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書籍と雑誌の要約と解説

ビタミンショック

暴かれた害と効用

装丁
ビタミンショック ビタミンショック 暴かれた害と効用
VITAMINSCHOCK
ハンス・ウルリッヒ グリム&イェルク・ツィットラウ
Hans-Ulrich Grimm&Jorg Zittlau
家の光協会
ISBN4-259-54641-4
2003/11/01
¥1600
解説
グリムの仕事が日本に紹介されるのは、
『悪魔の鍋』(家の光協会、二〇〇一年七月)に続いてこれが二冊目である。
工場制食品がもたらす食と健康の危機を解明した前作に続いて、
本書では工場製ビタミンを対象にし、その過剰摂取がもたらす害を鋭く暴き出している。
そこに紹介されている食の風景と合成ビタミンの普及の状況は、
そっくりそのまま日本にもあてはまる。
目次
  1. ビタミンが病気を作る
    1. 突然、全身が硬化した
    2. ビタミン流行の陰に脳障害、腎結石あり
    3. ビタミンの過剰摂取から身を守る方法
    4. ニコチン、ヘロイン、ビタミンC:ノーベル賞受賞者の極端なレシピ
    5. イギリスから来た人気者、裸のシェフの健康料理
  2. ビタミンが生命に重要なわけ
    1. ビタミンは奇跡をもたらす
    2. 犬が心筋梗塞を起こさないわけ
    3. テロとの戦い:ビタミン対フリーラジカル
    4. 生のニンジンをかじってもカロテン補給にはならない
    5. チームワークこそ成功の秘訣
  3. スーパーマーケットにビタミンブーム到来
    1. ビタミンの秘密、量が問題
    2. 調合は勝手気ままに
    3. 化学工場で生産されるマルチビタミン・ドリンク
    4. 脳の中にタルカムパウダーが!
    5. ビタミン漬けのエビやサケ
    6. 食肉処理前の肉牛にビタミン注射をするわけ
  4. ビタミンの原料は食欲を減退させる
    1. ビタミン工場の中に動物の死体が!
    2. 雑草がビタミン製造器に大変身
    3. 大企業のビタミン工場から微生物が漏れ出さないように願いたい
    4. 妊産婦用の葉酸はウシガエルが原料
    5. ビタミンCを作る遺伝子組み換えバチルス
  5. 不安をあおってビタミンを売る
    1. BASFとホフマン・ラ・ロシュの非合法経営:エリート幹部が逮捕された
    2. ドクター・ラートがセールス軍団を派遣
    3. 科学的鑑定の常套手段:改ざん、捏造、買収
  6. ビタミン不足という奇妙な噂
    1. 都心に食の砂漠が!
    2. 天然の産物:昔はいまより本当によかったのか
    3. 栄養素の不足を主張する、ビタミン売人
    4. 調理済み食品はビタミン不足
    5. 冷凍食品はビタミンがたっぷり
  7. 本当にビタミンが必要な人々
    1. 国民全体にリスクが蔓延?
    2. ストレスのある人はビタミンが必要、でも、どれくらい?
    3. 妊娠中の女性に本当に必要なものは?
    4. 砂糖に無罪判決:太るが、ビタミンを壊すことはない
    5. ビタミンキラーのアスピリン
  8. 子どもにはどれくらいのビタミンが必要か
    1. 適量をきめるのは難しい
    2. 乳児のビタミン過剰
    3. 自然はかしこい:母乳は自動的にビタミン過剰を制御する
    4. ベビーフードは栄養不足?
    5. マルチビタミンを服用すれば頭がよくなるか
    6. フルーツとチョコで二倍のおいしさ
  9. 肝臓はビタミンの関所
    1. ドクター・ラートはいかさま師?
    2. 合製ビタミンが病気を作る
    3. 身体がビタミンショックから身を守ろうとするわけ
    4. たくさんの顔を持つカロテン
    5. チームで働くビタミンE
  10. ビタミンが脳を壊すとき
    1. 突然ペギーの足が麻痺した
    2. ビタミンBは人格を変える
    3. 一〇〇キロものレバーを平らげる
    4. 胸のむかつきを抑える錠剤
    5. ビタミンAで骨がボロボロに
    6. ビタミンCだけなら危険はない
    7. ビタミンと医薬品:ウィルスと自在に行き来
  11. 医薬品としてのビタミン剤
    1. 関節炎からセリアック病まで:ビタミンが役立つとき
    2. ビタミンBは痛みに効く
    3. センザンコウになったベルント:ロックミュージシャンが病気を克服した方法
    4. トマトのパスタは日焼け防止に効果的
    5. がん対ビタミン:十分に考え抜かれた調合
  12. ビタミンたっぷりの暮らし
    1. 生食は皮膚や毛髪を傷める
    2. サルディニア島の人々が長生きするわけ
    3. ゆでても、炒めても
    4. ショウガとニンニクは天然の殺菌剤
    5. 天然の果物はとにかくすばらしい
  13. ビタミン・ミニ事典
文献
  • カシミール・フンク『ビタミン発見史とその実践的帰結』[P.27]
  • クラウス・オーバーバイル『ビタミンで健康に』[P.29]
  • ヴィクター・ハーバート&スティーヴン・バレット『ビタミン売人』[P.95]
  • ライナス・ポーリング『健康で長生きする方法』[P.100]
  • ウルリッヒ・シュトゥルンツ『不老―ビタミンで体調は最高―』[P.101]
  • ゲルハルト・ベルク『栄養と代謝』[P.116]
  • ベアーテ&ヘルムート・ヘーゼカー『食品に育まれる栄養素』[P.117]
  • オリヴァー・サックス『妻を帽子と間違えた男』[P.190]
  • Quackwatch[P.95]
校正
  • スイスの小児科医クルト・ベルロッヒャー教授のような専門家は、子どもが生後六か月をすぎると通常の食事をさせ、果物や野菜、肉、魚、乳製品など栄養価の高い食品で身体を丈夫にすることが、どれほど大切かを強調する。→WHOは2年間母乳だけで育てることを推奨している[P.155]

