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ワクチノーシス

ワクチン病(予防接種病)のスーヤによる治療とホメオパシーによる病気の予防法について

装丁
ワクチノーシス ワクチノーシス(ホメオパシー古典シリーズ ハーネマン生誕250周年記念・第4弾)
J.コンプトン・バーネット[J.Compton Burnett](1840-1901)
由井寅子 監訳
ホメオパシー出版
ISBN4-946572-60-0
C3047
2005/10/20
¥1300
目次
  1. ワクチノーシスおよびスーヤ・オクシデンタリスによる治療、そしてホメオパシーによる病気の予防法について
    1. 予防接種がもつ防御力はどこにあるのか
    2. ワクチノーシスの形成
    3. 潜伏するワクチノーシス
    4. 症例
      1. 観察記録Ⅰ 深刻な症例――瀕死の赤ん坊
      2. 予防接種を受けた母親によって真に痘疹になった子供の症例
      3. 観察記録Ⅱ 急性ワクチノーシス
      4. 観察記録Ⅲ 濃庖性の皮疹
      5. 観察記録Ⅳ 濃庖性の発疹
      6. 観察記録Ⅴ 弟の症例
      7. 観察記録Ⅵ 二〇年来の眼窩神経痛
      8. 観察記録Ⅶ 九年来の慢性頭痛
      9. 観察記録Ⅷ 腫脹した腺・肺尖カタル
      10. 観察記録Ⅸ 顎に無毛の斑
      11. 観察記録Ⅹ 習慣的なインフルエンザ・全体の不調および頭痛
      12. 観察記録ⅩⅠ 顔や鼻のにきびおよび鼻の皮膚炎
      13. 観察記録ⅩⅡ 右眼の神経痛
      14. 観察記録ⅩⅢ 病的な指の爪の症例
      15. 観察記録ⅩⅣ 下垂症
      16. 観察記録ⅩⅤ 不全と麻痺
      17. 観察記録ⅩⅥ 脊髄の炎症
      18. 観察記録ⅩⅦ 書痙・頭痛・脾臓の肥大
      19. 観察記録ⅩⅧ 成長の停止および片側不全麻痺
      20. 観察記録ⅩⅨ 九年来の目の神経痛
      21. 観察記録ⅩⅩ
    5. バシライナムによる白癬の治癒をワクチノーシスが妨害する
    6. 同種予防法
    7. 同種予防法の本質
    8. 予防接種が偶発的な効果をもちながらも天然痘の死亡率が高くなりえるのか?
    9. ダイナミック同種予防法
  2. 日本のホメオパシーインフォメーション
校正
  1. 動物コース開設し→動物コースを開設し[P.135]

内容

ワクチノーシス[P.16-17_33-34]

ワクチノーシスという言葉は混種語だが、
スクロフューローシス(scrofulosis:腺病)、
チュバキュローシス(tuberculosis:結核)などをモデルに新しく作られた言葉である。
こんな造語を作ったのは、実用面を考え、
この言葉の代わりになるような言葉を純正な語形で作るのが困難だったからにほかならない。

中略

この小冊子が最初に印刷されてから一二年たった。
そしてその間、私は一貫してここに記載するとおりに病気の治療を行ってきた。
その結果は? 
ワクチノーシスが臨床上の真実であり、
かつ膨大な範囲を治療するものだと信じられない、
または信じようとしない人たちが、夢でも考えられないような成功である。

*

ワクチノーシスは恐るべき致命的な急性病として、
または慢性病として現れる可能性がある。
一般的な痘疹は急性ワクチノーシスに含まれなければならない。
ワクチノーシスという単語はドイツのホメオパシー用語として用いられるが、
一般にはほとんど知られていない。
私が知るかぎりでは、英語ではホメオパシーでも一般でも使われることがない。
予防接種反対派には「予防接種の副作用」、
「予防接種がもたらす結果」の症例などで非常に頻繁に使われている。
これらのほとんどがワクチノーシスの一般的な意味の範囲内ではあるのだが、
それは、これらが純粋なワクチン膿汁が原因で起こる結果を指す場合に限る。
われわれが純粋な肺病、純粋な梅毒、純粋な毒というように、
「純粋なワクチンリンパ液(痘苗)」がワクチン膿汁以外の何ものでもない
ということを忘れがちだということをここに注釈したい。
本来的な考え方としては、「純粋なワクチンリンパ液」はパンとバターのように無害である**

