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書籍と雑誌の要約と解説

母乳(岩波新書)

アンコール復刊

装丁
母乳(岩波新書) 母乳
山本高治郎(聖路加国際病院名誉医長/乳児保護協会理事)
岩波書店(岩波新書・黄版230)
ISBN4-00-420230-2
C0247
1983/05/20
¥630
解説

女神ヘラの乳房からほとばしる一条の乳の道――
天の河の伝説に代表されるように、
母乳は古来母性愛の象徴であった。
しかし現在、人工栄養の発達によって、
母乳だけで育てられる乳児は年ごとに少なくなってきている。
母乳と人工乳の違い、
母乳と免疫、母と子の絆を結ぶ授乳の役割等を説いて、
小児科医の立場から現代の子育てを批判する。

目次
  1. 母乳の自然史
    1. 進化と母乳
    2. 哺乳の起源
    3. 生きた化石
  2. 母乳と語り伝え
    1. 母神像の意味するもの
    2. 母乳と語り伝え
    3. 母乳と説話
    4. 文化人類学の教訓
    5. 伝承社会と母乳哺育
  3. 母乳哺育の衰退
    1. 乳母
    2. 人工栄養の登場
    3. 工業化と都市化
    4. 数字の示すもの
  4. 乳房の形としくみ
    1. 乳房の形態学
    2. 乳房を支配するもの
  5. 母乳、造物主の贈り物
    1. 母乳の化学――物質としての母乳
    2. 初乳の秘密
    3. 母乳の免疫能
    4. 母と子の絆
    5. 母乳と出産間隔
  6. 母乳栄養の実際――若いお母さんのために
文献
  • ダナ・テファエル『母乳哺育』[P.10]
  • A・ポルトマン『人間はどこまで動物か』[P.13]
  • クロード・ベルナール『実験医学序説』[P.23]
  • 松村龍雄『母乳主義』[P.27]
  • エリザベート・バダンテール『母性という神話』[P.54_78]
  • 河合雅雄『ミセス』「子性愛ということ」1981年3月号[P.56]
  • 斉藤茂吉『赤光』「死にたまふ母」[P.64]
  • デズモンド・モリス『裸のサル』[P.128]
  • M・H・クラウス&J・H・ケンネル『母と子の絆』[P.199]
  • マルセル・ルロン『育児学』[P.217]