内容

ビタミンD過剰症例[P.8-9]

当時四二歳、ニューヨークの商社マンはそろそろ腹部の脂肪が気になりはじめていた。
そこでフィットネスクラブへ通うことにした。
ところが、そこに災難が待っていた。
屈伸運動の真っ最中に、ポキッとやってしまったのだ。
そうして傷めた背中がその後何か月たっても治らず、イライラが募り、焦っていた。
仕事ができないので出勤するわけにもいかない。
病気が長引けば失職するかもしれない。
枯れの家計には骨粗鬆症こつそしょうしょうが多かったこともあり、なおさら不安だった。

だからドラッグストアでその箱を見つけたとき、すぐにこれだと思った。
「長寿薬」がうたい文句の高配合ビタミンD製剤は、とくに骨形成に有効と書いてあった。

だがこの製剤は、ティムの症状を改善するどころではなかった。
ちなみに、ティムとは科学者が便宜上つけた仮名で、
彼は高配合ビタミン製剤による副作用がとくに目立った症例のモデル患者なのである。

まず食欲がなくなった。ティムは実際に効き目が現れたと思い喜んだ。
ありがたい、これで肥満を解消できるかもしれない。
ところが、数週間たつとセックスがうまくいかなくなり、
さらに頭痛、めまい、脱力感などの症状が現れ、あちこちの筋肉が痛みはじめた。

ティムは医師を訪ねた。
医師は話を聞くとすぐに、ボストン大学のビタミンDの権威、
マイケル・ホリック博士とポリクセニ・コーキア博士を紹介した。
病院で検査を受けたところ、
ティムの身体は、腎臓と肝臓、それに血管も硬化しているのがわかった。
そのうえ血圧が天文学的数値にまではね上がっていた。
ビタミンD中毒を起こしていたのである。
彼は香料添加のビタミンD粉末を、毎日茶さじ一杯ずつ飲んでいた。
これは一般に適量とされている量の一〇〇〇倍以上に相当する。
コーキア博士によると、ビタミンD製剤は「処方箋なしでどこででも買える」という。

ティムの身体は、回復するまでに約三か月もかかった。そのうえ後遺症が残った。
いったん血管が硬化するとそう簡単にもとに戻るものではないのだ。

麻薬漬けでも長生きしたノーベル賞受賞者[P.22]

ノーベル賞受賞者であるフランクフルトの薬理学者、
オットー・レヴィー博士のやったことはどうだろう。
伝記によると、彼の一日は覚醒剤(今日では「スピード」と呼ばれる)で始まり、
郵便物に目を通してからモルヒネかヘロインを少々(「うつ状態にならないために」)、
昼食前には食前酒としてアナボリック・ステロイド
(筋肉増強剤:今日ではスポーツ連盟のドーピング・リストの上位にランクされている)を、
昼寝のあとは興奮剤としてコカインを一服、夜眠れないときはバルビツール剤を服用していた。
レヴィー博士は八八歳まで長生きした。

食品添加物の滑石(タルク)は内臓中に沈着する[P.53]

タルクは、体操選手が鉄棒で手を滑らせないために用いるタルカムパウダーとして知られている。
薬品産業ではタルクを「潤滑剤および溶剤」として使用していると、
アーレンスブルク食品・環境研究所のゲルハルト・ヴィヒマン氏は言う。

この物質は食品用着色料の「賦形剤ふけいざい」としても使われている。
実験では、タルクは腸壁で妨げられることなく通過することが明らかになっている。
ところが、タルクを与えられたラットは、腎臓や肝臓だけでなく脳や肺にまでその沈着が見られた。
「その箇所には腫瘍も発生しています」とヴィヒマン氏は言う。
もっとも、それがタルクが原因でできたかどうかの「確証はない」らしい。

ビタミンC分解物トレオン酸[P.59]

