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書籍と雑誌の要約と解説

新・食べるな、危険!

『食べるな、危険』の改訂版

装丁
新・食べるな、危険! 新・食べるな、危険!
食品と暮らしの安全基金
講談社
ISBN4-06-212842-X
2005/09/05
¥1400
解説
食品の安全情報は、企業の広報室や行政の説明をもとに、
大学教授のコメントをつけて発信されているものがほとんどです。
しかし、これでは真実はわかりません。
企業も行政も肝心なことでときどきウソを言いますし、
大学教授は生産現場を知らないので、間違っているケースがよくあるのです。

本当のことは、何をさておいても現場に行かねばわからないのが普通です。
現場を見て、サンプルを取ってきて、検査して、ようやく真実の一端がわかるのです。
ところが、なかなか現場には到達できません。
もっとも困難だったアメリカ産リンゴのポストハーベスト農薬の取材では、
毎年、産地に入りながら、肝心なところを見ることができるまでに三年かかりました。

こうして集めた情報をまとめた『食べるな、危険!』のあとがきに
「特にスーパーの仕入れ担当者の方に読んでいただきたい」と書きました。
この念願がかなって、これまで出会った食品企業の方で、
『食べるな、危険!』を知らない人は一人もいませんでした。

その結果、指摘した問題点のいくつかはかなり急速に改善されたので、
私たちはスーパーの棚に並ぶ食品の表示が微妙に変わっていくのを楽しんでいました。

そうしているうちに表示制度が変更され、魚の干物や合びき肉など、
たくさんの食品の原料原産地表示が変わりました。

そこへ、『新・食べるな、危険!』を出版しようと講談社の豊田利男さんから提案があったので、
この三年間の新しい情報を盛り込みながら原稿を全面的に見直したのが本書です。

一四項目を新たに追加したり、ほぼ全面的に書き直しました。
そして、すべての項目に新しい情報をできる限り追加してあります。
ただ、私以外には現地取材に成功していないポストハーベスト農薬で、
その後も実情は変わっていないと思われる作物の場合には、
最新トピックを加筆しただけにとどめました。