*訳注:グーロン著『スーヤ・オクシデンタリス』にて初めて使われる。

二重性[P.18_82]

二重性(病理上、明らかに識別される二つの異なる性質)の病気の場合、
病理上二つの性質を併せもつ一つのホメオパシーレメディーでないかぎり、
治癒させることはできない。

*

慢性病で適切なレメディー投与にもかかわらず障害があり、反応しない場合、
ハーネマンはまれに疥癬の可能性があり、
弟子たちに抗疥癬として最も効果が高いソーファーを介入させるよう勧めた。
これはほとんどの人にとって臨床上、貴重な助言として受け止められている。
これと同じようにワクチノーシスが障害となる場合があり、
それに対しては「同種療法薬」として、スーヤが最も効果的に作用することを発見した。

スーヤ・オクシデンタリス[P.41-42]

繰り返しになるが、まずは私がスーヤの臨床応用の発起者ではない。
それはボーニンハウゼンだと思う。
ホメオパシー上、天然痘そのものにスーヤ・オクシデンタリスを採用したのは彼である。
そしてクンケルやグーロンが、予防接種の副作用あるいは私が提唱する
「ワクチノーシス」に用いるようになった。
私が関心をもつきっかけとなったのは、デイヴィッド・ウィルソン医師の講義、
「スーヤの使用法」であり、後にスーヤに関するクンケル医師の冊子およびグーロン医師のモノグラフを熟読した。
これらが予防接種に対するダイナミックな解毒剤としてのスーヤの重要性を示した。

母乳の種痘汚染で痘疹になった乳児[P.47-49]

(『ニューイングランド医学広報』一八八三年六月号に記載された
ボストンのJ・T・ハリス医師の観察を付け加えよう。
私の主張を裏づけるため、すべてを引用した。以下に記す。

[一八八二年二月一三日、XXX氏の三歳と七か月の子供、
二人に予防接種をするため私は彼らの自宅に呼ばれた。
七か月の乳飲み子の頭部、顔、腕そして足がひどい湿疹(乳か)に覆われていた。
状態が悪化することを恐れ、その子には予防接種を行わなかった。
すでにつらい思いをしている乳飲み子に予防接種をすれば、
もっと発熱し、炎症もひどくなり、今以上の看病を要すると判断した。
三歳の子供も似たような状態だったが、彼女と母親には予防接種を実施した。
予防接種は体質上、さしたる影響を与えず、通常の経過をたどった。
予防接種から五日目にXXX夫人の具合が最も悪化した。
頭痛、背中に痛み、発熱そして寒け。
予防接種後の経過は普通だったが、通常より早かった。

三月一日、赤ん坊は熱があり、落ち着かず、常に付き添っていなければならなかった。
二日、子供に赤い吹き出物が数個出ているのを母親が発見した。
それが顔、腕そして足へと急速に増えた。
三月四日土曜日に、往診の依頼を受けた。
この時点で小さい吹き出物はおびただしい量となり、大きくなっていた。
輪紋が赤く、腫れているものもあった。
赤ん坊は三八度以上の熱があった。
「これはどういう病気なんでしょうか?」という問いに、
私は「わからない。天然痘でも水疱瘡でもない。
もう少し様子を見ないとなんともいえない」と答えた。

熱が出てから五日後の日曜日、ほとんどの小嚢にリンパ液が詰まった状態となり、
午後には臍窩を有する小嚢もあった。
湿疹でひどいあばたになった顔、腕や足に新たな発疹が増え、
新しい発疹は融合し、まるで天然痘のようだった。
この子供の病状の進行過程で輪郭がはっきりした円状の小嚢が五~六百は発症した。
注意深く診察した後、これは母乳から子供へ感染した痘疹だと判断した。
しかし万が一の間違いも許されない状況なため、この町の医師、
M・クロン氏に電話で症例を伝え、一緒に往診するようお願いし、
月曜日の朝に行くこととなった。
そして、ロクスバリーのマーチン医師およびチェルシーのカトラー医師も往診し、
非常に関心をもった。

月曜日、火曜日そして水曜日(六、七、八日)には顔、腕そして足の腫れがひどく、
(発疹が)つながった状態になっていた。
小さな患者は熱が高く、落ち着きがなかった。
七、八、九日には声がしわがれ、飲み込むのが困難になった。
九日以降はすべての症状が徐々になくなりはじめ、かさぶたの多くがすれ落ちた。
一七日目にはしつこいかさぶたが少しあるだけとなった。
使用したレメディーはアンチモニューム・タータリカムである。