小麦粉にビタミンCを添加するのは、生地を安定させ、釜のびをよくしてスダチ
(パンのガス泡の状態)のよいパンを作るためである。
もっとも、生地に含まれたビタミンが加熱によってトレオン酸に分解されるという難点がある。
これについては以前からマウスを使った実験が行われているが、かんばしい結果は出ていない。
この物質は逆に動物に急性ビタミンC欠乏症を引き起こすからである。
人間もその例外ではない。

生肉と鮮魚にはビタミンCが添加されている[P.60-61]

●塩せきのハム・ソーセージ類だけでなく、
「生」の肉製品にも、酸化防止剤としてビタミンCが添加されている。
ビタミンC溶液をスプレーで肉の上に吹きつける方法もあり、
これはベルギーで特許が取得されている。
「ただし、その場合には注意が必要」と、
ビタミン・メーカーのタケダ(武田薬品工業)は宣伝用パンフレットに書いている。
「ビタミンCの量が多すぎると、肉が茶色になる」ので、
もっと別の方法をとったほうがよいとある。

同じく動物用飼料にもビタミンCがたっぷり添加されている。
生きているうちから保存のための準備を始めるわけだ。
その場合、動物がそれに気づかないように、
飼料に別の風味をつけて、酸味を「隠して」しまう。
これが面倒なら、注射針に切り替えるという手もある。
「食肉処理を行う前に、アスコルビン酸ナトリウム溶液を生きた牛の静脈内に注射する」と、
タケダのパンフレットは続ける。
処理場に送られた牛は、頭にボルトを打ち込まれる前に、
すでにビタミンCを打たれているというわけだ。

●一般に魚介類、そのほかの海産物は、ビタミンCの豊富な供給源とはいいがたい。
通常は一〇〇グラム中に五ミリグラム以下しか含まれていない。
だが最近では、たいていの魚介類が柑橘類かんきつるい
優るとも劣らないほどビタミンを豊富に含んでいる。
ビタミン添加のたまものだ。
食品産業はフリーラジカルの攻撃を予防するために、
アスコルビン酸溶液を噴霧したり、その中にしばらく浸けておいたりする。
とくに小エビなどは、手遅れにならないうちに、ビタミンC溶液の中に浸けておく。

粉砕型β-カロテン[P.62]

カロテノイドの中でもニンジンなどに含まれるβ-カロテンは、
色素として食品産業では頻繁に使用されている。
卵黄をいかにも健康そうな黄色にするだけでなく、
フルーツジュースやレモネードにも鮮やかな色を出すために用いられている。
だがジュース類の着色には長らく化学的な問題があった。
カロテノイドは脂溶性なので、水に入れると表面にレンズ状になって浮いてしまう。
ところがBASF社の研究者があるトリックを思いつき、
この手に負えない性質をすっかり変えてしまった。

彼らはカロテン結晶を細かく砕き、ゼラチンの膜で包み込む方法を開発した。
こうすると水に入れてもすぐに分散するので、
カロテンをジュースや清涼飲料水などの液体の着色料としても使えるようになった。
発泡剤に赤い斑点があるのは、この着色料のせいである。
着色料としてのβ-カロテンは、E160aという記号で示されている。

こうして砕いてゼラチン皮膜で包んだカロテン結晶が、
人体内でどんな作用を引き起こすかは、当然ながらまだわかっていない。

ビタミン・ベー[P.69]

世界中で年間一五万~二〇万トンのビタミンが生産されている。
そのためには何よりもまず原料が安価でなくてはならない。
新しい方法は安ければよいのであって、必ずしも食欲をそそるものでなくても構わない。
そこで用いられるのがバクテリアや真菌類、
それどころかカエルや動物の死体であったりもする。
そのため羊や山羊の鳴き声をもじってビタミン・ベーなどと呼んだりもする
(訳注:ドイツでは羊や山羊の鳴き声を「ベーベー」と表現する)。

バクテリア発酵リボフラビン[P.71-73]

学名バチルス・サブチルスという枯草菌こそうきん
この桿菌かんきんは広く分布しており、勤勉で多才である。
バシトラシンという抗生物質を産生することもできる。
これは医薬品としての効果は高いが、毒性がある。
そのためバシトラシンは感染症の局所治療にしか用いられていない。
服用や注射には不適格だ。

そういうわけで、枯草菌は長い間科学者の気をひくことはなかった。
使用法が非常に限られる抗生物質を生産するだけのバクテリアに、
いったい何ができるというのか。
しかも、ある状況下では、深刻な病気を引き起こす可能性があることもわかっていた。
こういったことはすべて、微生物のイメージやキャリアには不都合だったからである。

だが、バチルス・サブチルスが大量のリボフラビンを生産できることがわかると、
事情は一変した。
そのために何が必要かというと、グルコース、すなわちブドウ糖だけである。
そのときまで、何段階もの工程を重ね、
費用をかけてリボフラビンを製造していたビタミン・メーカーは、
突如として新たな生産方法を見いだしたのである。
この勤勉なバチルスの餌になる糖を含んだ廃棄物は、二束三文で買うことができる。
それに、こうして作られたリボフラビンの「サブチルス」は、
化学という焼き印の押されていない、自然の商標なのである。

