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書籍と雑誌の要約と解説

大関早苗のうつぶせ寝育児法

O脚、デカ顔、絶壁頭よ、さようなら

装丁
大関早苗のうつぶせ寝育児法 大関早苗のうつぶせ寝育児法
大関早苗(チャーム・スクール創設者/大関早苗美容室経営者)
集英社
ISBN4-08-781063-1
C1277
1987/11/10
¥760
解説

一国の首相でさえ、外見に左右される時代、
日本人も世界に通用する外観を身につけねばならないときがきています。

それにはベビーのうちに骨格から修正し、
すてきな顔型、頭の形、全身のプロポーションづくりをこころがけることです。

“うつぶせ寝”ならそれが可能だ、とこの本の著者は、
自らの苦い外国生活の体験と、長年の調査・観察にもとづいて、
美容家の立場から、確信をもって提案しています。

目次
  1. 寝かせ方で決まる未来の美人
    1. 骨格を決めるのは遺伝だけではない
    2. ポイントはうつぶせ寝
    3. 二十一世紀美人の条件
    4. 体験アンケート①
  2. 驚くべき“うつぶせ寝”の効果
    1. ベビーのボディはこう変わる
    2. 自立の精神・チャレンジする姿勢を育てる
    3. 体験アンケート②
  3. ベビーのビューティアップ作戦
    1. うつぶせ寝の五つのルール
    2. いまからでもおそくない
    3. 目で見るうつぶせ寝ベビーの発育記録
  4. ママへのメッセージ
    1. 行動的で魅力的な妊婦であること
    2. 自立型人間を育てるたくましいママになろう

内容

カリフォルニア大学医学部ジョージ・スミス医師からの手紙[P.10-12]

「大関早苗様

あなたの提案の、ベビーの頭の形は寝かせ方に関係があるのではないかというはなしは、
たいへん興味深いものです。あなたの美容家としての長い経験のなかでの観察の結果でしょう。
当地のメディカル・トレーニングでは、妊婦にベビーはうつぶせに寝かせるよう指導しています。
これはベビーがミルクを吐いたとき、むせたり肺に吸いこんだりしないためです。

うつぶせ寝と突然死の関係はありません。

また、同時に強調したいことは、もしベビーがつねにあお向けに寝ていると、
後頭部が平べったくなってしまうことです。
わたしは二年間日本に住みましたが、後頭部の平べったい日本人がふしぎでした。
それは、日本の習慣で、ベビーをあお向けに寝かせるからだと知りました。

この問題について、
『スポック博士の育児書』のなかで言及している部分があるのでコピーを送ります。
ほとんどの医師は美容の問題について無関心ですが、
同僚のUCLAの小児科医や新生物学者に相談したところ、
ベビーのときにあお向けに寝ることが平べったい頭の原因になることはよく知っていました。
この手紙がわたしたちの観察の再確認となれば、と思います」

うつぶせ寝アンケート[P.38-40]

さいわい夫の会社は世界の津々浦々にまで人を派遣しています。
駐在員の方がいるのだから奥さまがごいっしょのはず。
とすれば当然、ベビーも……。

わたしはつてをたよって、世界各地で暮らしている日本の方々や、
外国暮らしを経験された方々へアンケートをお願いしました。

その結果は、ますますわたしを勇気づけるものでした。
わたしと同じようなご意見をおもちの方から、
アンケートと同時にお手紙がつぎつぎに寄せられたのです。
ごく一部ですが、ご紹介しましょう。

アメリカのイリノイ州でふたりのお子さんを出産した、世田谷区の笹本啓子さんからは、
「先日、上司のお宅に子どもづれでうかがったところ、
奥さまはひと目見るなり“うつぶせ寝でしょう”とおっしゃいました。

この方には大学生と高校生の男の子がいらっしゃいますが、次男は海外で出産。
やはりうつぶせ寝だったため、日本生まれの長男とは体型にはっきりした差があるそうです。

なるほど次男の方は、おしりがキュッと上がっていました。

“海外で生まれ育ったお子さんは、みなさんそのようですよ”とのこと。

わたしも将来、おしりのキュッと上がった息子と街を歩きたいな、
とひそかにおもっているこのごろです」

というお便りが届きました。

二児をワシントンで出産された樺山綾子さんの場合は、
日本通のドクターがどちらでもよいといわれたにもかかわらず、
ご主人の熱心な希望で、うつぶせ寝に。
なんでも、ご主人の外国生まれの友人が頭の形、顔の形がいいのは、
うつぶせ寝のせいと信じておられたそうなのです。

