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書籍と雑誌の要約と解説

防弾腹筋

鋼鉄板の腹筋を作る

装丁
防弾腹筋 アイアンマン3月号増刊防弾腹筋
IRONMANMAGAZINE BeyondCrunch
パベル・サッソーリン
Pavel Tsatsouline
株式会社フィットネススポーツ
ISBN0-11498-035-7
雑誌11498-3
2005/02/22
¥1500
目次
  1. より早く、より確実な結果を得るために、腹筋を完全にアイソレートさせるための方法
    1. 腹筋の解剖学
    2. 腹筋を鍛えるといわれるトレーニング器具
    3. 運動学の法則
    4. ヤンダ博士の発見
    5. アブパベライザーTMの登場
    6. アブパベライザーの正しい使い方
    7. Q&A
  2. 競技能力を高めるために、腹筋を他の筋肉と連動させるための方法
    1. ロシア式バレー脚
    2. いろいろなシットアップ
    3. シザーズ・シットアップ
    4. スイスボール・クランチ
    5. ジャックナイフ・プッシュアップ(ローラーを使ったやり方)
    6. ジャックナイフ・プッシュアップ(ローラーを使わないやり方)
    7. ジャックナイフ・プッシュアップ(スペツナズ・バージョン)
    8. ジャックナイフ・プッシュアップ(膝と肘を使うやり方)
    9. ワンハンド・ジャックナイフ・プッシュアップ(スペツナズ・スペシャル)
    10. ハンドウォーク・プッシュアップ
    11. ドラゴンフラッグ
  3. 脊柱を守り、胴部を強化するための方法
    1. フルコンタクト・ツイスト
    2. サクソン・サイドベンド
    3. スーツケーススタイル・ワンハンド・デッドリフト
  4. チャンピオンになるためのパワーブリージング法
    1. ろうそくの火を折り曲げる
    2. ろうそくの炎を吹き消す
    3. 肘を使って呼吸器筋肉を強化する
    4. アブパベライザーで行なってみよう
    5. バキューム法をマスターしよう
  5. Q&A

内容

腹筋運動の三大条件[P.8]

完璧な腹筋種目とは次の3つの条件を満たすような動作である。

①腹筋をアイソレートさせることができる種目
②下背部の痛みを軽減し、腰の屈曲筋を極力参加させずに行なうことのできる種目
③身体にとって自然な動きを繰り返すことのできる種目

クランチの正しいフォーム[P.9-10]

腰を痛めずに腹筋を刺激するためには、
できるだけ腹直筋の力だけで運動を行なうことが不可欠になる。
つまり、大腰筋をできるだけ収縮させず、
大腰筋をできるだけ運動に参加させずに腹直筋だけを収縮させるようにしたいわけだ。
そのためには可動範囲は非常に小さいが、脊柱をしっかり屈曲させるような動きが重要になり、
背中を丸め、ヘソを覗き込むようなクランチを行なうことが適しているのだ。

科学的根拠に基づいたヤンダシットアップ[P.11-12]

革命的とも言える発見をしたのがチェコスロバキアのウラジミル・ヤンダ博士だった。
ヤンダ博士は世界健康機構のリハビリ部門を補佐する人物で、
背中や腰の痛み、筋肉の機能分析や評価を行なう世界的に有名な人物である。

ヤンダ博士によると、シットアップやクランチを行なっているとき、
ある現象を起こすことによって
腰の屈曲筋を終始リラックスさせた状態で保つことができるのだそうだ。
つまり、特定の筋肉を収縮させると、その筋肉と対称に位置する筋肉が弛緩するというものだ。
この現象は運動高率を高めるために備わっているもので、
例えば車を運転するとき、アクセルとブレーキを同時に踏む人はいないはずだ。
その理由は車を走らせるという動作を効率良く行なうためであり、
できるだけ無駄にガソリンを消費しないためである。筋肉も同じだ。
表と裏の筋肉は裏を弛緩させることによって
表の筋肉はより確実に、しっかりと収縮することができる。
つまり、筋肉の収縮高率を高めるために表と裏の筋肉のどちらかが収縮するときに、
もう一方を弛緩させる働きが備わっているのだ。