内容

  • 乳汁組成表[P.20-25]
  • 山内逸郎博士が指摘されたところですが、これまでに測定されたすべての乳汁は等浸透圧(血液と同じ浸透圧)であるということです。[P.21]
  • 乳合わせ[P.37]
  • 湯ざましや糖液の類を与えて、脱水状態を予防しようとすることは、全く不要です。少なくとも、出生後四、五日のあいだの健康な新生児にはその必要は考えられません。[P.37]
  • 著者の育った農村では、離乳食の口うつしはごく普通に行なわれていました。[P.41]
  • 昭和の初頭まで親王や内親王が生まれると「乳人」の任命がありました。[P.42]
  • R・ソーザ、J・H・ケンネル、M・H・クラウスらは、グアテマラで、分娩室を出たばかりの母子を裸のままで、皮膚と皮膚を接触させながら四十五分間同じベッドの上で休ませる試みをしていますが、母乳哺育の成功率とその存続の期間は、このような試みをしない普通の方法でホスピタル・ケアを行なった母子に比べて、有意に高かったことを見ています。[P.56-57]
  • どのような形の乳房を美しいと評価するかは、カルチャーによって甚だしく異なります。[P.57]
  • 文字として残っている、母乳についての最も古い記録は、ハンムラビ法典とされます。[P.69]
  • 王家や天皇家、高位の人たち、金持ちなどの家庭では、母親は授乳せず、哺乳を身分の低い人たちに託することが、広く行なわれました。[P.71]
  • わが国でも徳川時代になりますと、大名はもちろんのこと富裕な商人たちは、乳母を雇いました。[P.74-75]
  • アジアの第三世界から英国に移民してきた女性たちは、その着衣を欧風にかえるのと同じ速度で、母乳を人工に切り換えたという話です。なぜ、そのようにするのかという質問に対して、あなたたちのするように、わたくしたちもするのです、という返事が戻ってきたということです。[P.110]
  • 母乳の脂質は一〇〇パーセント消化吸収されますが、活性度の高い脂質分解酵素が含まれているからです。[P.165]
  • 多発性硬化症牛乳説[P.166]
  • 人工栄養児は母乳栄養児に比べてくる病にかかりやすく、血液のカルシウム・イオン濃度が低下してテタニーという名のひきつけが起こりやすいのです。[P.168-169]
  • 人工栄養児に多い夏季熱[P.169-170]
  • 母乳は牛乳よりもはるかにミネラルの吸収率が高い[P.171-173]
  • 現在の育児用粉乳には、人工的にではありますが、ビタミン類の添加が行なわれていますから、人工栄養であってもビタミンのことについて特別神経質になることはないかも知れませんが、わたくしたちは自然の子であって、製薬工場でつくられたビタミンよりも天然のビタミンをとるのがよいことは、言うまでもありません。[P.173-174]
  • 乳児のくる病[P.175-176]
  • 母乳栄養児に頻発する遅発性ビタミンK欠乏症[P.177-178]
  • あらちち[P.182]
  • 母乳栄養児が病気にかかりにくいこと、かかっても致命率が低いことは、昔から体験によってわたくしたちが承知してきたところです。[P.183]
  • 母乳の制菌作用[P.185-186]
  • 最近の初期工業化社会において見られる急激な人口増加のひとつの原因は、抗生物質の発見にありますが、もうひとつは人工栄養法の開発、つまり母乳栄養の放棄にあるとして多分間違いなかろうとおもいます。[P.207]
  • 出産を、産褥をどのように看護するか、これほど医師や看護婦の行なっていること、考えていることがばらばらな状況は、医学の他の領域では類を見ないのではないかとおもいます。[P.212]
  • 生後七日以内は母乳以外のものを与えるのは有害無益です。[P.212]
  • 禁足し乳[P.220-221]
  • 離乳を始めるのは満四ヵ月前後、母乳をやめる月齢は、満九―一二ヵ月の間が適当であると筆者は考えています。[P.222]

乳汁組成表[P.20_25]

すべての哺乳類について、その乳汁組成が分析されているわけではありませんが、
わたくしの知るところでは、
R・ジュネスらの発表している約一四〇種のそれが最大のコレクションと思われます(二五ページ表1)。
そのうちの四九種が彼ら自信の測定になるもので、他は文献からの引用によって成立しています。