「そのおかげで、五歳と三歳の息子たちはふたりとも頭の形がよく、
全体に整ったハンサムボーイに成長しております」とのこと。

アンケートやお便りにそえられた外国産の子どもたちの写真を見ると、
どれもこめかみのせまい、正面からはソラ豆のような形に見える顔です。
横顔は奥行きがあり、後頭部も形よく出ています。
そして、小さいながらもしっかりとした首と厚い胸をもち、
おしりもツンと突き出ているではありませんか。

自説がつぎつぎに証明されていくうれしさが、確信につながていきました。

いま、わたしは自信をもって主張します。

これから生まれる日本のベビーは、みんなうつぶせ寝で育ててほしい」と。

世界各国のベビーの寝かせ方[P.72-73]

①うつぶせ寝

欧米は、この寝かせ方がもっともポピュラーです。
ベビーを腹ばいに寝かせ、顔は左右どちらかに向けます。

②横向き寝

欧米の一部、なかでもドイツで用いられ日本でも最近、
この方法を採用しているところがあります。
背中にタオルなど(タイあたりでは細長い枕)を当て、横向きに寝かせます。

③あお向け

日本、中国など、東南アジア系の国に多い寝かせ方。
中国系の国ではベッドがかたいので、顔は自然に横向きになります。
日本はふとんが比較的やわらかいので、完全なあお向けが多い。
(最近はかた綿ぶとんがふえているので顔は横向きになりつつあります)

④抱き寝か、しょい寝

アフリカの、一夫多妻制度の残っている部族の寝かせ方。
人手が多いので、ベビーはいつもだれかの腕に抱かれるか、腰か背中にしょわれています。
(就寝時は別)

大関早苗のうつぶせ寝起源説[P.73-74]

なぜ、欧米ではうつぶせ寝、日本ではあお向け寝なのでしょう。
こう、お思いになる方も多いでしょう。
わたしもそのひとり。
もう、しつこいくらい、行く先々で「ホワイ?」と聞き歩いたのです。

医師や看護婦たちからでさえ、明確な答えを引き出すことはできませんでしたが、
欧米人は元来“狩猟民族”。
古代は動物と雑居に近い生活で、動物をつねに身近に感じていたからではないか、
とわたし自身は考えます。
うつぶせ寝とは、じつは人間をのぞいたほとんどのほ乳動物の、いちばん自然な寝姿です。

欧米人は人間も動物、したがって、ベビーはうつぶせで寝るもの、それが当然と考えています。
人間が立って歩くのはあたりまえだというのと同じで、
なぜ、うつぶせなのかと考える以前に、寝るときはうつぶせなのです。

あおむけ寝とうつぶせ寝の比較研究[P.78-79]

徳島大学医学部の橋本俊顕先生の分析によると、
新生児、未熟児とも、睡眠時間比はあお向けが六五~九八パーセント、
うつぶせは九〇~一〇〇パーセント。
睡眠中の静睡眠比も、うつぶせのほうがやや大きい、
手足などからだの動きは、うつぶせのほうがやや少ない。
呼吸に関しては、うつぶせ寝のほうがやや速くなるが、規則的で安定している。
呼吸を止める頻度も少なくなる、という結果が出ています。
(『第二四回日本小児神経学会総会抄録集』より)

これまで経験的にいわれていたことが、
小児医学の専門的な研究によって、あらためて確認されています。

うつぶせ寝のほうが、長く、深く、安定して眠る、という事実が――。

生後1ヵ月で首のすわった大関早苗の孫娘[P.79-80]

「アラッ!」

チェリーが生まれてひと月ちょっと。
十一月のはじめといえば、ロンドンはもうすっかり真冬です。
暖房のいきわたった家のなかで、
チェリーのアンヨをマッサージしていた娘が、とつぜん、
びっくりしたように叫び、抱き上げたベビーの首をさわっています。