腹筋を収縮させるときに、もし何かすることによって
腰の屈曲筋を運動に参加させずに腹筋だけを収縮させることができるはずだ。
そこでヤンダ博士は、
被験者たちに様々なフォームでシットアップやクランチを行なってもらうことにした。
どのようなフォームで行なえば、腰の屈曲筋を弛緩させることができるのかを調べたわけだ。
そうしてヤンダ氏が発見したのが、かかとの上方(ふくらはぎの下部)に手を当てて
シットアップやクランチを行なうというやり方であった。
被験者たちがシットアップやクランチを行なうとき、
膝を曲げ、パートナーに両手のひらをかかとの上方に当ててもらうことで、
膝の屈曲筋や腰の伸展筋(臀筋やハムストリングス)を作動させることができるようになり、
それによって腰の屈曲筋を弛緩させることができるようになったのだ。
つまり、腰の屈曲筋を弛緩させるために、その拮抗筋である腰の伸展筋を作動させ、
腰の伸展筋を作動させるためにパートナーはかかとの上方を手のひらで上方に引き上げるようにし、
トレーニーは上方に引き上げられる力に抵抗して足を地面から離さないようにする。
この結果、シットアップやクランチを行なっても腰の屈曲筋を弛緩させた状態で保つことができ、
下背部へのストレスが激減し、腰を痛めるようなことがなくなったのである。
もちろん、腰の屈曲筋が運動に参加しないから、純粋に腹直筋だけを収縮させ、
アイソレートさせることができるようになったわけだ【写真4】。

このやり方はヤンダ博士の名前をとってヤンダシットアップと命名された。

エリートアスリートですら腹筋は無いに等しい[P.26]

数年前、ジェイムス・ギャリック博士が
アメリカのジュニア体操選手たちの腹筋力をテストしたことがあった。
その結果、実に驚くべきことがわかったのだ。
ちなみに、いずれの選手も夏のオリンピックに全米代表として出場した経験を持つ
優秀なエリートスリートたちだ。
そんな彼らでさえ、クランチは5レップスしかできなかったのである。

ギャリック博士はアメリカのフィギアスケートチームやNFL、
サンフランシスコ・バレー団のメディカルアドバイザーを務めたことがある人物だ。
博士によると、この度の実験で得られた結果によってある大きな問題点が見つかったということだ。
その問題点とは「選手たちの腹筋は無いに等しいものだった。
彼らの腹筋は見た目に発達しているのだが、
見た目の筋肉と機能とがまったく合致していないのだ。
姿勢をしっかり支えるために、体操選手たちはいずれも機能的に強い腹筋を要するはずなのに、
彼らの腹筋はまったくと言っていいほど機能していない」と言うのである。

腹筋ストレッチの重要性[P.40]

そこまで本格的に腹筋の強化にこだわっていないという人であっても、
腹筋をストレッチさせることは決してムダなことではない。
というのも、どんな部位の筋肉にも言えることだが、
筋肉を収縮ばかりさせていると萎縮したまま固くなってしまうからだ。
筋肉が萎縮したまま固まってしまうと、普段でも不自然な姿勢しか作れなくなり、
身体のあちこちに痛みが起きたりしてしまう。
当然運動の可動域も狭くなるため、
筋肉の萎縮と硬化は何としてでも避けなくてはならないのである。

ブラジル柔術式ローラー腹筋運動[P.43]

可動域を限定するために、壁際に近い位置でこの種目を行なうようにし、
慣れてきたら少しずつ壁からの距離を広げていくというやり方もある。
こうすれば、最初は身体が伸びる前に行き止まりまでしかローラーを転がすことができないが、
少なくともその位置からスタートポジションに戻るまでの筋力を養っていくことができるはずだ。
そうやって少しずつ壁からの距離を広げていき、
最終的には完全に身体が伸びるまでローラーを転がしても、
そこからきっちりスタートポジションまで戻ることができるようになるはずだ。
最初は私もこのやり方を知らなかったのだが、
ブラジルの柔術家でシニア・ワールド・チャンピオンになった
スティーブ・マクセル氏に教えてもらったのだ。
行なってみてわかったのだが、力が尽きて背中が反ってしまうことも避けられるし、
安全に行なうことができるのでみなさんにもお勧めしたいと思う。