また「オススメの安全な商品」として、三五の食品や生産者を紹介したので、
安全でおいしい食品を手に入れるのに非常に便利な本になっています。

目次
  1. 肉類
    1. アメリカ産牛肉
       BSE感染牛の肉骨粉入りのエサを食べている可能性がある
    2. 霜降り牛肉
       不自然なエサで作られる筋肉に脂肪が入った病的な肉
    3. 豚肉
       養豚場で薬が効かない強力な菌が生まれ、人に感染する
    4. ハム
       水で増量し、添加物と糖類がたっぷり
    5. 鶏肉
       密飼い飼育で耐性菌の汚染率ワースト1
    6. ブランド卵
       必要のない栄養素を与えてできた工場生産品
    7. 採卵鶏
       鳥インフルエンザが人に感染し五億人が死ぬという予測もある
    8. ★オススメの安全な商品★
      1. 農薬を使わない牧草を食べた興農ファームの牛肉と豚肉
      2. タスマニア島で育ったイオン「グリーンアイ」の牛肉
      3. 子豚にも抗生物質を使用していない「えばらハーブ豚 未来」
      4. 日光を浴びゆったり育った鹿児島渡辺バークシャー牧場の黒豚
      5. 微生物の力で健康に育てた米沢郷牧場の鶏肉
      6. 血筋のいい「大友地鶏」
      7. 抗生物質不使用の十文字チキンカンパニーの鶏肉
      8. 薬剤残留の心配がないアマタケの鶏肉
      9. 安全なエサと水で育ったトキワ養鶏の卵と豚肉
      10. 食べてもアレルギーが起きない花兄園の卵
      11. 飼育の技術力が高い秋川牧園の卵
      12. 売り切れ御免の奥田養鶏の自然卵
    9. 資料① 家畜や魚への抗生物質の投与は人への投与の2倍以上
  2. 魚介類
    1. 養殖魚
       鶏や豚をエサにし、抗生物質を投与される不自然な実態
    2. サケ・マス
       養殖ものには天然の五倍以上もの有害汚染物質PCBが蓄積
    3. マグロ
       エサをたっぷり与えられた成人病の蓄養マグロが急増中
    4. タイ・ハマチ
       養殖ものに奇形魚が多発。いまだに原因不明のものも
    5. 回転寿司
       ヒラメなど高級魚のネタは見ず知らずの魚であることも
    6. フグ
       養殖では劇物ホルマリンが違法に使い続けられていた
    7. イワシ・サンマ
       ダイオキシン汚染されたイワシよりサンマを
    8. スズキ・コハダ・アナゴ
       高濃度のダイオキシンで汚染されている魚たち
    9. 中国産ウナギ
       水銀や農薬に汚染されている
    10. エビ
       殻をむく手に付着した耐性菌が広まると命の危険
    11. 活魚
       水槽でおよぐ魚の多くは養殖もので複雑な流通で運ばれる
    12. 冷凍魚
       急速冷凍技術で獲れたてと変わらない鮮度
    13. アサリ・シジミ・ハマグリ
       毒を持つ貝が輸入され麻痺や下痢を引き起こす
    14. カキ
       鮮度がいいから安心とはいかないウイルスによる食中毒
    15. アジの干物
       見た目を良くするためだけに添加物が
    16. 練り製品・たらこ
       表示されていない添加物が腎臓や尿細管に障害を引き起こす
    17. ★オススメの安全な商品★
      1. 抗生物質とは無縁の「エコシュリンプ」
      2. 健康にのびのび育てた山田水産のウナギ蒲焼
      3. 生産履歴を徹底管理した東町漁業協同組合の養殖ブリ
      4. 三陸沖から直送される産直グループのとれたて近海魚
    18. 資料② 残留農薬の検査をしたい方はこちらへ
  3. 野菜
    1. ジャガイモ
       収穫前に劇物に指定された除草剤がまかれる
    2. トマト・キュウリ
       夕方農薬を散布されたものが翌朝出荷されている
    3. エノキ・シメジ・シイタケ
       危険な殺菌剤とカビ防止剤が使われている
    4. アスパラガス
       かつて除草剤を使っていたアメリカ産の謎
    5. セロリ・パセリ・シソ
       農薬が多く残留しているワースト3の野菜
    6. かいわれ・みつば・サラダ菜他
       河川の護岸工事が野菜からミネラルを奪った
    7. ホウレンソウ・コマツ菜
       胃ガンの原因となる硝酸性窒素が大量残留
    8. 中国野菜
       上海のスーパーには残留農薬を落とす専用の洗剤が売っていた
    9. 漬物
       不気味な色のものは化学薬品漬けになっている
    10. ★オススメの安全な商品★
      1. 樹で完熟させた旨みのある熊谷さんのトマト
      2. 全国へとれたてを発送する全国有機農法連絡会の野菜
      3. 阿蘇の大地が育んだどれみ村の有機野菜
  4. 果物
    1. オレンジ・グレープフルーツ
       カリフォルニアから最悪の添加物とともにやってくる
    2. レモン
       枯れ葉剤の主成分が検出された
    3. ミカン
       怖い発ガン性農薬を含むことも
    4. バナナ
       かつては発ガン性殺菌剤入りのプールに投げ込まれていた
    5. イチゴ
       輸入ものは一ヵ月たっても傷まないほどの殺菌剤が残留
    6. アメリカンチェリー・サクランボ
       日米ともに農薬残留、皮ごと食べる危険な果物