そこでリボフラビン生産のために枯草菌を集めにかかる。
この微生物はたしかに勤勉だが、
リボフラビンの年間需要量が何千トンにも増えている昨今では、
それを満たすには不十分であることが明らかになった。
そこでこのバチルスの生産意欲に、少しばかり人間が手を貸そうということになった。

バチルス・サブチルスの補習授業にまず名乗りを上げたのが、
ホフマン・ラ・ロシュ社である。
ドイツとスイスの国境付近にあるバーデンのグレンツァッハ工場がその教室にあてられた。
その実験室でこの勤勉なバチルスに再教育を施すと、
年間三〇〇〇トンのリボフラビンを生産できるまでになった。
ただ、それには特別な教材が必要だった。
わかりやすくいえば、遺伝子組み換えである。

遺伝子学者にとっての出発点は、バチルス・サブチルスがリボフラビンを生産する際に、
あまり効率がよくないのを発見したことだった。

「細胞内の代謝を念入りに観察すると」と、
チューリヒ大学バイオテクノロジー研究所のウヴェ・ザウアー教授が講義してくれる。
「分子が空回りしている箇所があるのが確認できます。
これがエネルギーを大量に消費し、リボフラビンの生産を邪魔しているのです」

分子がただ回っているだけでは、あまり生産性があるとはいえない。
そこで研究者は考えた。このような空回りをどうすれば止められるか。
そう、バチルスの代謝に直接介入すればよいのだ。
そうやって遺伝子をちょっと変えてやれば、がぜん効率がよくなる。

<中略>

市場に出ているリボフラビンからは、
ドイツ技術検査協会の定期検査でも明らかなように、
いまのところ変換された遺伝子は検出されていない。

遺伝子組み換え菌がグレンツァッハの実験室から外へ出ていないことを祈るばかりだ。

ウシガエル製葉酸[P.75]

葉酸の原料になるものは自然界になく、
遺伝子組み換え菌もまだこのビタミンを安いコストで大量に生産することはできないでいる。
そこで化学者は旧来の技術を用いて、奇想天外な発想で生産を行っている。

実験室で試験管とにらめっこしていても葉酸は合成できない。
それには不思議な巡り合わせがなくてはならない。
葉酸はプテリジンという物質からできている。
この物質を実験室で生産するには「天然の材料を調達」してくるしかない。
天然の材料といえば聞こえはよいが、実はほかでもない、動物の死体だ。
この場合はウシガエルを使う。
以下のレシピは「魔法使いの鍋料理」などではなく、
プテリジンを生産するごく一般の方法である。

ウシガエルの皮一〇〇グラムを二〇〇ミリリットルの水で一五~三〇分、ぐつぐつ煮る。
そうすると腐った魚のようにドロドロになる。
これを均質化させ、アルコールとエーテルで処理して、脂肪を外へ出す。
こうして栄養たっぷりのカエルの皮のジャムができあがる。
アルコールが入っているので表面に脂肪の玉が浮かんでおり、
上質の肉スープのように見える。
このスープをクロマトフラフィーにかけてプテリジンを分離する。

バクテリア発酵ビタミンB12[P.76]

ビタミンB12の生産は、ウシガエルの話からもわかるように、
長い間食欲を減退させる方法で行われてきた。
動物の死体や腐泥などからも有機物質を取り出していた。
腐泥とは、消火用貯水池をさらったあとや、浄化施設の汚水処理場に見られる、
分解した有機物を含む沈殿物のことである。
だがこれは臭いだけでなく、化学処理にかなりの費用がかかる。
そこで薬品産業は別の方法をとるべく努力をする。

この分野のパイオニアは、多国籍薬品企業のアベンティス社である。
一九九九年にドイツのヘキスト社と
フランスのローヌ・プーラン社との合併によりできたこの企業は、
アグロバクテリウム・ラジオバクターという微生物を遺伝子操作することで、
ビタミンB12の大量生産に成功した。
この方法は、腐泥や動物の死体による方法よりも普及しつつあるようだ。

バクテリア発酵ビタミンC[P.77]

アスコルビン酸、すなわちビタミンCが、
ビタミン界のスターの仲間入りをしたことは異論のないところだ。
このビタミンは、免疫に問題が起こったときに救ってくれるのでとくに評判がよい。

したがって需要が多く、
薬品産業が天然の産物だけを材料にしていたのではとうてい生産が追いつかない。
一キロのビタミンCを得るためにはキャベツで一トン、
レモンならニトンも使わなくてはならない。
現在では年間八万トンのビタミンCが市場に出ているので、
一億六〇〇〇万トンのレモンが必要になってくる。
これでは費用がかかりすぎ、採算がとれない。
そこで早い時期に化学合成品に切り替えたのである。

一九三三年にはすでに最初の合成に成功していた。
当時は六段階にも及ぶ複雑な工程で行われていた。
原料はブドウ糖、生産の主役はアセトバクター科の微生物が務めた。
だがその微生物がどんなに勤勉であっても、
特別な遺伝子がなければ、元来持っている性質以上のことはできない。