何度も繰り返すが、この種目を行なうときは絶対に背中を弓なりに反らせてはいけない。
背中は丸めた状態、もしくは平らな状態を維持し、
絶対に尻を突き出したり、背中を反らせたりしないこと。

外腹斜筋を鍛えるサクソン・サイドベンド[P.62-64]

この種目はドイツのストロングマン、アーサー・サクソンが好んで行なっていた種目である。
彼の身体は鋼のように強くて勇ましく、見た目だけでなく、誰もが圧倒されるような怪力を備えていた【写真80】。

この種目のやり方はこうだ。
まずは軽めのダンベルを2つ両手にそれぞれ保持する。
スタンディングの姿勢で、両手に保持したダンベルを頭上に押し上げる【写真81】。
ダンベルがない場合はプレートを両手にそれぞれ持って行なっても良い。
背筋を伸ばしたまま息を吸って真横に上体を倒していく【写真82】。
このとき、決して身体が前方に倒れないように注意しよう。
実際に真横に正確に倒してみると、上体は意外に倒れない。
倒れないから上体をやや前方に倒してしまいがちなのだが、
このような動きは脊柱を痛めるやり方になってしまうので、
決して無理に上体を倒そうとしなくてよい。
肝心なことは上体を真横に倒すことであり、どれだけ深く倒せるかではない。
もちろん上体を後方に捻りながら真横に倒すようなこともしてはいけない。
上体を捻らずにできる範囲で真横に倒したらそのままの上体をしばし保つ。
このとき、腹筋だけでなく、胴部全体、臀部をしっかり収縮させよう。
顔は正面に向け、頭を前方に倒さないこと。
なお、臀筋を収縮させることは非常に重要で、
臀筋を強く収縮させればさせるほど捻る動作を防止することができるはずだ。

ゆっくりスタートポジションに戻したら息を吐き、再び息を吸って、反対側に上体を倒す。
左右に1回ずつ倒して1レップの完了だ。
なお、この運動を行なう際、頭上に挙げたダンベルは絶えず一定の間隔を維持して保つこと。
上体を倒すと、倒した方向にダンベルも引きずられてしまいがちだが、
常に保持したダンベルは同じ状態で維持されるように努めよう。

ワークアウトの内容は1ヵ月ごとに増強しなければならない[P.86]

専門家たちに言われていることは、筋肉が特定の刺激に慣れるには4~6週間かかるのだそうだ。
つまり、それ以上同じ刺激を与えても、筋肉にとっては刺激にならず、
当然筋中では何の反応も起きないと言うことである。
筋肉が特定の刺激に慣れるということは、
“どうやらこの刺激はこの先もずっと変わらないみたいだぜ。
それなら別にそれ以上の刺激が与えられたときのことなど考える必要はないな”
とまあこんな具合だ。
筋肉がこのような状態になったら、少しでもワークアウトを変えてやらなくてはならない。
そうしなければ、筋中では何の反応も起きず、
ただエネルギーと時間を無駄に消費していくだけに終わってしまう。

ワークアウトを変えると言っても、丸ごとまったく新しいものに変える必要はない。
例えば、行なうセット数を変えたり、
扱う重量を増やしたりするだけでも筋肉は“ヤバい!”と感じるのだ。
あるいは、同じ部位を刺激する別の種目に入れ替えるやり方も“あり”だ。

腹筋運動は最後に行なう[P.90]

体幹部の筋肉は脊柱を保護する役割を担う重要な筋肉だ。
したがって、他の部位をワークアウトするために高重量を扱うつもりがあるならば、
最初に腹筋のワークアウトを行ない、
体幹部の筋肉を疲労させてしまうことはケガの原因になり得る。
腹筋のワークアウトを他の部位のワークアウトの前に行なうというやり方は、
少なくとも私は勧めない。

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