    7.  抗生物質の使用量が一年で三〇倍にも増えた和歌山県産
    8. リンゴ
       外国産と国内産の決定的な違いはポストハーベスト農薬の残留
    9. ★オススメの安全な商品★
      1. 柿の有機JAS認定を受けた松本農園の柿と梨
      2. 化学農薬を使わず育てた順子のいちご園のイチゴ
      3. 残留農薬の心配がない豊国園の桃
      4. 有機リンゴの創始者による神さんのリンゴ
    10. 資料③ 最も毒性の強い食品添加物はどれ?
  5. 穀類
    1. 無洗米
       とぎ汁が出ないから「環境にいい」は間違っている
    2. パン
       学校給食パンに神経毒性のある殺虫剤が大量に残留
    3. 食パン
       二〇年以上も前に発ガン性が確認された添加物を使用再開
    4. 小麦粉
       輸入ものは神経毒性と免疫毒性のある農薬が混入されている
    5. 麺類
       添加物と塩と残留農薬に注意
    6. カップ麺
       容器から環境ホルモン論争が行われた発ガン物質が溶け出す
    7. 雑穀(アワ・キビ・ヒエ)
       アレルギー治療食から殺虫剤が検出された
    8. ★オススメの安全な商品★
      1. 農薬を使わず育てた「けいじどんの米」
      2. 自家配合の肥料による栢森農産の有機米
      3. 卵・乳製品を使用していないびーはっぴぃの天然酵母パン
      4. 残留農薬の心配がない桜井食品の無糖ホットケーキミックス
    9. 資料④ 虫が死ぬアメリカ産の米。新たに検出された毒物の正体
  6. 加工食品
    1. フライドポテト
       農薬残留、遺伝子操作、有害物質など問題が発覚
    2. レトルトカレー
       胸焼けや胃もたれの原因は家庭で使わない豚脂・牛脂にある
    3. 弁当
       あったかいお弁当には発ガン物質が溶け出している
    4. ハチミツ
       抗生物質に汚染された天然食品
    5. ジャム
       メーカーによって果実含有量に大きな差が
    6. ★オススメの安全な商品★
      1. 自然食品本来の品質を保つ内海産かねだの海苔
  7. 調味料
    1. 醤油
       塩水で薄めたり、甘味料を加えたものが出回っている
    2. 焼肉のたれ・ドレッシング
       甘すぎるのは当たり前。砂糖や水あめが大量に含まれる
    3. 高級サラダオイル
       原料作物の収穫直前に大量の除草剤を散布
    4. 食用油
       遺伝子操作原料が使われているのに表示がされていない
    5. マーガリン
       心疾患の危険を増やすトランス脂肪酸が多量に含まれている
    6. ソース
       砂糖が全体の三分の一も含まれていた業界ぐるみの表示違反
    7. ★オススメの安全な商品★
      1. しぼりたての旨さが際立つ弓削多「吟醸純生しょうゆ」
      2. 有機栽培が作り出したイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのオリーブオイル
    8. 資料⑤ ソースの原材料、どのくらい野菜・果実が使われているの?
  8. 飲料
    1. オレンジジュース
       ポストハーベスト農薬が多量に残留
    2. 清涼飲料
       過剰な糖分をとらされペットボトル症候群(糖尿病)に
    3. ベビー飲料、コーヒー・紅茶飲料
       水分どころか糖分補給で赤ちゃんの虫歯が急増
    4. お茶
       添加物と残留農薬がたっぷり
    5. 紅茶
       有機塩素系農薬が残留し胎児への影響は深刻
    6. 牛乳
       牛の乳房炎が急増して黄色ブドウ球菌が混入
    7. ミネラルウォーター
       目的にあっていなければ資源とお金のムダ遣い
    8. ワイン
       悪酔いするのは添加されている亜硫酸塩が原因
    9. 日本酒
       格安パック酒で肝硬変かアルコール中毒へ一直線
    10. ★オススメの安全な商品★
      1. 自然と共生して作られた杉本園の有機緑茶
      2. 合成農薬も添加物も使わない水車むらの緑茶・紅茶
      3. 添加物は一切使用しない無茶々園の柑橘ジュース
      4. 農薬・添加物の心配がない八峰園のりんごジュース
    11. 資料⑥ 思わず笑みがこぼれてしまう極上の日本酒が手に入る酒屋
  9. 菓子類
    1. ポテトチップ
       「うす塩味」はあてにならない。「のり塩」より塩分多めのものも
    2. チョコレート
       生チョコ、準チョコに消費者はだまされるな
    3. あめ
       シュガーレスでもキシリトール入りでも虫歯になる
    4. ガム
       石油から合成されたプラスチックを噛んでいる
    5. アイス
       合成着色料が使われているものは買わない
    6. 和菓子
       着色料・保存料に注意を
    7. ★オススメの安全な商品★
      1. 自然の味や色を活かした菓房はら山の和菓子
  10. 健康食品
    1. 有機食品
       食べていない人は精子の数が半分
    2. 栄養補給食品
       ガン抑制を期待されたのにガンを増やしたベータカロチン
    3. タブレット・グミ
       ビタミンCの過剰摂取が尿管・腎臓結石の原因になる
    4. サプリメント
       添加物が多く、有害成分で死者も
    5. ドリンク剤
       スティックシュガー五本分の高カロリー
    6. 資料⑦ 知っておきたい、健康食品の分類
  11. 表示の見方・読み方
  12. スーパーの選び方
文献
  • 日本糖尿病学会『食品交換表』[P.187]
校正
  • グルタミン酸ナトリウムは、多くの加工食品に使われているので、特に危ない調味料ではない。[P.198]