五月一四日現在では、子供にはそれほど深くないあばたができた。
発疹が出た個所は融合し、まだかなり赤い。
しかし湿疹は完全に消えたようで、数週間後には肌がきれいに治ることが期待できる。
最初の数日は診断を下すのが難しかったが、今では不確定要素がなくなった。
この症例は母親から移ったワクチンの害が原因であると言明する。
母親が再度、予防接種した五日目に発作的な発熱が起き、
その一日後に発疹が出たことに注目すべきである。
赤ん坊が母親の痘疹が混じった母乳を飲んでから一四日後の反応といえよう。
ワクチンの害が組織全体に浸透できるのであれば、
悪いといわれるさまざまなものが
不健康で汚染された母乳から体内に入ることを恐れるべきではないのだろうか?]

予防接種によって重体になった乳児[P.51-53]

一八八一年八月二一日 
ミルクで育てられている五か月の男の子が私の元へ連れてこられた。
その男の子は一週間病気で苦しんでいるということだった。
激しい嘔吐、食欲減退、緑色の粘つく下痢。
子供は非常に調子が悪く見えた。
青白く、まぶたは垂れ下がり、舌は湿った何かに厚く覆われ、
高熱、喉は潰瘍がひどい、飲み込むのに痛みを伴い、
口蓋垂の前部には乾燥して裂けた大きなエンドウ豆ほどの開いた潰瘍が見えた。
喉がいちばんつらい個所で主訴だったため、母親が私のところおへ連れてきた。
目に見えて明らかなほど潰瘍がひどい喉は相当なようだった。
したがって、彼にケーライ・クロラタム 六Cの粉剤を一時間ごとに投与し、
暖炉に火を入れて暖かくし、窓を開けた状態にした部屋で安静にするよう指示した。

八月二二日 
電話で確認したところ容態には変化がなかった。
眠れぬ夜を過ごした。
非常に衰弱していたため、
ケーライ・フォスフォリカム 六Cとほかの薬剤を交互に与えた。

二三日 
衰弱はひどくなってはいないが、緑色の粘っこい下痢はまだ続いていた。
マーキュリー・アイオダムを投与した。

二四日 
舌を覆っていたものの左側が消えたが、
そのほかでは多少飲み込むことができるようになっただけで、
それ以外では目で確認できるほど変化したところはない。
赤ん坊はまだ非常に弱っていた。
母親は私を懇願するように見つめ、
心配する父親は診察する私の表情から何かを読み取ろうと食い入るように見つめていた。
赤ん坊は非常に青白く、病気がひどく、弱っていた。
しきりにすすり泣くような哀れな泣き声をあげている以外に確認できるものはなかった。
これほどの責任感がのしかかってきたことはなかった。
下水管を注意深く調査し、ミルク配達業者を変更して子供の病気の真の原因を追究したが、
何も手がかりは見つからなかった。
居住施設は衛生的で哺乳びんも清潔で何も病気の原因となるものはなかった。
そして突然、子供が予防接種をしたのだろうかと思いついた。
答えは「七月一二日にしていた」ということだった。
子供の腕の状態がひどく、その日から調子が悪くなったことを知った。
そして腕の状態は悪く、
ワクチンのかさぶたがすべてはがれ落ちた日から現在の症状が出たことも知った。
この事実は暗闇で模索していた病理上の真実に光りを投げかけ、理解できるようになった。
病気は明らかに発疹性であり、予防接種により喉、腸の粘膜に発疹が形成されたのである。
嘔吐や下痢、喉の痛みは小膿疱が裂け、中身を排出しはじめたころに生じ、
そして発熱も同時期に発症したのだった。
子供の生命体は、内部の粘膜に発疹を形成することによって
ワクチンの毒から解放されようと試みたのである。
子供が強い体質であれば単に皮膚の発疹ですんだであろう。
スーヤ・オクシデンタリス 三〇Cの粉剤一包を二時間ごとに(ほかの薬剤は併用せず)与えた。

二五日 
かなり良好で回復に向かっている(これは母親の意見だが、彼女の意見が最も的確であろう)。
「最初の粉剤を与えた直後から」よく寝るようになった。
スーヤの粉剤投与を継続する。

二八日 

さよならを言いに訪問したところ、
赤ん坊はまだ弱々しくはあったが具合はよさそうで機嫌もよく、母親の膝で遊んでいた。

ワクチンアクネ[P.75-76]