抱き上げたとき、
えり首に当てた手のひらに、もうしっかりした感触があったというのです。
そういえば、はだかんぼの下半身にも、なんとなく骨組が感じられて、
フニャフニャのベビーというより一人前のベビーといった姿です。

「さあ、おっきしてごらんなさァい」

チェリーをいったん寝かせた娘は、
ベビーの両腕をしっかり持って、そっと引き起こしました。

「アッ、あぶない。まだ、首が……」

わたしの心配をよそに、チェリーはしっかりした首を、
ちゃんと両肩にそえるように起き上がったのです。

うつぶせ寝の子は首のすわりが早いと、
英国産のベビーをもつママたちは口をそろえていっていましたが、
わが家のベビーもそれをりっぱに証明してくれました。

うつぶせ寝ベビーの著しい成長速度[P.82-83]

マイペースのうつぶせ寝ベビーは個人差が激しく、いちがいには言えないのですが、

生後一か月
首がすわり始め、頭を持ち上げる時間と角度がしだいに大きくなり、
力強く床を蹴って向きを変えたりします。

生後二か月
握り拳に力を入れて両腕でしっかり胸を支え、
四十五度ぐらい起こすことができますが、まだ頭は左右に揺れます。

生後三か月
胸を起こす角度も九十度近くになり、支える握り拳もゆるんできます。

生後四~五か月
寝返りをうったり、お腹で全身を支え手足でバランスをとって
ヒコーキのようなポーズをして驚かせます。

生後六か月
モミジのように掌を開いて、やすやすと胸を支え、片手を伸ばして物をつかもうとします。
短時間ですが、ひとりですわっていられます。

いかがですか。
あお向け寝のベビーの場合、首のすわるのは三、四か月。
寝返りをうつのは、五、六か月。
うつぶせ寝のベビーのほうが確実に成長が早いのです。

この事実に着目した京都大学病院では、現在、未熟児にはうつぶせ寝を採用しています。
その結果、うつぶせ寝ベビーはミルクの消化がよいことや、
頭がたて長のよいスタイルになることが確認されています。
また、神経の発育、運動能力の発達も、あお向け寝ベビーより早いともいわれています。

うつぶせ寝させるタイの産院[P.85]

タイの産院を訪れたときのことです。
タイでは、日本と同様あお向け寝と聞いていたのに、
この病院ではベビーはうつぶせ寝。
例によって、わたしの「ホワイ?」にドクターはこう答えました。
「あお向け寝だと、顔がペッチャンコになっちゃうからね」

ベビーベッドの選び方[P.141]

ベッドのマットのかたさは、おとなが手で押してもほとんど沈みこまない、
ちょうどたたみを手で押したときのあの感触が目安です。
この上に、キルティングパッドを一枚。それでよいのです。

中略

和式ぶとんを使用される方は、かならずかた綿敷きぶとんを選ぶように。
それもできるだけ上等の、しっかりと綿の詰まったものを。
ベビーの一生の骨格のベースは、このふとんで決まる!といっても過言ではないのです。

病院でのあおむけ寝が原体験になってしまった大関早苗の孫娘[P.151-152]

娘は日本に帰国後、三女ナナを出産しました。
次女チェリーをロンドンで出産、うつぶせ寝が成長をうながし、
シェイプを美しくする成果をじゅうぶんに知っていましたから、
当然、お医者さまに、うつぶせに寝かせてくれるようにたのもうとしたのですが、
病院のふんいきはあまりにもあお向け寝一辺倒。
とうとういい出しかねて、ナナは入院中はずっとあお向けでした。
もちろん、娘は授乳時間のたびに顔を横に向け、
なるべく後頭部を圧迫しないよう、頭と顔のシェイプのビューティアップにつとめました。

退院後はもちろんうつぶせ寝
でもナナは生後一週間めにはもう、
うつぶせ寝よりあお向け寝のほうが好きなベビーになっていて、
娘はずいぶん気をもんでいました。

うつぶせ寝ルール集【大関早苗版】[P.232-233]