内容

  1. 牧草飼育牛肉[P.17]
  2. 二〇〇二~〇三年に、東京とは都内のスーパー五店舗の鶏肉二一〇品を調査した。すると、七〇%の肉から食中毒を起こすカンピロバクター菌が検出され、そのうち五九%が抗生物質耐性菌だった。[P.24]
  3. 鶏は床の上にある糞をついばむので、再びおなかに入った菌は、途中で種類を変えられた抗生物質に出会い、その抗生物質にも耐性を持って、さらに強力な多剤耐性菌になっていく。[P.25]
  4. 「花兄園さんの卵だとアレルギーが起きない」と聞くと、エサから鶏を通じて卵に移行する物質の危険性について考えてきたことが、報われたと大須賀さんは思う。[P.39]
  5. 日本の抗生物質使用実態[P.42]
  6. 鮮度保持剤の成分は食品添加物のアスコルビン酸(ビタミンC)などで、特に害はないが、鮮魚へのこのような食品添加物の使用は、本来、禁止されている。[P.49]
  7. 輸入養殖エビの抗生物質残留問題[P.62]
  8. 干物には見た目を良くするための食品添加物が使用されている[P.72-73]
  9. 無添加干物「奥和」[P.73]
  10. 無添加カマボコ「こめや食品」[P.75]
  11. 廃棄物菌床栽培されている中国産シイタケ[P.89]
  12. フランス菓子協会から金メダルを授けられているパティシエの弓田亨氏は「日本の野菜は有機でも力がなくなった」というのである。[P.97]
  13. 欧米では、硝酸性窒素が多く残留するホウレンソウや地下水を用いたミルクの離乳食が原因での乳幼児の突然死が報告されている。[P.98]
  14. 農薬無法地帯中国[P.100-101]
  15. レモン戦争によりサンキスト社が1300億円の損失[P.112-113]
  16. 農薬を使わないとミカンは買い叩かれる[P.117]
  17. 胃もたれするレトルトカレー[P.164-165]
  18. ハチミツの抗生物質残留問題[P.168]
  19. アセスルファムカリウムは危険性が議論になっている甘味料ではないが、甘さに舌を慣らさない方がいい。[P.197]
  20. 添加茶(味の素混入茶)[P.198-199]
  21. ヨーロッパでワインを飲んでも何ともないのに、日本でワインを飲むと頭が痛くなる人がいる。これは、輸送中にワインが変質しないよう日本向けワインに、亜硫酸塩を多く入れているためである。[P.208]
  22. 石油ガム[P.224-225]
  23. 非有機食品は精子の量を減らす[P.232-233]
  24. ベータカロテンを摂り過ぎる癌になる[P.234-235]
  25. サプリメント死亡事件[P.239]

牧草飼育牛肉[P.17]

緑色の草をたっぷり食べて育つ牛がいる。
そういう牛の赤身肉が最も健康的である。

牛肉輸入自由化以降は衰退したが、かろうじて残っている牛もいる。
熊本の「くまもとあか牛」をはじめとする「あか牛」。
南部牛を改良した「短角牛たんかくぎゅう」は東北地方や北海道で飼育されている。
さらに、黒毛の「アンガス牛」が北海道にいる。

生協などの共同購入やインターネットで販売されている。

日本の抗生物質使用実態[P.42]

抗生物質の区分別使用量(純末換算/年間/トン)
家畜 養殖魚 作物
動物用医薬品 飼料添加物 動物用医薬品 農薬 医薬品
830 230 230 400 520

農水省、2001年/厚生省、1998年

佐藤謙一郎・衆議院議員の協力を得て、国に働きかけてきたところ、
二〇〇二年七月から八月にかけて、初めて数値が出てきた。

<中略>

上の表は二〇〇三年に農林水産省が公表した使用量の概要で、
新たに「農薬」への取り組みが重要であることが明確になっている。

輸入養殖エビの抗生物質残留問題[P.62]

インドやインドネシア産冷凍むき身エビに
抗生物質のオキシテトラサイクリンが残留していたことが、検疫所の検査で見つかっている。

フィリピン産のブラックタイガーからもオキシテトラサイクリンが東京都の検査で検出されている。

<中略>

実際に、エビ養殖によって、抗生物質が効かない耐性菌が現れているのか。
われわれは、順天堂大学細菌学教室に依頼して検査を行った。
すると、インドネシア、スリランカのブラックタイガーから、耐性菌が検出された。

干物には見た目を良くするための食品添加物が使用されている[P.72-73]