アメリカでは、
エルヴィニア・ヘルビコーラという遺伝子組み換え菌のビタミン生産能力に頼っている。
この方法によって従来の生産工程が六時間から二時間に短縮できた。
お金と人の両方を節約できるので、ヨーロッパでもこの生産方法が将来を担うのは明らかだ。
アメリカの遺伝子工学によって生産されたこのビタミンCは、
ドイツでもずっと以前から市場に出回っている。

バクテリア発酵β-カロテン[P.78]

最近では、遺伝子を組み替えたバクテリアによってもβ-カロテンの大量生産に成功している。
たとえば、エッシェリア・コリ(大腸菌)のように、普段は人間の消化管に棲みつき、
ときおり下痢や膀胱炎などの不快な症状を引き起こすバクテリアがいる。
カリフォルニアの化学者がこの大腸菌の遺伝子を組み換えて、
非常に強い抗酸化力のある、きわめて性能の高いカロテノイドを作り出すのに成功した。

ビタミンA死亡事件[P.81-82]

発展途上国に新種のビタミン添加製品を供給することは、
たとえそれが善意から出たことであっても、危険なことになりかねない。
インドのアッサム地方で子どもに起こった悲劇がこのことを示している。
二〇〇一年秋、ユニセフの活動で、
三二〇万人の子どもたちにビタミンA配合の特別シロップが与えられた。
ビタミンA欠乏症は失明という最悪の結果を招くおそれがあるので、その予防のためだった。
二四時間後、最初の患者が病院に運び込まれたが、死亡した。
結局、全部で一五人の子どもがシロップを飲んだために命を落とし、
三〇〇〇人を上回る子どもが発病した。

この事故の責任がだれに、あるいは何にあるのかは、とうとうわからずじまいだった。
シロップが汚染されていた可能性はある。
だが、少なからぬ研究者が、
子どもたちは単にビタミンを過剰摂取しただけではないのかと推測している。
シロップにはドイツで定められている一日所要量の何倍もの量が配合されていた。
だがこれは、世界保健機関(WHO)が定めた量に対応したものだった。
WHOはアッサムの一歳から五歳までの子どもに二〇万IU(国際単位)、
すなわち六六ミリグラムのビタミンAを勧めている。
これはドイツで適量とされている量の一〇〇倍を上回る。

文字どおりの致死量を勧めた理由として、
WHOは、アッサム地方のビタミンA欠乏症は明らかなので、
できるだけ速やかにそれを取り除く必要があったと述べている。

砂糖安全説[P.130]

お菓子がビタミンを奪うという話は作り話なのだ。
「糖の摂取が微量栄養素の有効性を損なうとか、
いまどきのお菓子を食べると微量栄養素が不足するとか、
そのような指摘は学術文献にはありません」と、
ボン大学栄養学研究室のペーター・シュテーレ教授は断言する。

糖の消化・九州にはマグネシウムや鉄以外にビタミンB群も必要なのは事実だ。
だが糖の活性化段階で、ビタミンやミネラルが奪われたり壊されたりすることはない。
それどころか、その反応過程で特定のタンパク質と結合して酵素になり、新たに生産される。
それによって化学反応を起こしはするが、それ自体は変化しないことが明らかになっている。

ビタミンを壊す医薬品[P.140-142]

●石油系物質やフェノールフタレインが含まれた便秘薬は、
 脂溶性ビタミンA、D、Eの九州を妨げる。

●避妊薬やそのほかのホルモン剤は「ビタミンを壊す」おそれのある医薬品だとされているが、
 医師も女性たちもそのことを軽視している。
 ところが、まさにホルモン剤こそが代謝に大きな影響を及ぼす。
 とくに葉酸とピリドキシン(ビタミンB)の蓄えを消耗させる。
 このようなビタミンの減少こそが、避妊薬との関連が取りざたされているうつ病の、
 実際の原因ではないのかとの指摘が最近では多く、
 科学者はその証拠集めにいそしんでいる。

●トリメトプリム、スルファメトキサゾールなどの抗菌剤、ネオマイシンなどの抗生物質は、
 ビタミンKを合成する腸内菌を傷つける。
 その結果、出血しやすくなったり、傷の治りが悪くなったりする。

●アスピリンはビタミンCの排泄を促す。
 「アスコルビサル」「アスピリン+C」「Ass+C」など、
 ビタミンCが含まれた鎮痛薬が現在多く売られている。
 これらはアスピリンによるビタミンC不足を補うためである。
 またアスピリンは葉酸値を低下させることがあるが、これもあまり知られていない。
 一般に葉酸不足といわれる人は、アスピリンを常用しているのかもしれない。

●「リポベイ(日本名:バイコール)」騒動以来、
 一般に知られるようになった抗コレステロール薬は、
 筋肉を退化させるだけでなく、ビタミンA、D、Eの欠乏症を引き起こす。
 この種の薬は脂肪だけでなく、重要なビタミンまでも排除してしまうからだ。