ルール1

敷ぶとんは固くて薄い、吸湿性の高いものを、頬を敷ぶとんにつけているのだから、
顔がもぐらないよう、アイロン台の固さを目安に。
固いほど修正効果がある。

ルール2

枕は絶対使わないこと(ドーナツ枕も)。

ルール3

頭のまわりを常にすっきりさせて、物を置かないこと。

 新生児から三か月までは、想像以上に本能的な動きが激しいので、
 敷布は裏側でしっかり固定、掛ぶとんの首まわりも。
 また、ベビーウエアの袖口は短めに。
 ミトンも避けること。
 そのかわり、ベビーの爪は常に短く。

ルール4

最初の一週間は目を離さない。うつぶせ寝ベビーは動きが激しいので。

 一か月はできるだけそばにいて、ベビーどんな動きをするか、
 自分の目で確かめると安心もできる。

ルール5

目を離す場合は、できたらサークル付きベビーベッドに。

 新生児でも前進、回転をくりかえすので、サークルがセイフティー・ゾーンになる。
 その場合、サークルにソフト・ガードの工夫がほしい(頭や手足をぶつけてもいいよう)。

ルール6

敷布が想像以上に汚れやすいので、まめにとりかえ、いつも清潔に。

ルール7

ハラハラ、ビクビク、ベビーを扱わないこと。

 ベビーの本能的生命力は、むしろ大人よりエネルギーが強い。
 ベビーを信じて、ママが自信をもつことが大切。

ルール8

他のベビーと決して比較しないこと。

 うつぶせ寝ベビーは発育が早いといっても、個人差が激しいもの。
 一喜一憂して、ベビーにふりまわされないこと。

ルール9

一日一回は、あお向けで遊ばせる時間を持とう。

 あお向けにすると、うつぶせ寝ベビーは不安がって泣くが、気にせず慣れさせよう。
 ひっくり返した逆の姿勢にして、内蔵を上にすることも必要。
 (逆にあお向け寝ベビーは、うつぶせ寝で遊ばせること)

ルール10

うつぶせ寝ベビーの基本は、動きと薄着だから、
常時、汗をかかせず寒からず、の室温をキープ。

うつぶせ寝の祖・大関早苗の述懐[P.234-235]

ロンドン生まれの孫の寝姿から受けたインスピレーションは天の啓示とも思える感動として、
その後の私をとりこにし、はや十一年の歳月が流れました。

今から四年前、まるで孤軍奮闘のような思いで書いた
『ベビーのうちにスタイルは決まる』の出版後は、案ずるより産むはやすしのとおり、
妊婦の方々は想像以上の理解を示してくださいました。
さらに産科の臨床医グループのご賛同の声も上がり、
ここに来て「選択」という形で希望を叶えてもらえる病院が増えています。
もちろん従来から腹臥位を選択できる病院は一部にありましたが。

仕事の生命をかけても、と播いた一粒の麦は、日本全国に芽を出し、
“うつぶせ寝っ子”としてすくすく成長しているという実例が、
次つぎに私のもとへもたらされています。
写真入りのママの真剣な報告には思わず涙ぐんでしまうほど。
「あなたのベビーは二十一世紀の子なのよ」という私の叫びにこたえてくださるかのように。
“うつぶせ寝”が日本の社会で市民権を得はじめたことが実感されます。

このたび、装丁も新たに改訂するにあたり、改めて振りかえれば、
私の“うつぶせ寝”臨床データも深まるとともに、社会状況の進展ぶりにも驚かされます。

『ベビーのうちにスタイルは決まる』の出版後は、
新聞や雑誌にとりあげられることが多くなり、育児情報誌が幾誌も創刊され、
“うつぶせ寝”特集記事も見られるようになりました。
ある若向き女性誌の「形よい三次元骨格は、0歳児のうつぶせ寝が基本」
などという見出しに至っては、大真面目にとりくんできた私には面くらいはしても、
若者にまで興味が及んだ事を喜びとして受けとめました。

それにもまして勇気づけられたのは、医学はもちろん、
人類学、動物学など各界の先生方からの声援でした。
「我々のグループでも実践にふみ切りました」
という産科臨床医の先生からのお手紙をいただいたときは、
確実に新世紀へ前進している時代の移り変わりを実感し、感無量だったものです。

また、ママからのお手紙で要望が多かった“うつぶせ寝ベビー専門用品”も近く市販の予定。

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