食品添加物の使用など必要ないと思われるが、
市販品には「酸化防止剤(エリソルビン酸Na、VC、VE)・pH調整剤・調味料(アミノ酸等)」
などの表示があり、添加物が使われていることがわかる。

何のために添加物を使うのだろうか。

調味料以外の添加物の主な使用目的は見た目を良くするためらしい。

干物の生産者が使うのは個別の添加物ではなくて、
添加物メーカーが販売している「水産用品質改良製剤」といったものである。

生産者はその説明書の指示にしたがって使用し、表示しているのだ。
説明書を見ると、「肉に赤の色調を強く出したい時は、多い目にお使いください」
などと記載されている製剤もある。

添加物を使わないとどうなるか。

味も鮮度もいいのに見てくれが悪く、スーパーなどではクレームになるという。

無添加干物「奥和」[P.73]

原材料は国内産、信頼のおける日本船が獲った九州沖対馬産のアジを使う。
対馬沖に回遊してくる四~六月ごろが一番脂がのり「マアジの旬」である。
この時期に一年分を仕入れる。

これを丁寧に開き、初めの水洗いは海水で行う。
次に塩水に漬けるが、ここで使う塩は天然にがりの入った沖縄の自然塩である。
まろやかな旨味を引き出すことができる。
次の水洗いの過程で、普通は食品添加物が加えられるが、奥和では一切使わない。

次は乾燥。昔は浜風、天日干しだった。今は乾燥機を使う。

三五度くらいの真夏の熱風を送って乾燥させるのが一般的なやり方だが、
奥和では、天日乾燥に最も適した一一月頃の気候に設定し、「涼風除湿乾燥」を行っている。

無添加カマボコ「こめや食品」[P.75]

静岡県由比ゆい町の「こめや食品」は、
さまざまな客の要望にこたえて段階的な生産を行っている。
なかでも要求の厳しいのは、生活クラブ生協で、原材料まですべて無添加、
遺伝子組み換え対策などが求められるという。

鮮度の良い原料であれば、重合リン酸塩を入れなくても、かまぼこは作れる。

保存料はもちろん、化学調味料も無添加である。
代わりに魚や駿河湾特産のサクラエビのエキスを使って旨みを出している。

廃棄物菌床栽培されている中国産シイタケ[P.89]

中国産は、生シイタケも乾シイタケも、ほとんどが菌床栽培されたものである。

中国産シイタケは以前から、二ヵ月近くたっても腐らない、
扱うときに目が痛くなる、異臭がする、と関係者の間で噂になっていたそうだ。

二〇〇〇年に、中国の輸入シイタケから、
国内ではほとんど検出されないヒ素、鉛、カドミウム、水銀などの重金属が検出され問題になった。
どうも、工業の産業廃棄物を菌床に用いたらしいのである。

重金属は様々な神経障害を引き起こす原因となる。

さらに、ホルムアルデヒドも驚くほど高濃度で検出されたことがある。

殺菌剤や防虫剤に使用されるホルムアルデヒドは動物実験で発ガン性が確認されており、
シックハウスの原因物質でもある。

もっとも、シイタケそのものにもホルムアルデヒドが含まれている。
しかし、天然のホルムアルデヒドは両が少ないから害にならない。

ところが、中国産シイタケから検出されたホルムアルデヒドの量は、
多いもので国産シイタケの数万倍あった。
今はかなり改善されてきているが、それでもまだ中国産の汚染度は高い。

農薬無法地帯中国[P.100-101]

われわれは、中国の農薬の実情を調べるために二度中国へ飛んだ。

<中略>

上海でスーパーに行くと、野菜洗い用の合成洗剤があり、
「清除残留農薬」、つまり、残留農薬が落とせる、と書いてあった。
そんな商品が六種類もあったのだ。

これでは、農薬は落ちたとしても、合成洗剤の残留という問題が発生するが、
中国の消費者はそんなことよりも、農薬を心配していた。

農村に出かけて農地を回ると、昼間は人がまばらだったが、
夕方になるといっせいに農民が田畑に現れ、農薬や化学肥料を撒き始めた。

農薬の危険性に関する意識は希薄で、水田には全員が素足で入っていた。
もちろん、手袋もしなければ、マスクもしていない。

<中略>

驚いたのは、ある市の農業指導部門を訪ねたときのことである。
われわれにたくさんの質問をするのは当然として、資料が出てこないのだ。
それはまだしも、農民を指導するチラシがまったく見当たらなかった。
日本なら、普段、農家に配っている資料は簡単にもらえるが、
なにも手に入らなかったのである。