二〇歳くらいの若い女性が一八八二年一〇月二八日、
母親に連れられて私の診療所を訪れた。
患者の鼻はにきびだらけで赤い
(年老いた大酒飲みの鼻のようなのではなく、
消化不良やコルセットがきついためでもない)。
鼻から頬までの皮膚がにきびだらけでうろこ状の鼻皮膚炎だが、
頬の辺りはアクネのようだった。
鼻皮膚炎は馬の鞍のような形をしていた。
このような状態は痛々しく、
彼女や彼女の友人にとって屈辱的で不愉快なことは一目瞭然だった。
六年前からあるこの皮膚の状態は消える様子もなく、
このままでは彼女の将来の可能性を台なしにするであろう。
頑固な便秘にも悩まされているという。
鼻や顔のにきびは先が白くなるのがほとんどだった。
皮膚反応の原因を突き止めようとした過程で患者が六年前に予防接種の再接種を受けたことが判明したが、
鼻の状態がそれ以前からあったかどうか定かではないという。
この予防接種の再接種は失敗した、すなわち「根づかなかった」。

スーヤ・オクシデンタリス 三〇C。

一一月三〇日 顔のにきびは明らかによくなった。
鼻は以前ほど赤くない。便秘は相変わらず。

スーヤ・オクシデンタリス 一〇〇C。

一八八三年一月三日 顔のにきびがなくなった! 
母親が「彼女の調子は見違えるほどよいです」と喜んだ。
患者にどちらの粉末のほうが効果があったと思うかと聞いたところ
「最後のほう」と答えた。
鼻の皮膚は正常になったが便秘は治らず、現在も治療中である。

予防接種による半身不随[P.91-93]

一六歳のXXX氏(女性)は一八八三年五月一六日に私の元に連れてこられた。
彼女の状態は、口蓋がかなり湾曲し、顔の左側が左へ引きつり、
口が斜めになっていて、上手にしゃべれない。
滑舌が悪い。かなりの難聴。前からそうである。
左鼻孔にポリープ。扁桃腺がかなり肥大。
呼吸音が大きい。左の乳房が右より小さい。
胸部の左側が右側より小さい。
舌がひび割れている。何年も左側が痛む。
一二か月間も前頭部が痛い。
生理は正常、六か月前に初潮がああった。
生後三か月で予防接種を受けたが、根づかなく、
もう一度、両腕にして根づく。

この患者の両親はともに健康体で、
この患者に発育遅滞が起こるような要素は見受けられなかった。
予防接種による障害があるのは明らかだった。
この子供は帷一回目の予防接種が失敗し(生命体の抵抗により)、
二回目が根づいた(生命体が征服された)のである。

スーヤ・オクシデンタリス 三〇C。一日二滴を四週間。

さあ、その後に注目していただきたい。
この患者は生まれてまもなくから上記のような状態だったことをお忘れなく。

六月一三日 この母親が患者を連れ、次のように報告した(記録帳より)。
「全体的に非常によくなった。滑舌がよくなった! 
頭部や顔も片側に引きつらなくなり、聴覚もよくなった!」

両親ともにレメディーを投与してから調子がよくなったという。
父親は著明な専門家で母親は教養のある女性である。

繰り返し(スーヤ・オキシデンタリス 三〇C。一日二滴を四週間)。

七月一一日 頭痛がよくなった。片側の痛みもよくなった。全体的に調子がよい。
ワクチン障害がなくなったと判断し、
シアノーサス・アメリカナス 一Cを水に五滴入れ、朝晩とるよう処方する。
それを二か月継続する。
これは脾臓の肥大そして片側に障害が偏っていることに着目し、
それに効果的なものとして処方した。
左側の胸郭および左乳房が大きくなったことに対して失望ではなく安堵した。
シアノーサスは左側に偏った障害に対して想像どおり、効果的だった。

九月七日 左下肋部のしびれが増す現象はなくなった。
そして左側が明白によくなったことから、またスーヤに戻した。
今回は一〇〇Cで。

一〇月七日 この日の記録には、

「片側に偏った障害は好調である。
だが患者はスーヤ一〇〇Cの投与期間中、かなり苦しんだようだ。
滑舌は確実によくなり、言っていることが理解できるようになった。
聴覚もかなり改善した」。
現在も治療中でほかの根本レメディーを処方するつもりだが、
スーヤの作用がいちばん確かな効果をもたらした。
この患者の容態はワクチン障害による片側不全麻痺である。
彼女はもともと過敏な性質(特に神経組織が)をもっているがゆえに。