●ヒドララジンは「デプレッサン」「エルファネックス」「ネプレゾール」
 「トリロック」「トリニトン」などの血圧降下剤に含まれており、
 標準的な高血圧の薬として処方される。この物質の難点は、
 ピリドキシン(ビタミンB)と結合して尿とともに排泄してしまうことだ。

●コルチゾンは蓄えられたビタミンDを消耗し、骨のカルシウム代謝を妨げる。
 長期にわたってコルチゾンによる治療を受けると、骨萎縮を起こしやすくなる。
 コルチゾンが生体からピリドキシン(ビタミンB)を奪うからではないかと推測されている。

●やせ薬「ゼニカル」はダイエット薬の中ではいまやスターである。
 この薬は私たちの身体が脂肪を吸収するのを妨げるので、しばしば下痢を引き起こす。
 その結果、とくに脂溶性ビタミンが一緒に排泄されてしまうので、
 「ゼニカル」を飲むとビタミンA、D、Eの欠乏症になる可能性がある。

●トランキライザーは脳代謝に介入し、ビタミンB群を消耗させる。

ビタミンに心臓と血管を守る効果はない[P.170]

トロント大学の研究では、五〇〇ミリグラムという大量のビタミンC(一日所要量の五倍)
をもってしても、コレステロールが血管内に付着するのを予防できなかった。
ビタミンEについても同じく期待はずれだったと、
フィラデルフィア大学の科学者が報告している。
一日所要量の一〇〇倍を上回るビタミンEを摂取しても、
血管内の付着や肥厚防止にとくに効果がないことがわかったのである。

マリファナはアルツハイマー病を予防する[P.171]

ビタミンCとEは脳細胞を有害な酸化物質の攻撃から守ってくれるので、
大量摂取すればアルツハイマー病やそのほかの変性脳疾患を予防できる、
などと最近よくいわれている。
ところが、全米メンタルヘルス研究所のエイダン・ハンプソン教授が実験で、
脳を守るという点ではこの二種類のビタミンより
はるかに優れている別の物質があることを発見した。
カンナビジオールという物質で、マリファナの主成分である。

それなら夜にビタミン剤を飲む代わりにハシシュを吸えば、
脳のためにもっとよいかもしれない。
科学的データで裏付けられているのだから。

ビタミンと筋ジストロフィーに相関関係は無い[P.171-172]

MS患者は血液中のビタミンC値が低いことがずっと以前から知られている。
そのためビタミンCを大量に投与すれば病気の予防や治療に役立つのではないかと思われていたが、
そのかすかな望みは、ハーバード大学公衆衛生大学院の科学者によって打ち砕かれてしまった。
彼らは約一七万七〇〇〇人の女性を対象に、
長期間にわたって食習慣・生活習慣のデータを集め、調査した。
その結果、二一四人がMSにかかっていることが判明した。

これによってビタミンCとE、あるいはマルチビタミン剤の服用と
MS発症のリスクとの相関関係はまったくないことが明らかになった。

CoQ10無効説[P.179]

ヴァッサーブルク循環器病院の医長であり、
大学講師でもあるベルンハルト・パーマネッター医師は、
Q10研究のほとんどに「重大な欠陥」があると批判している。
彼自身も心臓衰弱の患者に四か月間Q10を試してみたが、まったく降下が現れなかった。
予防薬として投与するのも、やはり「無意味」だと考えている。
「いまのところ納得できる根拠がないので、
Q10を購入して勝手に使用するのはいかがなものか」と言う。

連邦消費者健康保護・獣医学研究所(BgVV)も同様の見解である。
Q10を栄養補助の目的で摂取した場合に健康にとくに役立つかどうかについては、
「科学的に証明されていない」という。
スポーツ選手の運動能力向上に役立つという宣伝も、科学的な裏付けがないままだ。
たしかに身体に大きな負担をかけると血液中のユビキノン値は下がるが、
BgVVの見解では、それがすなわちユビキノンの補給が必要ということにはならないという。

茶のトロロックス値[P.186-187]

ポリフェノールが私たちの身体にビタミンのような効果をもたらすことも、
いまでは知られている。
免疫システムを調整し、、炎症を抑え、血圧と血糖値を安定させ、
さらにがんを予防するともいわれている。

その中でも抜群なのが、ラジカル捕捉能だ。
ビタミンと同様、酸化防止剤として攻撃的な酸化物を無害化することができる。
それについて、どれくらい効果的にはたらくかを、
アーレンスブルクにある食品・環境調査研究所が明らかにしている。
科学者はさまざまな飲み物を抗酸化度を比較してみた。
赤ワイン、緑茶、シスタス茶、ニワトコ茶、カモミール茶、それに一リットルの水に
八八〇ミリグラムのアスコルビン酸(ビタミンC)を溶かした溶液が用意された。
それらの酸化防止能力を特殊な方法で測定すると、トロロックス値というのが表示される。