*

表1 主な哺乳類の乳汁組成(%)(Jenness,et al.より引用)
総固形成分 脂質 カゼイン 乳清蛋白 乳糖 灰分
単孔目 ハリモグラ 9.6 7.3 5.2 0.9
有袋目 コウモリネズミ 24.4 7.0 2.8 2.0 4.1
カンガルー 20.0 3.4 2.3 2.3 6.7 1.4
食虫目 キンモグラ 20.6 10.1 7.2 2.0 2.3
翼手目 コウモリ 34.4 18.9 11.1 3.7 0.7
ウサギ目 ウサギ 32.8 18.3 13.9 2.1 1.8
霊長目 アカゲザル 15.4 4.0 1.1 0.5 7.0
テナガザル 11.9 3.7 1.2 7.0 0.2
ヒト 12.4 3.8 0.4 0.6 7.0 0.2
げっ歯目 リス 39.6 24.7 5.0 2.4 3.7 1.0
ビーバー 33.0 19.8 9.0 2.2 2.0
イエネズミ 29.3 13.1 7.0 2.0 3.0 1.3
モルモット 16.4 3.9 6.6 1.5 3.0 0.8
食肉目 イヌ 23.5 12.9 5.8 2.1 3.1 1.2
オオカミ 23.1 9.6 9.2 3.4 1.2
クロクマ 44.5 24.5 8.8 5.7 0.4 1.8
シロクマ 47.6 33.1 7.1 3.8 0,3 1.4
ネコ 4.8 3.7 3.3 4.8 1.0
シシ 30.2 17.5 5.7 3.6 3.4
オットセイ 65.4 53.3 4.6 4.3 0.1 0.5
カリフォルニア
シーライオン
52.7 36.5 13.8 0.0 0.6
長鼻目 インドゾウ 21,9 11.6 1.9 3.0 4.7 0.7
奇蹄目 ウマ 11.2 1.9 1.3 1.2 6.2 0.5
クロサイ 8.1 0.0 1.1 0.3 6.1 0.3
偶蹄目 ブタ 18.8 6.8 2.8 2.0 5.5
カバ 11.5 3.5 5.3 4.3 0.8
ラクダ 15.0 5.4 2.9 1.0 5.1 0.7
ジラフ 22.9 12.5 4.8 0.8 3.4 0.9
オオシカ 33.1 16.9 11.5 2.8
ウシ 12.7 3.7 2.8 0.6 4.8 0.7
ヤギ 13.2 4.5 2.5 0.4 4.1 0.8
ヒツジ 19.3 7.4 4.6 0.9 4.8 1.0
鯨目 シャチ 41.7 33.0 3.9 2.9 1.1 0.7
イルカ 45.8 41.1 1.3 0.6
ナガスクジラ 57.1 42.3 7.2 3.7 1.3 1.4

乳合わせ[P.37]

わが国の風習で特異的なことは、「乳合わせ」の伝承です。
男の子とは女の子をもつ婦人から、女の子は男の子をもつ婦人から、
出生直後にもらい乳をする風習です。
母乳の分泌が悪いときにもらい乳をするのは当然ですが、
それが新生児全体に一般化し、そこに性別についての一項目が加わったという感じです。
今日なら湯ざましをのませるとか、人工乳を与えるとかの場面ですが、
出生直後にもらい乳をすることは、結果として初乳を棄てることになりますし、
乳親になる婦人と新生児とのあいだに感染のおこる危険も加わりますから、
悪習であったとしてよいでしょう。
地球上には、同じ村の婦人たちがかわるがわる新生児に乳を与えて、
村人の運命共同体としての結束を固める手段にする村落もあるということです。

多発性硬化症牛乳説[P.166]

多発性硬化症は、髄鞘が変性する病気ですが、
変性が何故におこるのかは全くわかっていません。
原因不明の疾患ですから多くの仮説が出されていますが、
そのうちのひとつに、乳児期における牛乳栄養によって
多量の飽和脂肪酸を摂取することがミエリン形成のまちがいを引起こし、
三〇年後に多発性硬化症として吹き出るのではないか、という説があります。
乳児期は髄鞘化が極めて活発に行なわれる時代ですから、
この仮説も充分に検討されねばならないと考える次第です。

人工栄養児に多い夏季熱[P.169-170]

母乳と牛乳とで同じ熱量
(つまり同じ量ということになりますが)をとったとしますと、
牛乳をのまされる赤ちゃんは、
多量の電解質をのむことを余儀なくされるということになります。
同様に多量の蛋白質をとることも強制されるわけです。
赤ん坊は、とりすぎた分は、腸管での吸収を拒否するか、
さもなければその未熟な腎臓で排泄しなくてはなりません。
蛋白質の余分は、尿素という窒素化合物に変えて腎臓から尿として排泄されますが、
赤ん坊の腎臓は、老人の腎臓と同じく、濃い尿をつくることができませんから、
人工栄養の赤ん坊は、母乳の赤ん坊より多量の水分を必要としています。
ところが、彼や彼女は、「ママ、お水!」という言葉をまだもっていません。
酷暑の際に乳児にみられる夏季熱という発熱が、
牛乳栄養児や粉乳を濃くとくお母さんの子に多いことは、
腎臓に対する溶質(腎臓が処理しなくてはならない水溶性物質)
の負荷が多いということと関連しているのです。
体は、体温を犠牲にして、血液の溶質の濃度、つまり浸透圧を正常に保とうとします。
そのために発汗を犠牲にしても、腎臓が必要とする水分の量を確保しようとするのです。
その結果が体温の上昇となります。
赤ちゃんに水分を与えて、ひと汗かかせると体温は急速に低下します。