ものすごい数の農民がいるのに、どうやって指導しているのか、
そこがまったくわからなかった。

レモン戦争によりサンキスト社が1300億円の損失[P.112-113]

日本でレモンを買って検査すると、2・4-Dが検出された。
そのデータをつけて、同年八月に映像を公表したら、大問題になり、レモンの価格は暴落した。
日本人は忘れやすいから、通常なら三ヵ月で価格は元に戻る。

だが、われわれが『ポストハーベスト農薬汚染』というビデオを制作してアピールしたところ、
レモンの価格は、なかなか上がらず、消費量は回復しなかった。

当時は、日本で売られているレモンはすべてサンキストだったから、
一社だけが大損したわけである。

一九九四年にサンキストの会長が来日して、一三〇〇億円も損したと、
食品と暮らしの安全基金を非難して回った。
しかし損害賠償請求などの法的な措置そちは取らなかった。
自分たちが日本の食品衛生法に違反しているのだから、そんなことはできなかったのだ。

2・4-Dの解釈をねじ曲げて合法化[P.113-114]

「2・4-Dの使用は食品衛生法違反ではないか」

佐藤謙一郎・衆議院議員を通じて衆議院議長から総理大臣に質問主意書を提出したことがある。
一九九八年のことで、回答は、総理大臣から答弁書として出てきた。

「2・4-Dについては、その使用目的が収穫後のへた落ち防止である場合には、
ご指摘の『保存を目的』として添加物には該当しない」

食品衛生法の定義では、添加物は「保存を目的」に使用するものとなっている。

「保存を目的」にへた落ち防止剤を使かっているのに、
へた落ち防止剤だから「へた落ち防止が目的」で「保存を目的」とはしていないと、
事実をねじ曲げて合法としたわけだ。

実は、アメリカ連邦規則に書かれた2・4-Dの使用目的には「殺菌」も含まれている。
それを出すと違法になるので、この点は意図的に無視して「へた落ち防止」に使われたと強弁し、
取り締まるのを避けてしまった。

農薬を使わないとミカンは買い叩かれる[P.117]

農薬の使用を減らすとどうなるか。

無茶々園(二一四ページ参照)の宇都宮広さんによると、見てくれが悪くなって、
市場出荷の時点で評価が低くなり、買い叩かれるという。

実は、見てくれさえ問わなければ、もともとミカン栽培に農薬はあまり必要ではないのである。
土作りがきちんとされて樹が健康に育っていれば、多少の菌や虫でやられてしまうことはない。

ただ、外観が悪くなる。それを嫌って農薬が使われるのだ。

胃もたれするレトルトカレー[P.164-165]

量は、若い男性にとってはもの足りないほど少ない。
それなのに、なぜか胃にもたれてゲップが出たり、胸焼けする人が多いのである。

しかも、昼食にレトルトカレーを食べると、夕方の五時過ぎになっても、
カレー味の胃液が上がってきて不快感を覚える。
いろいろな人に聞いてみると、半数近くが似たような体験をしている。

それにしても、なぜ、胃腸が少々おかしくなるのか。

<中略>

消化が悪くてゲップが出た可能性もある。
そうなら、油脂が原因かもしれない。

だが、今どき品質の悪い油脂が入っている人気商品などあるだろうか。

実は、ゲップがほとんど出ないレトルトカレーがある。
オリーブオイルなどの植物油だけを使っているレトルトカレーだ。
味もさっぱりしていて、健康に良さそうに仕上がっている。

レトルトカレーを食べると胸焼けや胃もたれする六人に、
ラード(豚脂)とヘット(ヘッド、牛脂)を含まないレトルトカレーを食べてもらった。
すると、一人にほんの少し症状が出ただけで、五人は何も症状が出なかった。

レトルトカレーが苦手という人が食べてこの結果だから、胃腸にやさしいカレーといえる。

ほとんどのレトルトカレーには、ラードとヘットが用いられている。
「食用油脂」や「混合油脂」とも表示されているが、この油脂で、
レトルトカレー独特のコッテリしたコクがでているのである。
これらは家庭ではまず使わない油脂だ。

ルーにもラードとヘットは入っている。
だが、ごく少量なので、あまり気にならない。

普段食べなれていない動物油脂がたくさん入っていることによって、
ゲップが出たり、胸焼けしたりしている可能性が高い。

ハチミツの抗生物質残留問題[P.168]