ちなみに、ビタミンC溶液は抗酸化度が五・六トロロックスで中クラスというところか。
ストレートのカモミール茶は一・〇、チェリージュースは四・八、赤ワインは五・三だった。
ところが緑茶は八・五トロロックスで、これにはビタミンC溶液もかなわない。
ギリシアのシスタス茶になるとその何倍も優れていて、二三・五トロロックスもあった。

ビタミンA過剰症例[P.193-195]

フリーマン教授に助けを求めてきたビタミンの犠牲者がもう一人いる。
七二歳のドナルドだ。元大学教授で化学者、フロリダ州の小さな町に住んでいる。
映画や芝居が好きでよく観に行く。
ところが最近、見るものすべてがゆがんで見え、歩くのが困難になってきた。
そこで眼科へ行くと、黄斑変性と診断された。
ドナルドの年齢ではこれは特別な病気ではない。
ほぼ二人に一人が、気がつくとこの病気にかかっているといわれる。
だが特別でないとはいえ、安心はできない。
網膜の中心部にある感覚細胞が壊れてくるので、失明する危険がある。
ドナルドの場合はすでにこの病気がかなり進んでおり、
治る見込みはほとんどないと言われた。

自然科学者としての経験をもとに、
ドナルドはビタミンAによる治療を自分で試してみようと決心した。

<中略>

まず五万IUから始めて、次に一〇万IUまで増やした。
これは三三ミリグラムのビタミンAに相当し、
ドイツ栄養学会が安全値として定めた数値の三〇倍を上回る。
チーズ一〇キロに含まれるビタミンAとほぼ同量である。
ドナルドはこのメガ・ビタミン療法を、主治医には内緒にしていた。

そして二か月後、これまで目以外は健康そのものだったこのご老体は、
腰、膝、肩の関節に激しい痛みを覚えた。
さらに膝がバレーボールくらいに腫れ上がった。
その翌週には筋肉痛も始まったので、整形外科へ行った。
医師はドナルドの筋肉と骨の症状がよくわからず、強い鎮痛剤を処方した。
ドナルドは失望して診療所を出た。
そしてエレベーターに乗ってボタンを押そうとしたとき、
文字盤を二度見直さなければならなかった。
目がいっそう悪くなっているのは明らかだった。

ドナルドは親しくしていた薬理学者のところへ行った。
ビタミンの専門家、フロリダ大学のスタンリー・フリーマン教授である。
ドナルドは教授にビタミン剤を服用していたことを打ち明けた。
そうしてようやく、
病気の原因がビタミンAの過剰摂取だったとわかったのである。

ドナルドはビタミンを飲むのをやめた。
すると二週間後にはもうもとどおりになっていた。

β-カロテンで肺癌発生率が上昇するという報告[P.199]

喫煙者を対象にしたフィンランドの研究によると、
毎日二〇ミリグラムのβ-カロテンを服用している喫煙者三万人のうち、
肺がん発症率が一八パーセント、総死亡率が八パーセントも上昇していた。

『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌に発表された別の研究では、
科学者が喫煙者とアスベストを扱う作業員一万八三一四人に、
毎日三〇ミリグラムのβ-カロテンと二万五〇〇〇IUのビタミンAを投与した。
ここでも驚くような結果が出た。
肺がん発症率が二八パーセント、肺がんによる死亡率は、
なんと四六パーセントも上昇していたのである。
もうこれ以上死亡者を増やさないために、
科学者はこの研究を、計画より二一か月も早く中断せざるをえなかった。

ビタミンC有害説[P.205-207]

ビタミンCが傷の回復を遅らせるという報告[P.205-206]

分子矯正医学では、高配合ビタミンCは傷んだ血管を修復するので、
動脈硬化や心筋梗塞の予防になるという説がまかり通っている。
だがその逆の場合がしばしば起こる。
大量のビタミンCが傷の治癒をむしろ遅らせるのだ。

これはフロリダ大学のエイプリル・チャイルズ教授によって明らかになった。
この女性科学者はスポーツ生理学が専門で、ほかの学者とチームを組んで、
筋肉裂傷の治療に及ぼすビタミンCの抗酸化作用(ラジカル捕捉能)を調べた。
さらに一四人の被験者に、体重一キロ当たり一二・五ミリグラムのビタミンCと
一〇ミリグラムの抗酸化剤N-アセチル・システイン、
あるいは効き目のないプラセボ(偽薬)を毎日与えた。
研究者らはビタミンCとN-アセチル・システインの抗酸化作用が
傷の治癒を早めるのを期待していた。
ところが意に反して傷の治りは悪く、血液には明らかに強い酸化の徴候が現れていた。
つまり、ビタミンCとN-アセチル・システインが、
被験者の傷を前よりいっそう悪化させていたのである。

ビタミンCは、
酸化防止剤として私たちの身体をフリーラジカルの攻撃から守ってくれるし、
免疫システムも強化するので、多くの人から賞賛されている。
だがいつもそうとは限らない。摂取する分量にもよるのである。