母乳は牛乳よりもはるかにミネラルの吸収率が高い[P.171-173]

母乳栄養児は人工栄養児に比べて貧血になりにくいという臨床的な事実がありますが、
これは両者の間に鉄の吸収・利用あるいは生理的損失の程度に大きな差があるためです。

中略

ある研究によりますと、
人乳の場合は与えられた鉄の約五〇パーセントの吸収が可能ですが、
牛乳の場合には一〇パーセントにとどまるとのことです。
そして、育児用のエバミルクに加えられた鉄が吸収されるのは、
添加した量の四パーセント内外とされています。
人乳中に多量に存在する乳糖と、同じく多量に存在するラクトフェリン
(乳汁中に存在して鉄と結合する物質という意味があります)が、
人乳の鉄の吸収効率を挙げている要素と考えられますが、
詳しいことは今後の研究にまたねばなりません。

中略

また、鉄の場合と同じように、
人乳の亜鉛は牛乳の亜鉛よりもはるかによく吸収されます。

ところで、腸性肢端皮膚炎(acrodermatitis enteropahica)という名の、珍しい病気があります。
指先が赤くなる、脱毛、下痢、感染しやすい傾向などを主要症状とし、
感染症のために死亡することの多い非常に重い病気で、劣性遺伝をすると考えられています。
牛乳や粉乳で子どもを哺育する場合、乳児期早期からこの病気の症状が出現しますが、
母乳栄養児の場合には、母乳を中止したのちに症状が出現します。
この病気は、じつは亜鉛の欠乏症であることが一〇年ほど前にわかりました。
亜鉛を吸収するメカニズムに遺伝的な欠陥があるためにおこる病気であることがわかったのですが、
母乳が与えられている間は、
母乳に含まれる未知の因子が亜鉛の吸収を助けるために、症状が発現しないのです。

乳児のくる病[P.175-176]

ビタミンDは、ビタミンAと同じく脂溶性ですが、
A同様に母乳中にも牛乳中にも大量に含まれているとは言いがたいのです。
人間が自然の環境から都市のコンクリートの中に住居をかえたことから、
母親が日光にあたる機会が減り、母乳栄養児であっても軽いくる病
つまり軽症D欠乏症にかかることはあります。
最近の米国の小児科の教科書に、
わざわざ母乳栄養児にはくる病の危険があると述べられているのですが、
これは大変奇異な記載です。
米国で市販されている育児用のフォーミュラ(人工乳)には、
人工的にビタミンDが添加されているので、
人工栄養児には見られず母乳栄養児にその可能性があるということらしいのですが、
人工栄養児のくる病は重く母乳栄養児のそれは軽いというのが過去のわが国での定説でした。
昔は、母乳栄養児にも人工栄養児にも肝油をのませたのはそのためです。

母乳栄養児に頻発する遅発性ビタミンK欠乏症[P.177-178]

ここでどうしても触れておかなくてはならない事がらとして、ビタミンKの問題があります。
このビタミンは脂溶性のビタミンで、腸内に常住する大腸菌その他がつくってくれますから、
栄養学的には食品中におけるこのビタミンの量を問題にする必要はないのですが、
母乳栄養児の場合には問題があります。
このビタミンは胎盤を通じて母親から子どもに移行することがなく、
かつ生まれ落ちたときの新生児の腸管は無菌状態ですから、
新生児期にはこのビタミンの欠乏による、消化管出血がよくおこります。
血液の凝固が行なわれるためにはこのビタミンの存在が必須なのですが、
生後四、五日の頃にこのビタミンの欠乏がおこって、
赤ちゃんは、チョコレート色の吐物を出したり黒い便をしたりします。
これはビタミンKの欠乏によって消化管に出血がおこった症状です。
このビタミンを注射すると出血は直ちに止まります。
問題なのは、この時期の出血ではなくて、
生後二週すぎから生後一〇週の頃までの間にこのビタミンの欠乏によって出血のおこることがあることです。
新生時期に見られる早発性の欠乏症に対して、この出血は遅発性ビタミンK欠乏症と呼ばれますが、
非常に心配なのは遅発性のものでは症例の約八割に頭蓋内出血のおこることです。
そしてその症例の九五パーセント以上が、母乳栄養児なのです。