二〇〇四年、食品と暮らしの安全基金では五社の国産ハチミツを取り寄せ、
抗生物質残留検査を実施した。
その結果、一社からマクロライド系抗生物質のミロサマイシンが検出されたのである。

<中略>

日本のハチミツ自給率はわずか五・四%(二〇〇二年)。
年間消費量の八割以上を中国からの輸入に頼っている。
しかし、中国産のハチミツからは毎年のように残留抗生物質が検出されている。

添加茶(味の素混入茶)[P.198-199]

緑茶には、
「味の素」を代表とする化学調味料のグルタミン酸ナトリウムがふりかけられていたり、
農薬たっぷりのものもある。

化学調味料が使われている場合は、原材料に表示しなければならないが、
お茶のパッケージを見ても、原材料には、茶のみしか書いていないものがほとんどだ。

しかし、農家がお茶を出荷するときに添付する出荷表を見てみると(次ページ左上)、
原材料名に「茶、調味料(アミノ酸)、重炭酸アンモニュウム」と印刷してある。
調味料(アミノ酸)とは、グルタミン酸ナトリウムのことである。
重炭酸アンモニュウムや炭酸水素ナトリウム(重曹)を添加すると、色がきれいな緑色になる。
添加しない場合は、線で消すように、農家は指示されているそうだ。

グルタミン酸ナトリウムを混ぜ込んだお茶は、高く売れる。
安くてうまみのないお茶に、グルタミン酸ナトリウムをかけて、
高く販売している業者がいるのだ。
農家は原価の二割増しで業者に売り、業者は消費者に二倍から一〇倍の価格で売るという。

<中略>

厚生省(当時)に申し入れを行ったところ、立ち入り検査に入ったものの、
添加の証拠は見つけられず、「添加を行った場合は表示をすること」
という事務連絡をするにとどまった。

しかし、業界では大きな反響を呼んだ。
その静岡の会社では社長の指示で茶葉の加工を始める最初の工程で
グルタミン酸ナトリウムを混入していたと、知らせてきた人もいる。

全国茶商工業協同組合連合会(全茶連)は、添加茶を販売しないと申し合わせた。

だが、全茶連は最近の情報誌のなかで、「イエローカード」と題して、
再び添加茶の問題を取り上げている。

「自然な安心な日本茶のイメージを損なわないためにも茶業界の社会的使命に期待したい」

全茶連の姿勢は立派だが、やはり、まだこっそり添加をしている業者がいるわけである。

石油ガム[P.224-225]

ガムの主成分は、石油からできている。

キシリトールガムが大人気だが、このことを知ってんでいる人はどれだけいるのだろうか。

ガムは基本的に、無味無臭のガムベースに味や香りを付けたものである。

ガムを噛んでいると、だんだん味や香りがなくなっていくが、
これは、味や香りが唾液だえきに溶けてしまうからだ。

溶けずに口の中に残るのがガムベースで、これは樹脂である。

この樹脂は、かつては天然の植物性だった。
しかし、現在は石油から化学合成されたものが主成分として使われている。

<中略>

安定供給でき、値段も安い酢酸さくさんビニル樹脂というプラスチックが、
ガムベースとして使われているのだ。

酢酸ビニル樹脂といえば、日曜大工をする人には周知であろう。

接着剤の主成分なのである。
塗料にも酢酸ビニル樹脂が使われているものがある。

接着剤や塗料は、食品とは程遠い代物しろものだが、現在市販されているガムのガムベースは、この酢酸ビニル樹脂に、植物性樹脂のチクルをちょっと混ぜ合わせたものなのだ。

酢酸ビニル樹脂は、石油から作られていると書いたが、どのように作られるのか。

まず石油を精製してナフサ、灯油、軽油などに分ける。
そのうちのナフサを分解精製し、エチレンを作る。
エチレンを酸素と酢酸に反応させると酢酸ビニル(モノマー)ができる。

そしてこの酢酸ビニルをつなぎ合わせると、
ガムベースの原料である酢酸ビニル樹脂ができるのだ。

つなぎ合わせる前の酢酸ビニル(モノマー)は、
皮膚や粘膜、そして目に刺激を与える有害物質である。

一九九六年には、労働省(当時)によって発ガン性も認められた。
また、労働安全衛生法では、工場などで扱う際に、
労働省の曝露時間を短縮することなどが求められている。