ビタミンCが免疫力を低下させるという報告[P.206-207]

すでに一九九〇年代はじめに科学者が、細胞を培養し大量のビタミンCを与えると、
傷ついた遺伝子の数が増えることを、実験で確認している。
この結果を人体で再実験しようと、レスター大学のイアン・ポドモア教授は、
三〇人の健康な被験者に、毎日五〇〇ミリグラムのビタミンCを摂取してもらった。
これはレモン八個分、あるいはビタミンC発泡剤一錠分と同量である。
六週間にわたって被験者の血液を調べ、白血球の一種であるリンパ球の遺伝子を検査した。

その結果、ビタミンCはたしかに人間のリンパ球の遺伝子を守るが、
傷つける場合もあることがわかった。
リンパ球の遺伝子を構成するグアニンの量は減っていたが、
もう一方のアデニンの量が明らかに増えていたのである。

これは非常に重要なことだ。
リンパ球のアデニンの量が増えると、免疫システムが著しく弱まる。
ビタミンCは免疫システムを強くするが、大量摂取すると機能を低下させることもある。
このような結果を、ポドモア教授は科学誌『ネイチャー』に
「心配の種」というタイトルで報告している。

ビタミンCが血管狭窄を起こすという報告[P.207]

ビタミンCは血管によくない影響を及ぼすことがある。
アメリカ心臓学会が五七三人の女性を対象にした研究で、
毎日五〇〇ミリグラムのビタミンCを摂取すると血管が狭くなり、
心臓疾患のリスクが高くなることを、二〇〇〇年春に報告している。

サプリメントは薬の作用を強める[P.208-209]

●抗コレステロール剤:
高コレステロール血症治療薬「リポベイ(日本名:バイコール)」
をめぐるスキャンダルのおかげで、
この種の医薬品が横紋筋腫の原因になることは、いまではよく知られている。
この病気になると筋肉組織の破壊へと進み、死にいたる場合もある。
ビタミンB群のナイアシンを一緒に服用すると、
薬の効き目がさらに強くなることはあまり知られていない。
抗コレステロール剤が少量でも死亡する場合がある。

●抗パーキンソン病薬:
パーキンソン病の患者には従来から、
脳内神経伝達物質ドーパミンの前駆体である
レボドパ(略してL-ドパ)による治療が行われている。
この治療によって脳機能の改善が期待されている。
ところが残念なことに、この薬は化学的影響をきわめて受けやすい。
そのため、ビタミンB群のピリドキシンを大量摂取すると、
L-ドパの効き目をほとんどなくしてしまう可能性が高い。

●抗うつ薬:
葉酸はフルオキセチンなどの抗うつ薬の効果を強める。
一二七人のうつ病患者を対象にしたイギリスの研究で、
フルオキセチンと葉酸五〇〇マイクログラムを一緒に投与したところ、
九〇パーセント以上が快活になった。
抗うつ薬のみの場合は、通常六〇パーセントである。

葉酸を服用している患者が抗うつ薬による治療を受ける場合は、
医師に事前に言っておく必要がある。
効き目が強くなるということは、副作用も強くなる。
だが、葉酸のおかげで抗うつ薬の量を減らせることも明らかだ。
その場合は効果が失われることはない。
葉酸製剤は抗うつ薬よりはるかに危険が少ないので、
これは患者にとって大きな利点といえよう。

●血液凝固阻止剤:
ワルファリンは、狭心症、脳卒中、心筋梗塞の治療と予防の標準薬になっている。
血栓を溶解する作用があるので、服用すれば血栓症のリスクは低下する。
しかしビタミンKを含むサプリメントを摂っている人にはほとんど役に立たない。
このビタミンは「傷の治療薬」として、むしろ血液を凝固させる作用があるからだ。
同じような作用はQ10にも見られる。

反対に、ビタミンEは
ワルファリンの血液凝固阻止効果を強めるのではないかと疑われている。
もしそうなら、ビタミンEとワルファリンを組み合わせると、
内出血のリスクが高まることになる。
したがって、リスクの大きいワルファリン(とくに重要なミネラルの吸収を妨げる)を
ビタミンEと一緒に投与する場合は、少量にしたほうがよい。

●抗菌剤:
ビタミンE製剤は抗菌剤グリセオフルビンの作用を強める。
したがって副作用も強くなる。
頭痛、皮膚の刺激、口の渇き、血液像の変化が観察されることがある。
子どもの生殖器に病変が起こる場合もある。

合成ビタミンはワクチンを有害化させる[P.210-211]

ワクチンを合成ビタミンと組み合わせると、予想外の作用が出てくる。
場合によっては、まったく逆の作用を引き起こすことさえある。
病気にかかりやすくなるのだ。
これはオハイオ州のウェイト・パターソン空軍基地の感染症対策局で
六五歳以上の被験者七九人を対象にした調査の結果である。
それによると、マルチビタミン剤を定期的に服用していると
ワクチンへの免疫反応が鈍ることが確認された。
感染を予防する免疫力が弱まるのである。

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