母乳栄養児の腸内では、乳酸菌が圧倒的多数に繁殖し、
大腸菌その他のビタミンKを産生する細菌類を抑えてしまうことが、
この欠乏症の主因です。
しかし、欧米では注目されていないこの異常が、
なぜわが国の母乳栄養児に多発するのか、現在のところ明らかではありません。
最近の調査では、母乳栄養児一七〇〇名について一名の割合でこの異常が起こるとされています。
だから、母乳栄養をやめて人工栄養にしなさい、とは言いません。
自然の行為、母乳哺育も病むことがあると了承していただきたいのです。

あらちち[P.182]

わが国では、古来初乳のことをあらちちと呼んできました。
外観が黄色く粘調であることから、昔の人たちは初乳を与えることを好まなかったようです。
第Ⅱ章で述べたように、あらちちは棄てて、
最初の授乳には比較的最近に子を産んだ女性からもらい乳をすることが多かったようです。

母乳の制菌作用[P.185-186]

人乳中には、ラクトフェリンと呼ばれる乳清蛋白質が存在することはすでに述べました。
初乳中には一〇〇ミリリットルについて七〇〇ミリグラムという大量が含まれます。
このものは鉄と結合する性質を持ち、
細菌類と鉄分を競合することによって細菌の発育を抑える性質、
静菌作用をもっていると考えられます。

人乳中には、ほかにライソザイム(リゾチームともいいます)と呼ぶ酵素が多量に含まれています。
牛乳の数百倍という量ですが、
この酵素は腸内細菌類やグラム陽性菌(ぶどう球菌など)の細胞壁を溶解する働きをもち、
ラクトフェリンと同じように胃で消化されることなく、腸に到達してその作用を発揮します。

その他、母乳の中にはビタミンB12と結びついて、
その生育にこのビタミンを必要とする細菌からこのビタミンをとりあげてその生育を許さない、
そういう働きをする蛋白質が存在することや、抗体の働きを助け、
その機能を決定的にする役割の補体類が含まれていること、などがわかっています。

これらの物質はすべて初乳中に非常に高濃度に存在し、
成熟乳に移行するにつれて減少しますが、
反対に乳汁分泌量が増えてゆくことによって濃度の減少が相殺される関係にあります。

禁足し乳[P.220-221]

すべての健康な新生児は、
生まれたときの体重の五ー一〇パーセントを失うものです。
最低に達するのは出生後四日頃です。
一〇パーセントをこえない限り、最初の七日間の間なら何もおこらないはずです。
この体重の減少は造物主の計算の仲にはいっているからです。
子どもが泣いたときその泣き声がすぐ聞こえるところにいて、
そのつど母乳を与えていれば、特別の事情のない限り母乳は自然にでてくるはずです。
足し乳をすることは、素晴らしい自然の贈り物である初乳を失うだけでなく、
永久に母の乳房を子どもから奪いとる危険につながります。
出産後二週間の時点で、出生時の体重にもどっていないとき、
人工乳を足すことを考えれば充分です。
人工乳の足し乳をすることは、現在ではきわめて容易なことですが、
それを実行に移すことが、大きな損失を招くということを考えねばなりません。
もしそのことについて小児科医と産科医、保健婦と相談して意見が分れた場合には、
多分足し乳を開始しないとする意見の方が正解であろうと思います。

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