酢酸ビニル(モノマー)は、厳重な注意のもとで扱わなくてはいけない、有害化学物質なのだ。

ガムの原料となる酢酸ビニル樹脂を製造しているメーカーは、
樹脂を作ったあと、残っているモノマーを除去しているようだが、
果たして完全に除去できているのだろうか。

そこが疑問なのである。

しかも、厚生省(当時)の通知によって、
五ppmまでモノマーが含まれていても違法にならないようになっている。

これでは、ガムに有害な酢酸ビニル(モノマー)が含まれているらしいと考えざるを得ない。

さらに、酢酸ビニル樹脂自体にも、動物実験で発ガン性が示唆しさされているのである。

<中略>

しかも、恐ろしいことに、フーセンガムのガムベースは、酢酸ビニル樹脂一〇〇%である。

膨らませたフーセンがすぐに破けないよう、酢酸ビニル樹脂のみを使っているのだ。

非有機食品は精子の量を減らす[P.232-233]

デンマークの精子研究グループが、
有機食品を食べている人は精子数がほぼ正常で、
食べていない人は半分くらいしか精子がない、
という研究結果を二度にわたって医学誌「ランセット」に発表している。

第一回は、デンマーク有機農家協会のメンバー三〇人の精液を調べた一九九四年の報告である。

有機栽培農家と関係者の精液の精子数は一ミリリットル中一億個だったのに対して、
普通の食生活をしている事務職約七〇人の平均値は五四〇〇万個だった。

事務職の人たちは、有機農家の半分くらいしか精子がなかったのだ。

もう一つは、デンマーク有機食品協会会員の精子を分析した一九九六年の報告である。

日常の食生活で少なくとも二五%以上を有機食品にしている五五人の精子数は、
一ミリリットル中九九〇〇万個だった。
これに対して、航空関係の仕事で普通の食生活をしている一四一人の平均値は、
六〇〇〇万個だった。

<中略>

日本人の若者の精子は、昔から一億といわれてきた。

ところが、帝京大学医学部の押尾茂博士が九七年にまとめた東京地区の若者三四人の調査では、
一ミリリットル中四四〇〇万個だった。若者より中年の精子が多いことも判明した。

うれしいニュースもある。

九州を本拠地にして中国地方に展開する
自然派の生協グリーンコープの職員八一人について調査したところ、
平均値は一億二九〇〇万個もあった。
減っているはずが、昔の通説よりはるかに多かったのだ。
精子数には地域差があるが、これは朗報である。

東京でも、自然派の生協・東京マイコープの職員は、
精子数が一般人の五割以上多いことが判明した。

日本でも、有機食品を食べ、エコロジー的な生活をしている人は、
精子があまり悪影響を受けていないということになる。

ベータカロテンを摂り過ぎる癌になる[P.234-235]

食品成分が健康にどのような効果を持つかを調べる機能因子の研究で
中心的役割を果たしている東京農業大学の渡邉晶元教授によると、
ベータカロチンの摂取量が不足していたときにベータカロチンを投与したら、
ガンを抑制する効果が明らかになった。

ところが、その後、一七万人もの調査で判明した事実は、
ベータカロチンを十分に多く摂るようになった人たちに、
さらにサプリメントでベータカロチンを投与すると、
投与しなかったグループより三〇%もガンにかかった人が多かったというのである。

ベータカロチンを適量に摂るとガン抑制の効果があるが、
過剰に摂るとガンを増やしてしまうという結果になったのだ。

渡邉教授が驚いたのは、それだけではなかった。
ガンが増えたグループのベータカロチン摂取量は、
ガン抑制に効果のあった量の三倍でしかなかったからである。

サプリメント死亡事件[P.239]

二〇〇二年の「御芝堂減肥㬵嚢」に続いて
〇五年の五月にも「天天素」というダイエット用サプリメントで死者が出た。
東京都の一〇代の女性は「天天素」を二ヵ月半服用して一三キロ減量したが、
不整脈による心不全で亡くなってしまったのだ。

「天天素」を飲んで、下痢、のどの渇き、動悸どうき
めまいなどを起こした被害者は一〇〇〇人を超えている。
そのほとんどが女性で、ネット通販でこの商品を手に入れていた。

ネット通販では、
一般市場に出ていない中国製ダイエットサプリメントを簡単に手に入れることができるが、
下剤の成分が入っていることが多い。
下痢で水分が排出されるから、体重は減るが、脂肪は燃焼していないから、
隊長が良くなるとすぐに体重は戻ってしまう。

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