入れて細胞内のリサイクル工場であるリソソーム膜に運び込む働きをします。
しかも、ごく最近の研究で、
熱ショック蛋白70にはリソソーム膜を安定させる働きがあることも報告されています。
また、熱ショック蛋白70が働くための要の部位に不可欠なアミノ酸は
「アルギニン」であることがわかっていました。

サルの海馬サンプルを用いたプロテオミクス解析では、二つの面白い事実が判明しました。

  1. 虚血状態になるよう負荷をかけた三~五日後、酸化ストレスによって
    カルボニル化(酸化)された熱ショック蛋白70は正常時の一〇倍以上も増加していた。
  2. さらに、熱ショック蛋白70のカルボニル化という酸化損傷は
    要のアミノ酸であるアルギニンに起きていた。

以上の発見に衝撃を受けて、私たちは二つの英文論文を発表しましたが、
このとき私にはあるアイデアがひらめきました。それは、
カルパインが熱ショック蛋白70というカゴを一刀両断にできるのは、
酸化によって熱ショック蛋白70の要にあるアルギニンなどの化学構造が
変化したことが原因であるに違いない
」というものでした。

そこで、サルの海馬の正常組織に、
市販のヒドロキシノネナールや過酸化水素水を添加して
熱ショック蛋白70に人工的な酸化ストレスを与え、
それがカルパインによって切れるか否かを実験してみました。
結果は予想通りでした。

「虚血刺激によって活性化されたカルパインは、
虚血後の再灌流(脳血流を再開すること)により生じた
ヒドロキシノネナールが原因で錆びた熱ショック蛋白70を、一刀両断してしまう。
その結果、傷ついた熱ショック蛋白70はリソソーム膜を守り切れなくなり、
リソソームは爆発する」

このストーリーを、私は国際的な雑誌に論文として発表しました。

わかりやすく言えば、ヒドロキシノネナール発生の元であるリノール酸
すなわちサラダ油こそが、神経細胞死の原因であるとわかったわけです。

私が、「サラダ油は脳にとって毒でしかない」と主張する最大の根拠はここにあるのです。

記憶障害に対するPUFA臨床試験(山嶋哲盛)[P.110-112]

脳卒中や脳挫傷などで脳に傷が残った人の記憶障害は、薬では治すことができません。
ただし、脳の発達を促す多価不飽和脂肪酸(ピューファー)は、
傷ついた脳や、その後遺症として残った記憶障害に対しても、
ある程度の回復効果があるのではないか。
そう考えた私は、一定数の患者を集め、ある治療を試みることにしました。

アーバンス神経心理テストの各年代の平均点は五〇点。
大まかに言えば、四〇点から六〇点が正常な人の成績です。
年代を問わず、優秀な人なら七〇点以上もの高成績を収めます。
一方、二五点以下はアルツハイマー病である可能性が高く、治療は一般的には非常に困難です。

私は、脳卒中や脳挫傷の後遺症としてももの忘れを訴え、
テストの成績が二六点以上四〇点未満の患者さん五〇人に、
DHAとアラキドン酸を同じ量だけ混ぜた健康食品(サプリメント)
を毎日摂取してもらい、その三ヵ月後に高次脳機能を調べてみたました。
患者さんの内訳は、女性が二六名、男性が二四名で、平均年齢は六三歳。
その結果、空間・図形能力、言語能力、集中力・注意力には何の改善も見られなかったものの、
前ページの図のように、即時記憶(覚える力)と遅延記憶(思い出す力)
および総合点では明らかな改善を示したのです。
特に遅延記憶では一〇点近くもの驚異的な伸びが見られました。

一度覚えたことを思い出す能力がわずか三ヵ月間で改善するというのは、
実に素晴しいことです。ちなみに、比較の対象として
同量のオリーブ油を飲んでもらった人たちには、何ら改善は見られませんでした。

サーリ・ツァラニー博士のサラダ油病源説[P.120]

大豆やとうもろこしで作ったサラダ油からヒドロキシノネナールができることを
栄養学的に証明し、多数の論文として発表している
ミネソタ大学のサーリ・ツァラニー博士は、その論文の中で、私が主張しているような
「ヒドロキシノネナールは熱ショック蛋白70に酸化損傷を与えている」
というメカニズムは明言していないものの次のように断言しています。
「サラダ油を加熱するとできるヒドロキシノネナールは<毒物>で、
動脈硬化や脳卒中、アルツハイマー病などの原因物質である」

キャノーラ油のエルカ酸問題[P.147]

この油は、過剰摂取すると心臓障害を引き起こすエルカ酸(別名:エルシン酸)
という一価不飽和脂肪酸を多量に含むため、
アメリカでは一九八五年まで使用が禁止されていました。
その後、カナダで、エルカ酸を含まないキャノーラ品種の菜種が開発されたため、
「キャノーラ(カノーラ)油」というブランド名で売られるようになりました。

ただし、日本製のキャノーラ油は必ずしもキャノーラ品種の菜種から作ったものではありません。
国産や中国産の安価な食用菜種を原料としている場合が多く、
エルカ酸がどの程度除去されているかは不明です。
一リットルボトルが五〇〇円以下の安過ぎる国産キャノーラ油は、
羊頭狗肉のたとえどおり避けた方が無難です。

ビタミンB6の脳保護作用動物実験(山嶋哲盛)[P.203-204]

あるとき私は、カテプシンに対する一種の解毒剤を使えば、
神経細胞死を予防できるのではないかと考えました

ただ、医薬品になっていないものは患者さんに使えません。
そこで私が注目したのがビタミンB6です

今から二〇年ほど前、
ビタミンB6にカテプシンの酵素活性を阻害する効果があるという研究論文が報告されました。
酵素活性というのは、いわばザリガニのハサミのように危険なものですが、
ビタミンB6は刃と刃のあいだに入り込んで、ハサミを切れなくしてしまうのです。

ビタミンB6は、市販のビタミン剤として簡単に手に入り、
使いやすいため、すぐに実験を開始しました。
人為的に虚血状態にする前のニホンザルに体重一キロ当たり
一五ミリグラムのビタミンB6を一〇日間投与しておくと、虚血五日目になっても、
海馬と網膜では半数の神経細胞が生存していることが確認されました。
すなわち、身近な薬剤であるビタミンB6に「脳や目を守る」という
意外な予防効果があることがわかったわけです。

ビタミンB6を「脳や目を守る」目的で使うなら、ピリドキサールという
脳保護作用の強いタイプのビタミンB6を多量に含むものがお勧めです。

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